※この作品はR-18です。

仮面ライダーコガラシ・レイトショー   作:黒井福

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どうも、黒井です。

今回はリクエストより、「本編完結後に沙苗が出会った運命の相手と愛し合う」話となります。

IFストーリーでは初めての純愛ものとなります。


遂に巡った幸せ

 東雲 沙苗は万閃衆の上忍である。しかもただの上忍ではない。彼女は万閃衆において禁術とされ学ぶ事さえ禁じられている3つの忍術、血遁・骨遁・心遁の術の使い手なのだ。それ故彼女は上忍の中でも特殊な立ち位置におり、基本的に総本山から出る事も許されない。

 

 特殊な立ち位置故、彼女に与えられた勤めも他の上忍とは大きく異なる。その最たるものは、毎夜開かれる淫らな宴で里の男達の相手をする事であった。若者を中心に、抽選で選ばれた万閃衆の男達の夜伽の相手をさせられていた。それは偏に、嘗ての敗北により活動を大幅に縮小させられ、嘗ての栄光を失った事によるフラストレーションの発散の意味を多分に含んでいた。

 日陰者として細々とした活動を余儀なくされ、その事に不満を持ちともすれば卍妖衆に寝返ってしまいかねない万閃衆の忍び達。その彼らの心を繋ぎ止めておく為、沙苗は人身御供としてその美貌と起伏に富んで男達を夢中にさせる肢体を差し出しているのだ。殆ど裏方のような活動に不満を抱いていた万閃衆の忍び達も、沙苗の肢体を味わえるのであればと不満を飲み込み万閃衆の一員として活動してくれた。

 

 尤もこの奉仕活動は沙苗にとってもメリットはあった。彼女が扱う禁術の一つである心遁は術の行使の代償に記憶や感情を消費する。何の備えも無く術を使えば術者は心を削り廃人の様に無感動になりながら記憶を失っていく。それを防ぐ為、沙苗は敢えて男達に犯される事で快楽の感情と記憶を作り、その記憶と感情を代償にして心遁の術を使っていた。

 

 しかしそれもあまり長くは続かなかった。長きに渡る卍妖衆との戦いで万閃衆は大打撃を受けた。総本山を誑かされたS.B.C.T.に襲撃され、それに対処している間に本命の卍妖衆による襲撃で里の主要人物は軒並み全滅。その混乱に乗じて沙苗と唯もオボロにより連れ去られてしまった。

 

 その後沙苗はオボロの配下の性奴隷にさせられ、千里達に助けられるまで殆ど休む間もなく犯される事となる。皮肉な事に万閃衆でも似たような事をしていたが故に彼女は助けられるまで精神的に耐える事が出来てしまい、徹底的に全身余すことなく穢されながらも心は折れる事無く最終的には救助された。

 

 そうして様々な騒動を乗り越えた末に、生き残った万閃衆は組織を立て直した。その過程で沙苗の扱いも見直され、卍妖衆が壊滅した事もあって以前に比べれば大分自由な時間が増えた。今まで出来なかった外出も出来るようになり、ある意味で呪縛に囚われていた彼女は初めての自由な外出に年甲斐もなくはしゃぎ1人多くの人が行き交う街の散策を楽しんだ。

 

「わ……ぁ……!」

 

 初めて歩く街を楽しんでいた沙苗だったが、忘れてはならないのは彼女は誰もが振り向く美貌の持ち主であると言う事であった。嘗ての万閃衆ではその美貌目当てに彼女を抱ける勤めに参加する者が後を絶たなかったし、卍妖衆の捕虜となった時もその美貌が男達を刺激し激しい凌辱に晒された。

 何が言いたいかと言うと、沙苗の様な美女が無防備に街を歩いていればすぐに何も知らない男達に目をつけられると言う事であった。今の彼女は街中でも目立たないようにと今まで袖を通していた着物を脱ぎ捨て、街中で目立たないカジュアルな服装をしていた。しかし顔立ちは勿論、何よりも目を引くのは胸元に丸々と実った巨乳だ。男女問わず目を引く巨乳は着物を脱ぎ捨てた事で逆に目立つようになってしまい、道行く人々の視線を嫌でも集めてしまった。

 

 沙苗が見知らぬ男達に囲まれて声を掛けられたのはそんな時である。

 

「ねぇねぇ、お姉さん。今暇?」

「君綺麗だね~。1人? なら俺らと少し遊んでいこうよ」

 

 突然男達に声を掛けられ、沙苗は思わず目を丸くした。今の今まで総本山だけが全てだった彼女にとって、こうしてナンパされる事も初めての経験であった。

 

「あ~……えっと……」

 

 最初こそ驚き目をパチクリとさせていた沙苗だったが、直ぐにその顔は僅かに険しくなる。男達の視線に明らかに下卑たものを感じたからである。何度も男達に犯されてきた沙苗だから分かる。男が自分に欲情し、自分の肢体を求める時の目である。

 

(ん~……どうしたものでしょう?)

 

 当然だが沙苗は男達の要望に応じるつもりは無い。折角得られた自由を、こんな連中の為に消費したくない。

 

 蹴散らす事は簡単だ。特別扱いをされていたとは言え、沙苗だって万閃衆の上忍の1人。こんなチャラついた連中を蹴散らす事くらいどうと言う事はない。しかし彼らが何も知らない一般人であると言う事が彼女を悩ませた。

 下手に蹴散らして怪我をさせる訳にはいかない。だがこのまま黙っていては、焦れた男達が強引にでも沙苗を連れて行こうとするだろう事は容易に想像がつく。

 

 沙苗がうんうん悩んでいると、予想通り待ちくたびれた男の1人が彼女の手を掴んで連れて行こうと目論んだ。

 

「な? 悪いようにはしないからさ。一緒に行こうぜ!」

 

 伸ばされた男の手が、在りし日に自分を取り囲み気絶しそうになるほど犯してきた男達の姿と重なる。自然と沙苗の視線は徐々に険しくなっていったが、男達には彼女のその顔が自分達の威圧感に恐れを成している様に見えてしまい下卑た笑みを深くする。

 これなら沙苗を手籠めにする事等造作もないと男の1人が彼女の手を掴んで引っ張っていこうとした。しかし、彼女とて万閃衆の上忍として鍛えた者の1人。ド素人に好きにされるほど柔ではない。沙苗はその場を微動だにせず、彼女の手を引いた男はピクリとも動かない事に男は驚愕に彼女を凝視する。

 

「な、え……?」

「おい、どうした?」

「早く連れてこうぜ」

 

 何故か沙苗と共に動かなくなった男に、仲間の男達が急かす様に声を掛けた。するとそれに応える訳ではないが、あらぬ方向から新たな男の声が響いた。

 

「お前ら、何やってるんだッ!」

 

 その声と共に沙苗の手を掴んでいた男の手が別の男に捻り上げられた。突然の事に男達と沙苗が同時にその男の事を見た。

 

 そこに居たのはごく普通の眼鏡をかけた男性であった。特別鍛えていると言う訳ではなさそうだが、正義感は人一倍強いらしく沙苗が無理矢理ナンパされているのを見て助けに入ったらしい。突然の事にナンパしていた男もあっさりと沙苗の手を離してしまったが、我に返ると自分の手を掴む男の手を振り払い逆に相手の胸倉に掴み掛った。

 

「テメェ、何しやがんだッ!」

「正義の味方のつもりかオメェッ!」

「ウザってえんだよッ!」

 

 どうやら助けに入ってきた男は正義感は強くても、腕っぷしはからっきしの様だ。先程は不意を突けたことと勢いで沙苗を解放する事が出来たが、本気で正面からぶつかり合えば男は3人にあっという間に袋叩きされてしまった。

 

「がはっ!? うぐっ!?」

「オラオラッ! へっ、でけぇ口叩いてた割りには――」

 

 沙苗を助けに入った男を嘲笑いながら殴ったり蹴ったりを繰り返す男達。だがその暴挙も長くは続かなかった。

 

 今度は沙苗が男達を蹴散らしたからである。

 

「フッ!」

 

「がはっ!?」

「ぐぇっ!?」

「おごぉっ!?」

 

 沙苗はあまり前線に出て戦う方ではないが、それでも忍びの上忍の嗜み程度には戦える。本場の戦闘職の者達に比べれば数段劣るかもしれないが、少なくとも一般人相手に後れを取るほど鈍ってはいなかった。

 

 先程までの大人しい雰囲気など何処へやら。あっという間にその細腕でナンパしてきた男達を蹴散らした沙苗は、自分を助けに来てくれた見知らぬ男を背中に庇うように立ちはだかり蹴散らした男達を見下ろした。

 

「騙す様な事をしてすみません。ですが私、こう見えて強いんです。これ以上手荒な事をするのであれば……分かっていただけますか?」

 

 言外にとっとと失せろと告げると、沙苗に完全に恐れをなした男達は蜘蛛の子を散らす様に一目散に逃げていった。

 

「「「ひぃ~~ッ!?」」」

 

 情けない悲鳴を上げて逃げていく男達の背を見送り、沙苗は小さく溜め息を吐いた。折角の自由な外出に完全に水を差されてしまった。色々と台無しになってしまったが、とりあえず今するべき事は…………

 

「……ありがとうございます。怪我、大丈夫ですか?」

 

 これが、沙苗とこの男との運命の出会いであった。

 

 

 

 

 その後、沙苗はこの男を治療し、そしてそこで別れて終わるつもりであった。だが一度別れた後、何となく彼の事が気になり忍びとして鍛えた隠形を用いてこっそり男の様子を観察していると、彼がどういう人間なのかが分かった。

 

 端的に言えば彼はとんでもないお人好し、困っている人は見過ごせないタイプの人間であった。それこそ困っている老人に手を貸したりする程度の事から、不良・チンピラの類に絡まれている人を助けに入ったりである。老人などを助ける程度であれば微笑ましいで済ませられたが、悪漢に無謀にも立ち向かう姿には沙苗も頭を抱えた。彼は特別鍛えている訳でもないのに、正義感に任せて厄介毎に首を突っ込み結果自身が怪我をするのだ。

 あまりに見ていられなくて、遂には途中で乱入し今度は沙苗の方が男を助けてしまった。

 

「え? あ、あなたは……」

「もう、少しは後先考えてくださいよ」

 

 これ以降、沙苗は彼と行動を共にする事が多くなった。その最大の理由は、彼が無謀に暴漢に挑みかかるのを止め代わりに自分が困っている人を助ける為であった。どうにも彼の事が放っておけなくて、気付けば沙苗は暇な時は絶えず彼と一緒に居る事が多くなっていった。

 

 そんな日々を送っている最中、沙苗は彼にくノ一である事がバレてしまった。切っ掛けは些細な事で、沙苗が忍術を使おうとした瞬間を偶然見られてしまったのである。

 本来であればこの時点で沙苗は彼の記憶を消すべきだったのだが、何度も行動を共にしている位置に情が移ったのかそうする事が出来なかった。悩んだ末に沙苗は彼に自身の秘密の全てを打ち明け、その上で彼にこれからどうするかを訊ねた。

 

「決めてください。私の事を全て忘れて、以前のままの日々に戻るか……。それとも、危険を承知で私と共に居るか」

 

 前者を選べば、沙苗と出会った日々の事は全て忘れて退屈だが平和な日常に戻る事が出来る。後者を選べば、もしかすると今まで以上に危険な目に遭う危険性があった。沙苗としては、寂しくなるが前者を選んで欲しいと思っていた。

 だが男は即決で後者を選択し、さらに沙苗に胸の内を明かした。

 

「沙苗さん、ハッキリ言います。俺、あなたの事が好きです! 見た目がどうだとかじゃなくて、俺なんかに何時までも付き合って俺のやる事を馬鹿にしない。誰かを助ける事に少しも嫌な顔をしない綺麗な心の沙苗さんに、俺は心の底から惚れました。お願いです、どうかこれからも一緒に居させてくださいッ!!」

「ぅ……ぁ……」

 

 男の真摯な言葉に、沙苗は何と返すべきか分からなくなってしまった。ここまで真っ直ぐな好意を向けられた事が無かったのである。

 

 今までに沙苗に興味を抱いてきた男は居た。しかしその全ては、沙苗の体が目当ての者達であった。沙苗の起伏に富んだ肢体、大和撫子然りとした雰囲気に清楚な佇まい。そんな彼女を己の色で穢したいと言う欲望を隠さず近付いてきた者ばかりであった。

 目の奥に欲望を隠さず近付いてきた男達に対して、沙苗も思うところが無かった訳ではない。しかしそれらを彼女が拒むことはしなかった。勤めとして、そう言う者達も受け入れなければならなかったからだ。

 

 しかしこの男は違う。目を見れば分かった。彼は純粋に、沙苗と言う1人の女性に対して好意を抱き彼女と添い遂げようとしている。こんな男と出会うのは初めてであり、そして…………嬉しかった。勤めとか柵(しがらみ)とか関係なく、1人の女性、1人の人間として自分の事を求めてもらえたことが。こんな事は初めてだった。

 

(こ、これ、は……!)

 

 万閃衆で唯一禁術を使える上忍として、蝶よ花よと育てられてきた沙苗だが、それ故に彼女は色恋に関しては全くの素人であった。こんな事が無ければ、きっといずれは万閃衆の上層部が選んだ相手との間に子供を生まさせられていたに違いない。

 だが今、万閃衆は半ば瓦解しその在り方を政府の裏で暗躍するだけの機関の様にしていた。結果沙苗も嘗ての柵から解放され自由の身となっていたのだ。なので自由恋愛も出来る様になっている。

 

 しかしだからこそ、沙苗はこの男の好意に応える訳にはいかなかった。彼女は自分の特異性をよく理解していた。

 以前の戦いで、卍妖衆に接触した傘木社残党のブローカーは沙苗の扱う禁術に興味を抱いていた。今後も同様に傘木社残党が彼女に危害を加えようと接近してこないとは限らない。もしその時傍に彼が居たら、危険に巻き込まれてしまう。折角自分の事を好いてくれた彼を、危険な目に遭わせる訳にはいかない。

 

「…………ごめんなさいッ!」

〈忍法、隠れ身の術ッ! 達筆ッ!〉

「あっ!? 東雲さんッ!」

 

 結局沙苗はこの場は逃げる事でやり過ごそうとしてしまった。だがその程度で彼の情熱は冷めなかった。否、それどころか彼の沙苗への情熱は更に強くなり、恐ろしい程の執念と愛で何度も沙苗にアタックを繰り返した。それこそ忍びである沙苗の隠形すら打ち破るほどだ。

 

「東雲さんッ!」

「えぇっ!?」

 

「待ってください、東雲さんッ!」

「ちょっ!?」

 

「東雲さん、せめて話をッ!」

「もぉぉぉぉっ!?」

 

 あまりにもしつこい男からのアタックに一時期は辟易していた沙苗だが、逆にここまで求められると沙苗としても彼の事を意識せずにはいられなくなる。ともすればストーカーにも等しいのかもしれないが、そこまでされるほど求められたのは沙苗としても初めての事であり、嫌悪よりも興味の方が勝ってしまった。そしてその興味は何時しか好奇心へと変化していき、遂には沙苗も彼の事を異性として意識する程になってしまっていた。

 

 そうした日々を繰り返すうちに、沙苗も彼に好意を抱くようになってしまい、遂に彼の気持ちに正面から応えたくなってしまった。

 

 しかし…………

 

「私は、あなたからの好意に応えられるような人間では、ありません……」

 

 沙苗は嫌悪される覚悟で、自身の全てを彼の打ち明けた。自分が忍びである事は勿論、その勤めとして何人もの男に体を差し出してきた事もだ。

 

「私の体は、既に汚れ切っています。あなたの様な人に愛される資格は、ないんです」

 

 こう言えば彼も沙苗の事を諦めてくれるだろう。何人もの男と夜を共にし、快楽を貪って来た様な女性を好く様な物好きは居ない。だがこの沙苗の予想は外れた。彼は変わらず沙苗の事を愛してくれたのだ。その強い愛に、沙苗も折れた。

 

 そして2人は本格的に恋仲となり…………

 

「さ、沙苗さん……」

「その、あんまり、見ないでくれますか? は、恥ずかしくて……」

 

 正式に付き合い始めてから暫くしたある日の夜、2人は沙苗が個人的に所有している家の一室に居た。ここは万閃衆の総本山が崩壊し、卍妖衆との戦いが終わった後に勤めから解放された沙苗が過ごす為に購入した家である。ある閑静な住宅街の中に、ひっそりと佇んでいる小さな一軒家。沙苗の立場や功績などを考えればもっといい家を買っても許されると思われるのだが、本人はこれで十分に満足していた。

 

 その小さな家の寝室で、沙苗は恋人である男と布団の上で向き合っていた。既にお互い全裸になっており、明るい部屋の中で対面するのは恥ずかしいと言う事で灯りを消して窓から差してくる月明りだけを頼りにしている。

 優しい月の光に照らされて、薄暗い部屋の中に沙苗の白磁の様な肌がぼぅっと浮かび上がる。照明の明るい光の下で裸体を晒すのが恥ずかしいと言う沙苗の要望でこうなったのだが、これが逆に神秘的な美しさを演出し結果男は沙苗の美しさに欲情を隠せず股間では既に肉棒が血管が浮き上がるほど勃起していた。

 

 男はその沙苗の美しさに引き寄せられるように手を伸ばし、暴れ出しそうになる欲望を必死に理性で抑えつつ彼女の肩を掴んで顔を近付けるとそっと口付けをした。

 

「ぁ、ん……♡ ん、ちゅ……♡ んんっ♡ んぁ♡ ちゅ♡」

 

 お互い本気で愛した相手との口付けは初めてなのか、最初はぎこちなく唇を触れ合わせるだけだったがすぐに互いに更に相手を求めて舌を絡ませ始めた。

 

「ふぁっ♡ ん、んん♡ ちゅ、ちゅ♡ ん、ふぅ……♡ んぉ♡ ぉ、ぅふ♡」

 

 厳密に言えば沙苗にとってキスも初めてではない。万閃衆での勤めとして、そして卍妖衆の捕虜として男達に犯されていた時には、気分が昂った男や順番待ちで手持ち無沙汰になった男に無理矢理唇を奪われ舌を舐られた。その時はこれと言って感じるものはなく、捕虜となっていた頃は寧ろ嫌悪しか感じなかった。

 だが今は違う。ただ唇を触れ合わせ互いに舌を絡ませているだけだと言うのに、それだけで沙苗の下腹部はキュンキュンと疼き膣からは愛液が滲み出てくる。

 

 お互い気付けば相手の背中に手を回しており、沙苗の巨乳が男の胸板で押し潰され形を歪めていた。男の胸板で乳首が擦れて、その快楽もあって沙苗は切なそうに股をもじもじと動かしながら愛する男との甘美なキスに酔いしれていた。

 

「んんっ♡ ん、ん、んんんっ♡ ん、ふぁ……♡ はぁ、はぁ……♡」

 

 たっぷり数分、舌を絡ませ合う粘つく水音を室内に響かせていた2人はどちらからともなく唇を離した。愛しさと酸欠に揃って顔を赤くしながら顔を離すと、2人の唇の間に唾液が一瞬だけ橋を作り直ぐに途切れた。

 

 唾液の橋が途切れて落ちると、沙苗はそれを惜しむ様に口元を手で押さえた。

 

「これが、キス……たったこれだけで、こんなに……♡」

 

 両手で口元を押さえようと脇を締めた結果、両腕で沙苗の巨乳がむにゅっと潰れて意図せず扇情的な姿となる。それを目の前で見せつけられ、遂に男は辛抱堪らなくなって彼女を布団の上に押し倒した。

 

「きゃっ!」

「さ、沙苗さん、ゴメン……! 俺、俺、もう……!」

 

 正式に付き合うに当たって、彼は沙苗がこれまでどんな目に遭ってきたかを聞かされた。それは敢えて聞かせる事で彼を幻滅させ自分から離れさせようと言う沙苗の策によるものだったのだが、結果的に彼は彼女の過去すら受け入れ今に至る。

 そんな訳だから、彼は沙苗が男女の性交に対して辛い記憶しかないだろうからと最初彼女の事を優しく抱くつもりでいた。だが現実には、彼は沙苗の魅力に抗う事が出来ず欲望が赴くままに彼女の事を抱こうとしている。辛抱強くない、性欲の強すぎる自身を恥じて彼は沙苗に謝りながら、己の中で暴れ回る欲望をぶつけようとしていた。

 

 彼が自分の事を想い、暴れる欲望を必死に抑えようと苦しんでいる事には沙苗も気付いた。気付いたからこそ、彼女はこんな状態でも自分の事を想ってくれる彼が愛おしくなり、彼の事を自分も受け入れようとそっと彼に手を伸ばした。

 

「良いですよ。乱暴にされるのは、慣れてます。あなたの好きな様に、私の事を抱いてください。大丈夫、私、鍛えてますから」

 

 慈愛に満ちた笑みを浮かべながら腕を広げる沙苗の姿に、彼は理性を手放して逞しい肉棒を一気に彼女の膣に挿入した。

 

「んぁぁぁっ……♡ あ、あ、はぁ……♡」

 

 子宮を押し潰す勢いで膣奥まで一気に突き上げられた衝撃、沙苗はそれだけで軽く達してしまい、両手で布団のシーツを掴んで胸を突き出す様に背筋を仰け反らせ首と肩で腰を持ち上げる体勢になってしまった。

 

(う、嘘……! い、挿入れられた、だけで……♡)

 

 今までに彼女を犯してきた男の中には、彼に匹敵するほどの巨根の持ち主も居た。その時は膣が押し広げられ、内臓が押し潰されそうな感覚に快楽と同時に苦痛が彼女を苛んだ。しかし今、彼女の中に苦痛は一切存在しない。彼女が感じているのは視界が明滅する程の激しい快楽と幸福感だけであった。

 

「あ……はっ、はっ……♡ ん♡ ぁ……」

 

 多幸感と快楽に目を見開き口の端から涎を垂らしながら、沙苗は浮き上がらせた腰をゆっくりと布団の上に下ろし呼吸を整えながら挿入した体勢で自分を見つめてくる男の頬を優しく両手で包んだ。

 

「ご、ごめんなさい、初めてじゃなくて……でも、今の気持ちと感覚は間違いなく初めてなんです。だから、お願いします……もっと、動いて♡」

 

 瞳の中にハートマークが浮き上がって良そうな蕩けた顔で自分を見つめてくる沙苗に、男はいきなり全力で何度も腰を打ち付け彼女の膣内を巨根で穿り返した。

 

「あぁぁぁっ♡ あっ、あっ、あっ♡ んっ、あぁっ♡ はぁっ♡ あ、はぁぁぁぁっ♡」

「ふっ! ふっ! さ、沙苗さんッ! 沙苗さんッ♡」

 

 一心不乱に腰を打ち付ける男だったが、沙苗も負けず劣らず激しく喘いでいた。

 

「あぁっ♡ んぁぁぁぁぁっ♡ あ、あぁっ♡ な、に、これぇっ♡ あっ♡ あんっ♡ す、ご……♡ あんっ♡ き、気持ち、良い♡ あんっ♡ あんっ、あんっ♡」

 

 こんな風に喘いだのは沙苗にとっても初めての事であった。勤めとしての性交では相手をしてくれる男達を少しでも悦ばせる為に喘いだ事はあったが、それは迸る快楽に乗じた演技に近いものであった。快楽自体は感じていたが、心は殆ど震える事無く事務的に喘いでいたと言ってもいい。捕虜となっていた頃は言わずもがなだ。喘がされはしたがそれは快楽にコーティングされた苦痛から来る喘ぎであり、叫びにも近かった。

 しかし、この時の嬌声は全く違う。今、彼女は心の底から愛しさと快楽による悦びの喘ぎ声を上げていた。心を幸福感が満たし、気付けば沙苗も自分から彼に抱き着き腰を振っていた。

 

「あっ♡ あっ♡ もっと♡ あぁっ♡ そこ、もっと♡ あんっ♡」

 

 手足を彼に絡め、巨乳を押し付けながら自ら彼に腰を打ち付け喘ぐ彼女の姿に彼も更に興奮し狂ったように腰を振っていた。時に2人は互いの唇を貪り合いながら喘ぎ、快楽に沙苗が膣を締め付け蠢く膣内の動きに彼はあっという間に絶頂に達しようとしていた。

 

「んっ♡ んんっ♡ んぁっ♡ あっ、あっ♡ あんっ、あんっ、あんっ、あんっ♡ あっ、あっ、あっ♡ イクッ♡ イクッ♡ あっあっあっあっ♡ イクイクイクッ♡ わた、私、もうイきます♡ あぁっ♡」

「く、ぁ……! さ、沙苗さん! お、俺も、そろそろ、出る!」

「あっ♡ あっ♡ だ、出して♡ あんっ♡ 中に、出してください♡ あっ♡ 私の中を、あなたの精液で一杯にしてください♡ あっ♡」

 

 淫靡に求め、腰をくねらせ膣内を締め付けてくる沙苗に彼は昂った欲望の全てを彼女の子宮に解き放った。

 

「う、ぁぁぁぁっ!」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」

 

 大量の精液が沙苗の子宮の中に注ぎ込まれる。今までの事務的な受け入れでも、彼女の体を貪る為だけの射精でもない。愛する彼女を孕ませ、2人の愛の結晶を作る為の愛の挿入。身も心も見らされていく感触に、沙苗は彼の腰に巻き付けている足を強く締め付け腰を密着させ、射精された精液を一滴も溢さないようにするかのようにしていた。

 

「ん、ぁぁ……♡ あ、熱い♡ お腹の、中、熱いので一杯……♡ あ、あは♡ はぁっ♡ はぁっ♡」

 

 心の底から沙苗は満たされていた。これが愛する者との性交の本来の形なのだと今彼女は初めて実感していた。

 

 たった一度の彼との性交で満足した様子の沙苗であったが、相手の性欲はこの程度で納まりはしなかった。沙苗の体があまりにも魅力的で、彼女の事があまりにも愛おしくて、その気持ちが射精し終わって一時硬さを失っていた肉棒が膣内で再び硬くなり一回り大きくなった。

 

「あ……♡」

 

 膣内で肉棒が硬くなった感触は当然沙苗にも伝わり、膣内を押し広げる感触に小さく声を上げた。

 

「ゴメン、沙苗さん。まだまだ、全然収まりそうにない」

 

 このまま第二ラウンドに移ってしまうと男が告げると、沙苗は無言で彼に口付けをした。それは間違いなくOKのサインであり、このまま好きにしてくれと言う意思表示であった。

 

 彼女からの許可に、男はそのまま性欲の赴くままに彼女の事を何度も抱いた。

 

 

 

 

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ んぁぁっ♡ あはっ♡ んんっ♡ あ、はぁぁぁぁん♡」

 

 時には四つん這いになった沙苗の腰を掴み、後ろから覆い被さる様に後背位で何度も彼女の膣奥を突いた。犬の様に激しく膣内を穿られる感触に、全身を迸る快楽に沙苗も獣のように激しい喘ぎ声を上げていた。

 

 

 

 

「うぁっ♡ あぁぁっ♡ んっ♡ こ、これ♡ あっ♡ す、すごいぃぃっ♡ あんっ♡ お、奥、届く♡ 届くぅぅッ♡ あっ♡ こ、これ、好き♡ しゅきぃっ♡ ひゃん♡」

 

 また時には布団の上に寝そべった男の上に沙苗が跨り、下から突き上げられながら彼女自身も腰をグラインドさせながら喘いでいた。騎乗位の体位で下から子宮を押し潰す勢いで肉棒に突き上げられる快楽に、沙苗は普段の清楚さなど何処かへ投げ捨てた様に激しく喘ぎ、巨乳を大きく揺らしながら何度も絶頂し突き上げられる度に上半身を前後左右に振り回していた。彼女の上半身の動きに追従するように揺れる乳房を思わず揉みしだきたくなるが、2人の両手は互いに指を絡ませるように繋がれている為それは叶わない。それに例え巨乳を揉む事が出来なくても、見ているだけで満たされたし何より膣に包まれた肉棒から広がる蕩けるような快楽だけで十分すぎた。

 

 沙苗もまた彼の上で淫らに踊り、快楽を貪り何度目になるか分からない絶頂に全身を震わせていた。

 

「あっ、あっ、あぁっ♡ イクイクイクッ♡ またイクッ♡ イクッ♡ イクの止まらないっ♡ あっ、あっ、あっ♡ んぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」

 

 

 

 

「んんっ♡ ん、ちゅ♡ れろ♡ ちゅぱ♡ んぁぁっ♡ あっ、あっ♡」

 

 沙苗の喘ぎ声は深夜を過ぎても止まる事は無かった。何度も射精された子宮の中は精液でパンパンに膨れ上がり、下腹部は最初に比べて明らかに大きくなっている。2人共何時間にも渡って愛し合った結果全身汗だくとなり、沙苗が快楽で跳ねる度に彼女の体から汗が飛び散り窓から差してくる月明りに照らされキラキラと輝いていた。

 

「はぁっ♡ はぁっ♡ ん、ぁぁ♡ す、すごい♡ あっ♡ こんな、初めて♡ あんっ♡ こんな、こんな、幸せ♡ あは♡ ん♡ あっ♡ もっと♡ ひぁんっ♡ んん♡」

 

 長時間に渡って全身を貪られる事自体は、沙苗にとって珍しい事ではない。だがそれは大体何人もの男が交代交代で彼女を抱いていたからで、たった1人でこんなにも彼女を満たし続けた事は無かった。忍びとして鍛えた自分の体力についてくる、彼の性欲の強さに沙苗は驚き何時までも続く幸せな快楽に動揺しながらも、彼女は快楽に身を委ねていた。

 

「あぁっ♡ んっ♡ あっ♡ ら、らめぇ♡ あっ♡ も、もっと♡ あんっ♡ もっとぉ♡ んんっ♡ もっと、もっと突いて♡ あっ♡ 好き♡ 愛してます♡ あぁっ♡ こんな気持ち、初めてぇっ♡ あぁっ♡」

「ぅ、ぁ……! 沙苗さん、また、出るッ!」

「あっ♡ 出して♡ あぁっ♡ 出して、ください♡ あんっ♡ 私の事、孕ませて♡ んんんっ♡ あなたの、愛してるあなたの赤ちゃん、産ませてください♡ んぁぁぁっ♡」

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 

「んんっ♡ んぁっ♡ はぁぁっ♡ ん、くはぁっ♡」

 

「あぁっ♡ はぁぁぁぁっ♡ んぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」

 

「あ、らめぇ♡ ま、また、でてるぅ♡ あっ♡ も、おなか、いっぱいぃぃ♡」

 

「んぉっ♡ ぉぉお♡ お、ほぉぉぉ……♡ あ、りゃめぇ……♡ も、りゃめ♡ あ、はひぃ♡ も、わかりゃない♡ ひぁぁ♡ き、きもちよしゅぎて♡ んぁぁぁぁ♡」

 

「お、おぉぉぉぉぉぉぉぉっ♡」

 

 結局沙苗と彼が落ち着いたのは、2人がキスをしてから数時間が経過しあと数十分で朝が来ると言うくらいになってからであった。窓から見える空の彼方がほんのり白く染まって来たのを、沙苗は快楽に染まりぼんやりした目で見ながら隣で横たわっている彼の胸板に頬擦りしていた。

 

「ん……ふふっ」

「沙苗さん?」

 

 不意に笑いだした沙苗に男が不思議そうに声を掛けると、彼女は小さく頭を振り起き上がるとその場で三つ指をつき頭を下げた。

 

「あなたの事、心から愛しています。改めて、これからも末永くよろしくお願いしますね」

 

 そう告げる沙苗の顔は、憑き物が落ちたかのように清々しい笑みを浮かべていたのだった。




ここまで読んでいただきありがとうございました!

執筆の糧となりますので、感想評価その他よろしくお願いします!

次回の更新もお楽しみに!それでは。
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