※この作品はR-18です。

輪廻の輪の転生ゼウス~前世知識に基づいてギリシア神話で穏便生存(?)ルートを目指したら…~   作:oosima

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今回は、ギリシャ神話アーチャー枠の女性代表(の同位体?)であるあの子のツンデレ要素が混じりつつ、アマゾン国への帰路にようやく着けます。
そして、小説家になろうの方での総合評価が500に到達しました。応援して下さり誠にありがとうございます。
小説家になろう(https://novel18.syosetu.com/n5334jr/)の方に投稿しているものと共に今後の応援もよろしくお願いします。


069 賢者モードは知らぬ内に過ぎたりもするし…

 ○神代 黒海某沿岸地帯 山岳密林地域 ニュンペー・ナイアス族集落○

 

「…っ!? ここは…あの岩山…じゃなくて…ニュンペーの皆の集落?」

 

 ユピタの精神世界でアルテミスが極みに達して白き世界に意識を満たされて半日後、彼女が目を覚ましたのは窓から十分明るくなった東の空が見えるベッドの上であった。

 

「あ、起きたんだ。あと少しで朝食が出来るよ」

「…あ、あなた…良かった…戻ってこれたんだ…ぅ」

 

 その部屋にある台所で、身の多くに包帯を巻いて僅かに見える肌にも白くなってはいるが傷痕が見えるユピタがいたが、それ以外はいつもの様子に戻っていて昨晩の瘴気は感じ取れず、アルテミスは安堵すると同時に羞恥と新たな不安を覚えた。

 昨晩にユピタの魔力暴走を鎮めてその負傷を癒すべく、自分が少女でなくなった証を感じさせる足の付け根をアルテミスは思い出し、その結果として我が身に宿った新たな命を確かに感じ取れたためである。

 

「…ごめんね、こんな時代でもこんな形で母親にしてしまって…。朝食は妊婦の体にいいもので作ったから」

「っ~~! ままま全くよ! 本当は嫌なのにあんたに死なれるといろいろ困る人がお姉ちゃんたち含めて大勢いるもんだから仕方なく! だだだからこの子含めた皆のために馬車馬の如く働いてもらって色々真面目なことを教えてもらうわよ 死んであの世に逃げるなんてしたらこっちも追っかけてあっちでボコり倒してやるんだから! それでこの子に産まれた理由で恨み言ぶつけられても折れない強い父親になりなさい!」

「あらあら♪ 朝早くから痴話喧嘩なんて可愛いわね~♪」

 

 それに後ろめたい表情を浮かべるユピタに対し、アルテミスは彼から朝食をひったくりつつも叱咤激励したところで、昨晩の性愛を用いた魔術による治療で補助を担ったヴィーナが洗濯物を手に現れた。

 

「!? あ、あんた! その手に持ってるのって昨日にあたしたちが着てた服!?」

「あー、ヴィーナとここのニュンペーの皆さんが洗ってくれたんだ。今朝にまず目を覚ましたヴィーナが魔術で集落(ここ)の皆を呼んでくれて、深く寝ていた僕らを介抱して連れ戻してくれたんだ。それで衣服はー…まあ、治療の影響で色々酷いことになってたから脱がして新しい寝巻を着せてくれたって…」

「…そ、そうだったんだ…あ、ありがと…っっっ!? まさか…!?」

 

 ユピタの説明でアルテミスはそれに納得の色を見せるが、同時にある事実に気付いてその顔は朱色を帯びて急速に強まっていく。

 

「私もユピタがあっちからこちらへ精神が戻った時に出た反動で出た稲妻で昨晩に気絶した後でー今朝になってから目を覚ましたんだけどねー。その時のあなた達って本当に見てるこっちが恥ずかしくなるくらいに抱きしめ合って繋がったままの状態で寝てたわよー♪ 可愛い寝顔をたびたび寄せ合って唇もクチュクチュって重ね合わせて…好きとか愛してるって寝言もー♪ いやー見てるこっち側の何人かがヤキモキしたりドギマギしたり、私もこんなかわいい彼氏ほしいなーとか現実充実しやがっててさっさともげろってみたいなことを言う子が何人もー♪ それでむかついた子達がさっさと着替えさせようと昨晩ので濡れた衣服をあなたたちから脱がせようとしたけど、どっちも離れるのがすごく嫌そうな寝顔ですごく悪い寝相して手足をすごくばたつかせまくったしー♪」

「!!!!????」

「…ちょ…ヴィ、ヴィーナ…今この状況でこんな…」

「…それで他にもねー…♪」

 

 そんな状況でヴィーナは性愛の女神アフロディーテを正体とするだけあって色恋の話を陽気に語り、それで明るみにされていく自らの痴態でアルテミスはますます顔を真っ赤にしてプルプルと身は震えだし、ユピタは顔を青くしながらも痴話を止めようとするがあまり効果を見せない。

 

「…わ、わ、忘れろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 とうとうアルテミスは赤鬼の如く赤くなった鬼の形相でベッドを踏み壊す勢いでヴィーナめがけて飛び蹴りを叩き込もうとした。

 

「だ、駄目だーーーー! お、落ち着いてーーーー…っっっほどぅあぁ!?」

 

 ユピタは暴力沙汰を防ぐべく反射で二人の間に飛び出すが、回復したばかりの身のため制御が弱くなった脚力は必要以上に引き出されて高く飛んでしまい、その結果としてヴィーナを守る盾を彼の足の付け根が担うことになってしまい、アルテミスの豪速を乗せた踵を叩き込まれてボギュっとした重く嫌な音を奏でてしまう。

 

「「…あ」」

 

 そのままずるずると見えない壁を這いずるように落ちて泡を吹きながら股間を抑えてプルプル蹲り始めたユピタに、アルテミスとヴィーナは冷静さを取り戻して微妙な沈黙に陥った。

 

「…ありがとうございましたー!」

「そういうわけでこの作物はこういう感じに栽培して加工してくださいねー」

「ええ、そっちこそこちらが分けた薬草を上手く使ってねー」

 

 修羅場じみた朝から数日後、修理が終わった魔術式熱気球型飛行船の前で、ユピタ一行でニュンペー達は別れの時を迎えていた。

 

「本当にいろいろとありがとうございます。解毒治療だけでなくこんなにも色々と教えて分けてくださってありがとうございます。今はまだ移動に時間がかかりますけどこれを改良してここと僕らが住んでいる国を行き来しやすくなるようにしますから…」

「そんな大仰にしなくても良いわよユピタ君」

「正直ここにずっと住んでほしいくらいの逸材だしー…」

「お礼なら君がいる間に十分もらったわよ」

「特に体でね❤️」

「い、いやまーこっちは単にお裾分けしただけというかー…本当に大変なのはそちらなんでー今後も出来る範囲で協力はさせてもらいまー…ううぅ!? い、痛い…まだ…」

 

 その中でもユピタは多くの人々に別れを惜しまれていたが、色恋系に話が及ぶと苦悶を隠せない顔になって前かがみになってしまう。

 

「…な、何かこの村に帰ってきてからやけにあそこが痛そうなそぶりを何度も見せてるけど…何がー?」

「さ、さーねー…ここの皆で色々気持ちいい夜のお仕事をしてたのに味を占めてー息子が痛くなるまで言うこと聞かん棒になってるからじゃないかしらー?」

「あー確かにー…」

「まー見た目は女の子から見ても可愛くて綺麗でも男の子だからねー」

「…う、ううぅ……」

 

 それを周囲の女性達は不思議がるが、アルテミスが少し視線を逸らしつつもユピタの女遍歴からしておかしくない推測を口にしてあっさり納得させ、彼に悔しそうだが反論したくてもこの場では言い訳以外には聞こえづらい状況に追いやった。

 

「…それではさようならー!」

「うわー! 本当に飛んじゃったわー!」

「あんな大きくてすごいものを考えて作るなんてすごいわねー…」

「皆ー! 無理しなくていいからまたこっちへ来てねー!」

「次からは心配させない方法で来るぞー!」

「まだ胤を貰えてない子もいるから遠慮しないでねー!」

「大きくなったこの子を見に来てねー」

 

 そんなやり取りを挟みつつも、飛行船は集落の地面から離れて両者は互いの姿が見えなくなるまで手を振り合って別れの挨拶を続けた。

 

「…今回の切っ掛けは予想外の事態だったけど、予想よりも良い結果になったかしら…?」

「ええ、それが本人にとって嬉しいものかどうかは別ですが…」

「それでも、あの子が…あの子の原型で起源であるあの存在の力に触れて知ったのは大きいわ。これからはあれを上手く使えるようにこちらも陰でやることが色々増えるけど…」

 

 その様子を少し離れたあの岩山の一角より、レアとメティスの二人が一安心したという様子で見守っていた。

 

『…まだ未熟で力を制御しきれなかった以上、何度か我が力による通常の秘匿結界を飛び越えてその気配を漏らしそうになった故…大急ぎで強化して防いであ(・)の(・)甥(・)にはばれぬようにしたときにはヒヤヒヤさせられたがな…』

 

 そして、その二人が立っている場所は山肌より伸び出てきたような巨大な岩の手であり、背後には山肌を荒く削ったようでありながらも威風と強壮さを漂わせる中性的な顔が浮かび上がっていた。

 

「…ええ、本当に此度はありがとうございます…山王の伯父様…それでは、私達は今回はこの辺で…」

『だが、久々に面白いものを何度か見れたのも事実。帰り道は私が山々の地下を通る魔力の流れを通して早く帰らせてやろう』

「まあ、ありがとうございますわ」

 

 二人がその顔にぺこりと恭しく礼を述べると、顔は巨大な口に変わって二人を一口で飲み込み、その数秒後には岩肌は元から只のそれであったような状態になっていた。

 

「…あーー、冷たい夜風が染みるのかー…股間がズキズキして夜は眠りづらいなー…」

 

 ニュンペーのナイアス族の里から帰り路に着いた日の夜、その夜の操舵担当のユピタはボトム越しながら足の付け根をすりすりと撫でていた。

 

「…あー、まだ痛そうねー。向こうの方でも仕事溜まってるみたいだしー、私が着くまでの間に癒してあげようか?」

 

 そこで他のメンバーが寝静まっている中、今晩の担当ではないがヴィーナが心配してきた。

 

「…あー嬉しいよヴィーナ、けれども操舵中だからそれの邪魔にならない方法だと嬉しいけどー…」

「あー大丈夫よー♪ 君の上半身を邪魔しないようにこの痛んでいる下半身を私の一番得意なやり方で癒してあげるから❤️ 君の息子ちゃんの自然治癒力を気持ちよく強く引き出してあげる❤️」

「…あー、やっぱりそう来ますねー。夜風も時々強くなるんで手短且つ強引じゃないのでよろしくお願いしまー…おう…」

 

 そのヴィーナにユピタは感謝しつつもやっぱりという感じの少し諦観した表情を浮かべるが、彼女が自分のボトムと下履きを下ろして、その青痣が残る男性器を優しく手に取ってその治療を施すことには抗わなかった。




次回、また少し修羅場の入った後にようやくアマゾン国に戻りますが、次の修羅場へのフラグが立ち始めます。
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