翌日。
少しは落ちつたけど、まだ裏筋がじんわりと温かく、たまにピクピクと震える。
まるでペニスが「早くセックスさせろ」と訴えているみたいだ。
今まではそういうことがあっても「うお。今のエッチだな」「エロいなー」ぐらいにしか思って来なかった。
でもこれは違う。
彼女のことを思い出す度に、「セックスがしたい」「中出ししたい」という気持ちが込み上げてくる。
俺、変態なのかな……。
授業も全然集中できない。
いや別にいつも集中出来てるわけでもないが、1mmも頭に入ってこない。
なぜなら頭の中はセックスのことでいっぱいだから。
英語の先生の書く『w』はおっぱいに見えるし、『突』とか『巨』とか『抱』とかも勝手にエロく感じてしまう。
もうダメなのかもしれない。
*****
部活の時間。
一年生が体験入部にやって来た。
流石に彼女の姿は見えなかった。
うちのサッカー部は男しかいないし、当たり前だ。
まあかわいい後輩に違いはない。
俺もしっかりしなければ。
朝からずっと半勃起状態だけど。
「うお、でっか」
誰かがそう言った。
でも、その一言で彼に何が見えているのか理解できた。
振り返り、女子テニス部の方を見る。
彼女がいた。
バレー部の向こう側。
かなり離れていても、一瞬で彼女だと分かった。
長い茶髪は後ろでくくられており、細い首がチラリと見える。
大きな胸は走ったりラケットを振るたびにフルフルと揺れている。
短パンによってむき出しになった太ももは細すぎず太すぎず、触ればムニムニしているに違いない。
顔までは見えないが、きっとあれだけ動いていれば頬の辺りが赤くなって、エロい顔に……。
「やべ。勃起してきた」
「トイレいってシコってこいよ(笑)」
「いやそれは、ってお前も勃ってないか?」
みんなが彼女を見ていた。
ガン見しているものもいれば、コソコソと見ているものもいる。
やっぱりそうだよな。
みんなセックスしたいって思うよな。
でも、なんだろうこの感情は。
エロくて興奮しているだけじゃない。
いや、興奮しきれていない。
何故か?
昨日と同じだ。
虚しさの方が勝ってるからだ。
あそこに彼女がいる。
抱き心地の良さそうな彼女が。
全身からいい匂いがしてそうな彼女が。
挿れたら絶対に気持ちの良い彼女が。
でも、セックスはもちろんのこと、抱きしめることも触ることもできない。
俺はただ見ているだけ。
ペニスが勃起するのはセックスするため。
つまり今のこの状況において勃起することに何の意味もない。
俺の身体はそれを分かっていた。
だから勃起直前のままで止まっている。
生暖かく、鈍い快感は射精には至らず、むしろ苛立ちを増幅させるばかりであった。
結局その日も帰ってすぐにオナニーをした。
自分の手を彼女の膣内だと思い込ませるようにペニスに快感を与え続けた。
でも射精したらバレてしまう。
「違う。これは女じゃない」
再び半勃ちになり俺に訴えかけてくる。
不快感を与え続けてくる。
二回目のオナニーを始めればそれはマシになるが、射精したらまた元に戻ってしまう。
三回目の射精を迎えた時、やっと苛立ちが消えた。
精液を処理し、机に向かう。
勉強にやっと集中できるようになった。
しかし、朝起きるとまた裏筋が震え出す。
俺は股間に気持ち悪さを感じながら登校した。
そんな毎日が、一か月ほど続いた。