創作えっちなの置き場ぁ~!!!! 作:八雲崎 夢鏡
彼女は『失敗した』と何度思ったことだろうか。再びマヌスヴェンデッタに捕まるなんて、という事実を心に沈み込ませるたびに『失敗』という言葉が続けて現れている。
彼女───タイムキーパーと呼ばれる少女、ヴェルティは、椅子に手足を縛られてマヌスヴェンデッタの拠点に監禁されていた。
彼女のトレードマークたる帽子は、捕まったときにどこかへ転がっていき、上等のコートも脱がされている。いま彼女が身につけているのはシャツとハイウェストパンツ。その下に着ている下着のみである。
足首は椅子の脚に固定され、手首は肘置きに固定されている。
彼女を監禁する部屋に窓はなく、クリーム色の壁紙は電灯の光によってうっすらとフルール・ド・リスの模様を浮かび上がらせる。床はやわらかめのカーペットが敷き詰められていて、家具も机やベッドなどがあり、まるでホテルの一室といった具合だ。勿論それは窓があればという言葉が前提に置かれるのだが。
なにはともあれ、ここは監禁用の場所なのだろう。扉の鍵は外側につけられ、内側から開くことができない。
どうにかして逃げ出さなければとヴェルティが思っていると、部屋のドアが開いた。
「こんばんは───ヴェルティ」
そこには今一番会いたくない相手がいた。
彼女はアルカナ、マヌスヴェンデッタの冷酷な女教皇。
夜空で染めたかのような暗い青の長髪。その頭にはワンドが刺さり、そこから血でも流れ出すように、黒い粘性のある液体が溢れている。彼女の瞳はフクロウのようで、そこから意図を読み取ることが難しい。
「久しぶり、と言った方がよいかしら」
ヴェルティとアルカナは、勿論そのような挨拶を交わすような間柄では無い。彼女は冗談を口にしながら、ヴェルティの元に歩み寄った。
黒いラバースーツのようなものに覆われた手が、指が伸びてきて、ヴェルティの頬をなぞる。人の肌のような感触では無いのに、人のような体温が伝わる不思議で不気味な指。それは慈母のような動きでもあり、捕食者の舌なめずりのような動きでもあり、またこの後に起きることを示唆するノルンの囁きのようでもあった。
これから待ち受ける運命にゴクリと喉が動く。
これも久しぶりね、と前置きをしながらアルカナは話し出す。
「我が問いは三つ・・・・・・答えられぬのなら、そなたに苦痛を享受するとしよう」
その台詞は懐かしくもある。初めてマヌスヴェンデッタに拘束されたときに行われた拷問であり、彼女にとってはショーであった。しかし、前回の時と異なり、今回はヴェルティ一人である。
「一つ、此度のそなたは囮だった、そうであろう?」
ヴェルティは頷かない。アルカナは全てを見通しているように喋る。この質問がカマ掛けでないと否定し切れない。 ヴェルティの沈黙に対しアルカナは、少し視線を落とす。それは呆れか思案か、口元はクスリと端が上がる。
「一つ目の答えは『沈黙』でよいな?」
頷くことは無い。それを見届けたアルカナはヴェルティに近づいた。
ぷつりぷつりとシャツのボタンが外される。留め具を外された服ははらりとはだけ、幼いながらも女性的な成長を示す小ぶりな胸と、それを包む純白のブラジャーが晒される。
何を、と思わずヴェルティは叫んだ。
しかし、アルカナはそれに答えること無く、ヴェルティの背中へ腕を巡らせ、ホックまで外してしまう。白いレースの下着が重力に負けて落ちた。その下にあるのは、白く若々しい乳房。その先端は薄い桃色で、ぷっくりと僅かに尖っている。
ヴェルティはとっさに身をよじり、体を前に傾けてどうにか少しでも隠そうとするのだが、ブラジャーを外すためにしゃがんでいるアルカナにとって、その動きは『隠す』では無く、果実が風に吹かれて揺れているようにしか見えない。そして彼女はその目に映ったものを手に取った。柔らかく、しかし重くはない。羽のように軽く思える───それは勿論彼女の持ち前のものと比べて、だが───しかし、そう思うが早いか、身を捩ったヴェルティによって、手から果実はこぼれ落ちてしまう。
再びアルカナの前で果実が揺れた。それは先ほどよりも熟れているように彼女の目に映る。
「逃げては駄目よ」
フフッと小さく息を吐くような笑いを洩らしながら、アルカナは床に膝をつき、救いを求め神に縋る貧者の如く上に向かって腕を伸ばす。そのスラリとした腕は乳房では無く、谷間を抜け、首をなぞり、顎を押さえる。
そして、ヴェルティが再びの抵抗に入る前に、ずいとアルカナはヴェルティの顔を引き寄せた。クッとヴェルティの喉の奥から息が漏れる。
アルカナはその漏れた息を吸い取るようにヴェルティの唇に自身の唇を重ねた。
お互いの唇が触れ、柔らかいという感触を覚える。しかし、次の瞬間にアルカナは首を捻り、鼻と鼻をぶつからないようにして、さらに強く唇を奪う。顎を捕まれたヴェルティは入り込んでくるアルカナの舌を拒むことも出来ずに空気すらも奪われる。空気の代わりに入り込み浸食するアルカナの舌は唾液を纏い、それ自体が意思を持った触手のようにヴェルティの舌に絡みつき、絞り上げる。
水っぽい音と藻掻くような音がする。それはあたかも溺れているようだった。まぁ、あながちそれも間違いでは無いが、アルカナは唇を離し、苦しむヴェルティの顔を恍惚の表情で眺める。アルカナとヴェルティの唇は唾液の橋が架かり、部屋の照明に照らされ、キラリと輝き、その輝きを減らしながら重力に惹かれ垂れていった。
アルカナは酸素を必死に吸い込むヴェルティを慈母の瞳で見据える。そして、呼吸が落ち着きかけたところを見計らい、べぇっと挑発するように長い舌を見せつけた。
ヴェルティの目にその長い舌が映る。赤く、細く、しなやかで妖艶。だが今のヴェルティにとってはそれよりも恐怖が勝り、ビクリと体が動く。それがまたアルカナにとっては面白いのである。彼女は口腔にその長い舌を納めるとカラコロ笑った。
アルカナは立ち上がり、ヴェルティの後ろに回る。アルカナの吐息がヴェルティの髪を揺らし、こそばゆくなって小さく首を振った。それを気に掛けず、アルカナは顎をヴェルティの肩に預ける。腕も同様に前に回した。それはまるで獲物を縛り上げる蛇の如くである。
アルカナは片腕をヴェルティの首に巻き付け、もう片方はだらりと這わせた。ヴェルティの脈拍が早まる。柔らかくなだらかな丘の上を指が弄んだ。指の腹が、くるくるとくすぐることもあれば、丘を下って、若芽を爪先でカリカリと掻くこともある。
指先が乳首に触れるかどうかの絶妙な間合いを取りながら乳輪の上を滑った。それはさながらスケート選手のようで、観客を焦らし、驚かせ、歓喜させるかの如く、緩急を付け、時折は跳ねて尖る若芽を蹴る。
その感覚はむず痒く、また小さな快感を与える。スリスリ、カリッカリッと執拗に嗜虐に富んだ指の動き。時たまハァと熱っぽい吐息を耳に吹きかけられる。
「よい反応をするわね」
スカッと乳首を刺激する筈の爪先が外れる。それはわざとか偶然か分からないが、来るはずと思っていたものが外されることは無防備に受けるよりも始末が悪い。その反応をアルカナは嗤う。そして、これが欲しかったのだろうと言わんばかりに、カリカリと重点的に刺激し始めた。
最初はこそばゆさが勝っていたヴェルティだが、この段になってくると性的興奮の方が勝り始めた。その証として、彼女の吐息もまた熱く、湿っぽくなっている。また少しずつ背が曲がり始め、首に回されたアルカナの腕へ自ら首を預けている。そして何より、アルカナの弄る乳嘴が固く鮮やかにツンと尖っていた。
ヴェルティは頬を朱に染めるも、耐え忍ぶ方へ舵を切った。吐く息は最小限に抑え、目も伏せがちに、体に力を入れて固くしている。だがアルカナによる嗜虐は彼女を確実に蝕んでいた。
首を受け止める手も仕事をこなしていた。首筋を、うなじを、耳の裏を、襟足を、鎖骨を、アルカナの手が撫でる。性感帯では無いにも関わらず、アルカナの手によって、そこに確かに性感が湧き出していた。
「───そなたは、本当に物静かよな」
それは賞賛か皮肉か、消沈か・・・・・・その言葉にも反応しないヴェルティへアルカナはさらに半歩進める。先ほどまで引っ掻いていた指は動きを変え、もう一本指を足して、乳嘴を挟み、摘まみ上げた。その動きにはクリクリとネジを回すかのような動きも含まれている。
痛みと快感が先端に溜まる。より赤く、鮮やかに染まった蕾へ、カリカリカリッとアルカナは爪先を素早く掻き付けた。ピクリとヴェルティが小さく跳ねた。アルカナの腕にかかる重さが増える。その重さを受け止めるアルカナは、さらに指を動かす。
動きのパターンは、周辺で輪を描く焦らし、クリクリと摘まみ擦り上げる集中化、爪先で引っ掻く強い刺激。それらを強く弱く、上手く手綱を操り、時に虚を突き、時にまっすぐ量と勢いを持ってと名将のような差配をして、ヴェルティを快楽の高みに連れて行く。
そして、最後の一撃として、アルカナは唐突にニィと口端をつり上げ、白く尖った牙をヴェルティの首筋に突き立てた。ガブリと肌に食い込む痛みと驚きがヴェルティの脳にまで届く、その慮外の一撃は彼女の意識を一瞬空白化させるのに十分だった。故にヴェルティの体がもう一度震え、頂に甘く押し上げられた。
彼女の息が一瞬詰まり、その後に長く熱い息を吐き出す。その熱さはアルカナの腕にも伝わっている。
アルカナはそれに満足し、首筋から口を離す。アルカナの歯形が赤く肉の色をし、白いヴェルティの肌の上でてらてらと輝いていた。
「───さて、次の問いと行こうではないか」
そう言って、アルカナはヴェルティの前に舞い戻る。ヴェルティはそれに対し、頬を染めながらもギリリとアルカナを睨み付けた。それがアルカナの嗜虐心を煽る。
「では、次の質問。マヌスヴェンデッタに裏切り者がいるわね? その者の誰かしら?」
勿論ヴェルティは答えない。アルカナは、それが分かっていて聞いている。むしろ答えられては困るとまで思っていると言えるだろう。彼女の目的は情報を聞き出すことでは無く、ヴェルティを弄ぶことである。
「・・・・・・二つ目も『沈黙』で良いな?」
スゥとアルカナの目が細まる。笑顔は笑顔だが、ほの暗い喜びがある場合によく見られる、見透かしと見下しの瞳をまぶたの裏に持つ抑圧者の笑みである。
であれば───とアルカナは言葉を続け、ごく近くに寄り、腰を曲げてヴェルティに顔を近づけた。再び唇を奪うつもりかとヴェルティは警戒するが、そこは既に過ぎ去った段階である。
アルカナは、片方の手でヴェルティの肩を掴み、反対の手をヴェルティの腹に這わせる。それはまるで短剣を突き立てる暗殺者のような仕草であり、ヴェルティはそれに反応が出来なかった。アルカナの手は止められること無く、ヴェルティの腹肉を押しのけ、ハイウェストパンツの内側へ入り込む。そのままアルカナの指はスッとヴェルティのショーツの中へ潜った。ヴェルティはせめてと抵抗して体を揺らすも、体躯の差か、それを抑え込まれて、深く入り込んだ指はヴェルティの恥丘の形を捉え、秘裂に挟まる。
そこは既に濡れていた。甘くではあるものの達していたのだから仕方ない。アルカナの指は、その甘く粘り気のある愛液と、コリコリとした確かな突起の感触を把握していた。
アルカナは手を前後に動かし、秘裂を何度も行き来する。その動きはヴェルティの小さな肉の豆を押し擦り上げるようなもので、それが与える快楽は先ほどとは比べものにならない。
「んっ♡」
ヴェルティの口からついに快楽の声が漏れ出る。それを聞いて嬉しそうに微笑むアルカナはさらに手を激しく動かした。次第にネチャという水音がハッキリ聞こえるようになる。アルカナの指はハッキリと湿りを感じ、一度指を止め腕を引き抜いた。
「こちらは、素直よな」
挿し込んだ指をヴェルティに見せつける。その黒い指先は確かに濡れていた。アルカナの瞳はヴェルティの体を眺め、その黄色に鈍く光る双眸は、随分と感じやすいな? と下世話な揶揄いを映している。そして、見せつけていた指をヴェルティの頬に当て、ヌルと滑らせ体液を拭う。それによってヴェルティの頬は、照明を反射しちろちろと光っていた。
アルカナは手袋を外そうとした。黒くぴっちりと張り付いた手袋は、指先を引っ張るも若干の抵抗を見せる。それは彼女の手が濡れている証であり、それが何故濡れているか、その様を見せつけられているヴェルティは、理由が分かっている為に、さらに頬を赤くした。
しばしの後、ズルリと手袋が外れる。黒色の長手袋の下には、それと対極の青白い手が嵌まっている。アルカナの肌の白さは死体のそれに似ていた。しかし、それとは違って滑らかに動き、淫らを行う。
アルカナはヴェルティにしな垂れかかった。片膝をヴェルティの股に当て、両腕は首を囲う。額と額がぴたりとくっつき、鼻と鼻は差し違えるように、目線と目線はお互いを貫いた。
ぐりと、膝がヴェルティへさらに強く突き当てられる。膝の先には先ほどまで陵辱されていた秘所があり、それを面圧迫されていた。指よりは快楽も弱いが、逃げることが難しい。そのままぐりぐりと押し込まれ続けると、逃がした腰の動きが、自ら膝に股ぐらを押しつけているような格好にさえなる。
さらにアルカナは再びヴェルティの唇を奪い、また蛇の如き舌が入り込んで蹂躙する。絡み、奪い、引き出す。絡め取られてヴェルティの舌は、アルカナの口内へ誘われる。それをアルカナは甘噛みし、逃がさないように吸い上げた。また、首を囲んだ腕を解き、ヴェルティの頭を耳を塞ぐようにして挟む。髪が乱れ、ほつれる。しかしそんなことを気に出来ないほどヴェルティはアルカナに奪われていた。視界は生気の失せた青白い肌と、万年筆からこぼれたインクのように青く黒い髪に埋め尽くされ、唇から生命の源を奪われ、塞がれた耳は、ジュルジュル、ニチャニチャと水音を反響させ続けている。
二人の口の隙間から、絡み合う薄赤の肉が見え、その間に流れる唾液は、重力に惹かれて下へ滴り落ちていく。
頭を持たれた為か、快楽から逃げるためか、少し浮かせてしまった腰。それは悪手であり、アルカナの膝がその隙を突いた。ヴェルティの恥部、濡れそぼった女性器が膝に押し当てられる。それはアルカナの力だけで無く、ヴェルティ自身の体重も架かってしまう。再び腰を浮かして逃がそうにも、アルカナがそれを許すはずも無く、上から圧を掛け、膝もまたぐりぐり、ズリズリと陰核を布越しにすりつぶすように動かした。
それによって、ヴェルティの口から再び快楽の息が漏れる。
アルカナは、唇を何度も啄む。それは、親鳥が小鳥に餌を与えるように、一種執拗と言って良いほどに唇と唇を重ねる。
耳を塞いでいた手は役目を終え、別の場所へ移る。それは乙女の象徴、乳房である。先ほどまでの執拗で慎重な弄り方では無く、キスと同じように荒々しく触る。それは手袋が外れ、より触れて分かると言うのもあるが、それ以上に慎重に触る必要などもう無いからとも言える。
流れる水をすくい上げるように、下から上へ胸全体を揉む。口からこぼれ、喉を伝い滑り落ちてきた涎が手を濡らした。
既に一度ならず二度も悦楽の声を漏らした故に、その守りは崩れ初め、アルカナの啄みの度に熱っぽい息を切らし、目もとろりとし始めていた。
それを認めたアルカナは最終段階へと進む。
アルカナは膝に入れていた力を緩め、入り込む隙を作ると、再び自身の手をヴェルティの股ぐらへ送り込んだ。だが今度は指で割れ目をなぞるのでは無く、粘り気のある液体に塗れたクレヴァスの奥、生命の細道へ指を入り込ませる。
その自身の体の内側へ侵入してきた異物に、ヴェルティは驚きの嬌声を上げ、藻掻こうとするも、体はアルカナに押さえ込まれ、僅かに動く腰も逃げようと揺らせば、アルカナの指が膣中を刺激するのを手伝うだけだった。
アルカナの攻勢は一切留まるところを知らず、さらに攻めかける。彼女は再び膝をヴェルティの股ぐらの方へ押しつけ始める。それによって、アルカナの手が彼女自身の膝とヴェルティの恥部に挟み込まれる形となる。アルカナは、その状態で、胸を揉んでいた手をヴェルティの背中に回し、自身に寄りかかるようにした。それは丁度膝蹴りをたたき込んでいるような構図になるだろう。ヴェルティはアルカナの胸に顔を埋める事になる。
そこから、アルカナは膣に入り込ませた指をクイと曲げ、Gスポットを刺激する。それだけでなく掌は、血の高まりによって固くなった陰核を圧迫した。それに膝を小刻みに動かすことで電気あんまのように振動を伝え、人力ではあるものの電動バイブのような刺激を与えた。
「んんッ!?」
という声は堤防に入った亀裂のように、そこから息と声が止めどなく溢れ始める。
それまでの無反応を貫こうとする抵抗は鳴りを潜め、自由になった頭をイヤイヤとでも言うように左右に振り、アルカナの胸に擦りつけるヴェルティ。う゛ぅ゛ぅと犬が威嚇するときのような低い唸り声が喉から押し出され、その唸り声と唸り声の間に、んぅ♡だとか、あぁ゛♡というような艶やかな声が挟まった。
アルカナは胸の方から聞こえてくるその唸り声を心底楽しいと言うように口を三日月状につり上げていく。彼女もまた興奮から熱い吐息を漏らした。
ヴェルティへの責め苦はついに頂へ至る。
グチュグチュと粘ついた水音が響き、引き結んだ口の端から言葉にならない声が漏れ出す。ガクガクと体が震え、体をできる限り曲げる。しかし、縛られた状態で快感の濁流をながしきることも出来ずに、ヴェルティの体は跳ねた。ガタタッと跳ね揺れる椅子。ヴェルティの股ぐらは愛液で濡れ、ショーツは絶頂の証である潮によってぐっしょり湿気っている。それはハイウェストパンツにまで浸透し、太ももまで紺の色合いを深くしていた。
ヴェルティは恥辱を与えたアルカナに向かって恨めしそうな目を向けるが、上気した頬に涙目、肩で息をするその姿は、恐ろしいという印象は一切受けない。
名残惜しいとばかりに吸い付いている肉壁を無視して、アルカナは指を引き抜く。それによってヴェルティの体は腰部を震源地として再び跳ねたのだった。
「大したものね、その調子でよく囀って頂戴」
アルカナはヴェルティの体液でじっとり濡れた膝を床に突く。そして何を思ったのかヴェルティの足を縛り付ける結び目を解き始めた。ヴェルティはその意図を理解できず、少しの間ぼんやりとそれを見ていた。しかし、絶頂によって白濁とした意識が少しずつ明晰になっていくにつれ、部屋の内装を思い出し、アルカナが何をする気なのかを察する。
それは膝下をコツンと小突かれた時のように、脳が指令を下すより先、解かれていた片足が跳ね上がってアルカナの頬を蹴りつけた。
パァンと清々しい破裂音が部屋に響く。だが、アルカナは微動だにしなかった。普通の人間であれば、程度の差こそあれ、何らか動きがあるのだが、アルカナはちっとも動かなかった。ただ、口内が切れたのか口の端から赤い線が一本スゥと引かれる。アルカナはそれを指先ですくい取り、まるでそれが口紅であるかのように唇に塗りつけた。
その赤い唇がヴェルティを縛り付ける。蛇に睨まれた蛙のように動けず、ただされるがままになった。
恐怖は一時とはいえ、動きは緩慢になる。怯えながらの抵抗はアルカナに易々といなされてしまう。
拘束は新たな形で為される。両足は背もたれの天辺に、そのシルエットは首の細い一輪挿しの花瓶のようであった。拘束は物理では無くスペルに変わり、より強い力でもびくともしないだろう。
アルカナは続けて、ハイウェストパンツの留め具に手を伸ばし、ズルリと脱がせた。ブラジャーとおそろいの白のパンティも濡れて張り付き、ハイウェストパンツと一緒に脱がされてしまう。
臀部は半ば座面からはみ出し、照明に女陰を晒していた。恥辱の極みのような格好である。ぐっしょりと濡れた下着は、露わになった秘所にぴったりとくっついていた為、脱がせた時、ツウと細い愛液の橋がクロッチと秘所の間に架かった。その橋は重力に引かれ、落ちていく。その崩壊が照明に照らされキラキラと光っていた。
「これは顔が見えぬ、が・・・・・・その分、声で楽しむとしよう」
そう言いながら、アルカナはヴェルティの尻を陶磁器でも愛でるように撫でた。スリスリと這い回る感触がヴェルティを震わせた。
アルカナは薄く口が開いた二枚貝にふぅと息を吹きかける。ヴェルティの若草に付いた女の露が息吹に揺れて落ち、恥丘を駆け下りていった。この行動でヴェルティはアルカナが次に何をしようとしているのか気づき、小さく「やめて」を繰り返す。しかし、それを受け入れるはずも無く、アルカナは顔をさらに近づけ、長い長い舌で、女陰を下からすくい上げるように舐めた。指とは違う初めての感触に、はぁん♡と、なまめかしい声がヴェルティの口から溢れる。息を吐き出す時だけで無く、吸い込むときのヒィヒィという音さえ次第に大きくなっていた。
アルカナはヴェルティの貝へ口づけしジュルジュルという音を大きく響かせて愛液を吸う。しかし、それは止めどなく奥から溢れてきて全て啜りきるのは難しい。唾液と愛液が混ざって蟻の門渡りにそって流れていく。
ヴェルティは舌が舐め、啜り、穿る動きに悲鳴にも似た声を上げるしかない。その合間に「やだ」や「やめて」という言葉が混じるが、アルカナはそれを聞いてさらに動きを激しくする。口を女陰の上、クリトリスに動かし、キスのように何度も何度も啄む。また指を動員し、膣中を刺激し始める。ぐにぐにと血が集まり肥えたGスポットをリズミカルに叩き、グチュグチュと水音を鳴らす。アルカナの空いていた片一方の手で臍の下をぐいっと押し込まれ、熱がそこに溜まっていくのをヴェルティは実感する。自分でしてみたことのある自慰では全く知らず、全く感じられなかった部分が拓かれていくのを理解させられていた。
「やだっ、また───」
自然に腹へ力が入り、アルカナの指を強く締め付ける。泣き声は泣くことに恥ずかしさを感じる大人の泣き方では無く、ただただ遠くまで伝わるように泣く赤ん坊のような泣き方に変わり、顔は赤く赤く、血が巡る。胸が上下を繰り返し、その激しさは乳房をたぷたぷと揺らした。
アルカナに押し込まれた丹田の奥、女性の最も大事な部分で熱が爆発する。
二度目の絶頂である。
「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッッッ♡」
一度目とは違い、声は抑えられずそのまま雷のように迸る。
アルカナはその声が聞こえると顔を離した。しかし、その両手は変わらずヴェルティを責め立てる。
絶頂によってぎゅうぎゅうに締め付ける肉の洞の中で、外すことなく的確にザラザラと肌触りの違う快楽の園を刺激し、内と外から女の弱みを捏ねた。
「ん゛ッ!! ゃあ───あ、ダメッ、止めてッ!」
「止めぬ」
死刑を告げるように冷たい宣告。それに抗うようにヴェルティはぎゅう~っと腹に力を入れてしまった。それが命取りである。アルカナが仕上げとばかりに指を引き抜いた瞬間、一度爆発し広がっていた快楽はすぐに充填され、先ほどよりも大きい快楽の爆発を起こした。
ブシッ! という炭酸飲料の蓋を開けたときの音にも似た音を皮切りに、しょわわわっと間欠泉が弧を描いて吹き出す。
快楽によって興奮し肥大化した陰核脚部とアルカナの手のひらが膀胱を圧迫した結果である。
タパパと吹き上がる水流は溢れ、止まるところを知らないように見える。ヴェルティは顔を覆い隠す事も出来ず、恥ずかしさに首振ってのたうち回る。それによって水流はフラフラと彷徨い、余計にあたりを湿らせた。
「随分漏らしたこと・・・・・・そなたは本当によく抱え込む子よな」
水流の勢いは無くなり、打ち止めとなった頃にアルカナがそう言った。その手はヴェルティの尻を撫でている。飛び散った水滴が、撫でられるに従い塗り広げられていく。その液は汗と混じり、身じろぎによって再び再結合し、流れていく。それはまるで変化と再演を繰り返す雨のようである。
アルカナは小休止を与え終えたとばかりに再開する。
尻をなで回していた手をだんだんと淫猥な部分へと近づけていく。最初はピタリと口を合わせていたはずの二枚貝も、今では口を開いて、その内からドロリとした液を吐き出していた。貝はアルカナの愛撫が待ち遠しいと見えて、手が近づくごとにピクピクと震えている。
アルカナは再び体をヴェルティの前に持ってくる。しかし、しゃがんだままでは無く、立ち上がって前に来た。ヴェルティの細い足、すねとすねの間にアルカナの顔が覗く。
アルカナからはヴェルティの顔がよく見える。汗で張り付いた乱れ髪。目尻はとろんと脱力し、瞳は酩酊したように少し濁っている。しかし、その酩酊の奥には恐れが見え隠れし、胸の上下頻度が少し増した。それに満足げにアルカナは微笑んだ。そして、その笑顔のままに、ペチッと女の重要部分を叩いた。
ヴェルティの目が白黒と動く。酩酊の底から驚きの感情が浮かび上がり、腰が跳ねた。
ペチペチとまるでピストン運動のような頻度で叩く。跳ね上がった腰を迎え撃つように叩くこともあった。叩かれる度にヴェルティは「ひんっ♡」や「あぅ♡」というような声を出す。しかし、痛みに喘ぐと言った風では無く、確かに快感を覚えての声であった。特に陰核に指が当たったときは喜ぶように呻いていた。
「───それでは、三つ目の問いに移るとしよう」
アルカナはそう言って、ピタリと手を止めた。その手に向かって跳ねようとしていたヴェルティの腰も動きが止まる。
赤々と腫れ、パクパクと物欲しそうに開いた花びらは白濁に濁った蜜を見せびらかすように吐き出している。それを指ですくい、ビクビクと揺れる快楽の芯に塗りつけながら、アルカナは問うた。
「随分と気持ちよさそうにしているけれど、気持ちよいかしら?」
アルカナの手は止まった。しかし、続きを求めるように膣口はゴボゴボと新たな愛液を吐き出た。それは自白にも等しかったが、直接口にはしていない。故にアルカナはじっと小さなのぞき窓からヴェルティを見つめていた。
「・・・・・・沈黙で、よいな?」
しばらく待っても言葉を発さないヴェルティに向かいアルカナはそう尋ねた。返事が無いのであれば、と続けようとしたアルカナにヴェルティは恐怖の色を滲ませて首を横に振った。
気持ちが良いと認めたくはない。それを恥じらうくらいの理性がまだ残っている。しかし、気持ち良く無いと言うと嘘である。嘘を吐けばより酷い目に遭うのは必定であり、それも避けたい。されど、それを迷って答えなければ、それは沈黙と言わざるを得ない。
「そうか、答えられぬならば、そなたの耽美を享受するとしよう」
回答時間は締め切られた。足と足の間ののぞき穴から見えるヴェルティの恐怖と絶望に歪んだ顔は、アルカナの心を昂ぶらせる。
アルカナは両手でヴェルティの足を左右に押した。それは滑りのよい戸のように左右へ移動する。Vの字の開脚、のぞき穴を広げ現れたアルカナの姿は怪物にしか見えないのだろう。ヴェルティはヒッと小さく悲鳴を漏らした。
アルカナは怯えるヴェルティの前に人差し指を立てる。その指をスゥと下ろし、谷間、臍、そして濡れて張り付いた若草の原を抜けて、淫らな小豆を弄ぶ。その動きは緩やかで、よく見るように仕向けられたのもあって、ヴェルティは線を刻み込まれるような感覚を覚える。いや、それは正中線として元から刻み込まれていたものを体の内から浮かび上がらせているだけなのかもしれない。どちらにせよアルカナの指の動きからヴェルティは目をそらせないでいた。
その動きは心臓から湧き出る熱を腹の奥に運び込み、じゅくじゅくとさせる。
アルカナは指でクリクリと刺激を続け、反対の手で秘された割れ目に指を入れる。それは先ほどまでと変わらないが、その勢いは見るからに遅くなっている。そして、アルカナは度々「見て」と繰り返した。ヴェルティはその言葉に縛られている。視線はアルカナの示す通り動き、自分の秘所の中へ出たり入ったりを繰り返す指を見つめていた。アルカナの指には白濁とした粘液が確かに纏わり付いている。抽送の度に掻き出されグチュグチュという音を響かせる。その度にヴェルティは呻いていた。
ある程度そのようにすると、アルカナは再びヴェルティの股ぐらに顔を近づけていった。アルカナはんべぇと舌を伸ばす。何度も官能を与えてきたそれをヴェルティは見ざるを得ない。舌先がチロチロと動き、あと少しで陰核に触れる。と言ったところで止まる。吐息がかかり、ピクピクと反応はしているが、舌は触れない。それがもどかしく感じ始めた頃、舌が陰核に触れた。跳ね上がりそうになる腰を、膣内にある指が押さえ込む。
アルカナはそのまま舌で絡め取った陰核に唇を当て、強く息を吹き当てる。赤く赤く何度も弄ばれたそれは快楽の信号を震える度に強く強く発信した。だが、それは甘く至らせる事はあっても、登り切ろうとするとアルカナは唇を離し、指の動きを止める。中途半端な頂に甘んじるしかないヴェルティは次第に不満を示すような低い唸り声を吐き出すようになる。彼女の腰は無自覚にカクカクと揺れ、動かなくなった指へ気持ちよい部分を擦りつけようとしていた。その動きをアルカナは微笑みで迎える。今のヴェルティがそれをしたところで不完全燃焼しか訪れない事が分かっているからである。事実擦りつけて得た快感は溜まり溜まった悦楽の薪に火を付けたが、燃え上がる前に火種は消えてしまい、小規模な火の暖かさはより寒さを引き立てるのである。
ヴェルティは「う゛う゛ぅ゛~」と飢えた犬のような声を上げて。首を左右に振った。それでも擦りつけるために動く腰は既に脳幹の支配を脱して原始的な欲だけで動いているのが分かる。その浅ましさを憐憫と嘲弄の目でアルカナは眺める。
「随分苦しそうね」
クスクスと嗤うアルカナを見下ろすヴェルティの顔には恥じらいが消えている。ただただ、頂点にたどり着けない鬱憤と苦しさが浮かんでいる。だが、アルカナはそれでも痛ぶることを止めない。高みに登らせ、頂の前で押し上げるのを止める。藻掻いて悲鳴で唸り悶えるのをせせら笑った。ヴェルティの股の穴からは精液のように白く濁った愛液がゴボゴボと溢れ、腰の振りによって糸を引きながら飛び散った。
「ねぇ、気持ちよいかしら?」
ヴェルティはアルカナの問いに対し、迷うこと無く首を横に振った。何度も何度も首を横に振る。それは命乞いにも似た動きで、相当に追い詰められたことを示していた。目尻からは涙が流れ落ち、鼻がひくひく動いて、口元は波のように歪んでいる。ぐずる子供のような顔にアルカナは満足して次の言葉を紡ぐ。
「そう、じゃあ気持ちよくしてあげなくてはね」
アルカナは長い舌でヴェルティの陰唇に滴る愛液を舐め取り、舌の上に溜まった愛液をヴェルティに見せつけた。だが、それを飲み込むこと無く、アルカナは指でヴェルティの女陰を開くと、その穴の中に唾液と混ざったそれを垂らした。ヴェルティの視線はその粘性の滝を眺めている。その行いは男性の性処理用玩具にローションを注ぎ入れるかのようだった。
そしてアルカナは最後の仕上げと、頭に刺したワンドを空いた手で抜いた。高いコールタールのような粘液がボタボタと落ちる。それがヴェルティの腹に当たるとその度にピクッピクッと小さく跳ねた。
杖の先が膣口の上に留まる。黒い雫が膣口の中に入り、唾液と愛液のミックス液に混ざり全てを黒く染めた。それを見たヴェルティの呼吸が早くなる。頬が白み、汗が噴き出す。これ以上、ワンドを差し込まれようモノならもう後戻りが出来ないほどになってしまう。それが背筋を走る悪寒で理性に伝わっている。しかし、快楽をお預けされて飢えた本能がそれを無視して、媚びようとへこへこ腰を揺らしていた。男を知らぬ少女だが、積み重ね繋がってきた遺伝子が、快楽を与えてくれる存在に対してどういう風に媚びれば良いか、無意識を導いていた。
「気持ちよく───なりたい?」
とアルカナは尋ねた。恐怖が蘇ったヴェルティは先ほどと違ってすぐに首を振ることが出来ない。
「そう、なりたくないのね」
ヴェルティは再び反射的に首を横に振った。本能が脊髄を制圧し、体の操作権を理性から奪取しているのだ。そこへアルカナはどっち? と煽り焦らせる言葉をかける。ヴェルティの目線は上下左右へパッパッと切り替わり、口が開いては反射的に閉じるのを繰り返す。その葛藤は随分と一方的なようで、自身の陰部とワンド、アルカナの顔色を窺う視線の回数が他を見るモノより格段に多く、次第にわなわなと震えた唇が開く時間が増えていった。
「・・・・・・たい」
と消えるような声が聞こえた。
アルカナは良く聞こえなかったともう一度繰り返すように言った。
「ッ! きっ、気持ちよく───なりたい!」
恥も外聞も捨て、ついに膝を着いたことを示す言葉。だが、アルカナはそれに満足しない。ワンドをくるくると回し、さらに要求をつり上げる。
「そう、ではなんと言うべきかしら」
戸惑いの瞳が揺れ動く。もう選んでしまって引き返せないのに理性が足を止めさせる。だが、それもアルカナがワンドを動かし、頭へ戻そうとするのを見ると、待って! と思わず叫び、本能が駆け出すことを強制する。
「・・・・・・気持ちよく、してくださいっ」
一度堰を切って流れ出した濁流を止めることは難しい。ハードルは口を開く度に低くなる。
アルカナは報酬を与えるようにワンドを膣口にくっつけるが、挿入まではしない。へこへこと媚びる腰の動きを加味しても小指の爪半ばほども入らない。
何でっ、お願いっ! と激情に任せた言葉が飛び出す。だが慣らし焦らすように陰唇を開いていた指を外し、陰核を指先で弄る。黒粘液で汚れていた指先で弄られたそれは黒く染まっていく。粘りヌルヌルとした感触が指で強くすり込まれる。それにヴェルティは甘い声で鳴く。
「気持ちよくなるだけなら、これでも良いな?」
クリクリと弄ばれる先端は確かに導くことが出来るだろう。悦楽の薪に確かな炎が灯るであろうことはヴェルティも分かっている。だがそれによって導かれた頂は、確かに山の頂上であるが、それよりも高い山の頂に導くことが出来るモノを目の前に用意されて低い山の方を選ぶことは出来ない。
アルカナの言葉に、首を振って嫌だっ! とヴェルティは抵抗する。その必死な様子を見てアルカナは、「で、あれば」の言葉を紡ぐ。
「その───ワンドで、私を・・・気持ちよく、してっ、ください!」
ヴェルティの言葉は日和ったモノだった。それに満足は出来ない。よって、もっと詳しくと促すために、ワンドの距離を離す。ヴェルティの腰がその距離を埋めるために浮かせるが、それに意味は無い。
「ワンドをッ、私のアソk───」
再びワンドの距離が離れる。
アルカナの瞳には呆れと仄かな怒りが灯る。それに恐れを抱いたヴェルティは急いで言葉を直した。
「お願い、します。・・・アルカナ様の、ワンドを・・・・・・私の──オッ、オマXコにッ、入れて気持ちよくしてくださいッ!」
本当に恥を捨てた懇願。これ以上失望されないように自分で媚び方を考え紡いだ言葉は、年頃の少女が口にして良いものでは無いが、それを咎めるような者はここに居ない。ここに居るのは欲に溺れて沈んでいく者を包む聖母のような瀝青油である。
「───ええ、良いわ。ヴェルティ」
アルカナはワンドの先をしっかりと定め、ヴェルティに挿し込んだ。本来それほどの太さを持たない筈のワンドは、たっぷりと塗れた黒色の粘液によって細めの男根ほどの厚みを持つようになっていた。その棒が彼女の中に入って行って、アルカナの手にぷつりと小さな感触が伝わる。
今、この時を以て、少女は女になった。
「~~~~~っ♡」
もはや声とすら形容できない音が喉を通り過ぎ口から溢れる。
胴が小さく弓なりに撓って浮き上がった。薄胸の肋骨が張り出して美しい。既に流れ込んでいた黒の粘液はヴェルティの膣壁、そのつぶつぶとしたヒダの間にも入り込んでいたが、それが挿入されたワンドに再び結びつく。その状態で動けばどうなるのか、それは単純明快で、ヒダひとつひとつを撫でられるような感触がヴェルティに叩きつけられるのである。
「お゛っ!???!」
ヴェルティの瞳の奥で、神経回路のショートによって起きた火花が輝くのが見える。乱れた信号によってガクガクと全身が震え、特に指先に至っては五指全てがランダムに動き、固まり、また動くを繰り返していた。その駆動はワンドの抽送に従っており、前後に動く度「お゛ぅ」や「あ゛っ♡」のような濁った駆動音を響かせていた。
「気持ちいいかしら、ヴェルティ?」
アルカナの問いにヴェルティはブンブンと頭を縦に振って答える。しかし、その返答の仕方はアルカナの気に入るものでは無かったらしく「ちゃんと言葉で返すのよ」と強く窘めながら、ワンドをヴェルティの奥深く、子を孕む袋の入り口にグリグリ擦りつけた。
「んぉ゛ぉ゛ぉ゛ッ♡♡♡」
散々体外から刺激を受けていた部分を直接虐められるのは相当の快楽だったらしい。みっともない雌の叫びが部屋に響く。
アルカナはグリッグリッと回し穿つようにワンドを突き上げる。押された内臓が形や位置を変えきることが出来ずに、ぐにっと腹の皮が内側から盛り上がった。
「ちゃんと答えなければ駄目よ?」
分かる言葉でね? と続いた声をブンブンと振られている薄緑の頭は理解しているのだろうか。熱で沸騰寸前の脳味噌は別のことで頭がいっぱいの筈だ。
しかし、再度アルカナが気持ちよいか問うと、ヴェルティは舌も回らぬ言葉で、唾液に溺れかけながら「きもちいい」と叫んだ。何度も何度も繰り返し壊れたラジオのように喋り続けた。その瞳は明滅の中で縋るように潤んでいる。その瞳をアルカナはニコニコと眺めた。そしてグリグリと突き上げていたのを辞め、ゆーっくりと引き抜き始めた。
ズロロロロという音が聞こえてくるような引き抜き方で、ゆっくりねっとりとワンドが少女の膣から視界の中に戻ってくる。その瀝青液にはデロデロと白濁の体液が纏わり付いており、重力に引かれて側面を滑ることもせず、照明の明かりを受けてチラチラと輝く。
その引き出され方は随分とヴェルティを良がらせた。絡みついた瀝青油が引き抜かれれば、膣壁のヒダ一枚々々がぞりぞりと擦られ曳かれることになる。その快感がどれだけ神経に熱を持たせるか、言うまでも無い。
ヴェルティは引き出され続ける間、淫靡な匂いと声を辺りに振りまき、腰は小刻みに震える。
「気を遣ったのなら、ちゃんと言わなくちゃいけないわ、ヴェルティ・・・・・・ほら、イクって言わなきゃ駄目よ?」
その今にも抜けるところまで引き抜かれたワンド。それを完全に抜けきらないようにしているのはアルカナではなくヴェルティだった。彼女の恥丘はワンドにしゃぶりつき、引き抜くに従って盛り上がり、腰もつられて持ち上がっている。勿論それは本人に自覚の無い事だったが、それをアルカナは「吸い付いて居るぞ」と伝えた。そう言われてしまえば見るしか無いのが人のサガである。ヴェルティは自身の女が欲求に素直に従い、チュウチュウと食んでいるのを見た。アルカナはワンドを浅く動かし、女性器が伸び縮みする様を見せた。普段であれば恥ずかしがって顔を逸らすはずだが、今のヴェルティはその様から顔を逸らすことが出来ない。それは少し前までの恐怖からではなく、引き出され増幅させられた情欲によってである。彼女は、ただ意識していなかった自分の女───いや、最早人の場所に立つことすら叶わない雌──としての部分に魅せられ、欲情している。淫らで、貪欲で、飢えたソコを、涎を口の端から零しながら眺めていた。
アルカナは、まるでマドラーで混ぜるようにワンドを回し、浅く広げたあとで、もう一度奥深くまで、ゆっくりと挿入した。
「ふっ、うぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛♡♡♡ いっ、イクッ! ───オッ、オ゛ッオ゛ォ、んんぅ・・・!♡♡ あっあっ、いぃ、イクイクイクッ♡♡♡」
膣に沈み、また浮上するワンドがその動きをする度に、ヴェルティは低い唸り声を上げる。口はだらしなく開きっぱなしで、眼球はぐるりと白に埋め尽くされかねないほどだった。腰がカクカクと、まるでオス犬のように前後する。しかし実際のところ、それは男根を打ち付けるのではなく、叩きつけられた快感を逃がすための腰振りであった。だが、その行いは、ワンドが膣中にある今、自身の弱点を擦りつけるような雄に媚びる雌の腰振りでしかない。
また、深くヴェルティが絶頂したのをみて、アルカナは手を止めた。ワンドを抜き取り、その杖本来の使い方をする。即ち拘束の解除だ。足は力が抜け、VからMに変わる。腕も解いて動くことが出来るようになった。だが、逃げることは叶わない。いや、むしろ逃げることを望んでいないまで行っても良いだろう。
アルカナは命じる。自分でも気持ちよくなりなさいと。
ヴェルティはそれに従って、自由になった手で、自身の乳房を掴み、また片方の手は、陰核を摘まんだ。アルカナが「それがいつものやりかたかしら」と言うと、ヴェルティはこくこくと頷きながら「そうです」と答える。足を先ほどまで腕が結びつけられていた肘置きに載せ、陰核を弄り、胸の先端部に指先を伸ばして弄る。股穴は割れ目が開き、そこからコールタールと白濁の雌液を垂らしていた。
しかし、ヴェルティは次第にもどかしそうに体をくねらせる。自身が得られる快楽の量が足りていないのだ。陰核を弄っていた指先を膣穴に入れ、掌底で陰核をすりつぶす動きに変えるがその二つを同時にしてみたところで、慣れない手つきでは中途半端にしかならない。そうして、またグツグツと不満が溜まってきたとき、ヴェルティはチラチラとアルカナの方を窺う。アルカナはその貪欲さを嗤った。数刻前までは、穢れも知らぬ高潔な少女だったのが、今では悦楽に耽り、淫靡な匂いを撒き散らす雌となっている。
今ならヴェルティは何を聞いても知っていることを話すだろう。けれどアルカナにとって、組織の裏切り者も作戦の内容も些末なことである。それより、目の前の女がどこまでも堕ちて、沈んでいく様を見る事のほうが大事だ。
「お願いじまず。もっど、気持ちよ゛ぐなりたいでず」
沸々と湧き上がる快楽を噴火させることも出来ず、貯めるしかないヴェルティは早々に泣きついた。既に一度経験し、折れた心はすぐに安きに流れる。アルカナは細い三日月の口をしたまま、ヴェルティの下腹部を押さえた。圧すればドンと背骨側から叩き上げられるような爆発的な刺激が吹き上がる。
「んぅ~~~~っ♡♡♡♡ ああ゛っ、ん♡ イクイクイグっ! いぎゅ、いぎゅますッ!!!!」
再びワンドが奥深くまで挿入される。足はビンッと振り上がったかと思うとブルブル痙攣する。無意識に乳首と陰核を強く捻り上げ、椅子の上で上半身はバウンバウンと跳ねる。下腹部が押さえ込まれた結果、膣道は狭まり、壁の向こう側の性感帯をゴリゴリと削られるような体験は、ヴェルティの脳を一瞬真っ白くさせた。
「あぁ゛~、そこぉ! そっ───ん゛ッ、またイッ、イ゛グイ゛ッッッ♡♡♡」
プシッ、シャワ、チョロロロと、また力んだ末に間欠泉が吹き出し、勢いだけが消えて、尻から椅子へ伝わっていく。アルカナは濡れるのも気にせずにワンドを持ち、柔らかい女の腹をグリグリ生地でも捏ねるように圧してさらに湧き水を増やそうとする。その顔はキラキラと輝いていた。彼女は口を開く。
「───分かるかしら、ヴェルティ、今とても奥までワンドを引き込んだの。押す力は変えてないのよ? ぜぇんぶ、そなたが飲み込んだの。欲しくて、欲しくて堪らないのね。吸い付いて、離れない・・・・・・」
ヴェルティは明滅する視界の中、その言葉に「はい」や「そうです」と言葉を返す。彼女の肯定の言葉は媚びであったし、肉体の動きは無意識に近く、意識はそれを認識していなかったが、アルカナの言葉通り、絶頂に痙攣するヴェルティの女陰はワンドをむさぼり、その先端を子宮の内にまで迎え入れようとするかのようにびったりと纏わり付いていた。アルカナはそれを意識にまですり込むために、グリグチグチと粘り気のある音を立ててワンドを小刻みに揺らした。
「んぅ♡ んっ、あ、あ、あぅ、ほしがっ、たぁ♡」
とヴェルティは身を捩らせながら甘い声を出す。
「こんなに奥が良いの? ねぇ、さっきまで男を知らなかった少女が、随分淫乱よなぁ」
「おくっ、おくっおくおくっ!」と熱に浮かされ、より感じる部分を叫ぶヴェルティ。先ほどから絶頂する度に潮を噴き出している。
「そうよ、全部、ぜぇんぶぜぇんぶ曝け出すのよ、ヴェルティ」
曝け出すほど気持ちよくなれるの。という言葉を囁かれ、声がより大きく、不明瞭になる。人の声ではなく、鳥の囀りでもなく、さもしい雌の媚びた叫び。
アルカナは、またワンドを引き抜いた。ヴェルティは再び跳ねて、潮を吹き、小便を漏らす。アルカナはその零れ流れる様を見下していた。
「ねぇ、ヴェルティ? まだ気持ちよくなりたいかしら?」
ヴェルティはなりたい、と間を置かず答えた。
「では、自分で差し出すの。弱くて、気持ちの良いところを全部」
と言われると、ヴェルティは少し間を置いて。股を大きく開いた。そして、赤くビクビク震えた陰核の皮を完全に剥き、割れ目を左右から引っ張ってその花弁の中を晒した。尿道は小さく開き、膣穴は黒の粘液を吐き、パクパクと寂しさを訴えている。
アルカナが「それだけ?」と問うと、ヴェルティは小ぶりな胸を張り、舌をべろりと垂らし、腰をフリフリと振り始めた。
さもしく、哀れで、耽美で無様。女では無く人以下の行動にアルカナは百点満点の回答用紙を見せられた母親のような笑顔を見せた。
ワンドを高く持ち上げる。そこから染み出したタールがボタボタボタとヴェルティの体の上に落ちていく。その量は尽きること無く、ヴェルティの体の差し出された部分に纏わり付く。
「んお゛ぉぉぉ!??!♡♡♡」
野太い叫びがヴェルティの口から飛び出す。今彼女の乳首や陰核にはゾリゾリとゴムで磨かれているような感覚が与えられている。その気持ちよさに泣き声が出たのだ。
体の上にはタールの快楽責め装置が行き渡る。そして、脳裏に小さな火花を散らしながらヴェルティが見たのは、一回り太くなったワンドだった。アルカナはわざとそれをヴェルティの目の前に寄せて見せびらかし、差し出した舌に擦りつけた。その太さと恐ろしさを見せつけた後、ワンドはヴェルティ自身によって開かれた割れ目の奥へ、奥へ入って行った。
ずっぷりと全て飲み込んだのを見届けると、ワンドを手放した。ワンドはコールタールを伸ばし、結びつき根を張る。そして膣壁のヒダヒダを舐るように絡みつき、膣の中で回転と振動を与える。
「ッ!? ア~~~~~ァ゛ッ!!!! イク、イクゥ!!? んがっ♡ んっんっ! イっでる! イっでるぅ!♡♡♡」
アルカナは横へ回り、ヴェルティの腹部に拳を添えた。
「さぁ、素直になったヴェルティ? 気持ちよくなって頂戴ね」
グリュッとめり込む拳。その拳はヴェルティの体の奥にあるワンドの堅さを感じ取った。
「ッッッッッ!!!!! ッハァ???!!!♡♡♡♡ んぉォ~~~~っ♡ オッ♡ オ゛ッ♡ オ゛ッ゛♡───オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ォ゛!!!♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
深イキに追いついてさらに深い絶頂が背骨を叩く。バタバタと手足が暴れるが逃げることが出来ない。自分から晒し、差し出したのだ、最早自分の意思で拒むことが出来る段階に彼女は居ない。腰をブンブン振っても肌に張り付いたワンドは抜けない。それどころか飛び出まいと強く膣中に入り込んでこようとしているかのように感じる。跳ねる腰が座面にぶつかる度にワンドが奥に突き立てられ、その快感が爆発してまた跳ねる。
それは喩えるなら油田火災の様相に近い。石油に火が付いたとき、その火を消すことは容易ではない。常に吹き出し続ける燃料が燃え上がるのを促し続けるからだ。その火を消すには、燃料が無くなるまで待つか、爆破して一瞬で空気を奪い去るしか無い。今ヴェルティの状況もこれと似たようなモノだった。
膣が、胸が、陰核が、それぞれ同時に、一つでも絶頂に至れるほどの快楽を神経に流し込む。末端の末端まで広がる熱は神経回路を焦げ付かせるのに十分だ。
絶頂のオホ声と突き上げられる悲鳴との間に吸う息は絶対的に足りず、垂らした舌は脱力と緊張状態を繰り返す。その舌をアルカナは噛み、啜って口を塞いだ。酸素を奪われる。だが、同時にこの出来事の中で一番々々深く熱い絶頂がヴェルティを襲った。
断末魔にも似た叫びを一頻り上げて意識を手放したヴェルティをアルカナは恍惚の表情で眺めた。何で濡れたかもよく分からない髪の毛が張り付き、目は完全に裏返っている。鼻からは一条の赤が垂れていた。
ワンドを引き抜くと意識の無い体は釣り上げられた魚のようにバタバタとまた跳ねた。
アルカナはその場を離れる。
扉を開けて外へ出るとき、振り返ったアルカナの目には、へこへこと腰を振り続けている哀れな雌が一匹映るだけだった。