この“アイドル戦国時代”において1つの覇権をとった怪物ユニットLiPPS。そんな彼女たちが、とあるライブ会場の女子トイレで盗撮被害に遭ったという特大スキャンダル。我々はこの件についてLiPPSの所属事務所に問い合わせたが、1週間以上経った今も連絡はない。
我々はこのトイレ盗撮動画に関して識者に問うてみた。だが、驚くべきことに、識者は揃いも揃って動画の真贋ではなく、その影響力について話したのだ。まるでこの動画が本物であることを前提としているかのように……。
「このトイレ盗撮動画でもっともダメージを受けたのは間違いなく速水奏でしょう」
そう語るのは音楽プロデューサーのY氏だ。某有名フェスで初披露され、ファンはもちろん、これまで彼女を知らなかった音楽通たちをも熱狂させた『Hotel Moonside』……彼もその圧倒的なパフォーマンスに見せられた1人だ。
「速水奏の中心にあるのは『神秘性』だと思うんですよ。アイドルに必要とされる3要素、ビジュアル、ボーカル、ダンス……そのすべてを神秘性がつないでいて、だからこそ”速水奏”という唯一無二性が生まれている。ときにけれん味の強すぎる彼女の娼婦的な発言も、神秘性があればこそ許容され、魅力として昇華されているわけです。
それがですよ……なんですか、あのバカな男子小学生みたいなご立派一本グソは……。ええ、健康便で結構なことですよ?リアルなことを言えば、あの便は彼女がアイドルとして体調管理を怠っていない証拠でもあります。しかし、あの速水奏がバナナ色のテカテカうんこ、ですよ?それもタコの吸盤みたいなみっともないアナルから……。僕の中で”速水奏”の神秘性がガラガラと崩れる音がしましたね」
では『どんなうんこが良かったのか』と問われても、答えはないのだろう。とにかく、速水奏にとって健康的すぎる一本グソをひり出してしまったことが最悪手だったとY氏は言う。
「この動画を見てしまったら、もうファンは従来と同じように速水奏を”推す”ことはできないでしょう。なにせ、この世のものとは思えない神秘性と圧巻のパフォーマンスで魅了してきたアイドルが、”腸内環境が健康そのものな一介の女子高生”に成り下がってしまったのですから。フロアを大熱狂させる月明かりの女神も、舞台裏のトイレではお尻から黄色い一本グソをキバっているんだと思うと虚しくなりますね……。ああ、僕の気持ちを知りたいのでしたら、某18禁動画共有サイトを見てみてください。速水奏の排泄音と盗撮シーンを使った『Hotel Moonside』のリミックス版が投稿されていますから……」
一方、このトイレ盗撮動画の流出をある程度ポジティブに捉えている識者も存在する。女性スタイリストのO氏は、いくつかのファッション誌の撮影で城ヶ崎美嘉と仕事をした経験があるという。
「美嘉ちゃんの魅力って、”カリスマ性”と”日常性”だと思うのね。あのギャルメイクをするために生まれてきたような派手派手なルックス、キメるときはとことんキメる一方で、メイクを落とした素顔の彼女は純朴でどこか平凡でもある……そんな二面性があのトイレ盗撮動画では表現されてるってわけ」
いったいどういうことなのだろうか?城ヶ崎美嘉が色素沈着アナルからガチガチのひび割れ便秘うんこを必死でひり出すさまに”カリスマ性”と”日常性”が表現されている、ということなのか?
「そう。あの動画って悪趣味なのはともかくよく出来てるよね。アイドルのキレーな顔を映しながら、うんこを出すとこもきっちり映してる。ライブメイクでばっちりキメてる美嘉ちゃんの顔と、4日か5日は溜め込んだんじゃないかっていうゴリゴリのうんこ。まさに日本中のギャルの憧れをさらうカリスマ性と、日本中のギャルが悩んでいる日常的な便通問題の共演じゃない!美嘉ちゃんをエロい目で見ている男の子はどうだかわからないけれど、同性からするとあの動画、”がんばれ!がんばれ!”って共感できるのよねー」
女性ならではの新しい視点を提供してくれたO氏は城ヶ崎美嘉にエールを送る。
「今はショックかもしれない……っていうかショックすぎるよね。17歳なのにうんこシーン撮られちゃうとか最悪だよね。でも、5年後か10年後か……いつか笑える日が来ると思うわ。頑固な便秘になるのも、盗撮被害に遭っちゃうのも、若気の至り!うんこ中の顔がブサイクだって良いじゃない!お尻からピキピキのひび割れうんこをぶら下げてても良いじゃない!美嘉ちゃんファンの女の子はそんなことで見捨てないわ!美嘉ちゃん自身も『今日は便秘4日目だよ★』とか『今日のうんこがまたガチガチでさ〜』なんて言えるようになれば良いのよ!大丈夫、ド〜ンと構えていれば!」
「今回のトイレ盗撮被害でわかったのは、塩見周子というアイドルのポテンシャルです」
これまたポジティブとも言える意見を述べたのはアイドル評論家のF氏。LiPPSの個性的なメンバーの中ではやや目立たないバイプレイヤー的な立ち位置の塩見周子のことをデビュー当時から注目し続けている1人だ。
「究極のプライベート空間であると言えるトイレの個室内でこそ、彼女のアイドルとしての格が如実に表現されていましたね。初っ端からアイドルファンの夢である天然パイパンおまんこを見せつけ、困惑と安堵の表情を作りながらおしっこのジェット噴射、和菓子屋の娘らしいこしあんうんこ5本をひり出し、極めつけはとぐろを巻いたマンガグソの完成……塩見周子は和式便器の上でもエンターテイナーでした。表面上は個性的でも、うんこ自体は地味だったり平凡だったりする他のメンバーと比べて、明らかに見どころのある排便だったでしょう。まるで盗撮カメラの存在を知っていたかのような……あるいは、毎度の排便があのようなエンターテイメントならば、それはそれでアイドルの鑑ですね」
F氏の”周子上げ”はとどまるところを知らない。
「排便後、おまんこを拭いたおしっこまみれの紙でお尻まで拭くところも良い。『塩見周子のアナルはいったいどんな香りがするのだろう』と思わせる仕掛けです。さらにパンストを股間にフィットさせるときのがに股屈伸運動も見もの……みんなの憧れであるアイドルが日常生活動作に屈服した瞬間ですから……否でも応でも親近感が湧いてしまいますね」
アイドル業界に身を置きながら、まるでこの卑劣なトイレ盗撮動画を支持するような口ぶりのF氏だが……。
「トイレ盗撮は卑劣な犯罪行為です。それは変わりない。……ですが、細かく見れば見るほど、深入りすればするほどその魅力に取りつかれる……たとえ不本意なトイレ盗撮動画の中でも、塩見周子は“塩見周子”だった、ということを言いたいのです」
「盗撮被害に遭ったのは可哀想だけど、世代を代表するアイドルとしてはツメが甘かったんじゃない?」
寛容な意見もある一方、トイレ盗撮動画流出に厳しい見解を持つ識者もいる。宮本フレデリカと専属契約を結ぶジュエリーデザイナーの1人、M氏である。
「黒のTバックはセクシーで良かったわ。ブロンドのゴージャスなおまんこも素晴らしい。ピンク色の清楚なアナルも……他のメンバーのグロマンとかみすぼらしいアナルに比べて立派よ、完璧と言っても良いわ、さすがは私が見込んだアイドル。でも、あの下痢便は何?ブリブリビチビチ……ピーピーじゃない!悪いものでも食べた?お腹出して寝たの?間抜けな子どもじゃないんだから……あの娘、動画の中でうちのイヤリングをしてたのよ!もう勘弁してよ!」
ジュエリーやパフュームなどのデザイナーにとってアイドルは生きた広告塔と言える存在……いくら盗撮被害者であるとはいえ、自らが心血を注いで作り出した商品を身に着けたままで下痢便の醜態を晒したことにM氏は怒り心頭だ。
「今はセルフコントロールの時代よ。旧来的な美の価値観に加えて、“自分の心身を自分の思うままに律する”、“ありのままで美しい”ことが重要なの。それが人気と売り上げにつながる……その点で宮本フレデリカは最高の逸材だった。フランスの美を詰め込んだようなルックス、肩肘張らないのに洗練されたセンス、天衣無縫なキャラクター……あの忌々しい盗撮動画が流出するまでは!アイドルにとって一番大事なライブ当日にお腹壊して下痢便を撒き散らして……しかも一回拭いた後にまたシャバシャバの下痢便でお尻ベトベトにして‼セルフコントロールもへったくれもないじゃない!ブリブリブリブリ……あの穢らわしい雷みたいな音が耳に染み付いて離れないのよ!彼女、今ネットの変態どもからなんて言われてるか知ってる?『ブリブリブリ〜ブリデリカ〜♪』よ?盗撮動画がこれ以上話題になったら専属契約も解除よ!まったく……!」
「当社としましては、今年度をもちまして一ノ瀬志希さんとの専属契約を解除することを決定いたしました」
口ぶりこそ丁寧ながらすでに厳しい選択を下したことを告げたのは、一ノ瀬志希と商品開発協力を結んでいた化粧品メーカーの広報担当者だ。やはりあのトイレ盗撮動画が原因なのだろうか?
「詳細に関しては差し控えさせていただきます」
企業の窓口としてはそれが限界だろう。我々は独自のルートを用いて、広報担当者からもう少し詳しい内情を聞くことができた。
「当社としましては、一ノ瀬さんが盗撮被害に遭ったこと自体は問題視しておりません。彼女は被害者であり、悪質なのは加害者ですので。また、彼女の体質や習慣の問題も……その、お世辞にも美しいとはいえないおまんこやアナルの造形、陰毛やお尻の毛の処理を甚だ怠っていること、さらには排便に浣腸を用いたという……アイドルとしてはあってはならないことかもしれませんが、殊更には問題視しておりません。ただ、上層部としてはやはり、一ノ瀬さんがお尻を拭いた後の紙を嗅いだシーンだけは容認できないらしく……当社はアイドルとしてだけでなく、一ノ瀬さんの調香師としての力量を評価して専属契約を結んでおり……その、自分の排泄物のニオイを嗅いで、あまつさえそれに愉悦を見出しているかのような態度を示したことは、彼女の調香師としてのセンスを疑わせると……」
これは手厳しい……一ノ瀬志希は彼女のパーソナリティの大きな部分を占める香水作製能力に対して“ノー”を突きつけられてしまったのだ。広報担当者は“あくまで個人の見解ですが”と念押しして語ってくれた。
「……自分のうんこのニオイを嗅ぐって、もう動物ですよね……?いくら”志希にゃん、志希にゃん”って呼ばれてるからって、ホントの猫じゃないんですから……もし紙がなかったらお尻を舐めてキレイにしたんじゃないですか……?自由奔放な志希ちゃんが大好きでしたが、今回の件はさすがに引きました……」
5人の識者の意見を聞いた我々は、当初はこの映像の真偽を検証するなどと言っていたものの、今となっては『もうそんなことはもうどうでも良い』という境地に至った。この映像に映っていた女子たちが本物のLiPPSメンバーだったのか……そんなことは決してわからないのだ。たとえ本物だとしても事務所が認めるわけがないからである。であれば、我々も識者と同じく考えるべきだ……我々の見たことが、経験したことがすべてなのだ、と。映像は我々の直感に訴えかけ、我々はそれに従うべきなのである。我々にできることは、この映像をありのままに保存し、分析に分析を繰り返し、後世の人々に対してその意義を問うていくことだけなのかもしれない。
(終わり)