デビルーク王国の滅亡 作:ヒステリア
数ヶ月後。
デビルーク星から離れた惑星、『地球』。
その星の片隅には、『彩南町』という宇宙人が多く住んでいる町がある。
その町のさらに片隅にデビルーク星の王女三人が滞在している家があった。
「うーん……出ないなぁ」
「どうしたのナナさん? メアさんに電話?」
携帯のような機器を持ちながらうなる同居人を見つけて、黒髪の少女は洗濯籠を持ちながら尋ねる。桃色の髪をツインテールに分けた少女、ナナ・アスタ・デビルークは機器を下ろしながら振り向き、返事を返した。
「
それを聞いて、隣で『まじかるキョーコ』という特撮ドラマを見ていた長い桃色髪の少女、ララ・サタリン・デビルークも振り返り――
「そういえば、パパからも連絡がこなくなったね。ついこの前まで私たちやザスティンのところにしつこく連絡がきてたのに。ザスティンとブワッツも様子を見に一度デビルークに帰ったみたいだけど、まだ戻ってこないし」
「ああ、親父も愚痴ってたぜ。マウロだけじゃ仕事が回らなくて、前のアシスタントに戻ってきてもらってるって」
リトのぼやきに、美柑も「そういえばそんなこと言ってたね」と相槌を打つ。
「デビルークで何かあったのかなぁ。最近は銀河ニュースも配信されなくなったし、あちこちの星で戦争まで起こってるって聞くし。もしかしてデビルークもどこかの星に攻撃されてたりして……」
ララは眉を寄せながら心配げな呟きを漏らす。しかし、ナナはあっけらかんとしながら――
「大丈夫だろう。もしそうだったとしてもデビルークの軍に勝てる奴らなんかいねえし、銀河最強と言われてる父上だっているんだぜ。心配するだけムダムダ」
「それもそっか」
妹の言葉にララもあっさり納得の返事を返す。
ちょうどそこで上から足音が響き、その直後ドアががちゃりと開き、ララとナナに似た短い桃色髪の少女、モモ・べリア・デビルークが駆け込んできた。
「お姉様、ナナ、デビルークからお届け物がきています! それもお母様から――」
それを聞いてララとナナは一目散に
「本当か? 母上からの届け物って一体なに?」
「もしかしてその小包?」
モモが手にしている片手サイズの小包を見て訊ねるララに、モモは頷きながらそれを差し出す。
それを受け取るやララはすぐに封を開け、中身を取り出した。
中から出てきたのはガラスケースに入った一枚のディスクだった。見た目は地球で使われているDVDやBDと変わらない。
「ディスク? もしかしてこれを見ろってこと?」
ナナの問いにララはディスク入りのケースを手にしながら頷いた。
「たぶんそうじゃないかな。地球の機器でも再生できる
「リトさん、美柑さん、そういうわけなのでテレビとプレーヤーをお借りしてもいいでしょうか?」
尋ねてくるモモにリトと美柑は頷き。
「それぐらいいいけど(さっきまでララが使ってたし)、俺たちがいない所で見た方がいいんじゃないか? ララたちだけに見せたいものかもしれないし」
「いえ、地球でも見られる機器を送ってきたということは、リトさんと美柑さんにも見せたいものなのかもしれません。よければお二人も同席していただけないでしょうか」
遠慮して外れようとするものの、逆に一緒に観るよう頼まれリトと美柑はおずおず頷く。正直言って興味はある。セフィやギドからの連絡がなくなった事やザスティン達が帰ってこない理由と関係があるかもしれない。
そんなわけで、リトと美柑もララ達と一緒にセフィが送ってきたディスクを観る事になった。
ララは慣れた仕草でディスクを入れて何度か操作し、そのままソファまで戻る。
そこでちょうど画面が暗転し、向こうの様子が映った。
『はぁ……はぁ…………さま、もっと……もっと強くしてぇ…………』
向こうのカメラが起動したばかりなのか、画面はまだ映らずくぐもった女の声だけが聞こえてくる。その声を聞いてララ達は怪訝そうに眉を寄せ、リトの頭にもまさかという言葉がよぎった。
『あんっ♥ ご主人様の……やっぱり最高ですぅ……』
再び女の声が聞こえ、ララ達やリトの懸念はさらに大きくなる。そこで今度は野太い男の声が聞こえてきた。
『相変わらずふしだらな女だ。娘達が見ているかもしれんのに。そろそろカメラが動く頃だ。向こうを向いて久しぶりの挨拶をしてやれ』
『はぁい♪』
女が甘い声をあげるとともに、画面がくっきりと映り向こうの様子が映し出された。
カメラの向こうに映っているのは天井から垂れ下がった赤いカーテンと、その中央に鎮座している豪奢な玉座。
しかし、それがララ達の目には入ることはなかった。
なぜなら――
『ララ〜、ナナとモモもげんき〜~?』
彼女達の目に飛び込んできたのは、毒々しい紫色の肌の大男に跨がりながらこちらを向き、蕩けきった表情を浮かべてピースしている女の姿だった。すでに何度もした後なのだろう、二人とも一糸も纏まっておらず、女の体には白濁した液体がこびりついている。
その姿と表情を見てまさかという想像がよぎるが、とても信じられない――信じたくなかった。
しかし、そんなララ達に追い打ちをかけるように女は大男の股間の上に跨がったまま、腰を振るいながら言った。
『えっと――デビルーク星は何ヶ月か前にサノス様の支配下に入っちゃいました~♪』
いきなりそう告げられ、ナナの口から「えっ?」と声が上がる。他の姉妹とリト達も驚きに目を見張った。
その事実とは裏腹に女は喜色に満ちた声色で――
『あなたたちのパパは無謀にもサノス様に挑んで死んじゃって~、国民も半分くらい犠牲になって、生き残ったデビルーク人はサノス様の下僕として支配してもらってま~す♪ 国民のほとんどはサノス様の軍に入ってかわいい女の子は召使や慰安婦として働いて、ママも見ての通り
だらしなく涎を垂らしながら告げるセフィを見て、ナナは口元を押さえながら部屋から出ていき美柑も彼女の後を追う。純粋なナナと年齢不相応の知識はあれどまだ幼い美柑にこの光景は毒でしかない。ララも愕然とし、モモも嫌悪のこもった目でモニターの向こうを眺めている。
そんな娘達の様子など当然知らず、セフィは喘ぎを混じえながら続けた。
『ザスティンと彼の部下も戻ってきてすぐご主人様に向かっていったんだけど、ご主人様の側近にあっさり捕まっちゃって、わざとママの素顔を見せられてチャームにかかった状態にされた後、ママとご主人様の行為を眺めながら狂い死にしちゃいました~♪』
「なんだとっ――!?」
ザスティン達の無残な最期を聞き、リトは思わず声を上げ、ララも愕然と息を呑む。
一方、セフィは忠臣達の末路などどうでもよさげに腰を振りながら、
それにつられて、無意識に気づかないようにしていたララ達も思わずそれに目を向ける。
もしかしなくても――
『それともう気づいてると思うけど、ママのおなかにはご主人様が孕ませた子供がいま~す♥ ご主人様そっくりのかわいい男の子みたいで~す♥』
「――っ!?」
それを聞いて一同は絶句した。あの膨らんだ腹の中にセフィと大男の子供――ララ達の異父弟がいるというのだ。
最悪な形での
一方、一心不乱にピストンを続ける
『そろそろまた出すぞ。娘達の前でたっぷり
『はいっ♥ 私とお腹の赤ちゃんにご主人さまのザーメンミルクいっぱいくださいっ♥ ああんっ――おっほおおおおおおおおっ~~~~♥♥♥』
実の娘や義息子になるかもしれなかった少年の前で、セフィは卑猥な絶叫を上げる。
ララはとうとう目から涙を流しながら、モモはぎゅっと唇を噛みながら、
それから数ヶ月後、デビルークの崩壊による各星の戦争とデビルーク人を加えたサノス軍の侵略で銀河系の秩序は崩壊し、かつての銀河大戦以上の混沌と恐怖が宇宙を襲っていた。
その
父親同様、体毛は一本もなく毒々しい紫に染まった肌と、顎に無数の縦皺が刻まれた醜い造形の男の子。
にもかかわらず、その子には母親と同じ『
ToLOVEる異伝
『デビルーク王国の崩壊』・完