時間は放課後。場所は剣道場。
その中心にいるのは、防具を着け竹刀を構えている惇と箒だった。
何故この2人が剣道場にいるのかというと
回想
箒「惇。今日の放課後は、練習の日なのか?」
箒は、惇に今日はISの練習する日なのか尋ねた。
惇「いや、特にこの日は山田先生との予定はねーな。」
惇は、特に予定は無いと言った。
箒「そ、そうか!なら、今日の放課後、久し振りに剣を交えないか?」
予定が無いと聞いた箒は、剣を交えようと誘った。
惇「・・・分かった。なら放課後な。」
箒「ああ!」
回想終了
といった事があって、剣道場にて2人は構えていたのだった。
箒「準備は良いか?」
惇「ああ。いつでも良いぞ。」
箒「では尋常に・・・参る!!」
先に仕掛けたのは箒。上段から振り下ろされる袈裟斬りを惇は受け止めた。
惇(流石にあの頃と違い、スピードとキレは格段に上がってんな。)
そう思った惇は、そのまま竹刀を押し返すと小手を打ちに行った。しかし、箒はそれを素早く受け止め、流した。
剣道全国大会優勝同士の迫力ある攻防に、ギャラリーも思わず息を飲んだ。それほどまでに凄まじかった。
そんな中、箒はそのまま胴を打ちに行くと、惇もそれを受け止め流し、両者は鍔迫り合いとなった。
惇「流石箒。腕は格段に上がってんじゃねーか。」
箒「お前もな。」
惇「どう、もっ!」
すると、惇が一押しすると、箒はそれに耐えきれず、倒れた。
それを見た惇は、一気に突きを入れた。
箒「グッ・・・!私の負けだ。」
すると、箒はそう言い降参した。
その時
??「うおおおっ!!」
箒「なっ!?一夏!?」
背後から一夏が大声を上げながら、大きく足音を響かせながら後ろを向いてる惇目掛けて竹刀を振り上げて向かってきた。
惇は、すぐに振り替えると
バシッ!
一夏「なっ!?」
竹刀を弾き飛ばし
一夏「うっ!」
切っ先を一夏の首に突きつけた。
惇「何のつもりだ、織斑?」
惇は、突然襲ってきた一夏にそう聞くと
一夏「謝れ!!」
一夏は、惇に向かって怒鳴った。
惇「・・・誰に何にだ?」
惇は、意味が分からず片眉を上げて言うと
一夏「箒にだ!!箒は女の子なんだぞ!!あんな事をして、男として恥ずかしくないのか!!」
一夏は、箒に謝れと言った。
惇「・・・いや、マジでどういう意味?」
惇は、一夏の発言に益々意味が分からなかった。
一夏「だから、女の子相手にあんな容赦ない攻めをするなんて!!あんなの、ただの暴力だ!!」
一夏「だから、俺がお前を正してやる!!」
一夏は、怒りに身を任せて唾を飛ばす勢いで怒鳴り散らしたのだが
箒「止めろ、一夏!!」
一夏「ほ、箒!?」
箒「これは私が惇に頼んだ試合だ!!試合に男も女も無い!!」
箒に止められ、一夏は目を見開いた。
まさか、自分が箒を助けようとしたのに、何故箒は止めるのかと思ったのだ。
ショックを受けた一夏は、その場に座り込んでしまった。
惇「・・・興醒めだ。」
惇は、先程まであった昂ぶる思いが冷めてしまい、そのまま剣道場を後にしたのだった。
箒「一夏・・・」
箒は、一夏を一瞥したが、どこか複雑な表情を浮かべながらその場を後にしたのだった。
一夏「・・・」
一夏(何故だ・・・?俺が何を間違ってたってんだ?俺はただ・・・箒を守ろうとしただけなのに・・・!)
一夏は、顔を下にして内心ブツブツとそう呟いていたのだった。
一方惇達は
惇「・・・」
箒「・・・」
気まずそうだった。
箒「・・・すまなかった。」
すると、その静寂を破るかのように、箒が惇に謝罪した。
惇「え?」
箒「一夏の事だ。先程あのような不意打ちをするなんて・・・」
箒「それに・・・あんなにもお前を怒鳴るなんて・・・すまなかった。」
箒の謝罪に
惇「・・・人それぞれ、考えや価値観がある。」
惇「織斑にとやかく言うつもりはねー。ただ、アイツは何のために力を奮うのかなって思ってな・・・」
惇はあまりとやかく言うつもりは無いが、一夏は何のために力を奮うのか気になったのだった。
箒「・・・」
箒は、惇の言葉に何も言えなかった。
そして、クラス代表を決める試合の日がやって来たのであった。