PM.03:12
一冊を読み終え、読書は終わった。続きは気になると言っていたので帰りに数冊ほど貸渡すつもりだ。
ベッドから体を起こして背伸び、時間も頃合いだからと菓子を取り出した八奈見さん。
昼に三人前は食事していたのに小一時間寝転んで読書をしていただけなのにどうして空腹の音を鳴らせるのやら、構造レベルで違うのだと理解させられる。
クッションを引いて、テーブルには土産物だという八奈見さんの駄菓子、立方体の琥珀糖は砂糖がシャリシャリと付着したもので何故か上等品だと自慢気だった。
時おり見える八奈見家の懐事情にはあまり考えを向けないように
とりあえず、俺も買い置きしている物をいくつかお盆にまとめて
「いいよ、私やるから……危なっかしいから座ってて」
「……」
菓子を並べる、飲み物にコップを用意する。袋を開けて小分けされた菓子を鉢によそって、目の前で八奈見さんが用意している光景を俺は見ていた。
思いのほか楽しいひと時となった密着読書、ただしその代償として若干の腕の疲れ、というか今も痺れてビリビリしてる。肩も痛い。
常に腕を上げる姿勢と腕枕、そのせいである。
だからか、八奈見さんはまるで怪我人のボランティアのように過保護に立ち回る。
「どうしたの?」
「……その、腕枕って大変なんだなって、痛感してる」
ラノベ主人公ってすごい。
「温水君が鍛えてないだけじゃないのかな……腕立て伏せ、出来るの?」
「……できないわけではない、でも回数は聞いてほしくないかな」
「檸檬ちゃんに鍛えてもらったらいいよ……あ、ジュースとお茶どっちがいい?」
「お茶……いや、やっぱりジュースで」
コップを持って、八奈見さんに注いでもらおうとした。
けど、コップを持つ手より先んじて八奈見さんが先に取った。
ジュースが注がれる。そしてストローが刺された。
「……ほら、どうぞ」
「あ、いや……自分で」
「いいから……飲んで飲んで」
「……」
八奈見さんにお世話をされている。
恥ずかしいけども、少しうれしいと思ってしまう自分がいた。
「素直じゃないんだから……いいよ、お菓子も食べさせてあげる。甘やかしてあげてもいよ。」
「……そういわれると、余計に」
「甘えたいのは否定しないんだね……ぁっむ、ん~♡……これ、うま♡」
一枚を俺に、そして三枚は自分に。甘いチョコのかかったポテトスナックを頬張る。
隣に寄り添って、肩を擦り合わせながらお菓子に夢中。
弾む会話もなく、なんてわけもなく。
「……何か、あったの?」
「!」
流されることはなく、八奈見さんは人の心を見抜いて、そして当たり前の様に入ってきた。
懐を遮るものは無い。八奈見さんの自由気まま、俺の本音が暴かれる。
「いいじゃん……私、温水君におっぱい吸われて嫌だって、今までに一度でも言ったことあったっけ?」
「そんな……ない、です」
過去を振り返り、一度たりともそんなシーンは無い。
八奈見さんは喜んで自身の柔らかさを振舞ってくる。
学校でも、どこでも、隙あればだ
「……温水君、私のおっぱい嫌い?」
「その質問、嫌いだって答えられる人類はいないと思うよ」
「そう?……そっか、温水君は私のおっぱい大好きなんだね~♡嬉しいね、高く買ってくれて♡」
「……持たないで、揺らさないで」
手の平に載せてゆさゆさと、その形よく十分実った果実を見せつけてきた八奈見さん。
ブラを付けていない長袖インナーのその状態だから乳房の柔らかさが目で見て伝わってしまう。
わかりやすくて、反応してしまう。
「……あの、さ」
八奈見さんは拒まない。
積極的で、そして慈悲深いのかもしれない。
だから、これははっきり言って気の迷いだ。正常なんかじゃない。
なのに、俺は、正常を保てなかった。
「夢で、見たんだ……その、八奈見さんの夢」
「ん、夢の話?……それ、大体つまらないパターンじゃなかったっけ?……大丈夫、オチある?」
「関西人じゃないんだから……期待しないで……というか、その……うん、えっと」
「……?」
「笑い話じゃないけど……聞いて、笑われたら恥ずかしいから。笑わないでいただけると、助かります」
「……どっちだよ」
手の平が左肩にぺしっと、八奈見さんのノリツッコミが決まった。
× × ×
……恥ずかしい
思いながらも口は開いた、開いてしまえば止まらない。
見てしまった夢の話、見て感じた光景をそのまま言葉に並べた。作家を気取った様に三人称で、段落を付けて、感情を込めて、俺は丁寧に告解した。
八奈見さんは、そんなくだらなくて、ただただ恥ずかしい夢の話に笑わず、ただ耳を澄ましてくれた。
いっそ笑われたらよかったかもしれない。
だけど、そんな様子もなくただ頷いて、そして微かに口元がにやりと吊り上がった、ような気が
「……ねえ、温水君」
「!」
「あ、かしこまらなくていいって……なに、叱られると思った?呆れられたり、引かれたり……気持ち悪いって言われるかもって、怖くなっちゃった?」
「……だって、ろくでもない夢だし……見た俺がおかしいだろって感想が、自分でも出てくるぐらいだから」
直視できない俺の視線は壁のタペストリーに、隣の八奈見さんはそんな俺を阻止するように肩を掴んで、引っ張って
目を、見られて
「……ん……キス……キスしてあげるから、目閉じて」
「!」
「ほら、3,2,1」
「!?」
有無を言わさない。
八奈見さんが唇を付けてきて、遅れて目は閉じた。
……くちゅ……ちゅ
「……ッ」
柔らかい。
塩気と、砂糖の粒子、唇と舌、絡み合って溶けて、唾液の熱も混ざり合う。
開いた唇、と唇。
八奈見さんのキスは、とてもとても
「……ん……んっく……ぁ、冷静になった?」
「……ぁ、あぁ」
「ん……混乱してる?……ま、びくびくしてないならいいや……ほら、怒ってないでしょ。引いてもないし……気持ち悪がっても無いから」
証明の為のキス、なのだとようやく理解する。
けど、手段は少々強引過ぎないか?
「温水君……あのさ、私達ってエッチする友達だよね」
「……」
うなずく、唇が痺れて言葉が出ない。
「ん……じゃあ、エッチするの……嫌だった?」
「!」
余裕が無いのは自分ばかり、八奈見さんの方にばかり余裕があった今までのやり取り
だけど、その疑問文を唱えた瞬間、本当に八奈見さんは不安そうに眉をしかめた。
怖がっていた。
「……ぁ、っく……ぁ……ぁ、い」
無い、一度も思ったことは無い。
異常だとか、おかしいとか、リアクションを取ることはあっても、この関係を営みを俺は嫌悪したことは無い。
八奈見さんにも、焼塩にも、小鞠にも、求められているのは男冥利に尽きる。垂涎の体験だと、ありがたく理解している。
だから、だからこそ
「……求め過ぎ、だって……分不相応だって、思ったんだ」
「ん、そんなところだよね……やっぱり」
特大のため息
八奈見さんのジト目が刺さる。ちょっと怖い
「ねえ、そうやって卑下してさ……前にも似たことあったよね。そういうとこだよ、ほんと……そ~いう、とこだよ……温水君」
「……」
どういう所かなんて尋ねられない。重々理解している。でも、理解しても、それでも躊躇ってしまうのだ。
「……俺が求めるのは、違うって……思ってた」
「そうだよね……でもそれだとさ、私達も辛いよ。突き放さないで欲しいな」
「……」
「温水君に甘えてるのは私達も、なんだから……だから、ちゃんと恩を返させて欲しい。貰ってばかりじゃ不公平だから」
「…………でも」
「良いじゃん」
「……」
「もう、夢の話で言ったも同然だけどさ……ちゃんと言ってよ♡」
素直に、可愛く
正直になってくれたら、私も嬉しいから
……するるッ
「!」
言って、言葉だけの段階は終わり。
八奈見さんは次の段階へ移行した。その両手は、露になった乳房を覆い、自ら揉みしだいて柔らかさを見せつける。
指の合間から見える乳輪と乳首が、より存在感を強調。
揺らして、左右互い違いに、寄せて、広げて
目の前にある生の乳房を、八奈見さんは頬を赤らめながら披露していた。
…………ぷるん……むにゅるんッ♡
「……おっぱい……温水君の好きな、八奈見杏奈のおっぱいだよ♡」
……むにゅ……むにゅ、ふにゅ
「……ほら、飲みたいんでしょ♡……おっぱい、欲しくて赤ちゃんになっちゃうぐらい♡……私の、八奈見杏奈のFカップおっぱい♡……欲しくて仕方ないって思ったから夢に見たんだよね♡♡」
「いいよ。私も……温水君には優しくしてあげたいから♡」
「だから……夢でも甘えてくれたのは、嬉しい。ありがとね♡」
……ふゆん、むにゅ
…………ぷるんッ♡
「温水君ってさ、私のおっぱい……嫌いだっけ?」
ブラをしていないから、自重で下に降りようとする。けど、それを抵抗して持ち上げる張りが、乳房の先端を前に向ける。
二つの乳首は目の様で、その下に曲線を一本引けばシミュラクラ現象で顔が浮き出てしまうだろ。
それぐらい、綺麗な新円の乳輪と、整った形の乳房をしている。
不揃いは無い。釣り合って、均整の取れた二対の乳房は見ているだけで涎が湧いてしまう。
提供された馳走に飛びついてしまえば、八奈見さんは怒るだろうか。いや、怒られないのだと今までの会話で証明されてしまった。
剥き出し、生の乳房は誰でもない、自分に対して捧げられている。
乳房を見ることも、味わう事も、八奈見さんは許している。
むしろ、欲しがっている。
「おっぱい、嫌いだっけ?」
「————ッ」
首は、切り落とされたかと思うほどにストンと落ちて頷いた。
「うん、良い子♡……よしよ~し、やっと素直になったね♡」
破顔一笑という言葉が良くあてはまる。
綻ばせて笑みを見せる八奈見さんは、さてさてとおもむろに立って、そしてベッドに上がった。
上裸の女の子がベッドに上がる。そんな行為に心臓がバクンっと一拍だけ鼓動を乱した。
「……ほら、おいで」
「あ、はい」
「固いよ」
笑って末八奈見さんに俺は近づいた。女の子座りの八奈見さんと、正座で向き合って
何をするのか、その手に視線を向けた。
「ねえ……母乳って甘い味だよね」
「えっと……なに?」
「だから、母乳の味……夢で飲んだんでしょ、私の母乳♡……おっぱいのミルク、ちゅぱちゅぱ、こくこく」
「……」
「いいのいいの、恥ずかしがらないで……問題は、母乳が飲みたい温水君だけど、私はまだ母乳が出せないってこと。当然だよね、私赤ちゃん産んでないし」
「けほ、こほッ!」
「あはは、わかりやすい動揺して……もうやめてよ、ニヤついちゃうじゃん♡」
「……あの、いったい何を」
するつもり、なのかと
尋ねる前に、疑問を問おうとする俺の顔の前に、八奈見さんはソレを見せつけた。
佳樹からもらったそれ、卓上のお菓子と一緒に並べていた。
一つを手に、八奈見さんは目の前で両端を引っ張って包装をほどく。
「っと……ありがと、じゃあそれ頂戴」
落ちるそれを手に取ったら、八奈見さんは口を開けて待った。
舌を出して、目を閉じて、おっぱいをむき出しにしている女の子が口に入れられるのを待っている。
「言っておくけど……おちんちんじゃないからね、入れるの」
「あ、はい……ぁ、えっと」
「ほら、ひょうらい……ん、フェラはまた後でしてあげるから。ほら、それ……口に入れて」
「……うん」
言われるまま、湿って熱を帯びる舌の上に、俺はそれを
ミルク味の飴玉を、八奈見さんの口に入れた。
……ぁ、っむ……くちゅ……れる、れりゅれぇ♡
「ん……あま♡……ん、おいひ♡」
「……あの、何……ぁ、え?」
「……ん、ふふ」
八奈見さんは、自分のおっぱいを掴んで、その先端を上に向けた。
豊満とはいえ健康的な部類での大きい乳房。フィクションみたいなサイズ感じゃない。
だから、少し苦戦しながら八奈見さんは顔を俯むかせて、なんとか乳房の先端を咥えた。
自らの乳房を、乳輪を、乳首を、ミルク味の飴を含んだ口で舐めて、味を付けていた。
「……ッ」
理解した。
八奈見さんは母乳が出ない。まだ、まだ未成年の女子高生。だけど、そんな八奈見さんでも母乳を与えることはできてしまう。
「……ほら……おいで」
「欲しかったんでしょ」
両手開きで迎えてくれている。
「温水くんほら、母乳あるよ♡……私の甘いおっぱいミルク、興味ないの?」
今回はここまで、次回はがっつりえちえち。
読了感謝です。この話が面白かったなら感想、評価など頂けますと幸い。モチベ上がって日々の励みになります。
次のお話も来週日曜に投稿。お楽しみに