又の名を食べたいの意味が異なる2人
時系列は不明だし特に決めてもない。
この小説はケーキバースの要素が含まれます。
カニバリズムに嫌悪感を示す方はブラウザバックをしてください
眠気が襲う朗らかな日差しの中行われる午後の授業の間、達也は授業に身が入らず別のことを考えていた。
智駿は食事を摂る際、食べ物を取り分けるのにひと口に入れる量が極端に少なく、又噛まずに飲み込む習性がある。
最初見た時は苦手な食べ物なのかと思ったが、どうやら和食、洋食、中華、デザート系に至るまでどんな食べ物だろうと食べ方には変化が見られない。
……もしかして、智駿には味覚がないから食べることが億劫だと感じているのか……それとも食事を摂ること自体、面倒だと感じているからなのか……
智駿を前から知っている先輩曰く、達也やほかの友人達と食事をとるようになってからまともな食事をしているだけで少し前まではサプリメントで食事を補っていたと聞いた。
ただ単に食事が面倒なだけなら心配はいらないが……もし、味覚がなくて食事を摂ることが苦痛と感じているのであればどうにかしてあげたいところだが……まずは味覚がない線で調べてみるか
放課後、達也は風紀委員会に向かう智駿に声をかけてから生徒会に深雪を送り出し、図書館に向かう。
一高の図書館にはオンライン化されてない貴重な資料が置いてある。
きっとそこに何か答えがあるだろうと達也は生徒会の業務に勤しむ深雪を待つ間に地下資料庫の資料を片っ端から読んでいく。
幾つかの資料を漁ったのちとある文献を見つけた。
曰く、一部の特殊な人間には【フォーク】と呼ばれる何らかの原因で後天的に味覚がない人間とそのフォークが唯一味覚を感じられる食べ物【ケーキ】と呼ばれる人間が存在する……らしい。
【フォーク】も【ケーキ】も出会わなければ普通の人と変わらないが、上記の特性を持つ二人が出会うと【フォーク】は【ケーキ】を捕食したい衝動に駆られ、【ケーキ】はその時初めて自分が捕食される側だと認識する。実際、【フォーク】による猟奇的殺人事件が何十件もあったと資料に記載されていた。
ファイリングされている資料は今も更新されてるらしく、つい先日の日付けで【フォーク】による猟奇的殺人の内容が新たに付け加えられている。
もし……もし、智駿がこの【フォーク】だったとしたら……
俺が【ケーキ】だったらいいのに……
そしたら……俺が智駿に食べられて…………
俺が、智駿を食べられるのに……
「達也、調べ物は終わった?」
愛しい智駿の声で達也は思考の海から現実へと引き戻された。
地下資料庫の入口には智駿と深雪が連なって達也のことを見ていた。
「もうすぐ最終下校時刻よ」
「お兄様、帰りましょう。もちろん智駿も一緒に」
「……分かった。一緒に駅まで帰ってあげる」
渋々といった感を出しながらも了承する智駿に、素直じゃないなと生暖かい視線を送ると、即座に睨まれたので視線を逸らし帰り支度を始める。
達也と深雪で智駿を挟んで横並びで学校から駅までの一本道を歩く。
たわいもない会話の中、深雪が達也に話しかける。
「お兄様、お悩みになられている問題は解決できそうですか?」
「ああ、多分な」
「それは良かったです」
放課後の悩ましげな表情が少し晴れた達也の顔を見て嬉しそうに微笑む深雪。
そんな中、達也は唐突に智駿にこんな提案をし智駿を困惑させることになる。
「智駿、今から俺達の家に来てくれないか?」
「……なんで?」
「少し聞きたいことがあってな」
「……道中で話せばいいじゃない」
「いや……公共の場で話す内容ではないんだ。あまり時間は取らせない、帰りも送って行くから……ダメか?」
逃げるように深雪に声をかける智駿だが、深雪は達也の気持ちを良く汲み取って智駿を家へ招くように言葉を紡ぐ。
「……深雪はどう思うの?」
「お兄様が智駿をお招きするのに反対なんてしないわ。むしろ泊まっても良いのよ?」
「……はぁ。分かった、2人の家にはいってあげる……でも、宿泊はしないから」
「分かった、手短に済ませるよ」
済ませれたらいいけどな……と内心ほくそ笑む達也の思惑を智駿は察せられないまま、駅のホームから司波家へ3人で帰る運びとなった。
家に着くなり深雪は、智駿もいる事ですから、いつも以上に腕によりをかけてお作りしますね!とキッチンに籠ってしまった。
当の智駿本人は夕食をご馳走になる気はないと、否定する暇もなく深雪が行ってしまったのを見て諦めたらしい。
呆然と立ち尽くす智駿を達也は自室へと招き入れた。
誰も入って来れないように扉の鍵を閉めるとその行為に疑問を持った智駿が問いかけてくる。
「なんで、わざわざ鍵を閉めるの?」
「深雪に聞かれないためだな」
「そんな事しなくても暫く来ないでしょ」
「そうだとしても、一応……な?」
そう言われて智駿は達也の手が腰に添えられ、ベッドに座るようにエスコートされた。
座る場所がベッドなのもどうかと思うがさっさと本題に移った方が身のためだと思った智駿は達也に話をするように声をかけた。
「それで、話したいことって何?」
「ああ、話……と言うよりは実際に見た方が早いと思う」
「え……何を見せられるの?」
困惑する智駿を他所に、達也は隠し持っていたナイフで腕の血管に沿うように刃を突き立てた。
「っ……!!」
縦に裂かれた傷口からは一瞬のうちに鮮血が溢れ出している。
その様をじっ……と見つめ喉を鳴らす智駿に確証が持てた。
智駿は【フォーク】で、俺は……【ケーキ】なんだと……
どうもです〜、短編書く暇があるなら本編書けよと思った方も多いと思います。
作者も思います。
だがしかし、思いついちゃったんだもん、それで筆がノリに乗って書いちゃったんだもん、作者ももう眠たいよ、本当に!
ちなみにこの続きはR18になります!
ひったすら2人がイチャイチャラブラブしてます!
本編でそうなるのは一体いつになるやら……
年内には本編更新できるよう尽力します。
ではさらば!!