アイドルマスターシンデレラガールズの速水奏ちゃんが、番組収録直前にトイレに行きたくなっちゃって……どうなる⁉︎というお話です。
※本作はPixivにも投稿しております、
※本作は「お題箱」に投稿された以下のお題をもとに執筆されました。

『速水奏にスカトロドッキリ』
(詳しい内容指定がありましたが、ネタバレ防止のため割愛しております)

素晴らしいお題をありがとうございました。

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第1話

 時刻は午前9時……某テレビ局の楽屋に1人の少女が現れた。深い青にも見えるしっとりとした黒髪ショートボブ、意思の強い、それでいてどこか憂いを帯びた神秘的な琥珀の瞳……ペールブルーのワイシャツに臙脂のネクタイ、チェックのグレースカート、すなわち“制服”を身につけながらも、スカートは下品すぎない程度に短く折り、ネクタイはゆるく、チラリと谷間が見えるくらいにシャツの襟を開けたスタイルは、ギャルでもなくヤンキーでもなく、どこか退廃的な色気を醸し出している。たとえ制服姿でもその抜群の美貌と唯一無二のオーラは隠しきれない……彼女の名は速水奏。ファーストシングル『Hotel Moonside』の圧倒的ヴォーカル・ダンス・ヴィジュアルで鮮烈なソロデビューを飾り、小悪魔的魅力でアイドル業界に旋風を巻き起こした5人組ハイティーンユニット『LiPPS』のリーダーを務める、このアイドル戦国時代においてトップアイドルの1人に数えられる稀有な存在だ。

 彼女は今日、特別番組『速水奏〜その素顔と原点〜』のスタジオ収録のためにテレビ局に呼び出された。番組の内容はこうだ……トップアイドル速水奏、歌手として、女優として、何よりアイドルとして、17歳にしてあまりにも完成された、それでいて神秘のヴェールに包まれた彼女の素顔を解き明かす……。まさに速水奏のためだけに企画された特番。奏が通学するわけでもないのにわざわざ制服を着ているのも、「ただの女子高生としての速水奏を見せてほしい」と希望した番組からの要請に従ったことなのだ。

 収録開始時間である午前10時の1時間前に楽屋に到着した奏。荷物を置き、スカートのプリーツを整えながら椅子に座り、一息吐く。そこまで指定されていないにもかかわらず、持ってきたカバンもおそらく普段から使っている学生鞄であるところに彼女のプロ意識が滲む。そこへ愛想の良い挨拶とともに入ってきたのは今回の番組を担当する男性ディレクターだ。

「おはようございます!速水さん、今日はよろしくお願いします!」

「あっ……こちらこそ、よろしくお願いいたします」

すかさず椅子から立ち上がり、深く腰を折って挨拶を返す奏。押しも押されもせぬトップアイドルであるにもかかわらず、スタッフ相手に最敬礼で接する……彼女がトップになれる所以なのだろう。

「こちらが本日の台本です!と言っても、書いてあるのはこちらからの質問だけで、お答えは全部速水さんのご一存で結構ですから」

「はい、承知しています」

「ありがとうございます!速水さんのどんな素顔が見れるのか、めちゃくちゃ期待してますんで!それでは収録準備が出来次第、ADが呼びに参りますので!」

「はい、ありがとうございます」

「あ!あとこちら、お水です!ぜひお飲みください!」

「お気遣い、ありがとうございます」

台本とペットボトルのミネラルウォーターを手渡して去っていった番組ディレクターを見送った後、奏はまた椅子につく。台本をパラパラとめくる彼女の目は真剣そのものだ。さすがの彼女も、自分だけのために企画された特番を前にやや緊張しているのだろうか。奏はペットボトルのミネラルウォーターを手に取る。飲みやすいようにキャップに穴を開け、ストローが差してあるそれを、奏はこくりと飲んだ。それは水分補給というより気持ちを落ち着けるための一口のように見えた。

 

 時刻は午前9時50分……すなわち収録開始10分前。まだ本番は始まっていないとはいえもはや後戻りはできない、まさに此の期に及んで、という時間。奏は楽屋の椅子に座ったまま目を閉じていた。本番前の精神統一だろうか……その静かに燃えるような表情は速水奏というアイドルのクールな美貌に秘められし内なる情熱を表しているようでもあった。だが、よく観察してみるとおかしな点もあった。美しく白い肌で最新コスメのCMにも起用される奏だが、今の彼女の顔色は美白を通り越して石膏像のように血の気のないものに思える。センター分けが特徴的な大人びたヘアスタイル、その露出した額には細かく、じわりと滲み出たような汗が光る。

「………………」

奏は無言で立ち上がった。そして数秒の間白いテーブルを見つめていたが、何かを決心したかのように早足で楽屋を出た。

 速水奏という少女は物心ついてからずっと“大人びている”と言われて育った。アイドルになった現在でも、彼女の魅力は“17歳とは思えない”ミステリアスな美貌やパフォーマンスにあった。そんな彼女がなりふり構わず駆け足で飛び込んだのは、あろうことか女子トイレだった。洗面台を通り過ぎ、4つある個室のうち3つを通り過ぎ、最も奥の4つ目の個室に滑り込んだ奏。彼女が選んだのは洋式便器が備えられた他の3つではなく、あえて1番奥の和式便器。内向きに開くドアに背を向けて使用するタイプだ。便座を共有しなければならない洋式ではなく、中空で用を足すことのできる和式を選んだのは彼女の美意識ゆえか。奏は和式便器を跨ぐと慌ただしくスカートを捲り上げ、あらわになったのはシャンパンピンクに黒いレース飾りがあしらわれたランジェリー……だが奏はパンティの紐を無造作につかむと一気に足首までずり下ろしてしまう。重力に引かれるように勢いよくしゃがみ込んだ奏の84cmの白いヒップがゆさっと揺れる。

 

……プーー……

 

……個室内に響いた妙に能天気な高音。その“出どころ”は明らかだった。

 

プピッ、プッ……プーー……

 

一見すると、それは小さなラッパのようだった。ワインレッドに色づいた肉肉しいリング状の器官が、ヒクッ……ヒクッ……と蠢きながらソプラノを“奏”でている。思慮深く落ち着いた、少しハスキーとも言える地声が特徴的な奏からは想像もできない軽薄な音色……それは間違いなくおならであり、そこは間違いなく肛門だった。

 

メリッ……

 

タコの吸盤にも似た生々しい迫力のあるアナルから飛び出たのはぴょこっと鋭い尖り。色にしろ形にしろ“キス”チョコによく似たそれは、みるみるうちに括約筋を押し広げて肥大化していく。

 

メリッ、メリメリメリッ……

 

ねっとりと濃厚な質感、ペットボトルのフタほどの直径、便器から飛び出さんばかりにのびのびと成長していくそれはもはや、遠回しな形容を許さない逸物に仕上がっていた。うんこ……うんこだ……速水奏は今、うんこをしている!あのトップアイドル速水奏が番組の本番10分前にうんこをしたくなってしまい、あまつさえ我慢しきれず女子トイレに飛び込んでキバっている!

 

メリッ……メリッ、ズリュ……

 

「……ん゛っ、あ゛ぁ……!」

眉間に深いシワを寄せてはち切れそうなアナルに走る衝撃に喘ぐ奏の苦悶の表情。この神秘的な美貌の少女が、この老木のようにふしくれだった一本グソをひり出しているのである!

 

ピシャッ……!

 

和式便器に横たわったずっしりとしたうんこ……熟れすぎたバナナのようなそれを生み出してもなお、奏のアナルは物欲しげにわなないている。

 

……メリッ……

 

たくましいとしか言いようがない太さの2本目が赤黒い肛門からにょきりと伸びる。

 

ズリュ……リュ……

 

しっとりと腸液に塗れたうんこがするすると便器に飲み込まれていく……かに思えた。

 

コンコンッ……‼︎

 

「⁉︎」

奏が身体をビクッと跳ね上げて後ろを振り返る。それと同時にギュンッと窄められた括約筋でうんこがぶつ切りになってポトリと便器へ落ちた。

 

コンコンッ……‼︎

 

「速水さん?速水さ〜ん?入ってます?」

完全プライベートが保証されているはずの個室内に響き渡る硬質なノック音……それに続くのは不躾な調子の女性の声だ。

「あ、ああ、はい、すみません、入ってます……⁉︎」

気恥ずかしさのせいで声のボリュームがおかしくなった奏は変に上ずった大きな声で自分がトイレ中であることを宣言してしまった。

「あ〜、はい、速水さん発見しました〜。トイレ中で〜す。はい、はい」

果たして、ノック音を鳴らした主は『速水奏〜その素顔と原点〜』のディレクターが言っていた、楽屋まで奏を呼びにくるはずの女性ADだった。彼女は楽屋に奏がいないので、女子トイレまで奏を探しに来たのである。

(ウソ……もうそんな時間……!)

強烈な便意はトップアイドルの鍛えられた体内時計をも狂わせてしまうのか……奏が女子トイレで必死にキバっている間にとっくに10分が経過し、本番の収録時間が来てしまっていたのだ!

「はい、速水さんのトイレ待ちってことっすね、はい」

どうやら女性ADはスマホか何かで収録スタジオと通話しているらしく、奏がトイレ中であることをしっかりと“報連相”してしまった。ここまでの経緯を理解した瞬間、奏は燃え上がるほど顔を赤くした。

「あの〜、収録時間来たんですけど。まだかかりそうですか〜?」

奏は申し訳なさと恥ずかしさのあまり黙り込んでしまった。ドームライブすら成功させたアイドル、速水奏も17歳の少女……現場を“トイレ待ち”させてしまったという事実はあまりにも辛かった。

 

コンコンッ……‼︎

 

しかし女性ADは妙にあっけらかんとしていて、容赦もなかった。

「あの〜、現場待ってるんでぇ。黙ってないでなんか言ってください」

「ひゃっ……は、はい、す、すぐに出ます……すみません……」

奏にとってさらに気まずいのは、便意がいまだに収まりそうにないことだった。何せ、さっき中断されたうんこが“早く出せ”と言わんばかりにアナルからひょこひょこしているのだから。奏がひと思いに踏ん張ってしまおうとお腹に力を入れたときだった。

「あ、ちなみに、おしっこですか、うんこですか?」

「……は?」

「いや、どのくらいかかるか報告しなきゃなんで」

(ほ……報告……⁉︎)

奏は今度は顔を青くした。“報告”……すなわち、自分のシモ具合を現場スタッフ全員に共有されてしまう……。

「…………おしっこです……」

奏はウソをついてしまった。それはあの歌姫、高垣楓とのユニットで歌い上げた“蠱惑的なウソ”ではない。極めて反射的で、そして幼いウソだった。うんこをしていることがバレるくらいならおしっこをしていると思われた方が良い……“現在うんこ中でございます”……そんなこと、アイドルにとって、何より思春期女子にとって言えるはずのない秘密だった。

「了解で〜す。は〜い、速水さんおしっこで〜す。はい、速水さんのおしっこ待ちで〜す」

(は、早く……!)

改めて奏はお腹を力ませる。アナル粘膜が大きく口を開き、500円玉ほどの極太うんこが再度顔を覗かせた。

 

メリッ……

 

しかし、2本目うんこはそこで止まった。アナル括約筋がうんこの先端を磨き上げるかのようにゆっくりとしたストロークで伸び縮みするのみで、一向にうんこがひり出される気配はない。奏はジレンマに陥っていた……“うんこではなくおしっこをしている”と宣言してしまった以上、ドア1枚を隔てて女性ADがいるという“監視状況”の中でバレずにうんこを排泄するというのは至難の業だった。素早くうんこを出そうとすると排泄音でバレてしまう……排泄音を消そうと思うと素早くは出せない……この厄介なジレンマに囚われ、奏はうんこしたいのにうんこできずに、アナルをおっかなびっくりピクピクさせるしかなかった。

 

コンコンッ……‼︎

 

「あの〜、速水さん?」

「は、はい……!」

「遅すぎ。うんこしてるっしょ?」

「え……あ……」

「収録押してるのにつまんないウソつかないでくださいよ。うんこならうんこって言ってください」

「あ……その……」

「あ、さっきの訂正です。速水さん、うんこでした。はい、はい、そうです……いや、ホントですって。速水さんのうんこ待ちで〜す」

「いやっ、そのっ、本当におしっこですから……すぐに、今すぐに出ます!」

「無理しないで良いっすよ。もう“うんこ待ち”って報告したんで」

奏はトップアイドルのプライドをかけてアナルを引き絞った。出かかっていた極太うんこが強靭な括約筋によって直腸内に押し戻される!

「んっ、うぐぅっ……!」

奏は無理に逆流するうんこの圧迫感に吐き気すら覚えたが、満身の力を込めて閉鎖されたアナルによって一時的でも便意は掻き消えたようだった。

(もうこれ以上待たせるわけには……早く、早く……!)

心もアナルも限界寸前の奏……だが、この屈辱的すぎる排泄もトイレットペーパーでお尻を拭けば終わる……はずだった。そのはずだったのに……。

「…………え?」

手を伸ばした先、ペーパーホルダーにあるべきものがない……!

「どうしたんすか?」

(…………紙、ない……)

ホルダーにはプラスチック製の芯があるだけ……肝心のペーパーが一片もないではないか!1つ歯車が狂い始めると何をやってもうまくいかないものだ……奏は頭が真っ白になって、数秒間思考停止に陥った。奏は気が狂いそうなほどの屈辱に耐えながら、震える声で嘆願するしかなかった。

「あの……本当にもう……大変申し訳ないのですが……あの、紙が、紙がなくって……あの……紙を持ってきていただけますか……?」

「はぁ?」

「あの……紙が、なくって……」

「……はぁ〜〜……」

(……し、死にたい……)

女性ADのこれみよがしなため息にも、奏は小さくなって耐え忍ぶしかなかった……うんこをする前にペーパーの有無を確認するという基本を怠った者の哀れな末路だった。

「……はい、持ってきたんで、ドア開けてください」

「あ、ありがとうございます……」

女性ADの声には明らかに蔑みが込められていたが、今の奏にとっては福音のように聞こえた。かなり無理な体勢だが、奏は和式便器にしゃがんだまま身体を捻り、個室のカギをなんとか外した。奏はドアをわずかに開け、その隙間から手を伸ばし、ペーパーを受け取ろうとした……その瞬間だった!

「スキあり!」

女性ADが思いっきり個室のドアを開け放ってしまったのだ!

「……は……え……?」

完全に不意をつかれた奏はお尻丸出しのまま目を丸くするしかなかった。ドアの外に立っていたのはなんと女性ADだけではなかった。先ほど楽屋で会った特番担当の男性ディレクターと、大仰なビデオカメラを担いだ男性カメラマン……3人ともこちらを見てニヤニヤと笑っている……どうして女子トイレに男性が……ディレクターが手に持っている粗末な看板に書かれた『ドッキリ大成功‼︎』の文字……そして、それより何より……

(え……撮られてる……?)

和式便器の上で?お尻丸出しで?アナル剥き出しで?うんこしたばっかりの姿を?便器の中のホカホカうんこと一緒に?

「奏ちゃ〜〜ん、やっぱうんこしてんじゃ〜〜ん♡ウソはいけないな〜〜♡」

「うんこクサ〜wwwトップアイドルでもうんこするんすね〜www」

「お尻、アナル、うんこ、全部撮れました。撮れ高オッケーで〜す」

その残酷すぎる現実を認識した瞬間、奏は発狂せんばかりに叫んだ!

「いっ……いやぁあああああああ⁉︎撮らっ、撮らないでぇぇええぇ‼︎」

アイドルを志してから……あるいは志す前から被り続けていたのかもしれない、大人びていて、エレガントで、ミステリアスな仮面……速水奏を速水奏たらしめる“オンナ”の仮面をかなぐり捨て、奏はこどものように泣き叫んだ!立ち上がると便器の中のご立派一本グソを見られてしまう……しゃがんでいるとお尻とアナルが無防備になる……奏は中途半端な中腰になって両手でお尻を押さえて隠した滑稽な姿勢になるしかない!

「いやっ、いやっ、いやぁあぁあぁあああ‼︎見ないでっ、早くドア閉めてっ、出てってよぉぉぉぉぉ‼︎」

「落ち着いて、落ち着いて奏ちゃ〜ん♡ほら、これ見て!ドッキリ大成功〜〜♡」

「速水さん、声もポーズもカワイイっすwwwいつもの“良いオンナ”キャラよりずっとイイwww」

「ひいっ、もう撮らないでっ、カメラ嫌なのぉ‼︎カメラ堪忍してぇぇぇぇ……‼︎」

おどけた調子のディレクターの声も、嘲りたっぷりの女性ADの声も耳に入っていない。逃げ場のない狭い個室内で冷酷なビデオカメラの視線を痛いほど浴び続けている奏は、ぐちゃぐちゃになった思考の中、やっとのことで1つの解決策に思い至った。奏は決死の覚悟で両手をお尻から離し、大きく前屈して足首にくしゃっと溜まっていたパンティを掴んだ。もはや背に腹は変えられない……お尻を拭かずとも良い。パンティを履いて今すぐにもプライベートゾーンを隠さなければならない……本来ならドアを開けられた直後にやっておくべきだった着衣策を、動揺の極みにあった奏はすっかり失念していたのだ。だが、そうは問屋が下さない……羞恥の坩堝に陥っていた奏にはもう1つ、失念していることがあった。

「うくっ……⁉︎んんっ……⁉︎」

 

ぐぐぅ……ぐぎゅる……ぐぎゅるるるるるるぅ……

 

前屈をして身体を折り曲げたことでお腹に圧力がかかった途端、奏のお腹の底から不穏な音が響いた。奏は走馬灯のように思い出していた。ついさっき、うんこしたいのにおしっこをしていると言い張ったせいで、相当な無茶をしてうんこを堰き止めたこと……一時的に収まった便意、だがその代償はあまりにも大きかった。

「あ……あぁ……」

奏は思い知った。猛烈な便意の前にアナルは無力である……真の排便とは、我慢しなければという意識を上回る、さながらクシャミやオーガズムの如き不随意な生理的反応だということを。

 

メリリッ……!

 

奏はお尻に突き刺さっていた栓が“ぽんっ”と抜けたような錯覚を覚えた。それが始まりであり、最後でもあった。

 

ズリュリュリュリュリュリュリュ‼︎

 

奏は“脱糞”した……パンティを履くために前屈し、図らずも剥き出しになった赤黒アナルから、極太うんこがものすごい勢いでひり出された!やっとのことで獲得した自由を謳歌するかのように、焦茶色の一本グソは奔放に蛇行しながら伸びていく!両脚の間にぶら〜んと垂れ下がったうんこはさながらしっぽのようだ。奏は“うんしっぽ”のずっしりとした重量感をお尻に感じながら、恐る恐る後ろを振り返った。そこあったのは惨すぎる現実だった。

「うわ〜〜、きったないねぇ♡生うんこまで披露してくれるとか、奏ちゃん、テレビをわかってるね〜〜♡さすがトップアイドル!」

「なにこれwwwスタンディングうんこwwwふっとwwwなっがwwwさすがトップアイドルっすねwww」

「アナルのアップからうんこの全体まで撮れ高オッケーで〜す」

(う、うそ……私……カメラの前でうんこ……)

奏は茫然自失だった。ビデオカメラの前でうんこをしてしまった……その単純な事実が彼女を完全に打ちのめした。磨き上げた美貌、積み上げてきた努力、仲間たちとの絆、アイドルとしてのプライド……トップアイドル速水奏を彩る宝石のような実績の数々が、“うんこシーンを撮られた”という悲惨な、それでいて滑稽な事実によって汚されていく。

「こ、こんなこと……こんなことって……」

ぶ〜らぶらと呑気に揺れていたうんしっぽは、ついに自重に負けて根元で千切れた。前屈したまま脱糞したのだから当然だろう、うんこの大半は便器を外れてタイル張りの床に落ちて、べっちょりとその形を崩していた。

「あれ、奏ちゃん泣いてる?意外〜〜♡ごめんね、泣かすつもりはなかったんだけど。ほら、ドッキリ、ドッキリだからさ!」

「ちょwww速水さんマジ泣きwwwやっぱやりすぎっすよディレクターwww17歳の女の子にうんこはまずいっすよwww」

奏はまた和式便器の上にしゃがみ込んで、肩を震わせて泣いた。もはや羞恥も怒りも何もなかった。ただただ自分が情けなく思えて、涙が溢れ出たのだ。奏のアナルに引っかかっていたうんこの名残がポトリと落ちた。奏の人生で最も不幸な排泄は終わった。

 

●

 

 後日、奏の所属事務所に『速水奏〜その素顔と原点〜』制作サイドから直々の謝罪があった。この時代錯誤的なドッキリ企画は現場の暴走だったようだ。まず最初に奏に手渡されたミネラルウォーターには即効性の下剤が混入されており、そもそも奏が便意を覚えたこと自体、仕掛けがあった。そして楽屋、女子トイレ、あろうことか個室内に至るまで隠しカメラが忍ばされており、奏の排便の一部始終が盗撮されていた。もちろん、トイレにペーパーがなかったのも番組側の仕掛けだった。最後、ドアをこじ開けてからの奏とスタッフのやりとりは、奏の人格を貶め、心を著しく傷つけるものだった。制作サイドの責任者は暴走した3人……男性ディレクター、女性AD、男性カメラマンを連れて、奏に直接謝罪をした。それが本当に心のこもった謝罪だったかは知る由もない。だが、奏の胸中としては、卑劣な手段で自分のうんこ姿を暴いたような輩とは2度と会いたくないというのが正直なところであり、セカンドレイプに遭った気持ちだった。番組制作サイドの責任者は今回のドッキリ企画の映像テープを破棄し、暴走した3人には然るべき処分を与えることを約束した……。

 

 某テレビ局、時刻はてっぺんを回って午前3時……ミーティングルームに何人かのスタッフが集まり、とある“資料映像”を見ていた。

「「「「おぉ〜〜……♡」」」」

スタッフは同時に歓声を上げた。そこにはあの男性ディレクターの姿もある。

「奏ちゃんの一本グソすんげぇ〜迫力♡ウエスト55cmなのにおっそろしい極太っぷり♡」

「下剤盛ったのはこっちだけどさ〜、うんこが太いのは奏ちゃんのせいだからwww」

『…………おしっこです……』

「かーー!良いね、奏ちゃんのウソつきシーン!乙女の恥じらいっていうかさ〜、奏ちゃんも普通の女の子なんだって感じで♡」

「おしっこって言いながらアナルからはうんこ覗かせてるとことか最高じゃん♡」

『あの……本当にもう……大変申し訳ないのですが……あの、紙が、紙がなくって……あの……紙を持ってきていただけますか……?』

「ひええ〜〜、共感性羞恥でゾクゾクするねぇ〜♡散々トイレ待ちさせたスタッフに紙まで持ってきてって言わなきゃいけない……気まずいっ、気まずすぎるっ♡」

『いっ……いやぁあああああああ⁉︎撮らっ、撮らないでぇぇええぇ‼︎』

『いやっ、いやっ、いやぁあぁあぁあああ‼︎見ないでっ、早くドア閉めてっ、出てってよぉぉぉぉぉ‼︎』

「やっぱ何度聞いても最高の絶叫だなぁ〜〜♡あの良いオンナぶった速水奏のご乱心♡」

「うんこ姿を撮られちゃどんな女の子もイチコロだよな♡カッコつけられなくなって泣いちゃう♡」

『ひいっ、もう撮らないでっ、カメラ嫌なのぉ‼︎カメラ堪忍してぇぇぇぇ……‼︎』

「マジ声だけで抜ける♡『カメラ嫌なの〜』『カメラ堪忍して〜』だって♡」

「奏ちゃんの絶叫はいちいちツボを押さえてんだよな〜♡嗜虐心を煽るっていうかさ〜♡」

最後に披露されるのはもちろん……

『ズリュリュリュリュリュリュリュ‼︎』

「で、でたぁ〜〜〜〜♡速水奏の“前屈スタンディングうんこ”♡」

「赤黒エロアナルがぷーーっと膨らんでさ、固まってたうんこ栓がぽんっと外れると同時にニョロニョロニョロ〜〜って脱糞だぜ♡こんな芸術的な排便シーン、他では絶対見られない♡」

「ホント、下剤飲まされてうんこ盗撮されるのはしゃあないけどさ、ドッキリカメラの前でスタンディングうんこかますのは無様すぎwwwあり得んだろwww」

……単刀直入に言えば、ドッキリ映像テープは破棄されていなかった。ドッキリを仕掛けたディレクターはテープをいくつもコピーして、その1つを破棄することで他のテープを手元に残すことに成功していた。そして彼は夜な夜な、類似した嗜好を持つ口の固い仲間と一緒に速水奏ドッキリ企画を見返しているのである。

「俺から言わせてもらえばさ、これこそが『速水奏〜その素顔と原点〜』なわけよ!」

男性ディレクターはまったく悪びれる様子はない。

「トップアイドル速水奏はさ、ちゃ〜んとうんこする。しかも一本グソをする。うんこバレしたくないからウソもつくし、ウソを取り繕おうとして変な我慢もする。うんこ姿を見られたら泣き出しちゃって、最後には自分のウソのせいでスタンディングうんこ……これこそ誰も知らなかった速水奏の素顔だろ⁉︎うんこが恥ずかしくてまともな判断ができなくなる、17歳の思春期の女の子……これこそ奏ちゃんの原点じゃんか!」

“盗人猛々しい”とはまさにこのことだろう……何も知らない少女に下剤を飲ませ、隠しカメラでトイレ盗撮をした犯人が、トップアイドル速水奏を語ろうとは……。だが、男性ディレクターの言い分がまったく本質をついていないとは言い難いところにやるせなさがある。今回のドッキリによって、確かに速水奏の強固な仮面が剥がれたのは間違いないのだ。

「おう、もう1周見ようぜ!」

「今度はうんこ出るところをコマ送りにしてさ……」

「てゆーかさ、これちゃんと編集して仕上げてみない?笑い声とかテロップとか入れてさ〜」

「奏ちゃんのカッコ良いシーンとの比較とかしたらエロいぜ、きっと♡」

速水奏という極上のおもちゃを手に入れた悪徳スタッフたちの夜は長い……。

 

(終わり)


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