突然の雨と交通麻痺でまたもや外泊、八奈見と温水の二人はネカフェにいた。
ちなみに、共に両親に電話をして店の人に外泊許可を提示、そこで親とのやり取りは途絶え、親たちは自分の息子娘がまさかカップルシートを利用しているとは知らず外泊は成立してしまった。
店側が気を使い、カップル二人に部屋を提供したつもりなのだろう。生暖かい目で、二人で仲良くね、あ、でも変なことしちゃダメよと、女子大生風な店員さんに言われ温水は微妙な顔を無理やり笑みにして感謝を返す。
一方で八奈見さんはというとネカフェに宿泊するという未知の体験に興奮してあまり状況が入っていない模様。
「いいのかな、これ……流石に八奈見さんのご両親が良く思わないよ」
「良いんじゃないの?別に温水君と一緒だって言ってないし……連れがいるって言ったから、勝手に女の子認定したっぽいし」
「……問題、ならないといいんだけど」
「まあいいじゃん……それに前よりは健全だよ。だってネカフェだし、ラブホじゃないし」
「それでもさ、カップル席だよ」
「照れてるねぇ、温水くんはうぶだね。まあ、そういうところは嫌いじゃないけど」
「八奈見さんがお金足りたらカップル割りに頼らなくてもよかったんだけどな」
「細かいなぁ、温水くんも節約できたし問題ないよね?」
「……まあ、それはそうだけど」
相変わらずというべきか、八奈見さんには金銭の余裕がなかった。
限られた予算で安心安全に夜を越すには、カップル割りで完全個室を利用するしかなかったのだった。
部屋に二人きり、カップル用に広めな間取りの個室。今は飲食の為に席とテーブルがある場所にいるけど、部屋の方はさっき荷物を置く為に見わたしたわけで、これから夜を明かす場所があんなに狭くて密室なのだと想うと緊張は抜けてくれない。
フラットな革張りのすべすべした床にクッションや座椅子。カップルなのだからしきりは不要、あそこで八奈見さんと添い寝をしてしまうのは確定。そう思うだけで、生唾が過剰に湧いてしまう
「……ん……したかったらさ、しちゃえばいいよ。部屋でエッチしよ♡問題ないでしょ、期待している温水君♡」
「————ッ」
お椀いっぱいのソフトクリーム、そして熱々の山盛りポテトを頬張る八奈見さん。ポテトは浮いたお金で俺が払ったもの、一応これが夕食代わりだ。
匙ですくったアイスを一口、ポテトの棒をハムっと咥えて、カリカリかじりながら削れてイく鉛筆の様に中へと消えていき、そして唇に付いた塩を舌で舐めて綺麗にする。
「……ッ」
意識してしまう。そして、視線が八奈見さんの唇や舌を追ってしまう。
そこが性器的な場所であると知っているから、気持ちよさをわからされているから、仕方なく
「ん……ふふ、温水君のえっち」
「……や、八奈見さん……人、いるから」
「大丈夫、うっすらBGM流れてるし……あと、皆イヤホンだし」
「そ、それはそうだけど」
「とにかく、して欲しいなら言っていいよ……はっむ……んぅ、断らないし♡……んぅ、あっまぁ♡」
「……」
二人きりを意に介さない。ただ、このネカフェという環境を素直に楽しんでいる。
「…………」
なんというか、本当に無防備だ。
人の思いも知らないで
「ぬっくん、悩んでないで楽しもうよ。漫画もネットも完備、それにここはなんといってもさ、ソフトクリームが食べ放題なんだよ!キャラメルもチョコもかけ放題!天国、ネカフェって天国だったんだね!!え、私たち死んじゃったのかな!?」
「うん…………天国、かも」
「そうだよね、ネカフェっていいね……ん、でもちょっと食べ過ぎたかも。ソフトクリーム多いや……ねえ、ちょっと手伝って」
「……だから言ったのに」
溶けかけの山盛りソフトクリームの残り6割、仕方ないと自分も器を用意して少し手伝うことにした。
甘いチョコとキャラメル、ただただ甘い味に舌が参ってしまう。
「あまい」
「……あまいね、ほんと」
~消灯時間~
聞こえるのは空調の音だけ。借りた毛布とクッションの枕に身を預け、僕らは時間が来るのを待った。
塗れこそしなかったけど、外は雨が降っていて肌が凍えるぐらい寒い気候だったから、興奮も覚めると疲労を自然と思い出してしまう。
その上糖分の過剰な摂取ときたものだから、睡魔は格別だろう。
漫画を積んだタワーは半ばで終わり、八奈見さんはすぐに寝息を立てた。
「風邪ひくよ」
そばにある漫画を片付けて、そして部屋の温度を少しばかり上げた。
制服やスカートのままで寝る八奈見さんを見て、しわになってしまうとも思ったがこればっかしは
「熱い」
「へ?」
……ガバ
そっとかけた毛布を跳ね上げて、八奈見さんがむくりと起き上がった。
けど、目の焦点はあっていない。寝入りかけたせいか半覚醒だとはわかる。だからだろう
……すぽん
「!」
「ん、しわになる……温水君、これハンガーにかけて」
渡された制服、連なったリボン、そして
「ぁ、ちょっと……八奈見さんッ??」
「ん……いいじゃん、見たことあるし……問題ないでしょ」
そういう八奈見さんの手には、愛らしいガラの入った清楚な青い下着が掴まれている。
もう一方の手で隠すこともしていない。ただただ、目の前にトップレスの八奈見さんがいる。なんだったら、下もショーツだけ
それが許されるのは男子だけ、だけど八奈見さんは脱いでしまった。
「……ほら、受け取って」
「は、はい……ぁ」
手渡されてしまった。何度も八奈見さんの裸と下着に目線を入れ替えながら、結局受け取ってしまった。
熱い。体温をそのままに吸ったブラジャーを手にしてしまっている。
触れている。
「変なことしないでね、それ高かったし」
「……ぁ、いや」
不埒な思いを抱いたのは認める。
釘を刺されたからではないけど、素直に衣類はハンガーにかけて壁に吊り下げる。
「眩しいから、灯消して」
「……うん」
言われるまま、部屋の明かりを消した。窓のない部屋で、唯一の明かりは光源を落としたデスクトップのPCだけ。
放つ光は少し高い位置。
フラットな床に寝転がってしまえば、何も気にならない。
ほどよい暗さに身を委ね、寝息を立ててしまうまでの早さには、何も変だとは思わない。
「……————ッ」
……ごくり
でも、無防備だとは思ってしまう。
……ギシッ
「……いいよ」
「!」
「驚いてる。わかるよ、触ろうとしたんでしょ……寝てるから、バレないから」
「え、いや……その」
動揺を隠せない。闇夜にまぎれたつもりだったのに、八奈見さんは目を閉じたまま嬉し気に笑っている。
「動き、伝わるよ。この床、柔らかいからさ……温水君の動きが伝わるんだよね。寝ているから、余計にね」
「……ごめん」
「謝らなくていいのに……それに、わたしはいいよって、許したんだよ。」
「……ぁ」
言われて、理解した。
暗い中で八奈見さんを包む毛布が動く。パソコンの薄暗い明かりの中で影絵のように白と黒がコントラストで八奈見さんを表現する。
黒い影の中
めくれた毛布の中の黒に、八奈見さんは手招きをする。
「いいよ、おいで……裸見て興奮したんでしょ♡……温水君、私のおっぱい嫌いだっけ?」
「!」
迷い、震えて固まった。
そんな自分にしびれを切らして、八奈見さんは毛布を纏ったまま飛び掛かる。
きしむ床、擦れる肌の音、漏れ出る声、全部全部騒々しいものだけど、完全防音の個室だからきっと問題は生じない。
問題があり過ぎるほどに、俺たちの行為は問題として認識されないのだ。
次エッチシーン、オタクに優しいギャル並みにあまあまでおっぱいを施してくれる八奈見さんはかわいい(存在しない概念)
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