……温水君今日暇でしょ、家に行っていいかな?いいよね。後悔させないから♡
……今走っててさ、やなちゃんがぬっくんの家に行くから来ないって誘われてちょうど近くなんだよね。お邪魔するね~
日曜日、佳樹と二人部屋で本の虫になっていたら二人から家に来ていいかと連絡が来てしまって、そして運が悪いことにその連絡を佳樹に見られてしまった。そして瞬きする間のわずかな隙に佳樹にスマホを奪取された。
人の代わりに返信をした後、快く笑顔でスマホを返却した妹の身のこなしに兄として少々思わないところが無いわけじゃない。
「お兄様、佳樹はたった今、この瞬間に急用ができてしまいました。今日は二人とも帰りは遅いですから、夕方までは二人のお相手をしてください。佳樹も家には帰りません。お昼は冷蔵庫のモノを温めてお二人で召し上がってください八奈見杏菜さんの最近のお兄様に対するフレンドリーな接し方には興味があるものの一方で焼塩檸檬さんとは普段どのように接しているのか何故三人で密に集まる機会が多いのか、お伺いしたいことは山ほどありますがとにかくお兄様のご武運を佳樹は祈り帰りを遅くしますのでご安心をあとこれだけは絶対です佳樹に是非お兄様が日曜日の昼間に部屋で女性二人とどのような時間を過ごしたかそして何を思ったのかは必ず今夜中にお聞かせくださいそれでは失礼しますお兄様頑張ってください佳樹は応援しています!」
息継ぎの間もなく喋る妹の言葉に圧倒され、唖然としたまま停止。
そして停止して数分、我に返り慌てふためき再度スマホを見て連絡を確認しようとするがもう意味は無し。
来客を告げる電子の鐘が鳴る。
「入るよ~温水君……はい、これお土産のお菓子」
「お邪魔しま~す。ぬっくんごめんね、いきなり来ちゃってさ……それと、さっきまでフルで運動してたから汗だくなんだよね、洗って返すからタオル無いかな?さすがにこのままだと廊下汚しちゃうから」
「あ、それならシャワー使いなよ……て、佳樹ちゃん言ってたよ。もしよかったらお風呂も沸かしてるから三人とも良ければ汗を流したらってさ……何で三人なんだろうね?」
「へぇ、じゃあ貰おうかな?……今汗だくだし、そっちの方がいいよね……妹ちゃんありがと♪」
「…………」
何も言えず、ただ唖然として、迷いなくリビングに行きお菓子を開けてお茶を頂く八奈見さんとこれまた迷いなく浴室に入ってきてシャワーの音と気持ちのいい鼻歌を奏でる焼き塩達の行動
躊躇いもなく営まれる知人達の行動をただ見て流していた。
「とりあえず……お昼食べよっか、はは」
我ながら突っ込みを諦めてしまったのが情けない。しかし、何を行っても無駄、追い返せる胆力も正当な理由付けも思い付かないため無心になるほかなし。
「温水君どこ見て笑ってるの?……ちょっとキモいよ」
「ぬっくん、そういうところは良くないよ……ほんと」
「——————」
〇
昼食を終えたらさあ何をするか、そもそも日曜日にいきなり訪問してきた二人が何をするつもりか、以前なら目的が分からなさ過ぎて戸惑うばかり。それか、絶対に外れるのを見越してラノベ的な展開を期待して肩透かしを食らう流れだっただろう。
しかし、今に関して言えば展開を期待しても肩透かしは食らわない。予想は予想したまま、都合の良い期待は当てはまってしまう。
同級生の女子が二人、日曜日に家に来てただ飯を食べて終わりなわけがなく
二人と俺は性的な行為に及んでしまってる。
都合よく親もいない日中の家の中。何も起きないわけがない。
いや、違う。
二人が、何も起こさないわけが無いのだ。
「お腹いっぱい、やなちゃんいっぱい食べたね♡」
「まあね、佳樹ちゃんのご飯美味しいから……ん、今度お礼しないと」
「……あの、二人共」
「「?」」
呼びかける声、少し大きな声を出してしまったからか、きょとんとした顔で二人がこっちを見た。
部屋のベッドに坐している自分の前で、二人は迷いなく服に手をかけている。
肌を見られても動じないどころか目を細めてにやつくばかり。脱衣はこちらの恥じらいを引き出して楽しむためのからかい行為と化している。
「なになに?服着たままが良いの?……温水くんってそういうフェチ?」
「ぬっくんもの好きだね……逆に変態だね♡」
にやにやしながら二人はちらちらと上着をずらす。八奈見さんはニットセーター、焼塩は俺のシャツ。
既に着ていた服、ここに来てから着替えた服。
服を着たままの二人がリビングからこっちの部屋に入ったとなったらいきなりベッドに自分を座らせて、そして見えるようにその場で脱衣を始めた。
「ちょ、二人とも」
「なに、嫌なの?……嫌じゃないくせに♡」
「……ッ」
八奈見さんの言葉で一蹴されてしまう。
何も言い返せないまま、そのまま見守る以外に無くなる。
……ファサ
暖かい毛網の布地をした服が自分の方に渡される。とっさに受け取った手に、今度は焼塩が着ていた自分の服が重なる。
スカート、短パン、インナー、体温と微かに甘い匂いを含む布の塊に、顔が近づきそうになるのをどうにか堪えている。変態ではないと思いたいが、それでも目の前の温もりに顔を埋めたらどれだけ興奮するか、そんな風に思考が傾いてしまう。
「嗅ぎたかったら嗅いでも良いのに……別に、怒らないよ」
「いや、ダメでしょ」
「いいよ」
「……し、しないよ」
「そっか……じゃあ、ちゃんと見てよ」
「……ッ」
近づく、そして下着姿の焼塩は躊躇いなく体を寄せた。
右隣に座って、肩で肩を擦ってくる。
……ゾクゾク
「!」
「ん……ちょっとは喜んでよ、見せてあげたんだし」
下着姿の焼塩檸檬がそっと吐息を右耳に吹き込んできた
まるでASMRを思わせる。吹きかける吐息は耳の穴をこそげながら進み、頭の中にまで入って艶めかしい快感を首根っこまで響かせる。
「なぁに、その顔……耳元が良いんだ♡温水君って面白いね♡」
「ひゃ……や、八奈見さんまで」
空いた左に近づいて、八奈見さんも密着してきた。肩を擦り付け、いやそれ以上のことをして
左腕に抱き着いて下着越しに柔らかいモノの感触を当ててくる。覚えのある感触、覚えがあっても未だ慣れないその感触に全身が震えた。
「やなちゃんうらやましい♡……やっぱり大きいと良いのかな?」
「檸檬ちゃんのおっぱい綺麗だから問題ないよ。ほら、美乳って奴……ぬっくん好きだよね、さっきから当てて欲しそうにしてるし♡」
「ん、えい……あ、ほんとだ♡ぬっくん喜んでる♡♡」
……むにゅ、ふにゅ……ぷるんッ♡
…………むにゅん、もにゅるんッ♡
「……————ッ」
にやける二人の顔、より抱き着いて胸を押し当てて反応を伺ってくる。右にも左にも顔を逸らせない、うつむく横顔では恥じらいの赤身ももどかしさに震える弱い表情も、全部バレてしまっている。
「ぬっくん、おっぱい好きなんだよね?……やなちゃんから聞いたよ♡」
「この前いっぱい吸ってたよね♡……好きなんだよね温水君♡」
「あれかな?……長男だからお姉ちゃんが欲しかったり?」
「それあるかも……温水君なんだかんだ面倒見良いお兄ちゃんだしね……たまには頼りたいし、甘えたいんだね♡……あの時ネカフェの個室でいっぱい甘えてトロトロになってたぐらいだし」
「え、何それ聞きたい。……やなちゃんこの前ネカフェ行ったって聞いたけど、エッチしたんだ……なんかズルい」
「えへへ、ごめんね~……ん、自慢みたいになるから良くないかなって……だから今日誘ったわけだし、許して欲しいな」
「だめ……それだけじゃダメ……あ、そうだ……最初の一回目、私に譲ってくれたらいいよ」
「ん~……まあ、いいかな。ん、わかった……じゃ、温水君のおちんちん、今日は檸檬ちゃんに譲っちゃうね……いいよね、温水君♡」
「やった……じゃあ、一回目は私ね~♡……ありがとね、やなちゃん……あとぬっくん」
「……もう、好きにしてください」
下着姿の女子に密着されて言い寄られて、そして主導権は無いまま性行為の始まりを告げられてその上勝手に承諾をしたことにされてしまった。
エロゲヒロイン、と言っていいのか失礼に当たるかとも遠慮したけどもはや何のためらいも無く断言できるレベル。
痴女そのものであり痴女以上、エロゲヒロインの性的欲求発散の為に竿役である自分は二人のおもちゃになってしまう。
非力な自分を抑えつけて、焼塩と八奈見さんは楽しそうだ。けど、そこには加虐的な思考は無い。二人は善意で、あくまでも楽しいことをしたくてことに及んでいる。
だから、余計に質が悪いのだ。
「温水君♡……ほら、脱がしてあげる♡……抵抗しないんだ、良い子だね♡……かわいいじゃん、可愛いからキスしたくなちゃう♡……ん、んぅ……っちゅ、んっむ……ぁ、塞いじゃうね~♡……ぁむ、んぅ♡」
「……ッ」
後ろめたさは何もない。背徳感すら無いのかもしれない。だから躊躇いなく行為を施す。
嫌がってもそれは遠慮としか受け取らない。八奈見さんも焼塩も、良いことをしていると信じて疑わない。
「良い子だね、温水君♡……ぁ、っむ……んぅ♡」
……ぬりゅ、ぐちゅりゅるッ
日中で、親もいない家の私室で堂々と行う性行為、愛情表現ではない快楽を施してくるキス。唇を強引に開ける八奈見さんの舌には昼食後に食べたアイスの甘みが微かに残る。
唾液と、微かな甘み、キスで混ぜられグチャグチャした音を付随させて、一方的に気持ちよくされて力が抜けた隙に乗じて注いでくる。
……っく、コク
「!」
意志と反して、体は応じて八奈見さんのキスを受け入れてしまう。こじ開けられて開いた唇を閉じることはしなくなって、されるがまま体は脱力して八奈見さんの施しに無抵抗で応えてしまう。
そうすることが、とてもとても気持ちが良いから
「やなちゃん、キス上手だね……やっぱり、お口エッチが上手だとキスも上手なんだね♡……すごくえっち」
「ん……どうも……ん、ぅ……ぁ……温水君、反応良いからそう見えやすいだけかも♡……キス、好きだもんね♡……して欲しい顔わかりやすいし、ちょっとマゾだからかな?」
「ぬっくんってマゾなの?……あぁ、確かにマゾかも……ん、納得♡」
「そう、温水君はマゾ……マゾ可愛いね、だからすごく良い♡……反応、見たくなっちゃう♡」
「……わかる♡……今もすごく良い顔、なんだかいい気分になっちゃうね♡」
「そうそう……素直な温水君って、なんだか見てて楽しい♡……もっと、もっと喜ばしてあげたくなっちゃう♡」
「そうなんだ、なんだかやなちゃんおねえさんみたい♡」
「かもね……私がリードしてあげてるし……温水君、拒まないし♡……むしろ、嬉しくなってる♡」
……くちゅ、ぬるりゅ……くりゅんッ♡
「ん……ほら、喜んでる♡」
「————……ッ」
見下ろす顔は淫靡な笑み、八奈見さんに抑えつけられてキスで蕩けさせられている。それが今の自分の状況かと聞かれれば情報は不足だ。
八奈見さんは抑えつけてキスをして、無抵抗にする手助けをしている。
下半身では今も焼塩が人のモノに手を伸ばし、ゴム紐の履物をずり降ろして更には下着も
そして今は生の性器に手を添えている。
「ん、あぁ、ぁ……ぁ…………はぁ♡」
匂い好きな焼塩らしく、握ったまま顔を近づけて、ただそれだけで時間を要している。
八奈見さんと会話を続けながら、その顔は近づけたまま静止、ただ鼻息だけは深く大きく、恥ずかしい匂いをいっぱいに知られてしまっている。
「……ッ」
匂いをかがれて恥ずかしい思いが昇り、顔が熱くなって赤みを帯びる。そんな様子を、八奈見さんは抑えつけて逃げられなくした上で鑑賞している。
自分が嫌がっているのか、それとも喜んでしまっているのか、全部筒抜けだ。
「やっぱり、温水君はマゾなんだね♡……可愛いね、マゾで♡」
「――――ッ」
逃げ場の無い部屋の中、欲に灯を付けた二人の眼光に体は石になる。
魔法棒なんて目じゃない。
ギリシャ神話の眼光よりも恐ろしい拘束にあって、自分は今よりされるがまま、二人によって貪られる。
「温水くん、今日もいっぱい甘えてみよっか……ほら、おっぱい吸う?」
「ぬっくんかわいいんだね……じゃあ、私も甘やかしてみる♡……優しく、なめてあへふ、ぁっむ♡♡」
丁寧に、優しく優しく咀嚼されて飲み干されて、全てを受け入れてくれるのだから。本当に質が悪い。
以上、八奈見杏菜と焼塩檸檬のあまあま女性上位ハーレム展開です。次回もお楽しみに。