「お兄様、今朝の味噌汁の具にでも不満があったのですか?」
「あ、いや……そんなことはないよ。美味しかったから、佳樹の味噌汁は絶品だ。毎日飲んでいたい」
「はい、では毎日作りますね。って、もう毎日作ってますけど……しかし、ではお兄様の変わったご様子はいったい」
「なんでもないよ。夢見が悪かっただけだから、佳樹は気にしないでいい」
心配してくれる妹にありがたみを感じた。まだ口の中に残るカツオ出汁と赤みその残滓を噛みしめながら、俺はそっと佳樹の頭を優しく撫でる。
気持ちよさそうに目を閉じる佳樹、道路を歩いているんだから目を閉じるのは止めた方がいいぞ。
「……ん、お兄様……最近、なでなでの手つきがとてもお上手です。」
「ぁ、それはどうも」
「ですから、佳樹は少し不満です」
「……え」
反抗期、ついに妹に嫌われる兄の辛さが自分にも、と危惧したがすぐにそうでないと佳樹が俺の手を取る。
「佳樹も嫌ではありません……でも、すこし複雑なのです。お兄様が佳樹の知らないお兄様に変わっていくことが、嬉しくもあり悲しくもあります」
「……俺は変わってないぞ、なにも、いたって普通だ。」
「はい、今はそういうことにしておきます。ところで、お兄様は最近痩せ気味ですから……これを」
「?」
手渡されたそれをカバンにしまう。
「あと、お母様に相談してお菓子代を頂き増した。最近のお兄様はこまめにお食事をとるので、成長期故に必要な間食のお金と説明しました。こちらがそのお小遣いです」
「あぁ、ありがと……助かるよ、最近は本当に体力が持たなくて」
「えぇ、知っています。」
「?」
「お兄様が魅力的なので、これも仕方ない事……佳樹は不自然なことはしたくありません。ですからいつも通り見守るだけにとどめています……ですが、やっぱり複雑です」
「……佳樹?」
結局期限は良いのか不機嫌なのかわからないまま、俺達は通学路を後にした。
とりあえず、不機嫌な佳樹には何かこのお小遣いで甘い物でも買っておこうと決めた。
〇
~昼休み~
「温水君、私って可愛いよね」
「……」
唐突な会話、しかもいきなりツッコミを必要とする台詞に反応しないといけないこちらの身にもなって欲しい。
「八奈見さんは可愛いよ、みんな知ってることだろ」
「温水くん、感情が込められてないの丸わかりなんだけど。」
「……で、何が言いたいの?」
何か遠回しに相談をしたいのかと思い、八奈見さんの反応を見る。非常階段の場所で俺と八奈見さんで段違いに並んでいるから、二段ほど上の俺は八奈見さんの見返り顔を待っている。
振り向いた顔は、言葉にたがいなくちゃんと、イヤ普通に、とても可愛い女の子だからお世辞とはいえあまり言わせないで欲しい。困るのだ
「ねぇ、もう一回チャレンジしてみる?今なら感情込められるんじゃないかな?」
「……いいから、話の続き」
「素直じゃないなぁ、私で童貞捨てちゃったくせに……最近ね、私のこと可愛くなったってみんな言うの……いやぁ、普段から美容に気を付けてはいたけど、まさかここまで効果があるなんてね……精液飲むと肌艶良くなるって本当なんだなって」
「……それって、まさか皆に言って」
「言うわけないでしょ、常識的に」
「そうだね、常識的に言わないよね」
安心した、とはいえこの前小鞠のいる場で漏らした前科もある。
油断はできない。
「気を付けてよ、ほんと……生徒会の人達が知ったら絶対アウトだからさ」
「そうだね……温水君も困るよね、エッチできなくなるし」
「……ッ」
振り返り、いじらしく笑う八奈見さんは菓子パンをパクっと大口で頬張った。
甘い牛乳クリームが挟んである菓子パンを咀嚼、飲み干して。
「今の一口、すっごく甘くておいしかったよ……温水君♡」
「し、知らない……たまたま砂糖が多かっただけでしょ、八奈見さん」
他人の羞恥反応をスイカにかける塩のように扱わないで欲しい。
「……ん……でも、困るのは本当でしょ。」
「困らない、とは言えないよ……でも、さ」
恥じらいを拭って、少し強く言い返してみる。
立つ瀬が無いのだ。だから、ちゃんと主張せねば
「困るのは三人も、でしょ」
言い切る、すると面白そうに感じたのか八奈見さんはこっちを見てニヤニヤしながら迫る。
「……ん、続けて」
「——ッ」
会話を掘り下げてきた。しかし、どこから触れるべきか。
「……今の俺、三人も相手にしている」
「そうだね、文芸部の三人と温水君はエッチしてるよね♡」
「……そう、なんだよなぁ。あの日から、三人に変わった、負担が三人になったんだよ」
以前、小鞠が開いた裁判でのこと
俺は三人の裁判官から快楽付けにされてしまったのだ。この国の司法制度を想えばまったく成立しない概念だが、実際に起きたことなのだから仕方ない。ノンフィクションだ。
~月曜日~
~早朝~
今朝に登校している道中、バスの中で隣に八奈見さんが座っていた。
窓際の俺、そして隣の八奈見さん
「あ、モバイルバッテリ落ちちゃった……温水君、ちょっと失礼」
「!」
……ジジジ
……もぞ、もぞもぞ
……ちゅ、れる、くちゅれる、じゅるるぅ
「……ッ」
早朝だから、人は多いバスの中だ。けど、皆現代人。スマホにばかり目が行って耳にはコードレスのイヤホンもしている。ノイズキャンセリングのイヤホンで、きっとバスのアナウンスは聞こえるのだろう。だから、だから何卒、このひっそりと、そして堂々と行われる行いの音だけは拾わないで欲しいと、切に願う。
……くちゅ、じゅるぅ、じゅぷ、ぬちゅにちゅ、くちゅッ♡
……じゅる、じゅるる
「……ッ……ん……っく、コク、っく♡」
「————……ッ」
時間にして、一分もかからなかった。
舌使いだけで気持ちよくされて、八奈見さんの口内で精液を出してしまった。
出た液は当然に口内に収まって、そして喉を流れて胃に収まっていくのを、性器越しに実感した。
「……ッ♡」
丁寧に舐めしゃぶられて、綺麗に吸われてお掃除されて、そしてそそくさと服の中に収められてチャックも上げさせられた。
不自然に口を閉ざした八奈見さんは、こちらを一瞥して見えるように舌なめずり。微かに閉じた口から覗いた舌は明らかに白濁色の液を纏っている。
「ぁ、八奈見さ……ッ?」
スマホに通知が来た。
のみもの、ほしい
変換もしていないそのメッセージに俺は素直に従い、バスに乗る前に買っていた某著名な乳酸菌飲料を取り出し八奈見さんに手渡す。
水道水だけでは足りない糖分、枯れないようにエネルギー補給として常備するようになったジュースに八奈見さんは躊躇いなく口を付けて、嚥下。
喉を鳴らして飲み干して、気持ちのいい息を吐いた。一仕事終えた後の一杯を飲み干した人みたいだ。
「……ぁ、おいし♡……ごちそうさま、温水君♡」
「————ッ」
文面だけ見れば何もおかしいことは無い。だけど直前に行われて、そしてその口内に注がれているものがあることを知っている身としてその言葉はあまりにも卑猥で、キてしまう。
「いらない、から……八奈見さんにあげる」
「あ、そう……ん、ちょっと申し訳ない……ま、でもありがとね。」
「いいよ、飲めないし」
「間接キッスだから?」
「セルフ間接キッスだから」
「そっか……結構美味しいのに♡」
「……ッ」
~昼休み~
……くちゅ、じゅるッ
「ん……ぁっむ……ん、んふふ♡」
「——ッ」
見降ろす先には膝を付いてしゃがんでいる焼塩がいる。
窄めた唇で何度も何度も陰茎の表面を磨いていて、そして、こちらを見て二マリとほほ笑んだと思えば先端のみを唇で閉ざし、カリ首より先だけを、念入りに
「……ぁ、れる、れるれろれぇ♡……じゅる、ぢゅぶぶッ♡……ぢゅるる、ぢゅぶれるれぇ♡♡……ぁっぷ、くちゅちゅッ♡」
「!?」
耐えきれるわけがなく、焼塩の口に俺は精を吐き出した。
舌の上に盛り付けるように、出る精液をたっぷりと吐き出した。そして、出来った後の性器を焼塩は丁寧に舐めまわす。
目を細めて、レロレロと
口をすぼめて密着させて、舌を擦り付けて味わいながらじわじわと液を飲んでいる。
「……ッ」
息が熱くなる。
湿った高温の息を吐いて、それでもまだ熱が吐き出しきれない。
焼塩檸檬の口淫に興奮して、熱に麻痺した俺は情けなく背中を背もたれに預けた。
「……ん……こく……っく……ぁ、ん……ぁ、あぁ……ん、タンパク質♡」
「プロテインで、いいじゃんかッ」
「ダメ♡……ぬっくんの精液がいいんだよね♡癖になっちゃった♡」
女子使う更衣室で、女子の匂いと汗の匂いが飽和するまるで異世界な空間で性的な行為をする。
あらゆる点でアウトな要素が多すぎる中で、平然と焼塩が上半身裸の姿で伸びをする。
「このまま、えっちしたいけど……流石に我慢するね。あはは、そろそろ女の子たちに悪いから出よっか。」
「……そ、そうだな」
焼塩檸檬、運動部女子の間でもカリスマ的に人気のある奴。
だからか、脱衣所を少しだけ開けて欲しいと理由もなく告げても周りは即座に了承して、結果人払いは叶ってしまう。
「……なあ、他にも場所はあるだろ。流石に問題が」
「いいじゃん、大丈夫だって♡……いざとなったらロッカーに隠れればいいし、それに……ん……汗の匂いがいっぱいするここ、なんだかすっごく興奮するんだ♡♡」
「————ッ」
焼塩檸檬の異様な艶やかさに直視できなくて、結局流されてしまった。
~放課後~
文芸部の部室に呼び出された。
そして、入室するや有無を言わさず椅子に座らされて、縛られて目隠しをされた。
「なんで、なんで!」
「……な、慣れてないから……こうじゃないと、無理」
焼塩、八奈見さん、二人の協力もあって俺はパイプ椅子に拘束、後はごゆっくりと二人きりにされてから小鞠は俺の膝の上に迫る。
無暗に暴れたら小鞠を蹴ってしまいかねないから、下手に動けない。
ただ、見えないままされるがままにあっていた。
そして、小鞠は興味深そうに
「で、でかッ……ぁ、興奮してる……ま、マゾめ」
「————ッ」
外気を浴びた性器に、小鞠は吐息を近づける。
その目的は性欲処理なのか観察なのかはわからない。でも、スマホは手に持っているし、明らかに何かをメモしているような様子が聞いて感じ取れる。
「いったい、何の参考にするんだよ……小鞠」
「き、聞くな……女子のプライベート、だぞ」
「俺のプライバシーが激しく侵害されてるのに?」
「……匂い、やっぱり濃い……形も、ここがこうで」
「……ッ」
聞いていない、小鞠は既に観察モードに入っている。
ただされるがまま
……ぴと、ぴと
「……熱い、な……すごく、熱い」
陰茎の根元を指でつまむ、聞き手の右でスマホを持ちながら左手の指でつまんで、勃起した性器を持って、様子を確かめる為に顔を近づけて
「資料が、暴れるな」
「て、抵抗してないだろッ」
「……先から……液、出てる」
「そ、それは……触られたら、仕方ないんだ」
冷たい、女の子の末端は冷えてしまうものだとは聞くが、小鞠の指先は血が通っているか不安になるほどひんやりとしている。
そして、その冷えた温度が、いきり起ってしまった性器にはひどく刺激的だ。
しごく動作も無い。恥じらいで起つほどマゾではない、はず
でも、それでも
「……感じてる、のか……温水」
そう尋ねる、答えは言いたくない。
だけど、無言は頷くも同然だ。
「……」
触れる指が増えた。角度から見て、小鞠はスマホを手放した。
両の手で、冷たい手先を暖めるように剥き出しの性器をなぞる。
吐息も触れている。
今、むき出しの性器を前に小鞠が呼吸を荒げている。
「ぁ、硬いッ……な、なに興奮してるんだッ……先も、トロトロ垂れて……ぁ、手に」
付いてしまった。
とっさに拭おうとしたのか、小鞠の手に触れた先走り。
それを、小鞠はどうするのか俺には見えない。だけど、挙動は伝わってしまう。
……ちゅ……ぬちゅ
「!」
聴覚も機能している。だから、理解してしまった。
……くちゅ、れる
…………ちゅぷ
「……ッ……ん、これ……どう、だ?」
……くちゅ、ぬちゅ……ちゅこ、ちゅこちゅこッ♡
「!?」
足が浮く、そして床を踏みしめる。
唾液と先走りが付いた小鞠の手が、熱く高ぶった性器をしごき始めた。
息遣いを感じる、手の拙い動きを感じる。
「……息、乱れてるぞッ♡……ぁ、仕方ない、奴♡」
その声は楽し気に、躍らせた気分のまま小鞠は手の上下を維持する。
小鞠は見ている。そして、興奮で息を荒げて、そして次第に息遣いの効果に気付いたのか
「ぁ、ん……ぁ、ふぅ……ぁ、ふうぅぅぅ♡」
「!?」
吹きかけると息が亀頭に突き刺さる。
熱く火照った性器に温度差がひどく、強烈な快感を生じさせた。
「小鞠、ダメ……だ……出る、からッ」
「……良い。出して、ダメなんて……言ってない」
「ぁ、え……ぁ、っく……あ、あぁッ」
……くちゅ、ぬちゅ……くちゅ、ぐちゅぐちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅッ♡♡
丁寧に丁寧に、補足弱い加減だがちゃんと気持ちのいいところに触れていてくれている。気持ちよくなるように、小鞠はチンポをしごいてくれている。
「……ん……ぁ、ここ……好きなんだ……じゃ、ここ……いっぱい……くちゅくちゅ、する♡」
「!?」
……ぬちゅ、くちゅくちゅ、クチュッ
「……ぁ、ふぅ、ふうぅぅぅッ♡」
……くちゅ、ぬちゅッ……ぬちゅ、ぐちゅッ
つまんだ指で小刻みに、小鞠の指先手コキと息の噴きかけがカリ首と裏筋に集中する。
丁寧に、執拗に、加減は浅くても集中すれば快感は異常に高まってしまう。
「見たい、から……手に、出していいから」
「!」
震えた、そして痙攣した。
小鞠の指先で、俺は絶頂を迎えた。
そして、その出所は掌に。
「————ッ」
目隠しのタオル、焼塩の結びが緩かったのかずり落ちて視界が有効になった。だから、見降ろす先の小鞠の所業を、俺はつぶさに見てしまった。
……びゅる、どびゅぶ……とぷぷ♡
「ぁ……出たッ……ぁ、重い♡……これ、匂いもすごい……すごく、濃い♡」
手の平に、小鞠の綺麗な手のひらに白濁の粘液がびちゃりと付着している。そして、その液に、小鞠は次第に目の光を変えていく。
静かに、言葉を小さくして、半比例して息をより湿っぽくしていく。開いたまま閉じない口からイチゴ色の小さな舌が出て、その先を今
「……ぇ、るれ……ん、ちゅ……っく♡」
「!?」
小さな口で、小さな舌で、手に乗った熱々の精液を小鞠は念入りにお掃除。
猫が毛づくろいをするように丁寧に丁寧に舐めとって綺麗にして、そして手のひらと指先に付着したものすべて口に含んだ後
視線は、性器の方へと戻ってきた。
「……ぁ……ぁっむ、れる、ちゅるぅ♡」
「————ッ!?」
くすぐったい心地が先端に触れた。
興奮して、酩酊した小鞠は静止なんて聞かず、夢中で竿に付着した汚れを舐めまわし、そして尿道に残る液を啜り取って嚥下する。
唇を付けて、ストローでジュースを飲むように小鞠は精液を飲んでいる。
そんな光景を見て、ひどく硬くなった性器に、小鞠は
「……せ、節操なし」
「い、言われたくないッ」
目の前の小鞠にだけはその言葉を言う権利は無いと思う。
……ちゅ、れる……くちゅ、じゅるぅ
「――ッ」
しかし、拘束されたこちらに発言権は無く、されるがまま小鞠の好奇心溢れる口淫は続く。
◯
「ふぅん、ちゃんと覚えてたんだ。偉いね」
「エロいね、の間違いじゃないかな」
「温水くん、女の子にエロいねなんてセクハラだよ。そういうとこだよ、ほんと」
「……どういうところがなの、八奈見さん?」
おかしい、正常ではないのは三人のはずなのに
それにしても、三人になってからもう毎日大変だ。学校という場所を配慮して本番行為は控えてくれているけどそれでも好きあれば皆チャックに手を伸ばすしズボンもはぎとられる。
そして、休みの日や時間がある日は集まって集団で同時に
いつから俺はハーレム系エロ漫画の主人公になってしまったのか。
「月火水木金、毎日欠かさずだよ。俺、何でまだ干物になってないんだろうね」
「干物美味しいよね。骨までバリバリ食べちゃう」
「そっか、八奈見さん俺を食べるときはせめて骨格は残しておいてね。」
埋葬できるのが頭だけなのは辛い。骨壺がすかすかになってしまう。
「サンマの干物なんか頭が美味しいのに……骨食べないから温水くんは良くないんだよ。好き嫌いしちゃ大きくなれないよ。」
「……」
父さん母さん、佳樹。悲しいことに俺の墓には何も埋まらないらしい。
次回に続く
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