クラス代表を決める話し合いで揉めた一夏とセシリアを下らないと一蹴した惇。
一夏「なっ!?」
セシリア「何ですって!?」
惇の発言に、一夏とセシリアは驚きと怒りの表情を浮かべたが
惇「まずオルコット。テメーは代表候補生だろ?テメーの発言は、イギリスの発言だと取られてもおかしかねーんだぞ。」
セシリア「え?」
惇「そして、日本の事を文化としても後進的な国だって言ったよな?じゃあ聞くが、ISを作った人は誰で何処の国の出身だ?それと、ISの世界大会『モンド・グロッソ』初代優勝者は誰で何処の国の出身だ?」
セシリア「あっ!」
惇「篠ノ之束と織斑千冬は共に日本出身。テメーの発言が、もし第三者の耳に入ったら一体どうなってしまうか分かってんだろ?」
惇にISの開発者、そして世界大会初代優勝者は誰かと聞かれ、セシリアの顔が真っ青になった。
惇「テメーが代表候補生の座に就くまでどれ程の苦労を重ねたかは知らねー。だがな、それを理由に傲慢に振るって良い権利なんてねーんだよ。その肩書きは、テメーの自尊心を満たすための道具じゃねー。」
これに、セシリアは言い返す事も出来ず、口をパクパクしていた。
その様子を見た一夏は、ざまぁといった表情を浮かべたが
惇「次に織斑。テメーもだ。」
惇に声をかけられると
一夏「お、俺もか!?」
驚きの表情を浮かべた。
惇「ったりめーだろうが。テメーの発言も問題だ。テメーさ、イギリス料理を食った事あんの?」
一夏「え?」
惇「イギリス料理を食った事あんのかって聞いてんだよ!聞こえてねーのか?ああ!」
この怒りの声に
一夏「・・・な、無い。」
とビビりながら弱々しく答えた。
惇「ほお?テメーは食った事もねー料理を『世界一マズイ料理』つって、馬鹿にしたのか?」
一夏「だ、だって・・・雑誌やネットとかじゃ・・・」
惇「テメーは雑誌やネットの意見を鵜呑みにして、自分では食った事もねーイギリス料理をディスったのか?」
惇「それと、マズイっていう意見は世界中全ての人の意見だったのか?」
一夏「そ、それは・・・」
これに
セシリア「足立さん・・・」
セシリアは目を少し潤ませており
箒(惇らしいな・・・。しかし一夏の奴・・・日本を侮辱され怒るのは分かるが、だからといって相手の祖国を馬鹿にするなど、人としてどうなんだ。)
箒は惇を尊敬の目で見て、一夏に対しては呆れた目で見ていたのだった。
惇「食う人によってはよ、日本料理をマズイって言う人もいる。イギリス料理を美味いって言う人もいんだよ。味覚っつーのは人それぞれだ。ちげーか?」
一夏「・・・」
惇「それにテメーらはクラス代表の事で喧嘩してんだろ?食い物の話題を出す必要あんのか?」
一夏「うっ・・・」
惇「それと織斑、テメーいくつだよ?テメーの言ってる事は幼稚園児の悪口と一緒だ。幼稚園からやり直せ!」
これに
一夏「ううっ・・・」
一夏も項垂れ黙り込んでしまった。
惇「それと、今回の2人の喧嘩。全ての原因はテメーらにもあんぞ。」
すると、今度はクラスの女子にも惇は怒りの感情を向けた。
「えっ?」
惇「そもそもテメーら、オルコットが何故ここまでキレたか分かってねーだろ?」
惇「テメーらはオルコットのこれまでの努力を踏み躙りつばを吐いたんだよ!」
「な、何を言ってるの!?」
「私達は何もやってないわよ!」
惇「分かんねーなら教えてやろう。テメーらはオルコットがどれ程の苦労を重ねて代表候補生になったか知ってんのか?偉そうに言ってっけど、俺だって正確には分かんねー。俺は彼女の身内でもねーからな。」
惇「けどな、苦労を重ねてきたんだろうっていう事くらい分かる。家を立て直し、血の滲むような努力を重ね、代表候補生という栄誉を勝ち取った。この学園の入試だって、努力を惜しまず首席合格を果たした。」
惇「そして意気揚々とこの学園に入学してみれば、男で最初にISを動かした奴とその次に動かした奴がいて、それだけなら良い。だが、珍しいという理由でクラス代表に選出される。どうだ?真面目にやって来たオルコットが頭にくる状況だと思わねーか?」
すると、クラスの空気が珍しさから惇と一夏の2人を推した事への反省の空気に変わった。
惇「それと・・・アンタはいつまで黙ってんだよ、織斑先生?」
これに
千冬「何?」
まさか自分に矛先が向けられるとは思わなかった千冬は、目を丸くして驚きの表情を浮かべた。
惇「これ、問題はアンタにもあんだぞ。」
これに周囲が絶句した。
惇「2人の喧嘩を止めようとした山田先生は、教師として当然の事をしたと思う。けどアンタは何だ?このクラスの担任だろ?」
千冬「・・・そうだが。」
惇「だったら何で、オルコットの日本を侮辱する発言を止めなかった?教師だったら、あの発言を止めるべきだったんじゃねーのか?くだらねー低レベルの喧嘩かもしんねーよ。俺もそう思った。」
惇「けどな、国を見下し、侮辱する発言はすぐに注意すべきじゃなかったのかよ?まさかアンタ、オルコットの先程の発言は間違ってねーと言うつもりか?」
千冬「・・・違う。」
惇「じゃあ何で言わなかった?つーかさ、俺そん時のアンタの顔チラッと見たけど、楽しんでたよな?何でだ?」
千冬「っ!」
惇「気付かなかったと思ったか?いい加減にしろよ。一応言っとくが、アンタには失望してんだよ。教師として最低限の事をしてねーんだからな。今のアンタは教師失格だ。」
惇「初代ブリュンヒルデだったからって、調子こいてんじゃねーのか?ああ?」
これに、千冬は拳を握り締め、殺気を込めた視線を惇にぶつけた。しかし、惇はそれを軽く受け流し、遙かに上回る殺気を千冬にぶつけた。
山田先生は、この状況をオロオロしながら2人を見つめていた。
千冬「・・・そうだな。全てお前の言う通りだ。」
どれ程の時間が経ったのか、先に声を上げたのは千冬だった。
千冬「今回の件、止めなかった私に全責任がある。オルコット、もし今回の件が外に漏れ、問題となった場合、私が全力で弁護する。済まなかった。」
そう言い、千冬は頭を下げ謝罪した。これには、皆驚きの顔をし
一夏(あの千冬姉が・・・頭を下げて謝った・・・!?)
オルコット「い、いえ!?私こそ、くだらない事でこのような騒ぎを起こしてしまい、申し訳ございません!」
一夏とオルコットも同様の顔を浮かべ、特に一夏は非常に驚いていた。
千冬「そうか。」
そして
セシリア「皆さんも、祖国を侮辱してしまい、申し訳ございませんでした。」
セシリアも、クラスに謝罪した。
これには
「頭上げて、オルコットさん。」
「こっちこそ、気持ちを踏み躙ってごめんね。」
女子の方も謝罪した。
しかし、一夏は謝る事はしなかった。
惇(コイツは謝んねーのか・・・。まぁ、俺にはどうでも良い・・・。それより・・・)
惇「オルコット。」
セシリア「・・・はい。」
惇「さっきは言い方が悪く、怖がらせてしまった。済まなかった。」
そう、惇はセシリアに頭を下げ謝罪した。
セシリア「お顔を上げて下さいな、足立さん。あなたの謝罪、確かにお受けしました。そして私からも謝罪させて下さい。くだらない喧嘩を起こしてしまった事を。そして、ありがとうございます。私の国の料理を弁護してくれた事を。」
惇「別に良いよ。それで織斑先生。今回のクラス代表、ISの決闘で決めるんすか?」
千冬「ああ。勝負は1週間後。第3アリーナで行う。3人とも、それぞれ準備をしておくように。」
惇「うぃーっす。」
セシリア「はい!」
一夏「・・・ああ。」
そして、クラス代表を決める代表決定戦が来週に予定された。
一夏(何だよ・・・結局惇も頭下げて謝るじゃねーかよ・・・!)
一夏(それに、女の子に頭下げるなんて・・・男らしくねーじゃねーか!)
一夏(千冬姉にあんだけの事言っておいて・・・!)
因みにこの時、一夏は惇がセシリアに謝罪したのを見て、男らしくないと内心腹を立てていたのであった。