夏休みその後~家の女全員をお嫁さんにして子作りをする少年の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
夏美が僕の子供を妊娠してくれた。
嬉しくてたまらない。
最初に好きになった女が、僕の子供を孕んでくれて。
必ず産むって言ってくれてる。
そんなの、彼女の夫としては全力でサポートするしかないじゃ無いか!
「夏美、階段を上るときは必ず事前に僕に言うんだよ? 手を貸すからね」
「アナタ、さすがにそれはまだオーバーだよ。まだ全然動けるんだし」
僕が階段を上ろうとする夏美を見つけ、手を貸して一緒に2階に上がると。
僕のお願いに夏美が苦笑を浮かべた。
……あのねぇ
「夏美がお腹で育ててくれてるのは、僕らの愛の結晶なんだよ? 何がオーバーなのさ。僕は僕の子供に責任を持ちたいんだ!」
夏美に指を突きつけて、僕は正直な気持ちを口にした。
言われた夏美は最初キョトンとしていたけど。
……僕の想いが伝わったのか。
すごく嬉しそうに微笑んで
「一緒に育てようね。あなた」
僕を抱き締めてくれた。
……僕はそんな2番目の奥さんの振る舞いに、感激していたけど。
こういう状況に、思うところがあったみたいなんだよね。
ユイに。
ある日、僕が学校から帰ると。
ユイがジーンズ生地のスカートとジャケット姿で。
庭で焚火をしていた。
僕に背を向けて、しゃがんで焚火を見つめている。
金属の棒みたいなもので突っつきながら。
△学生が焚火なんて危ないな。
そう思ったから
「ユイ、何を焚火してるんだ? そういうことをしたいなら僕に言ってくれないと」
そう言って近づいた。
だけど。
燃やしているのは落ち葉でも、薪でもなく。
薬袋だった。
……え?
思わず、ユイを見る。
ユイは……
ニコリともしないで、真顔で焼いていた。
薬袋を。
僕は訳が分からなくて
「ユイ、何を焼いてるの?」
そう訊くと
彼女は答えてくれた。
「ピル」
「え」
……ユイはピルを飲んでいた。
理由は妊娠を防ぐためだ。
流石に△学生で妊娠はまずかろうという判断なんだけど。
それを庭で焼いていたんだ。
ユイは。
何でそんなことを?
そう、僕が訊く前に
「……私だって、ユウ君の赤ちゃん欲しい」
そう、ボソリと言って。
さらに
「……夏美お姉ちゃんが妊娠してから、ユウ君お姉ちゃんに特別優しい。……羨ましい。私もそうなりたい」
そう言って。
僕の目を見た。
そしてぶわっと表情を出した。
哀しみ、悔しさ、羨望、嫉妬……
そんな感情の爆発だ。
「私も夏美お姉ちゃんのステージに立ちたいの! そのためにこの薬は邪魔なの!」
ユイは泣いていた。
……なんてことだろう。
女性を護るための薬が、こんな悲しみを生むなんて……
ひょっとしたら、人類にはまだ早すぎる薬なのかもしれないね。
ピルは……
僕はそう思いつつ、ユイを……3番目の奥さんを抱き締めた。
「ユイ。好きだよ……」
そう耳元で囁きながら。
「ユウ君……私もあなたを愛してる」
ユイは僕をそんな熱っぽい、潤んだ瞳で見つめて。
そのままキスをしたんだ。
……こうして。
ユイはピルを止め、全力で僕の子供を授かるための行為……
妊活を開始したんだ。
ピルが産む悲しみ……!(何がだよ)
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