心が疲弊しているとは思わない。
自分よりもずっと悩みを抱えていて、生き辛くて、大変な目にあいながらも耐えるしかない人がいる。なのに、そうであるのに、だ
自分だけ、こんないい思いをしていいのかと、罪悪感が胸を刺す。
「……息……我慢しないで♡」
「————……うん」
顔を包む膨らみの柔らかさ、後頭部を何度も撫でる八奈見さんの手の平。
裸になって、全身が敏感に感じてしまうから、余計に心地よさが身に染みる。
「ん……ん……ぁ……あぁ、これ……ちょっと好きかも♡」
好き、楽しい、小さく感想を口にしながら八奈見さんは人の頭を撫でるのに夢中だ。
「ネカフェ、エッチする場所じゃないのにね……結局、二人共さ、裸になっちゃったね♡」
「……」
静まる顔、口元はちゃんと動く。だけど、胸の谷間の奥に息を吹きかけてしまう。
その位置で呼吸をするのは、すごく、そうすごく
「ん……幸せでしょ。おっぱいの中で、息を吸って吐いて……温水君、贅沢だね♡」
「————ッ」
八奈見さんの言葉が前髪をくすぐる度に、全身がびりりと震えてしまう。
囁く言葉に耳裏をくすぐられて、力が抜ける。
……むにゅ……ふにゅん
「!」
「……ん、落ち着いてるね♡……温水君、おっぱい好きだもんね~……よしよし、よ~しよし♡」
落ち着くどころじゃない。
力が奪われる。されるがままにされてしまう。
何も、抵抗できないまま。施されるそれに、喉を鳴らされてしまう。
「……ぁ」
……たっぷん……んっちゅ、くちゅ♡
「…………ん……吸った♡……吸えたね、温水君♡」
……する、もぞぞ
「!」
姿勢が変わる。背中が床に付く。
見上げる景色は真っ暗なまま、だけど口には八奈見さんの温もりと、柔らかさが引っかかったまま。
大きくて、形も良くて、本人が思う以上にそこは魅力的で、だからッ
「……ちゅ……っちゅ♡……吸っていいよ……いいんだよ♡」
「————ッ」
「ほら……暗くしてるし、音も聞こえないし……問題、無いよ♡」
「…………や、八奈見さ……ぁ、んッ」
もぞもぞとうごめく毛布の中で、八奈見さんは手を伸ばして何かをしている。
個室とはいえ狭い中だ。手を伸ばせば、端に寄せておいているカバンに手が届く。
八奈見さんが手を伸ばしたのは、八奈見さんのカバン。場所は、その手が覚えている。どこに、何をしまっているかも、問題なく
……びり
「!」
聞き覚えのある音がした。そして、すぐに自分の性器が感覚を脳に届けた。
触れられて、握られて……そして
「ほら……温水君♡……お着替え、しよっか♡……ふふ……かっこいいの、つけてあげるね♡」
……ぬっぷ……ずりゅ、ずるるッ♡
「ん……はい、着れたね♡……おちんちん、お着替えできたね♡」
「……だから、さ」
「……………えっち、出来ちゃうね♡」
……ずっぷ……ぬぷちゅッ♡
「!?」
迷いも躊躇いも無く、八奈見さんは腰を下ろした。
ショーツをずらして、濡れた割れ目で硬い棒を奥まで飲み干す。
程よく締まり、程よく柔らかい。八奈見さんの中は、息が乱れて涙が出るほどに心地いい。
「ん……ぁ……っぁ♡……やっぱり、しちゃったね♡……私たち、エッチしちゃうよね♡……だって……だし……うん…………ふふ……わたしたち……だし」
「え、な、なにを……ッ」
「……聞こえてないなら、いいよ……ふふ♡」
……ぬっぷ……ぐちゅ、どちゅッ
……ぐっちゅん、ずちゅ、ぐちゅにちゅッ
「————ッ」
「はいはい、エッチ気持ちいいよね~♡……ん……ほら、おっぱいあげるから……良い子にしてね♡……良い子にして……ちゃんと、ん……おちんちん、硬くしてッ♡」
…………ぬっちゅ、にちゅ………ぐちゅ
…………どっちゅんッ♡
「……ん……温水君の……さ……素直で、可愛い所♡……たまには、みせてよね♡……ん……んぅ♡」
……ぱん、ぱんぱん……ぬっちゅんッ♡
「……————ッ」
激しさは無い。だけど、ねっとりと絡みつく艶めかしい腰使いに声が上がってしまう。防音でも漏れてしまいそうで、怖いからとにかく耐えないと
けど、そう思えば思うほど、目の前に当てられたふくらみに頼ってしまう。
「……ッ」
「ん……良い子♡」
触れてしまった柔らかい果実、そしてその先にある吸い口から逃れられない。抗えない。
恥ずかしいのに、体が勝手に本能に従ってしまう。
「いいのに……強がらないで、甘えていいって言ってるんだしさ……ほら、吸っちゃえ♡」
「————……ッ」
格好悪い姿を見られたくない。
恥ずかしい姿を見せたくない。そう思って抗うのに、八奈見さんはわかって言葉を囁していてくる。
「……いいよ……出しちゃえ♡……吸いながら、出しちゃえッ♡」
「————ッ」
抵抗を無慈悲に、指先で簡単につぶして、擦り砕いて、一口で頂かれてしまう。
情けない姿を、八奈見さんに
「!」
「ぁ……ん……ふふ……ん…………どく、どく♡……びゅっぴゅ~♡……んぅ……ふふ♡」
「……——ッッ」
負けてしまった。そんな思いを抱きながら、口に触れる柔らかさを吸いながら熱い息を吐く。
出る、出ていく。八奈見さんの膣内に締め付けられて、先のゴムを膨らましてしまった。
「……ん……でちゃったね♡」
「ご、ごめ……んぅ!」
「こら、謝罪はダメ……せっかく甘やかしてあげたのに……温水君、そういう所だよ♡」
「————ッ」
どういうところだよと、心の底から叫びたい。だけど、そんな口も八奈見さんのパフパフで何も言えないまま
いい匂いを、感じたまま
「……ッ」
「ん……ぁ、抱き着いて……甘えちゃったね、ついに♡」
「————……ッ」
細い腰、女の子らしい細い腰に柔らかいムチムチした弾力を付けて、抱きしめがいのある感触で手がもう離れてくれない。
抱きしめて、抱きしめて、顔に当たる膨らみの圧力をより強くして、ただただ
「……いいよ……溶けても♡」
……むにゅ……ぷるんッ
「……温水くんはさ、私のおっぱい好き?」
「……ん、教えてよ……頷けば、わかるから」
「ん……即答♡……そっか、好きなんだ~♡」
……むにゅ……むにゅりッ
……ふゆん、たっぷんッ♡
「ん、ふふ……いつもはさ、我慢するよね……ほら、フェラチオする時」
「触って良いって言うのに……遠慮しちゃうよね」
「……男の子、だから?」
「…………そっか、そっか~」
「男の子、なんだね♡……ふふ」
……むにゅ…………ぬっぷ
……くちゅ……ぬちゅ、にちゅ
「ん……私たちってさ、エッチしてるんだよ♡」
「……えっち、せっくす……おまんこ、ぱんぱん♡」
「……ねえ、欲張りになっちゃえばいいよ♡……少なくとも、私はそうしてるし」
「温水君もしていいよ。」
……ぬっちゅ、ぐちゅ
……………ぬちゅ、にちゅ
……くちゅんッ♡
「私、八奈見杏菜はね……エッチしていい女の子なんだよ。だから……さ」
「大好きなんだったら……さ、我慢しないで……んぅ、あ……求めてよ……ちゃんと、あげるから♡」
……ぬっちゅ、くちゅ……パンッ♡
……パン、ぱんぱんぱんぱん、ぱぁんッ♡♡
「私のおっぱい♡……温水君の自由にさせてあげるから♡」
「……遠慮しないで、さ」
「素直に、甘えて欲しいな♡♡……ぁ……ん……欲しい、なッ♡」
……ぐっちゅ、ぬっちゅ……ぐ
…………びゅるるる、ぶびゅるるぅうッ♡♡!?!?
「……んぅ、ぁ……ぅ、んぅぅぅッ……ぁ、ああぁ♡」
「また、出しちゃったね、すごい量♡……って、まずいね……これ♡」
「もったいないから、飲んじゃうね♡……んぁ、っむ、っく」
……ちゅっぷ……ちゅぽんッ♡
「!!」
「ん……いただきます♡」
「……ぁ、八奈見さん……ぁ、ああぁッ」
一瞬だった。
やっと解放されて、顔の汗をぬぐう間もなくて
息を整えるのも無視して、止めようとしたけど、でも間に合わなかった。
されるがまま、ただただ絞られて、甘やかしで遊ばれて、そして最後は
……どろ、くちゅ……くちゅつ、ごきゅッ♡
「ん……ご馳走様♡」
「————ッ」
出した精液二回分を、八奈見さんは一息に飲み干してしまった。
暗い部屋、逆光の明かり、陰に隠れているけども、八奈見さんがどんな顔をしているかをしっかり拝んだ。
まるで、淫魔の様に艶やかな
しかして、満面の笑みを見て
「……ッ」
震えるほどに、恐ろしく美しいと感じてしまった。
〇
よく眠れてしまった。八奈見さんの柔肌に顔を埋めながら迎えた朝は、何とも気持ちが良い。
朝食を食べて、会計を済ませたらまだ早い早朝の街並みで静けさと寒さを感じた。
「ん……あぁ、体ばきばきだね」
「うん、意外とね」
「普段使ってる寝床と違うからだね……このまま、部屋で二度寝しちゃうかも」
「帰ったら、その」
「大丈夫、ちゃんと誤魔化すから……前も問題なかったし♡」
「……そう」
前も問題なかった、その言葉を過信したくはないけど、でも奥底ではやっぱり期待を抱いてしまう。
八奈見さんと一夜を明かす楽しみ。嘘がまかり通ってしまうのなら、未成年の自分達でも大人のように夜を明かすことができるなら
「駄目だよ、やっぱり気を付けないと」
水をかけるような言葉、少しうつむいて吐いた。ネガティブをほんの少しだけ吐き出した。そうしたら
「温水くん」
八奈見さんは、吐いた言葉を拾うようにこっちを覗き見た。
視線はまっすぐ前に固定されてしまっている。
「……未成年ってことをさ、面倒に感じたのって初めてだよ」
「だからさ、気が引けるのもわかるよ」
「……えっち、本当はいけないことだもんね」
うつむく顔を前に固定される。
八奈見さんの両手に頬を支えられて、まっすぐ前を向けをされてしまっているのが今の状況。
「……ッ」
未成年、性行為、悩む頭をクリアにするのは目の前の満点過ぎる笑顔。
目の前の笑顔は、花が咲いたように鮮やかで、世界が一瞬で潤いを取り戻した。
「悩むよりさ、楽しいこと考えようよ。大人には無い未成年の特権だよ」
「ま、前向きだね……八奈見さんは」
「ん、前向きに楽しんでる。それにしてもさ、楽しみだよね……私たちが成人したらさ、今よりもっと楽しいことが待ってるよ♡」
「……成人」
その言葉の意味、八奈見さんが浮かべているのはきっと、あの時の再現、もしくはそれ以上。
つまるところ、成人になったら堂々と行こうと言っているのだ。そう、ラブホに。
「だからさ、前と上だけ見て……楽しくしよ。」
「あ、あの……おれ、そんなに深刻に悩んでるように見えた?」
「うん……だから、ちゃんと見ててあげる。下向いたら、こうして支えてあげるし、必要ならまたよしよしもしてあげるよ。」
「よ、しよしって……また」
……むにゅん
フラッシュバックする感覚。
手のひらとはいえ触られているから余計に脳が連想をしてしまう。
八奈見さんの体温をもとに、あの時の感触を
温もりを、柔らかさを
「大丈夫?……おっぱい、揉む♡?」
「!?」
早朝の道路で、してはいけない声を発してしまった。
震えて、動揺して、落ち着かなくて
「ひゃ、はへ……あ、ああッ」
「……なに、照れちゃってんの!」
……バン!
「!?……ぁ、あ」
戻った、世界が平常に正された。でも、今度は重力が不安定。背中に食らった勢いで前に前に足が進む。
「!」
背中を叩かれ体勢を崩したから、前にたくさん進んで、そしてどうにか足が止まる。
「温水くん、置いてかないでよ……もう」
「や、やなさんが……お、おして」
押されて、離れて、全身を俯瞰で見える位置に立って、見た。
振り返り見たのは八奈見さんの笑顔。
いつもの笑顔。
「……どうしたの?」
「ーーーーッ」
そこに、前日の性行為があったことなんて何も思わせる要素はない。
ただただ、自然体で堂々とした笑顔だった。
「……そういうとこだよ、温水君」
「ど、どういうところがなんだよ、八奈見さんッ」
「さぁ……私にもわかんない。でも、そういうところが、……かもって話♡」
「え、なに……最後だけ聞こえな、って、ちょっと!どうして走るの八奈見さん!!」
笑う八奈見さん、追いかける自分
見える情報に戸惑うばかり、結局答えが濁されたまま時間は過ぎる。
平穏じゃない、異常な体験ばかり、だけど日々は平穏のように過ぎていく。
滞りなく、流れていくばかり。
「ははは!……そういうとこだよ温水くん!!」
「だから、何が……そういうことなの!八奈見さん!?」
インモラルなイベントを消費した後なのに、何事も無く日々は回る。
未だ、学生生活に異常は無し。ただ時折、非現実的な、エロゲのようなイベントが起こるだけで、依然問題は起こらない。
つつがなく、日々は過ぎていく。
以上、八奈見さんとネカフェで密着あまあまえっちでした。
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