※この作品はR-18です。

負けヒロインがエロゲヒロイン過ぎる!   作:37級犬築士

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負けヒロイン1~7巻、そしてSS、全部読んでしまった。8巻が待ち遠しい。


(15) 小鞠知花は知っている側の人間である

 結論だけを言うなら、小鞠は知っていた。ただ、それだけのことだった。

 

「あの、えっと」

 

「……」

 

 知っている。二人で、二人で、そして三人で、たびたびおこなっていた学校内での情事は小鞠の知る所だった。

 

「女子トイレで、するの……やめろッ……ご飯食べられなかった」

 

「……い、いたのか」

 

「お、お前が……八奈見の攻めで、受け馬鹿丸出しだった」

 

「攻め受けって……八奈見は女子だぞ」

 

「も、問題ない……あいつは、男なら攻め。温水、リバはあり得ない……総受け、解釈が通例」

 

 嫌な通例があったものだ。

 

「……そう、なんだ……とにかく、知られていたんだな」

 

 懸念するまでもなくバレていた。まあ、確かに危ういことをしていたし、むしろバレていたのが小鞠であってよかったか

 

 いや、それもそれでどうなんだ。お目汚し?聞き汚し?

 

 同学年が性行為をしているなんて、気まずい以外に他にないぞ。俺なら耐えられかねない、八奈見さんじゃないけどそれなりに脳を破壊されかねない。  

 

 

「……バレたら、文芸部が廃部……き、気を付けろ」

 

「それは、あぁ……本当にそうだな。気を付け、て」

 

 気を付けて、どうする?

 

 思い返しても、八奈見さんや焼塩との関係は基本的に受動的だ。火がついてこっちに主導権が移る時があっても結局は二人が上になる。

 

「俺が言っても、結局二人がどうするかなんだよなぁ……いつも上に乗られて、一方的に」

 

「な、生々しいなッ」

 

「あ、ごめん……のろけとかそういうのじゃない。でも、あぁいや……ごめん」

 

「……謝るな、驚くだけで、別に嫌じゃない……情報、助かる」

 

「ま、また人を生モノにして」

 

「ぬ、温水総受けは……真理」

 

「……そう思うなら、もういっそ同情してくれ」

 

 思い返す。日曜日にしても、それ以前の行為にしてもだ。

 

 情けない話、自分は華奢で運動不足で、走りもハンデありでどうにか焼塩と僅差の記録だ。それも充実したサポートありきでどうにか勝てた程度。

 食事も八奈見さんが引くほどに俺は小食で、ウェストも八奈見さんの衣類を着てしまったら腰回りを緩く感じる程度には肉が無い。

 

 だから、ベッドの上では、主導権は奪えない。

 

 自然と受け身になってしまう。無論、そこには満たされる男女の営みの良さはあるけど、腑に落ちないものはある。

 

 

「……ふふ、温水だな……やっぱり、解釈一致」

 

「否定できない」

 

「そ、それでいい……ネタになる」

 

「ネタにするのか……まあ、口止め料と思えば」

 

「く、くち?……なに、言ってるんだ」

 

「え、いや……まさか、ただで沈黙してくれるのか」

 

「……な、なんで、私が言いふらすと、思ってた?」

 

 疑問に疑問で返されてしまった。

 

「いや、それは……良くないことだし」

 

「良いとか悪いとか……個人の、問題……い、嫌がっていないなら……良い」

 

「そ、そうなんだ……まあ、嫌がっては無いな。むしろ、逆」

 

「……見てた、から……知ってる」

 

 顔を赤くして、少し俯いて答えた。

 

 BLでは問題ないけど、NLでインモラルな話になると流石に赤面するのか。

 

「そうか……一応、確認できてよかった」

 

 小鞠は知っていた。重ねて、結論全てバレていたこと。

 

 そして、あの二人との情事はこれからもまだ継続することだろう。

 

 その上で、小鞠は黙認を選んでくれた。いや、関わりたくないだけというのもある。

 

「迷惑、かけるな……その、出来る限り人目は避けるし、今は休日に家で、その……行為をすることもある。だから……その、小鞠には迷惑をかけないようにする。無論、文芸部にも」

 

「……ッ」

 

「悪い、俺自身あの二人とは……その、拒めないんだ……俺が、拒みたくないって言うのは薄々自覚している。男だし、だから……文芸部には迷惑をかけないから」

 

「…………」

 

「小鞠には、迷惑をかけない……悪かったな、変な気づかいさせて」

 

「……そういう、とこ、だぞッ」

 

「?」

 

 静かに聞いていたのに、また悪態を投げられた。あきれられている?それは、今に始まったことではない。

 

 小鞠は、何に引っかかっている?

 

 

「……えっと……そろそろ日も暮れてきたし、お暇するよ。志喜屋先輩を回収しないと」

 

 

「————」

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

 

 模試の関係で振り替え休日となっている火曜日。プラスマイナスで休日は増えていないが、それでも学校がある平日の朝を優雅に迎えられるのは良いことだ。

 

 この、檄文に目を向けさえしなければ

 

 

「な、ななッ!!」

 

 

 

 朝起きて、スマホに通知が来て文芸部の同学年のみのグループに招待されている通知が来て、そしてその部屋に一通の画像が張られていた。

 

 卓上に置かれた紙、を撮影したモノ。

 

 書かれている文章は、なんというか、その。細かくいろいろと書かれているが、まず大きなフォントの赤文字に目が行ってしまう。

 

 差出人、小鞠知花

 

 

~告発文~

 

 

罪状 淫行総受け罪

 

被告人 温水和彦

 

 

 

……ピロン

 

『なになに?温水君またなにかやったの?』既読

 

……ピロン

 

『え、告発?……ぬっくん捕まるの?刑務所行っちゃうの?』既読

 

 

 

「……………ッ」

 

 

……ピロン

 

 

『……皆、とりあえず……ウチ、来ない?』

 

 

 法廷場所は温水家なり。

 

 お小遣いで懐は潤っているのだ、今からでも五千円で契約できる優秀な弁護士は探せないモノだろうか?

 

 




次回、温水裁判

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