惇の背後から襲いかかり、戦いを申し込んだ一夏。
しかし、今度は箒が、一夏に決闘を申し込んだ。
一夏「え、ほ、箒が・・・?」
まさか箒に申し込まれるとは思わず、動揺を隠せなかった。
箒「そうだ。そんなに決闘がしたいのなら、私が相手してあげよう・・・」
一夏「い、いや・・・俺は・・・じ・・・」
箒「良いな?」
一夏「あ・・・は、はい・・・」
一夏はそれでも惇と闘いたいと言おうとするが、箒の気迫に負け、承諾した。
惇「おい箒・・・」
箒「すまない・・・もう我慢が出来ないんだ・・・」
そう言う箒の表情は、いつになく怒っていた。
大切な人が2度も背後から襲われ、もう堪忍袋の緒が切れたのだ。
惇「・・・わーったよ。」
そんな箒を見て、惇はこれ以上何も言わなかった。
箒「うむ。それでは一夏、今日はもう遅いが、いつどこでやるんだ?勝負の内容はISで構わないか?」
箒は、その決闘をいつどこでやるか、そして決闘はISで良いのか尋ねたが
一夏「・・・え?」
一夏は、さっきまで顔を赤くし、目を血走らせた表情から一転し、ポカンとした表情になり
一夏「え、ええっと・・・その・・・」
その場で考えてしまった。
実を言うと一夏は、惇とすぐ勝負したいという事だけしか頭の中で思っているだけだったので、時間とか何1つ考えていなかった。
箒「どうした一夏?まさかと思うが、何も考えず勝負しようと思ったのか?」
一夏「ち、ちが・・・!」
箒「では、なぜそのように動揺してる?普通勝負を挑む前に時間と場所、そして内容も全て決めなければならないじゃないのか?」
箒の指摘に
一夏「クゥッ・・・!」
一夏は顔を歪め
一夏「そ、それはお前がでしゃばるから・・・!」
箒に難癖つけようとするが
箒「確かに私がでしゃばったかもしれない。そこはすまないと思う。だが、無計画で勝負を挑むのもそうだが、それ以前に背後からISを纏って斬りかかって来るお前もおかしいと思うがな。」
箒は冷静に返したので
一夏「グゥ・・・!」
一夏は何も言い返せなかった。
箒「・・・じゃあ、明日の放課後、ここでIS勝負といこうじゃないか。それで良いな、一夏?」
そして、箒が提案した勝負内容に
一夏「・・・ああ。それで構わない・・・」
一夏は了承したが、先程までの勢いは無かった。
箒「分かった。なら、明日な。その際、織斑先生達にも許可を貰い立ち会っておこう。行こう、惇。」
惇「ああ。」
そして、惇と箒はその場を後にした。
1人残った一夏は
一夏「クソッ!!」
悔しさのあまり『葵』を地面に叩きつけようとするが
一夏(待てよ・・・もし明日俺が箒に勝てば、箒は目を覚まして俺に惚れるかもしれないじゃないか・・・!)
一夏(いや、絶対に惚れるに違いない・・・!そうなれば、あの身体は俺の物になれるし、お得じゃないか!)
一夏(良い・・・良いぞ俺!箒の隣に惇のような卑怯者は似合うわけが無い!あんな、女の子を物扱いする卑怯者に!アイツの隣には俺が最も似合うんだ!)
一夏(待ってろよ箒!必ず俺が目を覚まさせて、一生お前を守ってやるからな!)
すぐさま都合の良い妄想を思い浮かべ
一夏「ふふ・・・あははは!」
恍惚とした表情を浮かべながら高笑いしたのだった。
一方惇達は
惇「しかし箒・・・何もお前が闘わなくても・・・」
箒「いや、良いんだ。いくら何でもアイツは度を越してる。もう我慢の限界だ・・・」
惇「まぁ・・・流石にメンドクセーな・・・」
箒「うむ・・・」
一夏について話していた。
2人とも、彼の面倒ごとに巻き込まれるのは流石に嫌になっていた。
惇「とにかく、明日は頑張れよ。」
箒「ああ・・・」
そして、明日の放課後を迎えた。
アリーナは、一夏と箒がそれぞれISを身に纏っていた。
観客席には、1年2年問わず多くの生徒が座っていた。
惇「・・・」
惇もその1人で
セシリア「全く・・・織斑さんは・・・」
シャルロット「もうしょうがないよ・・・一々気にするのも面倒だし・・・」
ラウラ「確かにそうだな・・・」
簪「本当・・・アホらしい・・・」
鈴音「全く・・・」
他の代表候補生達も来ていた。
管制塔では
山田「いよいよですね・・・」
千冬「ああ・・・」
山田「今回の件が終わったら、織斑君をどうするつもりですか?」
千冬「退学も検討しているが、もし退学させてどこかのテロ組織に誘われて入ったら余計面倒だ。」
千冬と山田先生が、一夏の処遇について話していた。
千冬は退学をさせる事を考えていた。しかし、もしそうして彼がテロ組織に誘われて入られると大変な事になると思い、退学をさせるわけにはいかなかった。
山田「・・・そうですね。」
山田先生も、千冬の意見に同意した。
そんな中
一夏(箒・・・刀を抜かないのか?)
箒が、何も武器を構えていない事に一夏は疑問を抱いていたが
一夏(まぁ・・・どうせ俺が勝つさ・・・何たって、箒は女の子だからな・・・)
すぐに考えるのを止め、箒は女子だから自分が勝つのは当然だと思い、見下した態度を取った。
そして
山田『それでは、始めて下さい。』
山田先生が試合の合図を送り
箒「フッ!」
箒はすぐさま『織姫』を構え、矢を放った。
ドシュ
一夏「ウワァっ!?」
矢は一夏に命中し、ダメージを与えた。
一夏「クゥッ!」
一夏はその場を離れ移動するも
箒「ハァッ!」
ドシュドシュ
一夏「ウグッ!グアッ!」
箒は正確に命中させ、更なるダメージを与えた。
惇「流石・・・弓の腕は本当に錆び付いてねー・・・」
惇は、箒が束からISを貰って以来、昨日手合わせをして確信していた事が箒の弓の腕は未だ健在だと感じていた。
セシリア「スコープ無しでここまで正確無比に当てられるとは・・・」
シャルロット「加えて放つに至るまでの素早さ・・・僕のラピッド・スイッチに匹敵するね・・・」
ラウラ「ふむ・・・確かにシャルロットと同じくらいの呼び出しの速さだ・・・」
簪「構えから放つまでの素早さは凄いね・・・」
鈴音「それは言えてるわね・・・」
セシリア達は、箒の弓を展開してから構え、放つまでの素早さの技術に舌を巻いていた。
山田「まだ専用機に乗り慣れてないとは言え、この技術力・・・篠ノ之さんは流石の一言ですね・・・」
千冬「ああ・・・」
千冬(アイツの実力は、足立同様最早代表候補生達に最も近い・・・このまま経験を積めば・・・或いは・・・)
千冬達も、箒の戦闘センスを賞賛していた。
一夏「クゥッ・・・!」
一夏は、箒の正確無比に放たれる矢の猛攻に顔を歪め
一夏(いくら女の子とはいえ、飛び道具は卑怯だろうが!!同じ日本人なら剣で戦えよ!!)
内心箒に悪態をついていた。
そして
一夏「お、収まったか?」
矢の雨が収まってホッとした一夏だったが
一夏「え?」
箒「戦闘で気を抜くとは・・・終わりだ!」
一瞬にして『織姫』から刀の『彦星』に切り替えて一夏の懐に行き
ズバッ
一夏「うわああっ!?」
一夏を斬り裂いた。
斬られた一夏は、そのまま地面に落ちて打鉄は解除された。
山田『織斑一夏、シールドエネルギー残量ゼロを確認。勝者篠ノ之箒。』
そして、山田先生のアナウンスが響き、箒の勝利となった。
箒「・・・」
箒は、冷徹に一夏が落ちた方向を見下ろし、彦星を血振りして納刀し、アリーナを後にした。
管制塔で見ていた千冬らは
山田「終わりましたね。」
千冬「・・・ああ。」
地面にて倒れている一夏を冷徹に見ていた。
試合後、一夏は
一夏「何でだよ・・・何で・・・」
更衣室で1人ブツブツと呟いていたのであった。
投稿出来ました。
試合描写に関しては、想像で許して下さい・・・。
それでは、また。