※この作品はR-18です。

輪廻の輪の転生ゼウス~前世知識に基づいてギリシア神話で穏便生存(?)ルートを目指したら…~   作:oosima

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今回は、前回の終わりで示されたユピタ君のノクターンらしいお目覚めをした時の状況の解説が中心になります。
それに絡めて大人向け要素は薄目(?)です。


061 恋愛事情は早く進むこともあるけど…

 ○神代 黒海某沿岸地帯 山岳密林地域 ニュンペー・ナイアス族集落○

 

「……あ? あれ…? どこだろうここ…? え…周りを見たことがない人たちが…?」

 

 神族の逃亡少年ゼウスを正体とするも、身を寄せているアマゾン国を襲ったコカトリスを撃退するがその毒に犯されてしまい、紆余曲折あって意識を失った少年魔術師ユピタが目を覚ましたのは、白く美しい砂に敷き詰められた湖底が澄んでいる水面を通して見える湖の中心であった。

 

「あ! ついに目を覚ましたわよ!」

「まだ血の気は戻り切れてないけど…あの状態でここまで戻るなんてすごいわねぇ…」

「…え? 何この…あの航海に出たばかりの嵐でアマゾン国に流れ着いて疲れて眠った後で目を覚ました時みたいな状況…!?」

 

 その周囲には美しいニュンペーの美女達が半裸か生まれたままの姿で大勢居り、驚きと興味などを強く見せる彼女達と周囲の風景の変化にユピタは戸惑うが、そこで自身が浮かぶ水面の近くに黒い影とそこから並々ならぬ怒気を感じて寒気を覚える。

 

「…あ・ん・た・ねええええ! 確かに…毒で死にそうな状態であんだけやばい竜巻からあたしら皆を助けてくれたのは凄いしありがとうって言うべきだけどさぁ…! 人がそのお礼を言いに来たこの場面で…さっそく女の子を大勢食い漁ろうなんて良いご身分ねえええええ!?」

「ひぃ!?」 

「ちょ! この子やばいわよ!」

「皆ァ! いったん離れなさい!」

「あああァあああぁあああ!? もげる!? もげるううううううぅ!?」

「あー! 落ち着いてアルテミスー!」

 

 その水面の黒い影よりザバッと夜叉の表情でアルテミスが飛び出てきて、怯えるユピタの股間を今にも握りつぶさんとばかりの勢いで掴み、それに周囲のニュンペー達は強い恐怖を覚える中、先に目を覚ましてこの地を回っていた美の女神ヴィーナもといアマゾン国の客将女魔術師ヴィーナが止めるべくその場に割り込んだ。

 

「…な、なるほどー…あの時…巨大竜巻からどうにか皆で力を合わせて脱出できたけど…不時着の衝撃が大きすぎて皆で気絶したところをここに住まうニュンペーの皆さんに…救われたということですか…とりあえず、お助け下さりありがとうございます…」

 

 十数分後、ある程度は落ち着いた場で今に至るまでの経緯を説明されたユピタは、魔術で自分が地面のように踏んでいる湖面にて、同じようにそこへ集まっているニュンペー達に深く頭を下げた。

 

「うわ、普通に頭を下げてお礼を言ってるだけなのに…これだけでも同じ齢の他の子のそれとは感じがもう違う…」

「背はまだ小さいけどすごく綺麗で可愛くて魔力と体もすごいのに性格もすごくいいのがわかるわね…」

「…初対面の身でお褒めにあずかり光栄でー…ですけどー、どうして僕が目を覚ますとあんな淫らな状況に…? 僕にはあなた達にあそこまでしてもらう関係はないはずですけど…?」

「…あー、それについては私が説明するわ」

 

 それだけでも見た目の良さと肌で感じ取れるハイスペックさがあってニュンペー達の好意を得ていくユピタだが、いかんせん目を覚ました時のあの淫らな状況は男としてはともかく色々と理解が出来ない状態で、それに応えるべくヴィーナが間に入った。

 

「…ユピタ、あのコカトリスの毒…今(・)の(・)君(・)の(・)体(・)じゃー良くても症状を小康状態に保たせ続けるのが限度なのはわかるでしょ。でもねー…その状態だとコカトリスの毒も消しきれずに残り続けて…さらに昔の君が言った普通の目だけじゃ見れないほどに小さな生き物の集まりの類であるわかったから…。ここまで来る途中で君の体にも毒が慣れだして…どうやらこの治癒の湖にただ浸かるだけじゃ治せるのは難しいのがわかったの…」

「…あー、そうだったんだ…ここまで連れてきてもらって…ごめん…」

 

 そのヴィーナの説明にユピタは納得しつつも同時に諦めの念も出始める。

 元々、前世を落雷で終えた可能性が濃厚な身で、古代を通り越して神代の時代に神族で転生というありえない状況を経験済みであったこと、それから今に至るまで何度も生死の境をさまようような冒険の数々から、その死の危険がどれだけ現実味のあるのか感じて取り、竜巻の時と違って覆せる綻びがないのを感じ取ってしまって何処かついに来たかという感じであったのだ。

 

「…ちょ! あんたあの竜巻の時にあんだけ抗ってあたし達を引っ張り上げておいて何を急にそんな女々しいことを―――!?」

「あーもー落ち着いて、それとユピタも時々見せるキッパリとした諦めの良さをまだ見せなくていいわ。助からないってのは泉だけ使った場合って意味でそれ以外も用いればまだ見込みがあるわ」

「―――お…え!?」

 

 それにアルテミスは急な違和感と不安を覚えて口ぶりにも表れるが、見慣れた苦笑を浮かべているヴィーナが二人の間に入った。

 

「ユピタ、魔術って一人で使うよりも複数人で重ね掛けして使った時の方が魔力と効果が強まるのは知ってるでしょ」

「う、うん…というか、僕自身も何度かやって気付いて…それをよりうまくできないか色々調べ物もしてるし…」

「…その中で、男女が同じ魔術を通じて魔力…その源である生命力を一番強められる手段と言えば…?」

「…それはまー…互いの新たな命を生み出すのに必要な期間をー…あ…」

 

 そうして魔術も絡めて話が深まっていくとユピタはあることを思い出し、同時に自分が目を覚ましたばかりの状況に結びついて顔が羞恥で薄朱色になって視線を彷徨わせる。

 

「…そう♪ ここの子達と君が深く身を繋げ合わせてー…そうして高まった生命力から強い魔力を引き出してそれでーこの湖が持つ治癒の力をすごく強めて、同時に君の身を蝕んでいる毒が慣れる間を与えないくらいに君自身の体の治癒力も強めて一気に毒をやっつけちゃうってこと❤️」

「………」

 

 それに対してヴィーナはいつものアダルト要素が絡んだお喋りみたいなノリで結論を出し、ユピタは無言で水面へ愕然としてぶっ倒れてばちゃんと水音と波紋を奏でさせた。

 

「あら? アマゾンであれだけの子達に種を求められててその生まれる予定の子供たちのためにも甲斐性をあれこれつけ続けている身だってのに相変わらず心は妙なところで撃たれ弱いのね」

「…そりゃそうだけどさ…話は分かった…。けれどー…その生命力が生殖絡みで強まった状態で性も用いた魔術も用いるとなると…確実に治療の相手をしてくれる子はー…そんな赤の他人な子供を救うためにわざわざそのまた子供を身籠ろうだなんて真似をする子がそうそういるわけがー…」

「あら? それなら今この場にこれだけ集ってきているニュンペーの子達はどうなるのかしらー?」

 

 それに白々しさも感じつつも可愛さも感じている表情を見せるヴィーナの前で、ユピタは水面からギギっとぎこちなく顔を上げて至極当然な意見を口にするが、目覚めた時より彼を囲っていたニュンペー達はいつの間にか増えて、彼に対し興味や関心を強めつつも負の念ではなく好意を滲ませた様子で包囲網を狭めつつあった。

 

「…いやーねー、私たちのこの暮らす郷って確かに男は君が来るまではいなかったけどさー…それは男に興味がないって理由じゃないしー…」

「ていうか私達もお母さんがその昔にここの近くまで来れた強い男だった、今はほとんど寿命の関係で死んだか、もしくはこの地の魔力の質や強さが原因で長居出来ないからこの辺りでは会えないお父さんと結ばれたことで生まれた身がほとんどだしー…」

「人間たちよりかは長いと言っても寿命がないわけじゃないんだから、それに襲ってくる魔物とかもいる以上は子をもうけていかないと一族や種族は維持できないのよねー」

「そんな状況でー、あんなとんでもない竜巻から生還してー、さらにヴィーナ含めた他の子達も庇って大けがをしてもー、さらに毒にまで犯されてるのにこうして怪我がこっちの助けもあるからってすごい勢いでなおっていってー…」

「それで元から背は低いと言っても見た目はすごく綺麗で可愛いのが猛烈に早い傷の治りと共にわかってきてー、それで逞しい体とそれにふさわしい以上の魔力を持ってるとなったらー…」

「男女関係は一夜の恋がほとんどな私たちの状況を考えると、機会あれば君くらい高性能な男子が来たら関係は結べるうちに結んじゃえって感じになるしねー」

「…いや、でも…毒が移る可能性もあるしー…」

「大丈夫よ。君が寝ている間に私と私が説得したアテナとヘスティアで毒がニュンペー達にうつらないように調整するから…」

「……………」

 

 その包囲網の狭まりと共にニュンペー達がギリシャ神話原典の同位体達のように、異様に早くて且つ手段を択ばない愛欲を露にし始め、ユピタはこの場に唯一抵抗してくれそうなあの少女をすがるような眼差しで見上げ始める。

 

「…そうねー、仕方ないわねー…じゃー…あんたは寛大なここの人たちに助けてもらってそのお礼でーいつも通り豚みたいに腰を振って子供を撒きまくれば? アマゾンでまだお腹にいる子達を父無し子にするわけにはいかないし…。まー今回のも含めてその子達が大きくなってそういう話を聞いたらあんたに恨み言や蔑みをぶつけると思うけどねー…っ!!」

 

 だが、その少女であるアルテミスは屠殺寸前だが死の恐怖でかえって欲情を起こした豚を見下ろしている屠殺業者のような笑みを返すと、その豚を蹴り殺すような勢いで水面を蹴り、盛大な水飛沫を残してこの場を立ち去った。

 

「…よし、じゃー治療にうつりましょうか♪」

「観念して受け入れてねー♪

「…………」

 

 結局、この時代の娯楽の少なさなどもあって、周囲のニュンペー達が治療の名目で性的包囲攻撃を実行に移し、ユピタは前世でなら色々法律などに引っかかって性的搾取とも言われるだろうそれを状況もあって受け入れるほかなかった。




次回、ようやく本作主人公を苦しめる毒の本格的な治療の本番に入る予定です(ゲス顔)。
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