第1試合の余韻がまだ冷めやまぬ中、一夏の専用機『白式』は最適化を終えた。
それは、どこか西洋の騎士を思わせる雰囲気の機体で、日本の侍のイメージの惇の打鉄・改とは対照的だった。
千冬「織斑。準備は出来たな?」
一夏「ああ。何時でも良いぜ!」
そう言う一夏の目は、どこか燃え上がる闘志を感じるような目だった。
千冬(ほお?先程の試合を見て刺激になったのか・・・?)
そう思った千冬だったが
一夏「やっぱアイツは最低最悪の卑怯者だ!俺がブッた斬って正してやらなきゃ!!」
一夏の発言に
千冬「・・・はっ?」
千冬は一瞬理解が追い付けず
一夏「行って来るよ、千冬姉!あんな卑怯者、俺が正して来るから!!」
千冬「お、おい一・・・!?」
問いただす前に一夏はアリーナへ飛び出していったのだった。
一方の惇は、機体の修理とシールドエネルギーの補給を行っていた。
本音「だーちー。修理と補給終わったよ~。」
すると、終わったのか、惇のクラスメイトの布仏本音がダボダボの袖で手を振って言った。
惇「サンキュー。さて、行くか。」
そう言い、惇も機体を纏いアリーナへ飛び出していった。
そこには、既に一夏が最適化を完了し機体を纏っていた。
すると
一夏「来たな惇!俺はお前みたいな卑怯者を正して、箒に、そしてセシリアに謝らせてやる!」
一夏が、惇に対しそのような事を言った。
惇(何言ってんだ、コイツ?)
これに惇は
惇「おい織斑、それはどういう意味だ?」
一夏に質問をすると
一夏「箒を傷付けるに飽き足らず、今度はセシリアをあんな目に遭わせやがって!!」
一夏「お前みたいな力で何事をも進めるような卑怯者は、俺が正してやる!!」
一夏は、怒りの声で惇を卑怯者と罵った。
惇「・・・テメー、何が言いてーんだ?」
一夏「女の子相手に本気出すなんて、男として恥ずかしくないのかって言ってんだよ!!」
惇「・・・するってーと、テメーは互いに全力を尽くして戦っていたオルコットに対して、手を抜くべきだったと。そう言いてーのか?」
一夏「そうだ!!女というのは守られて当然の立場なんだ!!手加減しねーなんて、お前は男の風上にも置けねークズだ!!」
そして、試合開始のブザーが鳴ると
一夏「俺が正してやる!覚悟しろ、うおおおっ!!」
手にしていた近接ブレードを上段に構え、真っ直ぐ突っ込んで来た。
それを見た惇は
スッ
分かりやすい突貫だったため、あっさり避けた。
一夏「クソッ!!何避けてんだよ!!やっぱお前は卑怯者だ!!」
一夏は、避けた惇に変わらず卑怯者と罵った。
惇(いや、攻撃されたら避けるのが普通だろうが・・・?)
惇は、内心呆れながらツッコミを入れつつ
惇(ふざけた事ぬかしやがって・・・!)
怒りの言葉も言っていた。
そんな中でも
一夏「うおおおっ!!」
一夏は変わらず突っ込んで来たので
キィン!
今度は避けずに受け流した。
一夏「クッ!馬鹿にしやがって!!」
これに、一夏は益々頭に血が上り
一夏「うおおおっ!!」
益々突っ込んで来たので
惇「はあっ!」
それも受け流すと、今度は惇が『村正』を一夏目掛けて袈裟斬りをした。
一夏「うおっ!危ねっ!!」
一夏は避けたのだが、少し掠ったため、SE残量が減ってしまった。
この一夏の行動に
惇「おいテメー・・・今何で避けたんだ?避けるのは卑怯者じゃなかったのか?」
惇は、先程自分が卑怯だと言った回避を自身も行った事を突いた。
一夏「あっ!」
惇「お前、俺を散々卑怯だ何だの罵ってた癖に、今度は自分で卑怯なことをやって・・・マジで意味分かんねーんだけど。」
惇は、少し怒りの声で一夏に言うと、一気に距離を詰め
ズバッ!!
一夏「うわあああっ!!」
逆袈裟斬りで鋭く斬り裂いて、一夏を上空に吹き飛ばすと
ザンッ!!
一夏「わあああっ!!」
一気に距離を詰め、上段から斬り捨て、一夏は地面に落ち、砂煙が一気に舞った。
このまま試合終了かと思われたが
惇「ん?」
煙が晴れるとそこには、一夏のISの形が変わっていた。
色も灰色から純白になり、惇の打鉄・改とは対照的な色となった。
惇「・・・一次移行か。」
一夏の姿を見て、惇は冷静に言った。
一夏「雪片弐型・・・」
一夏は、自身の近接ブレードの名前を見て
一夏「俺は・・・千冬姉と同じ武器を持った・・・」
一夏「世界を制した・・・千冬姉と同じ・・・」
千冬と同じ剣を手に入れたと感慨していた。
そして
一夏「俺は世界で最高の姉さんを持ったよ。」
手にしている近接ブレード『雪片弐型』を見て、一夏はそう言うと
一夏「この力で、俺はお前を倒して、正す!そして、皆を守る!!」
近接ブレード『雪片弍型』を構え
一夏「うおおおっ!!」
惇目掛けて突貫した。
その動きは、先程と比べて速くなっていた。
惇(確か雪片は・・・あの織斑先生が嘗て使っていた専用装備の・・・)
惇は、一夏の近接ブレードを見て、千冬が嘗て世界一になった時に使っていたIS『暮桜』の専用装備のと同じのに気付いた。
惇(一次移行したからか、確かにさっきより速えーな・・・)
先程と比べて速くなっているのに気付いた惇。
惇(けど・・・)
とは言え
スッ
行動パターンは変わっていなかった為、避けるのは簡単だった。
一夏「な、何!?」
一夏は、惇が避けた事に驚きを隠せず
一夏「クソォォッ!!」
ムキになって更に同じように突貫したのだが
惇「馬鹿が・・・!」
さっきとは全く変わっていなかった為、惇は呆れた気持ちになり、早く終わらせようと村正を納刀して構えた。
一夏(剣を納めた・・・?間違いを認めたんだな!なら・・・!)
一夏「このまま俺にやられろー!」
一夏は特に何も考えず、何故か惇が負けを認めたと思い込み、そのまま上段から雪片弍型を振り下ろそうとした。
しかし
惇「ハアッ!!」
ズバッ!!
惇は横一閃で村正を抜刀し
一夏「ガハッ!?」
一夏を斬り裂いた。
その一太刀で、一夏は地面に落ち、白式は解除された。
山田『織斑一夏、シールドエネルギー残量ゼロを確認。試合終了。勝者足立惇。』
惇は、その様子をどこか冷徹に見下ろしており
惇(なんか・・・あんま気分良くねーわ・・・)
どことなく虚しさを感じ、血振りをして納刀すると、そのままピットに戻ったのだった。
この様子を観客席で見ていた箒は
箒(なんだか惇・・・どこか虚しそうだったな・・・)
箒(あの雰囲気の惇は、何というか・・・どこかほっとけないな・・・)
惇の側にいようと思ったのであった。