クラス代表の話し合いがあったその日、全ての授業を終えた惇は
惇「・・・」
寮の部屋で調べ物をしていた。
惇(オルコットの専用機の名は『ブルー・ティアーズ』・・・第3世代型のISで、遠距離射撃特化型のISか・・・)
セシリアのISを調べていたのだ。
惇(俺のとはまさに対照的だな・・・)
惇(加えて、俺と彼女じゃ、ISを動かした時間は雲泥の差・・・)
惇(扱いの慣れの差がありすぎる・・・)
惇は、自身とセシリアの実力を客観的に比べて、慣れの差があると感じた。
惇(まぁ、しゃーねーな・・・やれる事はやるしかねー!)
惇(俺も・・・簡単に負けるつもりはねーしな・・・)
しかし、負けるつもりは無いと決意し、左手首にはめてる腕輪を触ったのだった。
すると
フワッ
箒「調べ物は終わったのか?」
箒が、惇の横から現れて言った。
この時の箒の格好は、寝間着浴衣に着替えており、和風美人をより強調していた。
加えて、匂い立つ程の色気があった。
惇「箒・・・」
箒「これは・・・オルコットの専用機だな。」
惇「ああ。遠距離特化型の第3世代のIS。『ブルー・ティアーズ』だ。」
セシリアのISを聞き
箒「『ブルー・ティアーズ』・・・」
箒は、セシリアのISを見た。
箒「お前のそれは、専用機なのか?」
すると、箒は惇の左手にはめてある腕輪を指差して聞いた。
惇「ああ。実はお前の姉貴の束さんから貰ったんだ。」
これに
箒「ね、姉さんにか!?」
箒は驚きの表情を浮かべた。
惇「ああ。あの人に会って、それからISを起動しちまった後にあの人から貰ったんだ。」
箒「そ、そうか・・・」
惇「後、お前の事を常に気に掛けていた。」
箒「姉さんが・・・」
惇「ああ。実はお前と会って仲良くしてた時、あの人が俺に会ってさ。最初はスゲー警戒してたんだよ。」
箒「何故だ?」
惇「妹を誑かす奴ではないか否かを確認したかったんだよ。」
箒「全く・・・惇はそのような事をしないのに・・・」
惇「はは。お陰でそうではないと分かってくれたんだけど。それで、あの人がISを作った理由は、何も今のような世界を作ろうという理由で作ったわけじゃねーって知ったんだ。」
惇「本当の理由は、宇宙開発の為だった。だから、あの事件を起こしてしまった事を、そして妹のお前をこのような目に遭わせてしまった事をスゲー後悔してたんだ。」
箒「姉さん・・・」
惇「それで、俺はその夢を応援するってあの人に言ったんだ。すると、あの人に変なあだ名をつけらちったな。」
箒「そうなのか・・・」
惇「ああ。それで、あの人にISを貰ったんだ。」
箒「そうなのか・・・」
箒「それで、お前のISはどのような物なんだ?」
惇「『打鉄』って分かるよな?」
箒「ああ。日本純国産の第2世代型のISで、防御に特化した機体だと。他にも、性能が安定しているため、初心者に非常に扱いやすいと。」
箒「私も、あのISに乗って使いこなしてみたいものだ。」
箒は、打鉄の見た目に惚れていた。
やはり、鎧武者をモチーフにしたISは、和を尊ぶ箒の心に刺さったのだろう。
惇「はは。それをあの人がカスタマイズしてくれて、貰ったんだ。」
箒「成程な・・・それで、お前の打鉄は攻撃特化型なのか?」
惇「ああ。攻撃と機動に特化した物にカスタマイズした。」
惇「つっても、俺は上手く扱いきれるほど強くはねー。寧ろ、よえー方だ。けど、やるからには、俺に出来る事をやるつもりだ!」
惇は、出来うることをやるだけだと言った。
すると
箒「私も・・・応援してるからな。」
惇「・・・ああ。」
箒が、惇の首に腕を回し
箒「んっ・・・愛してる・・・」
惇の首筋に顔を埋め抱き締めて色っぽい笑みを浮かべながら言うと
惇「俺も・・・」
惇も箒の背中に腕を回し抱き締め返して言ったのだった。
その翌日のSHR
千冬「織斑。お前のISだが、準備まで時間が掛かるぞ。」
千冬は織斑にそう言った。
一夏「へ?」
千冬「予備の機体が無い。だから、学園で専用機を用意するそうだ。」
これには、クラスの生徒達はざわめきだした。
「専用機?1年のこの時期に?」
「つまりそれって、政府からの支援が出るって事?」
「凄いなぁ!私も早く専用機欲しいなぁ!」
しかし
一夏「専用機があるって、そんなに凄い事なのか?」
肝心の一夏は分かってなかった。
惇「・・・織斑。テキストの6ページを読め。」
惇にそう言われ、一夏はテキストを開いた。
惇「ISの『コア』は467個。つまり、ISは世界に467機しかねー。その『コア』を作れるのはたば・・・篠ノ之博士だけで、今は『コア』を一定数以上作ることを拒否ってる。」
惇(多分だけど・・・これ以上軍事目的で作られるのを恐れてんだろうなぁ・・・)
千冬「本来なら、IS専用機は国家あるいは企業に所属する人間しか与えられない。が、お前の場合は状況が状況なので、データ収集を目的として専用機が用意される。理解できたか?」
一夏「な、何となく。」
すると
鷹月「あの、先生。足立君には専用機は・・・」
クラスメイトの1人鷹月の質問に
千冬「彼だが・・・」
惇「俺は既に持ってる。」
千冬が言う前に惇が答えた。
これに
「「「えええーっ!!!」」」
クラスの女子は皆驚きの声を上げた。
すると
セシリア「それを聞いて安心しましたわ。クラス代表の決定戦。私とあなたでは勝負は見えていますけど、流石に私だけ専用機、あなたは訓練機ではフェアではありませんものね。」
セシリアが一夏の前に現れそう挑発するように言ったら
セシリア「そして足立さん。あなたも専用機をお持ちでしたのね。何処で手に入れましたの?」
惇には先程の一夏に対しての高飛車な態度とは違い、淑女に相応しい物腰柔らかに聞いた。
惇「とある知り合いにカスタマイズしてくれたのを貰ったんだ。」
セシリア「そうですの。」
惇「つっても、代表候補生のオルコットと比べたら、腕の差は歴然だがな。けど、最大限出来る事をやるつもりだ。」
セシリア「フフッ・・・分かりましたわ。なら、来週の代表決定戦。楽しみにしてますわ。」
惇「ああ。」
その時
「あの先生。篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか?」
クラスの1人が千冬にそう質問した。
千冬「そうだ。篠ノ之はあいつの妹だ。」
これに
「「「えええーっ!!!」」」
「嘘!?お姉さんなの!?」
「篠ノ之博士って、今行方不明で・・・」
「世界中の国や企業が探してるんでしょう?」
「何処にいるのか分からないの?」
クラスの女子が色々箒に聞いた。
その時
ガタンッ
突然大きな音が響き、静まりかえった。女子達は、物音がした方へ視線を向けた。
音の正体は、惇が椅子を引いて立ち上がった音だった。
惇「皆、それ以上彼女の家の事情を聞かないであげてくんねーかな。気になる気持ちも分かるけど、彼女も恐らくあまり言いたくねー何か特別な理由があると思うからさ。出来ればあまり詮索しないであげて欲しい。」
惇「それと、んな事言っちまったら偉そーかもしんねーけど、出来れば『篠ノ之博士の妹』じゃなくて、『篠ノ之箒』個人として付き合ってくんねーかな。」
そう言い、惇は頼むような素振りを見せた。
すると、女子達は
「そうだね・・・」
「ごめんね。無神経に尋ねちゃって・・・」
そう箒に謝り
箒「大丈夫だ。気にしてはいない。これからも、仲良くな。」
箒も、クラスメイトにそう優しく言った。
千冬「・・・山田先生、授業を。」
クラスが落ち着いたのを確認した千冬は、山田先生を促し
山田「は、はいっ!」
授業が始まった。
一夏(何で惇は箒を庇ったんだ・・・?箒は気にしてないって言ってるんだから、別に庇わなくたって良いのに・・・)
一夏(余計な事しなくたってな・・・男としてどうなんだよ・・・)
この時、一夏はそう思いながら惇を見ていたのであった。