※この作品はR-18です。

輪廻の輪の転生ゼウス~前世知識に基づいてギリシア神話で穏便生存(?)ルートを目指したら…~   作:oosima

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今回、本作主人公とあのギリシャ神話一お堅い戦乙女(の同位体?)の、新たな冒険の舞台での生活の始まりが中心になります。
それに絡めて、新キャラも含まれますが二人の関係も(前回までよりかは)大人向け含めて関係が進みだします。


049 職場が変わっても仕事はしまいだし…

 ○神代 黒海某海底 ???○

 

「……ん? ここは…?」

 

 アマゾン国海岸部で新たな迷宮が発見され、その探索中に起きた巨大スライムとの戦闘及びそれが原因で起きたと思われる落盤や洪水に巻き込まれて数日後、神族の逃亡少年ゼウスを正体とする同国客将少年魔術師ユピタが意識を取り戻して目にしたのは、迷宮である洞窟の岩盤ではなく、前世で見た水族館の水槽と一体化している天窓のような青々とした水で敷き詰められた天井であった。

 

「…あ! 目を覚ましたんだな」

 

 そんなまだぼやけているユピタの視界へ最初に移った人物は、同じ迷宮で巨大スライムに捕まっていたアテナであった。

 

「…あ、アテナ…大事がなさそうな様子で良かった…。けれど…ここはーいったい…?」

「それなんだがな。俺もまだ知らないことが多いが…」

 

 その様子からしてユピタよりも先に目覚めていたらしいアテナが色々と説明する。

 あの新発見された海辺の迷宮における巨大スライムとの戦いで、ユピタはヘラの思わぬ助けもあって勝利でき、アテナ達の救助にも成功できたが、それまでの戦闘の影響なのか洞窟の地盤崩壊に巻き込まれて、海水の激流に引きずり込まれて海中へ迷い込んでしまった。

 そこで海中を漂っていた所、過去の天界の戦災から逃れてきた嘗ての天界の人々が築いたこの海底に位置する国の人々に発見されて救助されたらしい。

 ユピタと共に救助されたアテナは先に目を覚まし、そういった事情を説明されながらこの地で飯の分はすでに働き始めていたようだ。

 

「…なるほど、海界に住まう神族の都というわけか…。空が水で出来た天井のようで…そこにもここの住民の人々が飛ぶように速く泳いで…」

 

 そういった話を聞きながらユピタは立ち上がって自分が眠らされていた部屋の外に出ると、この世界でもとりわけ幻想的で美しい水で形作られた世界、その中に築かれた町やそこで暮らす人々が大勢いた。

 

「ああ、それでユピタ、目が覚めて体の調子が戻ったら…この地を収めるオピオン様が面会したいとおっしゃられていたが…」

「…! そうか…」

 

 その周囲の風景に浸りそうになっていたユピタをこわばりをもって現実へ引き戻したのは、アテナの言葉で告げられたこの地の有力者からの呼びかけと、その名であった。

 

 

 

 

 

 ○神代 黒海某沿岸 アマゾン国南部 海岸地帯 海岸新迷宮○

 

「…こっちの瓦礫を除けて!」

「三番目の拠点はー…」

 

 ユピタが目を覚ました頃、彼とアテナが巨大スライムと交戦した地にて崩落に巻き込まれた迷宮のその現場では、後から救助作業に来たアマゾネス達が活動していた。

 

「…あ、あのー…どうですかー?」

「………」

 

 その中心に、占いに用いるコマやそれが点在する盤を前に祈りをするメディア、彼女の傍らで心配そうな顔で見守るヘラの姿があった。

 

「…うむ、さっきのと同じだな…

「…そ、それでは…!」

「全員生きて脱出できたお前たちと違い、未だに姿すら見つからないあの二人は…まだ何処かで強く生きている反応を示している…」

「…! そうですか…!」

 

 そして、メディアのその占いの結果を受けて、ヘラの表情に浮かぶ不安の色は大分薄らいだ。

 

 

 

 

 

 ○神代 海界 黒海某海底 オピオン国 王都○

 

「…アテナ―! 今度はそっちの海藻を切り取ってー!」

「わかったー!」

 

 メディアとアテナのそのようなやり取りから数日後、その探されている二人であるユピタとアテナは迷い込んで助けられた海界の国の一角で働いていた。

 二人が働いているそこは、この海界に位置するこの国のあちこちで生えて雑草みたいな扱いをされて迷惑がられている海藻が大量に生えている場所で、二人はそれらを刈り取りつつも一か所に集めていっていた。

 

「…よし、じゃーこれをいつもみたいに洗おう」

「ああ、わかった…ンン!」

 

 その集まった海藻の山に向けて、ユピタとアテナは片手を向け、もう片方の手を背面の壁状に広がる海面へ触れさせると、海藻の山に向けて二人の手から真水が猛烈な勢いで噴き出て浴びせられた。

 

「…しかし、地上と違ってここはあの嫌な盗み見てくるような強い気配が全くないから色々魔術を試せて良いな」

「まあ、他にも周りが海だから水と塩の原料には困らないのが良いよね」

 

 そうした真水はユピタとアテナが周囲の海水を自分の魔術を濾過機代わりにして繰り出したもので、二人の足元に敷かれた布の上には塩と他の不純物が精製されていっていた。

 

「…よし、じゃー綺麗にしたこの海藻を細かく切り刻みまくってー…」

「他にも濃度を調整してだな…」

「そうそう、それでこっちの平たく加工した石板の中にある真四角のこれまた底を平たくした窪地に細かく切り刻んだ海藻を流し込んで」

「次に魔術で今度は逆に成長を促してー…」

「ある程度育ったから止めよう」

「…それから魔術で水分を抜いたり焼いたりしてだったな。それでー…」

「…あ、表面がざらざらしたから岩から剥いてー…」

 

 それからユピタの前世知識とその足りない分を魔術で補う複合作業で海藻の加工作業は進んでいき、やがて緑を帯びた黒い板状のものが大量に製造されていった。

 

「…よし、出来た」

「それで味はー…ああ、今日も自然な塩気がして美味しいな」

 

 そして、出来たその薄い板状のものを二人が口に運ぶと、パリッとした軽い音を添えてそれは噛み千切られ、クシャクシャとした咀嚼音と共に二人の顔を綻ばせた。

 

「ユピタさんにアテナさーん、今日の分は出来ましたかー?」

「あ、出来ましたよー。今日の分の“海苔(のり)”がー」

 

 そこでこの海界に住まう住民達が色々な品を持って現れてきて、ユピタは自分達が作った海苔を広げて見せた。

 

「…いやー、まさかさーあの無駄に伸びまくって日光を遮るしかない雑草がこんなおいしいものに変わるなんてねー」

「あ、ちょっとあんたそれ多く持って行き過ぎよ」

「僕ーこれーもって来たー」

 

 そして、海界の住民達はそれぞれ持ってきた品々をユピタ達が作った海苔と交換し始めた。

 始まりは数日前のこと、この地を収める神族の長に面会して色々事情を話し合ったユピタ達は、今は海流が変化して猛烈な勢いになった影響でしばらくは地上に出られないのが分かったので、それが収まって地上へ戻れるようになるまでの間は何か働こうと考えたのが始まりだった。

 そこで割り当てられたのが、この海底の都で雑草扱いになっている海藻の処理で、ユピタとアテナは住民から習った水の魔術で穏やかな方の海中を泳いで、都の日照量を減らすそれらを刈り取るも、それの処分でユピタが勿体ないと覚えて何か使い道がないと考えたら前世海苔のことを思い出したのである。

 本来なら日で干したりなどもっと複雑で大規模な工程が必要だが、ユピタの豊富な前世知識でもそこまでは把握できていなかったので、その辺はこの地で学んだ水の魔術も含めたそれらを改良しながら使用して、前世の記憶にある味に近い状態で海苔を再現することに成功できたのだ。

 これを見た海界の住民達は当初は何をしているのだと奇妙がっていたが、出来た海苔を試食して美味しそうな様子の二人を見て興味半分で口にしてみたら、予想以上に大うけしたので今では自分達が扱う品と交換しに来る人が続出したのである。

 はじめ、ユピタは前世の記憶で海藻やそれを原料とする海苔を消化できるのは、長年それも口にする食文化を持つ日本人など一部だけで、欧米人は口にしたら消化できず腹をこわすというのを知っていたので初めは躊躇していたが、一応試食などで試してみたら前世の現代人よりも衛生的理由などで頑健な身が多いこの神代人達は平気で美味い美味いと口にし、魔術で胃腸などを調べてみても普通に消化できていたので、今では交易みたいな感じで彼らにも出回るようになっていた。

 

「…よし、今日の交換も終わったなー。でもーなんか最初よりかはたくさん作れるようになったからってこんなに貰ってもいいのかなって感じに量が増えたけど…」

「まあ、いつまでここに居ないといけないかわからないから生活の品は大いに越したことはないだろう。とりあえず家に帰って整理しよう」

 

 数時間後、作った海苔の量に比べて多そうに見える交換した品を、アテナとユピタは家に運んで整理した。

 

「…今日の飯は俺が作るからお前は先に身を洗いながら後で俺もそれが出来る準備をしてくれ」

「うん、ありがとう。洗濯もしとくよー」

 

 そして、荷物を整理すると二人はそれぞれ家の内と外にそれぞれ分かれた。

 

「…あ~~~~♪ 魔術が堂々使えるなんて本当に便利~♪ 生活の質が前のへ一気に引き上げられるという感じ~♪」

 

 数分後、ユピタは魔術で洗濯物を浮かして、それと自分の頭上に小雲を浮かばせて浄化作用を持つ温水の雨を降らせて洗濯と風呂を同時に心地よく進めていた。

 

「あら、ユピタ君は今日もご機嫌ね。あの子が羨ましいわ」

 

 そうして今の自宅の隣りにて魔術の雲で作った簡易シャワールームでご機嫌良好だったユピタに、この海界に重なって見える青いウェーブロングヘア―に深い青色の大きな瞳が似合う美女が声をかけてきた。

 

「あ、こんにちわテティスさん」

 

 ユピタが振り返ったその美女はテティス。

 この町に住まう水域の神族の一人である女神で、ユピタの記憶通りならトロイア戦争で活躍したほぼ不死身の戦士アキレウスの母親となる美女だ。

 また予知能力の一種を併せ持ち、ユピタとアテナが海辺の迷宮での落盤事故で海界へ漂流してしまった直後に救助されたのも、彼女がこの町の警備隊に誰かが漂流してくると警告を発していたのも大きかった。

 

「今日もお疲れ様ねー。あれだけ働いた後でその風呂に入るのって気持ちいでしょー」

「まー、水には困らないから…!?」

 

 恩人であり、この地に迷い込んできてから色々と教えてくれて生活の支援もしてくれたテティスに、ユピタは感謝と信頼を抱いているが、流水が流れるその背筋に優しくも妖しい指がすっとなぞられてきた。

 

「…でもさー、仕事の熱は癒せてもー男としての熱は別なんじゃない?」

「え、えーーっとテティスさん…そ、それはどういう意味でー…!?」

 

 ユピタがぎこちなく背後を振り返ると、そこには優しくも魅惑的な微笑みのメティスが自身の背筋に指をなぞらせて徐々に下げていっている姿があった。

 

「…君達が意識を取り戻す前にその治療のため体を色々と見させてもらったんだけどー、アテナちゃんはともかくあなたはあっちの色からしてもう男の子じゃないしー、何よりその背丈に比べてすごくご立派なものしてたじゃない。それだけ若くてもう女性を知ってる身なのに、アテナちゃんはまだ生娘のままなのを考えると—…こっちはもう相当無理をしてるんじゃないかしらー?」

「…ぅぐ…」

 

 それはすなわち言動と合わせて、自分が意識を失っている間にその裸体、特に愚息のことも調査済みたということを示しており、アマゾン国での連日種馬生活から急に異国での健全客人生活に切り替えさせられた好色雷神同位体(?)ボディはそれを見すこした指の動きにムクムクと反応して久しぶりに再起動しだした。

 

「(…ま、まずい! アマゾンにいた時は毎日子種を貰ってくれる子がいたからよほどのことがない限り(?)はこっちの制止の前には大人しくなった愚息がぁここで溜まってた分もあってフルスロットル制御激ムズ状態へ! これで突き上がる熱に押されていつもなら回避も防御も出来る女性の指を避けられない! な、何とかテティスさんに自制をー!)あ、当たり前じゃないですか…! 事故で流れてきた身で助けてくれた人々に手を出すわけがー…!」

「でもさー、ここに居る若い娘の結構な数があなたにもう首ったけよー。背丈はあれだけどそれも可愛い点になっててかっこよくて強くて優しくて賢くて甲斐性もあるこんな良い男の子なんだからー。もう何人かどうやって誘惑するかって作戦立ててる子もいるしー」

「あ…アアァぁぁぁぁ…(あ、あかん…こ、この感じ…ヴィー…アフロディーテみたいで…な、何とか策をー…)そ、そんなことは言っててもテティスさん自身は…まだ処―――」

 

 そのスリスリと煽ってくる指の動きに釣られて、愚息がギギギっと背後のメティス目がけてぎこちないが抗えない力強さで穂先を変えて体の前面を引きずる中、ユピタは何とか抗おうと彼女の匂いや感じからして気付いたその事実で阻止しようとするが、そこで幸か不幸か救いの女神が現れた。

 

「おい、ユピター飯が出来たぞー…」

「―――じょ…あ」

 

 外部からの視界を遮るための湯気を片手で払いつつ、何も知らないアテナがその葛藤の場に横入りしてきたその姿に、ユピタは緊張の糸とそれに絡めて下半身の制御を保っていた最後の理性の一本がブツっと切れてしまった。

 

「…お…え!?」

 

 アテナがその横入りしてきた位置から、湯気が晴れた先にあった隆々としているユピタの男根を真正面から視認してしまったその直後、その先端よりドバっと全ての楔より解放されて吹き出てきた子種汁が彼女の白い素肌に広範囲の濁りを与えた。

 

(………やっちゃった…)

 

 数時間後、食事をやけ食いし終えたユピタは今の借り家にある自分のベッドに頭から突っ込んでどんよりとしていた。

 シャワータイムの途中でからかってきたテティスの誘惑で愚息を暴発させてしまい、その子種汁で食事を報せに来たアテナを淫猥に濡らし、彼女を無言ながら真っ赤にさせて意識を奪ったという真似なんてしたのだから、前世現代倫理が強く残る性格からすれば当然である。

 

(…あそこでぶっ倒れてから意識を失ったままで今は綺麗に拭いて隣の部屋のベッドで寝かせてあるけどこれからどうする!? まず逃げー…それはあまりに屑だから駄目! けれどこのまま残ったらどう謝ればー!? こうしてぐずぐずしている間に思い出した神話の情報によればーたしかアテナって子は機織り勝負で負けた腹いせに相手の子に呪いをかけて蜘蛛にしたくらいにプライド高い危ない子らしいし!? どどどどうすれば―――!?)

 

 そうしてベッドに仰向けになってユピタが必死に今後の身の振りについて思考を回転させていると、隣の部屋から盛大に木材が大きくべきべきっとへし折られる音が響いてきた。

 

(―――こ、この音は確かアマゾンで彼女が木を切り倒したり加工したりしてる時に出てる音そのもの!? つ、ついに目が覚めたのか!? この足音からしてこっちに向かって来ているのは明白! この時間のこの状態でこちらに来る理由は一番可能性が高いのは報復! 海辺で二人っきりになった時は甘い感じのもあったけどあれはまだアマゾン国の状況や彼女も余裕(?)があったからのこそのもの! こっちの余裕があんまりまだ回復してない状況で昼間のあれみたいなことをしたら女性として怒って何かやり返そうとするのは当然で…えってああーー! つつつついに来たー! 鏡に映るこのシルエットからして間違いないー!)

 

 それらの音にユピタがベッドの上に固まって動けないまま必死に打開策を模索していると、ついに部屋の扉が開かれてその今もっとも恐れる人物がその部屋に入ってきた。

 

「…お、おい…ユピタ…そのー…言い辛いのだがー…さっき寝返り打ったせいで寝台が壊れたからー…お前のそれをー…一晩でいいから一緒に使わせてくれないか…?」

「…え?」

 

 そうして入ってきた人物、アテナが枕を片手に赤らめた顔で視線を揺らしながら入ってきた姿とその言葉に、姿見越しながらユピタは戸惑った。




二人の関係が進んで大人向け要素が戻ると言っておきながら、色々詰め込み過ぎてしまってこの程度に留まってしまって申し訳ありません。
次回こそは、濃厚な夜の場面が戻る予定です。
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