~前回までのあらすじ~
温水と八奈見の二人は悪天候で帰宅が出来ず、やむを得なくラブホに泊まってしまった。
一線を越えないようにと温水は理性を保ちたかった。だが、八奈見がうっかり付けたテレビでAVのフェラシーンが映ってしまい、見て聞いてしまったのがきっかけとなりムードが出来上がってしまう。
好奇心と環境故の高揚感、発情した八奈見により温水は初体験を得てしまう。その結果、八奈見杏菜はフェラ好きの癖を発現したのだった。つまり、負けヒロインからエロゲヒロインへと無事に進化を遂げたのである。
そして、二人は見事にホテルで一線を越え、以降は学校であろうとフェラチオをしてしまうフェラ好き八奈見さんと搾られて餌食になる温水くんな学園生活が続いてしまうのだった。
~本編~
あの日、ラブホに一線を越えてしまってから、八奈見さんは驚くべき程エロゲヒロインとして順応していく姿を見せてきた。率直に言うと毎日八奈見さんにフェラチオで射精されている。
元から才があったのか、とにかく口の使い方も腰の揺らし方も卓越。日に日にテクニックを増して八奈見さんは日々搾り方を模索してそれが楽しみにすらなっている。前世はクレオパトラや吉原の花魁、守護霊は女神イシュタルやシンプルにサキュバス。そう思わないと許容できないほどに、八奈見杏菜という女性はひどく多淫で手に余る。
いや、この場合手は使っていない。下半身が、いや自分は常に静止、受け身で待っているだけ。
ほんと好き放題にされている。八奈見さんが味わって、跨って、そして自分が果てるだけ。主導権なんてない。
受け身で、餌食になって八奈見さんの機嫌を良くする糧となるのが今のところ自分の役目である。
「温水くん♡……ちょっと早いよ、我慢しなよ♡」
「……ッ」
悔しい思いで睨むけど、八奈見さんはそんな抵抗も愛らしいと、羽虫ほどの抵抗にしか感じていない。
「汗かいちゃった……ん、ん」
精液を含んだ口にスポーツドリンクを流し込み、一気飲みして喉を清め潤わせる。
もう口付けたから飲めない。
一口も飲んでないスポドリは、そのまま八奈見さんにプレゼントすることが確定した。
「フェラチオってさ、結構汗かくんだよね♡……なんだか、体が火照っちゃうからかな?おまんこえっちだと、もっと汗かくんだよね♡……ふふ、エッチはダイエットに向いてるんだ」
「へぇ、そうなんだ……えっと、その話まだ続く??」
物知り顔で、すごくエロゲヒロインみたいなことを言っている。まあ、実際エロゲヒロインでなければ言えないセリフだ。
それに、汗をかくというのは間違いではない。体温が上がるし、今八奈見さんの額にも汗が流れている。ダイエットになるかどうかは、ちょっとわからない。わき腹やお腹の柔らかさの感触は、昨日も一昨日も変わっていなかった。
でも、行為をしてしまった八奈見さんの言うことだから、説得力はあるのか。今後、よりすらっとした体を見ることが叶うなら、それは少し楽しみ、いや
「なに?痩せて欲しくなさそうな顔してさ……そんなに人の体ふにふにしたいんだ。えっち」
「……ッ」
「エッチはまた今度……今は、おちんちん舐めるだけで我慢してね。良い子だからね、わかってね♡」
「こ、子ども扱いみたいなこと……あ、やめ」
……じゅる、ぢゅぶぶぅッ♡
「————ッ」
「ん、ふふ……なに、何か言った?」
トイレの個室でしゃがみ、座る自分のチンポを舐めてしゃぶって嚥下しただけ。
八奈見さんは満足そうに尿道に残るものを吸い出して、味わい飲み干した。面を上げて、屈めた上半身を逆に反らせて伸びをする。前に突き出て揺れる胸、ブラが透けて見えてしまっている。
制服は汗で湿り、張り付いてしまっているからだ。
「ん、汗だく……いっぱいかいちゃった♡」
「えっと、大丈夫なの」
「うん、ちゃんと予備持ってきてる。着替えるから問題ないよ」
「……端っこ寄るね」
「ん、ありがとね」
狭い個室トイレで行為をしていた。こっちが持っていたカバンから八奈見さんは上着を取り出し、脱いだ汗まみれの制服を袋に詰めてカバンに戻す。
目の前で、下着姿の八奈見さんを見てしまう。
見られることに躊躇いが無い。サービスなのか、ちらちらこっちを見て、わざとらしく胸を揺らしたりもした。そして、あっという間に着替えを終えてしまった。
「時間ある時、もっとちゃんと見せてあげる」
「や、やさしいんだ……八奈見さん」
「ふふ、いつも舐めさせてくれるお礼♡……温水君のおちんちん、ほんとすごく美味しいの♡……だから、ちゃんとお礼もしてあげないと♡」
「……————ッ」
ありがとね、口にする感謝の言葉は本心なのだろう。
だけど、耳をくすぐるその声は何ともこそばゆい。どれだけ行為を重ねていても、八奈見さんがつねに先に立っていて、つまるところ可愛がられている。
楽しまれている。それはそれで名誉だし、役得なのだろうけど、自分の童貞臭さがずっと残ったままなのは否めない。
「……八奈見さんって」
「?」
「……いや、なんでもない」
自分を可愛がって楽しんでいるのかなんて、聞いてしまえばもう負けだ。対等な関係の行為ではなく、八奈見さん上位であることを認めるようなもの
だから、口にはできない。
情けなくイかされた返しは、何時か必ず、でも今は
「……いつも、ありがとう」
「ん、ふふ……なになに、告白でもする気?……ん、フっちゃうけどそれでも言いたいならどうぞ」
少し、既視感のある光景を思わせる返しが来た。
着替えを終えて、八奈見さんはトイレの扉を開けて一歩下がる。
「この前、授業遅れたよね……そろそろ戻ろっか」
「……だね」
合わせたように予鈴もなる。戻らなければ、人気のないトイレをでて、僕らは少しずらして教室に戻るのだ。
バレないように、行為なんてなかったと嘯いて堂々と席に着く。だから、そのためにも
「……精液の匂い、残ってないよね?」
「う、うん……ちゃんと上書きしたから、甘い匂いしかしないよ」
「……そう、だね」
八奈見さんは香水を買った。行為の匂いを消す為、その確認のためわざわざ近づいて、胸をくっつけて匂いをかがせてきた。
近い、というか確認だけなのに、どうして抱き着いて離さないのか
「や、八奈見さん……匂い、また付くよ」
「ん、私は良いの。匂いがするのは温水くんの方でしょ、だから……匂いを私のミントの匂いで上書き中。大丈夫、少し早歩きすれば間に合うよ♡……だから、ん」
……むにゅ、ふにゅんッ♡
「擦り付けておくね♡」
「……————ッ」
健康的で、そして豊満な八奈見さんのバスト。姫宮さんを乳牛と批判しながら、そういう八奈見さんのそれも十分すぎるほどに豊かで凶暴だ。
ブラ越しでもわかる柔らかさと張り、纏った香水のにおいを岳じゃない。みだらなフェロモン、体表に纏う汗も含めて塗りたくられる。
……精液臭はバレないけど、別の匂いを疑われるッ
「ふふ……温水くん、顔赤いよ♡……ねえ、今度時間空けてしよっか♡……汗だくで、濃い匂いのえっち、しよ♡」
「!」
どこまでも蠱惑的に、サキュバスチックに八奈見さんは誘惑する。
求めて止まない。絶えず行為を目的に日々が回る。エロゲヒロインの生き方に、自分は今振り回されている。
〇
~焼塩檸檬もエロゲヒロインの道を行く~
体育倉庫に閉じ込められてしまった。
「困ったな」
「……」
聞かせるように言葉を口にする。
状況はそこまで切迫していない。あの時と違い、炎天下ではない少し肌寒さを感じる頃合い、温暖化と四季の変わり目が程よく打ち消し合って結果春にも似た過ごしやすさがある気候だ。
だから、あの時みたいに熱で浮かれてしまったり、熱で焼塩が脱ぎ始めたり、冷却スプレーを肌に浴びて官能的な声を漏らすことも無い。
「なあ、焼塩……とりあえず、出ようか。八奈見さんに連絡して」
開けてもらえばいい。
ただ、それだけのこと。そう、だから
「……ん……だめ」
「?」
妙に、焼塩が黙っている。男と二人閉じ込められている状況を想えば無理もない。だけど、焼塩はどうもそんな理由から黙っているわけでもない。
きっと理由があって、今もその手は俺のスマホを取り出すのを阻止している。
「急がなくて、いいよ……別に」
「いや、急がないとかそいう問題じゃ」
「やだ、やだやだ……とにかく、やだ」
「だ、駄々っ子?」
ちょっと涙目、向きになって焼塩が静止してくる。
まるで、何かを訴えたいのか
「言いたいことでもあるなら、言っていいよ……もしかして、何か悪いことしたかな?」
「……よね」
「?」
聞こえなかった。震えながら、震える唇をかみしめて焼塩檸檬は再び告げる。
「ぬっくんてさ、やなちゃんとえっちしてるよね?」
「!」
いつの間にか評価増えてて感想も来ててありがたや。