悪徳プロデューサーへの転生 ~バッドエンドを回避するため枕営業させていた彼女たちに優しくしていたら、いつの間にか好意を寄せられてました ※ただし枕営業は辞めません 作:柊咲
セシリー・ロゼラッタ。
誰もが羨む高い鼻に、視線を反らすことを許さない切れ長な目。
175センチと女性にしては高い身長に、スラッとした細腰と美脚。けれどジーンズ越しに主張する張りのあるお尻は触り心地が良さそうだ。
全体的に細身だというのに、豊満な胸を見てくださいと言わんばかりに出した谷間とおへそはエロいという言葉しか出ない。
お高く留まっていて気が強そうに見えるが、こんな非の打ち所がないプロポーションを持っていたら当然かもしれない。
「ふふっ」
ブロンズヘアの美女は俺の視線を受け、クスッと笑みを浮かべる。
「あらあら、そんなに熱くねっとりと全身を舐めるように見つめられると……なんだか興奮してきちゃったわ♡」
舌なめずりをするセシリー。
レイカに細目で見られるが、俺は知らんぷりして後部座席に座る。
「……セシリーはイギリス出身のモデルなんです。日本語も上手なんですよ」
「ええ、子供のころ、両親の仕事で日本に暮らしていたから日本語は得意なの」
「そうなのか。俺は蛇口蜂馬だ、よろしく」
「ヘビ……ヘビグ……ううん、言いにくい名前ね。んー、あっ、じゃあ……ダーリン♡って呼ぶわね」
「ちょっとセシリー!?」
「ふふ、別にいいじゃない。ねえ、ダーリン♡」
顔だけを後ろに向けてウインクされる。
レイカはふてくされていたが、そう呼ばれて悪い気はしない。
「ああ、構わない。よろしくな、セシリー」
「さっすがダーリンね。アナタのことは散々レイカから聞かされたわ。何度もファックされて、女としての悦びを教えこまされたってね♡」
「ちょっとセシリー! そんなこと言ってないじゃない!」
「あら、そうだったかしら? でもアナタ、何処に行っても何をしててもダーリンのことばっか話すじゃない。それって女として教え込まされたってことと一緒じゃないかしら。日本でいうと……そう、調教ね!」
「それは、その……」
ぷんぷんと怒っていたレイカだがすぐに言い負かされて顔を真っ赤にしてしまった。
随分と仲のいい海外のモデル友達ができたようだ。
そんな風に二人のやり取りを微笑ましく眺めていると。
「だ・か・らっ♡ わたしね、ダーリンのこと興味あるのよ……っ♡ 普段の男としてもそうだけど、ベッドの上でのアナタのコト♡」
性に寛容的なのか、はっきりと身体を狙われているのがわかった。
だから俺は笑みを浮かべて言葉を返す。
「ああ、それならいつでも教えてやる。きっと他の男ではもう満足できなくなるだろうがな」
「ワオッ♡ それは楽しみね……でもわたし、普通のセックスじゃ全然、エクスタシーを感じられないのだけど……それでも、わたしを満足させてくれるの?」
「もちろんだ」
「ふうん」
余裕の笑みを浮かべるセシリー。
多くの男性経験をこれまでしてきたのだろう。その表情や態度からは揺るがない自信が窺える。
おそらく口には出さないが、どうせ無理だろうと、この男では自分を満足させられないだろうと思っているはずだ。
「ちょっと二人とも!」
すると、レイカが間に割って入る。
「あら、レイカ。どうかしたの?」
「何勝手に二人で……そ、その、エッチする約束してるのよ!」
「もしかして妬いてるの? でもダーリンとはアレな関係なのでしょ? えっと……そう、愛人!」
「そ、そうだけど……」
「じゃあいいじゃない。あっ、今夜なんてどうかしら?」
セシリーから挑戦状を叩きつけられ、チラッチラッとレイカは俺を見る。
美女からの誘いは嬉しいが、俺は隣に座る彼女の肩を抱き寄せる。
「すまないな、今夜はレイカと一緒にいたいんだ。一ヵ月も我慢させてしまったから、その埋め合わせがしたいんだ」
「社長……っ♡」
「あら、残念。でもそう言って安心したわ。ううん、むしろレイカを優先しない男なんて、こっちから願い下げだったわ♡」
と、そこでタクシーが止まった。
セシリーは車を降りてジッと俺を見つめる。
「ハイ、わたしのアドレス♡ 数週間ぐらいはハワイに滞在する予定だから、本気でわたしを満足させられる自信があったら連絡してちょうだい」
「ああ、わかった」
「それじゃ……ちゅ♡」
頬にキスをされ、セシリーは颯爽とショッピングモールへ向かって歩いていった。
男女問わず周囲の者たちの視線をくぎ付けにして歩く後ろ姿は、本物のモデルの姿だった。
「……社長、見すぎです」
ぴったりと肩を触れ合わせ、腕を組まれる。
拗ねてしまったレイカと共に、俺は彼女の宿泊しているホテルへと向かった。
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ハワイでの俺の滞在日数はおよそ二週間を予定していた。
仕事もせずに遊ぶのか、と思われそうだが、一応はこっちでできる仕事もある。
それでもまあ、ほぼバカンスに来ているといって間違いはないのだが。
けれど大きな目的があった。
「ふう、ふう、ふう……」
「社長……すっごく硬い♡ それに匂いも……んん、はあ……男臭くて素敵っ♡」
それは、ハワイで開催されるボディビル大会の出場だった。
本当だったら日本での大会が初出場にと思ったが、飛行機に乗ってる間に調べたら、都合よくエントリーできる大会があった。
なのでこうして、レイカの宿泊しているホテルに併設されているジムで体を鍛えていたのだが、彼女はずっと俺がトレーニングしているのを見てうっとりとしていた。
「レイカは運動してこなくていいのか?」
「もう少しだけ……もう少しだけこうして見つめさせてください♡」
目がハートになっているレイカ。
別に見られているだけならトレーニングには差し支えないんだが、周りの視線が痛い。