※この作品はR-18です。

TSリーガルがプレセアに身体をあれそれされる話   作:タニシカレー

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性転換したリーガルがカジノに潜入調査をしたり、客にスケベなサービスをしたり、その後にプレセアにスケベなサービスをしたりする話■『TS会長にバニーと快楽は付き物』での案件を受けた後、そのまま報酬をもらわず追加で仕事をするというif分岐的な番外編となります■モブ男達と絡む描写はありますが、本番はありません


番外編・TS会長に潜入調査と欲求は付き物

 衣装デザイン部門から受けていた「バニースーツの試着」という案件を終えた私は、営業が始まる前のカジノの従業員控え室にいた。目的は、ここ最近のカジノで報告されている問題について調査するためだ。

 数日前、ジョルジュが私のもとにある報告書を持ってきた。報告書によると、アルタミラリゾートのカジノでバニーによからぬことをする客が出没し、またチップという名目でガルドを見返りに客によからぬ接待をしているバニーのスタッフもいるという噂が立っているとのことだ。私やジョルジュ、監査部門が抜き打ちで調査したところで、問題を起こしているスタッフや客は誤魔化そうとするだろう。どう手を打つべきかと考えていたところに、バニースーツの試着という案件が舞いこんできたのだ。

 本来の案件が終わった後、私とプレセアは社長室に向かう。ちょうど書類を片付けたらしきジョルジュにある提案を持ちかけると、彼は深く納得したような顔でうなずいた。

「……なるほど、たしかに今のお姿ならスタッフもお客様もリーガル様とは気づきませんな」

「正直なところ、私も進んでバニーになりたいわけではない。ただ、この姿は潜入調査にうってつけだと思ってな。不本意だが、使わない手はあるまい」

「かしこまりました。カジノの従業員達には急遽ヘルプのスタッフが入るということにしておき、支配人を通じて諸々の手配をしておきます」

「急な申し出だが、よろしく頼む。カジノは大人の社交場とはいえ、風紀の乱れを放ってはおけぬ」

「私も、何かできることはありませんか?」

 話がまとまったところで、隣で全てを聞いていたプレセアが声をかける。どうやら、潜入調査に協力してくれるらしい。実際、彼女の協力があると色々な意味で助かるのだ。……特に、女性の身体になっているときは。

「プレセア、お前にはお客様達に紛れて監視の目を光らせてほしい。今夜はカジノに多くのお客様が訪れる、私がディーラーや給仕をしている間に見落とすこともあるだろう。そこをお前の目でカバーし、問題の客やスタッフが見つかれば私にさりげなく報告してもらえると助かる」

「わかりました。私のことを知っているバニーさんもいると思うので、目立たないように動きます」

「調査の方法は固まりましたな。それではリーガル様、何卒よろしくお願いいたします。プレセアも、是非リーガル様の力になってくれたまえ。ただし、無理をしてはならぬよ」

「はい。では、行ってきますね」

 こうして、私とプレセアはカジノへの潜入捜査を開始したのだ。

 

 カジノの支配人に連れられ、スタッフ達の前に立つ。そしてスタッフ達の様子を一瞥し、私は深々と礼をした。

「今日はヘルプのスタッフが入る。研修は終わっているが、業務に不慣れなところもあると思うので皆でサポートしてほしい」

「何卒ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」

「堅苦しくならなくても大丈夫よ!何か困ったことがあれば言ってちょうだいね!」

 バニーのリーダーとも言えるスタッフに再び頭を下げ、挨拶もそこそこにして営業開始を待つバニー達の後ろに続く。ボーイがフロアへのドアを開け、照明が点いたのを合図に、私はカジノに足を踏み入れた。

 営業開始と共に、カジノは早速お客様によって活気を見せはじめた。フロアをひと通り歩いてお客様とスタッフの様子を確認すると、フロアの目立たぬ場所にプレセアを見つける。髪を下ろし、ジョルジュが用意したであろうシンプルな紺色のドレスを身に纏い、ローヒールのパンプスを履いた姿は、一目見た程度ではレザレノに出入りしている彼女とは結びつかないだろう。彼女の潜入技術も、ドレスを選んだジョルジュの手腕もさすがといったところだ。

(私も負けてはいられぬ。しっかりと調査にあたらねばな)

 そう意気込みつつ私は最初の持ち場である受付に戻り、カジノを訪れたお客様への出迎えと案内を始めた。

「……以上が、当カジノのシステムとなります。それでは、夜のアルタミラで素敵な時間をお過ごしくださいませ」

 案内が終了し、次のお客様を出迎えようとしたとき、後ろから案内したばかりのお客様の言葉が微かに聞こえた。

「あのバニー、新顔ですな」

「腕と脚の筋肉は気になるが、顔も良く中々豊かな乳をしておる。レザレノのバニーは上玉を揃えておるな」

「これだから、ここに来るのはやめられませんなあ」

(なるほど……これは……)

 先程案内したのは、記憶が正しければメルトキオに住む貴族達だ。さすがにこの程度では報告書に上がる程の噂にはならぬと思うが、見慣れぬバニーを見かけては初心者のふりをして値踏みし、あのような言動をしているようだ。バニーへの礼を欠く貴族達に内心溜め息を吐きつつ、次のお客様の出迎えをした。

 それからお客様の出迎えや案内、フロアの見回り、お客様が頼むドリンクの給仕と、様々な業務をこなしながら人で賑わうカジノの様子をできる限り伺うが、不届き者達の尻尾は掴めずにいた。時折こちらの胸や尻への舐め回すような視線は感じるが、どれも噂になるような行動には繋がらない。何か手掛かりでも掴めないかと思った瞬間、空のグラスを乗せたトレイに小さく折られた紙切れが投げこまれた。

(これは……?)

 振り返ると、そう遠くないところからプレセアが私に目配せをしている。どうやら、紙切れの中身を読めということらしい。グラスをカウンターに渡し、トレイで隠しながら紙切れを開くと、そこには走り書きに近いが詳細な報告が書かれていた。

「バニーの女性と貴族らしき男性が休憩室へ。約十分後に男性のみ退室、マーテル教会の男性が入れ替わりで入室。約十分後、女性と男性が一緒に退室。バニーの女性の特徴と動向は追って報告」

(休憩室か、フロアだけを見ても気づかぬわけだ)

 このカジノには、フロアから目立たぬ廊下を通じて入れる休憩室が何部屋か設けられている。鍵はかけられぬが、使用中の札が掛けられた部屋に侵入する者はまずいないだろう。使用目的は様々なうえ、稀に体調を崩した従業員も使用する休憩室は、たしかによからぬ事をするには向いているかもしれぬ。

(しかし、スタッフと男達はどのようにして通じているのだろうか?休憩室での接待など、スタッフか社交界のどちらかから話が届きそうなものだが)

 一体彼らはどのようにして意思疎通を図り、利害を一致させたのか。その方法をより深く探るため、私はディーラーとしてカジノのテーブルについた。カジノのゲームで、バニーがお客様と何かしらの接触や会話を伴う機会があるのは、ブラックジャックなどのトランプによるものだ。ディーラーとして立ち、一人あるいは数名のお客様とゲームをしていれば、向こうから何かしらの行動を起こすかもしれない。私は相手のお客様の視線や所作を観察し、ささいな会話にも耳を傾けることにしたのだ。

 しばらくは目立った動きもなく(時折胸元に向けられる視線は気になるが)、ディーラーとしてゲームの相手をこなしていたが、入れ替わりで座った貴族二人によって事態は動きだした。ゲームが始まってから数分ほどは気になることはなかったが、こちらが数回ほど勝ち、相手のチップを総取りしたところで、相手の貴族が私に声をかけたのだ。

「バニーよ、我々はこれから休憩室を使うのだが……ワインを用意してくれるかね?酌をしてくれたらチップもはずんでやろう」

「……かしこまりました。休憩室までご案内しますので、少々お待ちくださいませ」

 とうとう不届き者達の尻尾を掴んだ、そう確信した私は近くのバニーに声をかけてテーブルを立ち、トレイの上にワインボトルとグラスを乗せてフロアに出た。

 

 アルタミラで働くバニーの規則では、お客様と同じ休憩室を使用することとガルドを直接受け取ることを固く禁じている。この規則はバニーの身を守り、お客様とのトラブルを避けるために設けられているものだ。そのため、たとえお客様から休憩室でのサービスを求められてもバニーは応えず、チップを出すと言われれば断って話を終わらせるのだ。

 しかし、今私が案内している者達はバニーの規則を知っているような口ぶりで休憩室への同行と酌を求めた。彼らは規則を破ってもなおチップを見返りに接待をするバニーがいること、規則を進んで破るバニーの見分け方を知っているのだ。そのことに気づいた私はあえて彼等の言葉に乗り、よからぬ接待を求める者達を特定することにした。休憩室に客を通し、ドアに使用中の札を掛け、私は彼等の向かい側のソファに腰を下ろした。

「お待たせいたしました。当リゾート自慢のワインをお楽しみください」

 ワインボトルの栓を抜き、二本のグラスに赤ワインを注ぐ。グラスを持ったところで、客の一人が私に声をかけた。

「ここからだとグラスが届かぬ。身体を乗り出して渡してくれんかね。……そうそう、おお、これはこれは……」

「いやあ、これは絶景ですな……」

 私達を挟むテーブルはそれほど大きくなく、身体を乗り出さずとも腕を伸ばすだけで十分届く距離である。客の要望の意味に最初は気づかなかったが、どうやら私の胸を眺める意図があったようだ。なんとも下品な要望である。

「よき酌じゃ、とりあえずチップをやろう」

「……」

「初めての接待で緊張しているようだが、まあ心配しなさんな。初心な子ウサギには我々が手取り足取り教えて差し上げよう」

(下劣な男達め)

 テーブルにガルドを置く様子に眉をしかめそうになるところをなんとか耐え、私はしおらしい新人バニーのふりをしながら、客の顔と服装を改めて確認した。

 私が接待している二人の貴族の顔は、どちらも見覚えがあるものだった。彼等はさる伯爵家の当主達で、先日メルトキオで行われたサロンにも出席していたはずだ。名前ももちろん覚えているので、この調査が終わり次第ブラックリストに入れることも容易だ。しかし、プレセアの報告によれば共犯者にはマーテル教会の者もいるらしい。マーテル教会の者の名前はわからぬが、そちらもどのような人物か特定する必要があるだろう。

 プレセアの報告通りなら、接待の時間はそう長くない。僅かな時間で情報をいかに引き出すか考えていると、客の一人がまたも私に要望を出す。

「バニーよ、すこしばかりスーツを下げてくれんかね。なあに、乳房が見えるところまでで構わぬよ」

「それは……お客様に私の胸をお見せするということでしょうか?」

「そうじゃそうじゃ。ほれ、チップも用意しておる。お主もわかっていてここに来たんじゃろう?」

(なんということだ……しかし、ここは彼等の要望に応えなければ)

 背中のファスナーを下ろし、バニースーツを胴回りまで緩める。胴回りの苦しさはないが、先端にシートを貼った両胸が男達の前に晒されてしまう。男達は舐め回すように私の両胸を見ると、並んで座っていたソファに隙間を作る。どうやら、座れということらしい。

「さあ、その姿のままこちらに座りなさい。そのたわわに実った乳を近くで見せておくれ」

 座れば見るだけではすまないことはわかっている、しかし情報を引き出すためには従わねばならない。そう思いながら私が彼等の隙間に挟まるように座ると、両側からじっとりとした視線を受けながら、双方の手が持ち上げるように私の両胸を掴んだ。

「おお、おお、なんという柔らかさ……なんという弾力……まさに極上の乳じゃ」

「……っ」

「ここでは触れることしか出来ぬのが勿体ないほどですな。ホテルでならいくらでも可愛がってやれるというのに」

「そ、そんな……ホテルでなんて、とても」

「わかっておる、ホテルにバニーを呼び出すなど、誰かに見られれば終わるようなことはせぬよ」

(さすがにホテルに呼び出すような真似はしていないようだ。しかし……)

 両側から胸を揉みしだかれ、それぞれのもう片方の手で内股を触られながら、私は調査とは違うことも考えはじめていた。

 女性としての身体をプレセアに触られたとき、私の身体は敏感に快楽を拾い、ときには想像だけで下腹が疼くこともあった。しかし、今こうして男達に触られても、身体は不快感を覚えるばかりで快楽に繋がるものは何も感じられぬのだ。悟られぬよう控えめに演技をしながら、私はこの違和感と不快感の中で接待を続けていた。

「っ、い、いけません、お客様……」

「ふん、チップ欲しさに乳を出すバニーが何を言うのだ。それとも初心なふりで誘っておるのかね?」

「安心せい。外に出ても気づかれぬよう、せいぜい身体を触ったり破廉恥な姿を見るだけじゃ。もっとも、お主がどうしてもと言うなら個人的に可愛がってやるがね」

(それが大問題なのだが……)

 望まぬ接触に耐えながら、それでも情報は拾えるだけ拾う。この不届き者達はバニーにチップという名のガルドを渡し、バニーに痴態を晒すよう要求し、性的な接待をさせ、身体を弄るという享楽に耽っているようだ。跡が残れば怪しまれるからか、互いの性器への接触やカジノ外への呼び出しはしないようだが、カジノの風気を乱す行為としては十分に悪質と言えよう。一方で、ガルド目当てにこの接待を進んで行なっているバニーも特定しなければならないが、それはプレセアの情報があれば難しいことではないだろう。

 こうして次の手を考えつつ下品な手つきに耐えていると、ドアをノックする音が聞こえた。貴族達が身なりを整えはじめたことから、ノックをしたのは「次の客」だろう。

「ほう、もうこんな時間か。極上の乳に時間も忘れておったわ」

「我々はこれで失礼するが、次の者達にもしっかりサービスするのだぞ。前金も兼ねたチップはこちらに置いておくからの」

 最後の最後に尻まで揉みしだき、股間を膨らませたまま部屋を出る貴族達を見送ると、入れ違いで二人の男が休憩室に入ってくる。次の二人はプレセアの報告通り、マーテル教会の神父の格好をしていた。

「ほう、これは……なんとも罪深きバニーですな。乳を晒したままの格好で出迎えるとは」

「伯爵様達が兆したまま出てきたのも納得と言えよう。場所が違えば我々の手で赦しと恵みを与えているところだ」

 いかにもな言い回しをしているが、要するにこの身体を弄び、あわよくば性交渉に及びたいということだ。かえって露骨な物言いにまたも眉をしかめそうになるが、なんとか耐えて男達をソファに案内した。

「申し訳ございません。神父様達に献身的なサービスをするよう、伯爵様達に言いつけられておりましたから」

「なんと、そのような奉仕の精神に溢れたバニーには祝福を与えねば」

「さあ、こちらに来なさい。私の膝の上に乗り、乳で奉仕するのだ」

「奉仕の間は、私が祝福を与えようぞ」

 神父に手を引かれ、もう一人の神父の膝に乗る間に、覚えられる限り二人の特徴を頭に叩き込む。法衣の飾りや色、装飾品、顔の目立つ特徴……名前がわからずとも知るものが聞けばわかるような情報を揃えながら、私は神父の膝に乗り眼前に胸を差し出した。

「おお、まさに罪深き実りだ……さあ、その乳で私の顔を挟んで奉仕するのだ。男を惑わす淫乳にはこの手で赦しを与えてやろう」

「こちらの恵みに満ちた尻には私の手で祝福を与えようではないか」

「はい……」

 目の前の男の顔を両胸で挟み、ゆっくりと胸を上下させる。一方で、もう一人の男は私の尻を揉みしだきはじめた。

「はぁ、はぁ、これはまさに、奉仕の極みだ……」

「この天にも昇る感触……祝福を与えねば罰が下るというもの……」

「……っ、は……っ」

 シートに覆われた先端を弄る指が、尻を揉みしだく手のひらが、胸と尻で感じる生温かい呼吸が、全てが苦痛でたまらず、演技にもなれぬ呼吸を繰り返すことしかできない。女性としての身体に触れられることは、こんなにも苦しいことだっただろうか。こんなにも快感から遠い行為は経験しただろうか。もし私の胸を弄るのが彼女だったら、彼女が私の身体を暴いたときの感覚は……そう思い返し、私は改めて思い知るのだ。この欲深い身体はただ他人に差し出すことでは何も得られず、自慰か信頼を寄せた者の手でしか快楽を拾えず、何より彼女の手がなければ完全に満たされることがないということを。

 調査のために苦痛に耐え、情報をできる限り拾い、気の遠くなるような十分間は終わった。ガルドをテーブルに積み、私の肩を抱こうとした神父達をその場で見送ろうとする。スーツを着直し、ガルドを数えるために残りたいと言えば、神父達は何の疑問も持たずに休憩室を去った。

(ようやく落ち着けるな)

 スーツのファスナーを上げ、休憩室に置かれたメモとペンを取り、覚えている限りのことを書き出す。伯爵達の名前、神父達の特徴と彼等の口から漏れた教会の場所、それぞれの男達が何をし、どれだけのガルドを私に握らせようとしたか。これだけ揃えば逃げられぬだろうと思いながら、トレイの上にワインボトルとグラス、そしてガルドを回収する。まずは回収したガルドの隠し場所を探すために休憩室を出ると、壁に寄りかかったプレセアが私を見つけた。

「お疲れ様でした。無事に悪い人達は見つかりましたね」

「うむ、あとは接待をしていたバニーの特定とこのガルドの回収ができれば十分だ。お前の協力に感謝せねばな」

「そう言っていただけて何よりです。ガルドですが、私のポシェットなら入りそうなのでこれで回収します。あと、片付けと調査が終わったら、スタッフの控え室から出てくださいと支配人さんが言っていました」

「承知した。それではカジノの裏口で落ち合おう」

 かくして、私達の潜入調査は完了した。しかし私の身体が元に戻るまで、まだ時間は残されている。目立たぬようコートを着て社長室に向かい、ジョルジュに私とプレセアのメモ、そして回収したガルドを預けると、なるべく人通りの少ない道を選んで一足先に自邸へと戻っていった。

 

 今回の案件や潜入調査に協力するため、今晩はプレセアが自邸の客室に泊まることになっていた。揃って夕食を済ませ、それぞれ違う浴室で風呂を済ませ、私は一糸纏わぬ姿でドアがノックされるときを待つ。控えめに鳴ったノックを合図に部屋のドアを小さく開け、彼女が部屋に入ったところでそのまま鍵をかけた。

「リーガルさん、もう準備ができているんですね」

「うむ、その……今夜はお前に頼みたいことがあったのでな」

「珍しいです。いやらしいことをする前に、リーガルさんから何かを頼むのは」

「そ、そうだろうか……とにかく、頼まれてくれるだろうか」

 プレセアをソファに座らせ、あらかじめ淹れておいたナイトティーを二杯分注ぐ。そしてナイトティーを口に含むと、意を決して己の願望を正直に告げた。

「今夜は、私に……接待をさせてほしい。接待することで、確かめておきたいことがあるのだ」

「そうですか、それでは……」

 そう言って、プレセアは持ってきた紙袋を探ると中に入っていた衣装を引っ張り出し、テーブルの上に置いた。

「これを着てください。裸よりも恥ずかしくなれると思いますから」

「……」

 言われるがまま、薄暗い部屋の中で与えられた衣装を着る。胸の先端にあてる布は抜き取られているものの、間違いなく我が社で出した正規品の水着であった。

「このカチューシャも、つけるべきだろうか?」

「はい。黒いビキニの水着だけでもいいですけど、カチューシャがあればより接待している気持ちになれます」

「うむ……」

 ウサギのカチューシャをつけ、擬似的なバニーとしてプレセアの前に立つ。これから彼女に身体を差し出し接待をする、そう考えるだけで、身体の芯に背徳と快楽への期待による火が灯る。やはり、あの男達と彼女は違う。既に確信めいたものを抱きながら、私は再び「お客様に接待をするバニー」の演技を始めた。

「お茶の代わりはいかがでしょうか」

「お願いします。リーガルさん……バニーさんの淹れてくれるお茶は美味しいです」

 カジノで酌をしたときと同じように、わざと身体を乗り出し胸が近くで見られるようにナイトティーをカップに注ぐ。カップにナイトティーを注ぎ終えたところで、プレセアが私の胸と顔をまじまじと眺めながら、率直な言葉を投げた。

「たしかに、こんな風にされると胸に目が行きますね。大きくて、形もよくて触り心地もよさそうで」

「あ、ありがとうございます」

「だけど、胸ばかり見るのはもったいないです。首元も綺麗で、垂れないように背中にかけた髪も綺麗で、唇も男の人と比べてふっくらしていて。胸を触るのも楽しいですが、唇だって触れば心地いいはずです」

 カジノの不届き者達どころか、今まで彼女にも言われなかったことに、私は大きく目を見開いた。

 私が身体を委ね、プレセアが私の身体を暴く関係には、確固とした決まりが存在する。プレセアは私の唇と秘部にキスをしないこと、そして私の意思でプレセアの服を脱がしたり性的な接触をしないことだ。これは身体が欲を渇望しても守りたい最後の矜持であり、背徳を重ねてもなお愛する人に心を捧げるためのエゴでもある。私達は愛し合いたいわけでなく、彼女も私の矜持とエゴを理解し、信頼のもとで決まりを守ってきた。

 それゆえに、私の唇について彼女が言及するとは思わなかったのだ。もしかして彼女の気が変わってしまったのか、私自身も苦渋の決断を迫られているのか。私の不安に気づいたのか、プレセアはあくまで冷静な様子で言葉を繋いだ。

「大丈夫です、キスはしません。したいとも思いません。あなたの心を傷つけることは、私にとっても嫌なことです。ただ」

「あっ……」

「こうして指で触ったりは、したことがありませんでしたね」

 彼女の細い指先が私の唇をなぞり、膨らみを押し、指で挟んで軽く引っ張る。その感触に背中からぞくりとした感覚が走り、思わず身体を震わせた。

「本当によかったです。あなたが悪い人達にキスをされたり、悪い人達の身体にキスをさせられなくて。それだけが心配でした」

「ん、ふ……」

「この唇は心地よくて、それに新しいことにも気づけますね。唇でも、気持ちよさそうな顔ができたんですね」

 彼女の言葉と唇の感触に不安は溶け出し、ぞくぞくとした感覚が身体中を行き渡る。男達の接待では全く感じなかったものを、私は唇ひとつで感じ取っていた。そうしてしばらく唇を指で触られ、それでも口内には何も挿れられぬまま、彼女の指はそっと離れた。

「あ……」

「まだバニーさんのサービスは始まったばかりです。次は、カジノでしたことをもう一度できますか?」

「カジノでしたこと……かしこまりました」

 従順なバニーの演技を続けながら、私はうなじにあるビキニの留め具を外し、裸の胸を晒した。既に主張を始めている先端も、ありのままに見られてしまっている。

「お客様に、私の胸を眺めていただくサービスでございます」

「いつ見ても大きくて、綺麗です。触りたくなって、知りたくなって、他の女の人とは違う……」

「もっとお近くで見ていただけるよう、お隣に座らせていただいてもよろしいですか」

「どうぞ」

 プレセアがぽんと座面を叩いたところに、胸を露出させたまま腰を下ろす。今回は接待の相手は一人なので、上半身を横に向けて両胸を差し出す。プレセアは両手を伸ばし、下から持ち上げるように私の両胸を揉みしだいた。

「ぁ、あぁっ」

「いつ触っても柔らかくて弾力もあって、とても心地がいいです」

「あっ、ぁ、ありがとう、ございます……っ」

「硬くなったここも、触りますね」

「んっ⁉︎ああっ!」

 胸の先端を摘まれた瞬間、私の身体に甘く痺れる快感が駆けた。カジノの中でされていたこととほとんど同じ行為のはずが、あのときとは嘘のような快感が私を襲い、下腹を疼かせる。内股に感じる湿り気が、私の身体が快楽に悦んでいることを示していた。

「いけないバニーさんですね、サービスであなたが気持ちよくなっているなんて」

「もっ、申し訳、っ!ございません……!お客様に、ぉっ、お楽しみ、いただく、っ!サービス、なのに、ぃっ」

「大丈夫です。私もとても楽しいです。胸はもちろん、腰も、太股も、触り心地がいいです」

「あ、あああ……」

 胸も、腰も、太股も、どこを触られても身体は快感を拾い、さらなる欲求に疼く。不埒なバニーとして接待し、己の中で線を引いた身体と心の一部で背徳と快楽を味わい、そして暴かれてしまいたい。もぞもぞと内股を動かしながら触れられる快感に身を委ねていると、プレセアは指を動かしたまま次のサービスを促した。

「他にカジノでしたサービスはありますか?」

「は、はい……お客様に私の尻を、っ!揉みしだいていただくサービスと、ぁっ、わ、私の胸で、お客様のお顔を、挟ませて、いただくっ!んん!」

「そんなことまで……わかりました。まずはお尻を私に向けてください。ソファの上に膝を突く姿勢で大丈夫です」

「か、かしこまりました、っ」

 彼女の言う通り、横向きになってソファの座面に膝を突き、両手でソファの肘置きにしがみつく。無防備な体制で何をされるのか、もしかしたら……そう考えていると、左右の太股から尻にかけてゆっくりと撫で上げられた。

「っ、うう、ぁ」

「大きいお尻に、しっかり筋肉がついた太股。感触が違って触りがいがあります。それに……」

「ん、ぁ……」

「手を止めるとお尻を振るのも、いやらしくて綺麗ですね」

 プレセアの言葉に、羞恥で身体が熱を持つ。完全に無意識で行っていた動きに、また己の身体の欲深さを知る。彼女には既に濡れている下半身が丸見えになっているのだろう、その羞恥でさらに身体を震わせながら、私は尻を撫でられ、揉まれ、ときに尻たぶを掴まれ左右に引っ張られていた。

「カジノでは、こんな風に触られましたか?気持ちよくなれましたか?」

「か、彼等にはっ、ん、尻を、揉みしだかれるばかりで、ぁ、気持ちよくは、なれず……」

「そうですか。じゃあ、このサービスでバニーさんが素敵な顔を見せられるようにしましょう」

「あっ」

 腰を掴まれ、なされるがままソファに再び座らせられる。プレセアは私の両脚を開くと、その間に身体を滑りこませて私の胸に顔を寄せた。

「バニーさんの胸で顔を挟むサービス、できますね?」

「はい……かしこまり、ました……」

 両胸を持ち、下から包みこむようにプレセアの顔を挟む。彼女の呼吸が苦しくならないよう、乳房で頬を撫でるように胸をゆっくりと上下に動かした。

「お、お客様、サービスはっ、ご満足、いただけていますか……?」

「んっ……はい、素晴らしいです。まるで、ふぅ、マッサージみたいです……」

「はぁ、はっ、あぁ……っ」

 奉仕する胸で感じる吐息に、絶え間なく撫でられる太股の感触に、不快感は全く感じられなかった。それどころか快楽が私の思考を削り、演技という名のメッキさえ剥がそうとしていた。従順な者として、恥辱と快楽を受け入れる。言いなりになることで、背徳と快楽を与えられる。元の身体では決して考えもしない屈服という幸福に、秘部は悦楽の涙に濡れていた。

「ん、バニーさん、カジノでしなかったサービスもしてくれますか」

「はい……なんなりと、お申し付けください」

「下を脱いで、両脚を大きく開いてください」

「かしこまりました」

 胸での奉仕を止め、快感に震える手で両脚から水着を脱ぐ。脱いだ水着を手元に置き、見せつけるように大きく脚を開く。欲に塗れた身体を余す所なく晒す私を眺め、プレセアは溜め息を吐いた。

「すごいです。触られていないところが、こんなに濡れています」

「んん……」

「ここが本当のカジノなら、すぐに気づかれていましたね」

「は、はい……ただ、彼等にサービスをしたときには、このように感じることは、なかったので……」

 私の言葉に意外だと言うような表情をしながら、プレセアは濡れた秘部を覗く。次の快楽を求め、意識せずとも動くそれに触れないまま、彼女は私に言葉をかけた。

「そう、だったんですか。バニーさんは……女の人になったリーガルさんの身体は綺麗で、いやらしいので。触られたらすぐに濡れてしまうものだと思ってました」

「わ、私にも、わから……ない。こんなに欲深い身体でも、彼等に……あの者達に触られても、濡れるどころか、苦痛でしかなかった」

「そう、なんですね。あなたの身体は、誰かに触られるだけではいやらしいところを見せない」

 秘部から視線を外し、プレセアは私の頭に手を伸ばす。バニーとして着けられていたカチューシャを外し、今の状況にはそぐわぬような穏やかな笑みを浮かべた。

「バニーさんではなくリーガルさんに、お客さんではなく私として、サービスをしてもらいます。それなら、カジノでできないサービスもできますから」

「な、なんなりと……」

 プレセアは私の隣に身体を寄せ、下腹に手を伸ばす。そして私の耳元で、あることをささやいた。

「この前本で読んだのですが、性的な絶頂を迎えるとき、イくという言葉を使う人もいるそうです」

「そ、そうなのか」

「私からあなたに求めるサービスは、言葉です。絶頂しそうなとき、絶頂するとき、私にイくという言葉で伝えること。どこで、どうやって感じたか、全部報告してください」

「承知、した……っ!」

 彼女の要望に応えた瞬間、水音を立ててナカに指が挿入された。動きながらゆっくりと、しかし確実に深くまで侵入されるのと同時に、プレセアの口元は私の胸の先端に迫る。

「最初の報告は」

「な、ナカが、んっ、気持ちいい……指を挿入れられて、せ、性感帯っ、探られて、ぁ、は、腹の底が、疼いてっ」

「よくできました。こっちも気持ちよくしますから、報告を続けてください」

「ああっ!」

 彼女の唇が先端で膨らむ輪を捉えて吸い上げ、舌先が硬く敏感な突起を弾く。付け根まで挿入された彼女の指は奥まで届かないが、特に快感を拾う場所を的確に責めた。

「あっ、あっ!ナカもっ、胸もっ!き、もちいいっ!敏感な所、ばかりっ、責められて、っぁ、腰が、動きそうだ……っ!」

「ん、ん、っは、本当に、気持ちよさそうですね。綺麗な顔をして、大事なところも、締めるように動いてます。指を増やして、もっと音を立ててみましょう」

「ひっ、あっ⁉︎ああっ!」

 先端を舌で舐め上げられるのと同時に、本数の増えた指が挿入され、再び胸の先端を吸い上げられる。三本の指がばらばらとナカで動いたかと思えば、同じ動きで敏感な場所を責める。彼女が舌を動かす度に、指でナカを弄る度に、卑猥な音が部屋に響き渡った。

「はっ、ああっ!き、きもちいいっ!胸も、ナカもっ!あっ!舐められてっ、掻き回されてっ!ぁ、愛液が、あふれ……んんっ!ぁ、そこ、そこはぁ……っ!」

「ん、ふ、んん……っ、はぁ、っ」

「か、からだ、身体が、んんっ!敏感に、なってっ!が、我慢、できな、ああっ!」

 私の言葉に反応するように、プレセアの指が激しさを増し、舌先が先端と交わるように動く。我慢の限界は、絶頂は、すぐそこまで迫っていた。

「は、あっ、ぁ、く……い、イく、イくっ!ナカを、指でいじられてっ!む、むねを、吸われてっ!い、いっ……」

「んっ……っ!」

「うぁあっ!イく、イくっ!いっ……イくうぅっ!あああっ!」

 胸を思い切り吸われ、挿入されたかと勘違いするほど舌先で先端を突かれ、三本の指が奥を掠めながらナカを強く押した瞬間、眩暈のような快感と共に身体は絶頂を迎えた。指が抜かれたと同時に噴き出したものがソファとテーブル、そして床を汚し、勢いを失った絶頂の余韻が座面を濡らす様を見て、身体の力が急に抜けていく。それなのに……

「リーガルさん、また沢山出してしまいましたね。これが何かはちゃんと知らないけれど、これと綺麗な顔は気持ちよくなれた証拠です。ただ……」

「んん!」

 挿入されない下半身の性感帯を触られ、絶頂を迎えたばかりの身体が跳ねる。まだ感じてしまう、まだ求めてしまう、そんな欲求は既に見透かされていて、それすら快楽の種になってしまう。

「あ、ぁ、プレセア、まだ、イった、ばかり……」

「ここはまだ足りないみたいです」

「あっ!」

 ナカに再び指を挿入れられると、無意識にナカが離すまいと必死にしがみつく。彼女の言う通りだ。まだ足りない、屈服の幸福も与えられたい。既に演技のメッキを残らず剥がされた私は、彼女が問いかける前に己の願望を口にした。

「も、もっと……私の身体で、接待をさせてほしい……」

「わかりました。リーガルさんの身体で、眠くなるまでサービスしてください」

 プレセアは向こう側のソファに置かれた紙袋を探り、取り出した中身を見せつける。着ける場所と目的が明らかなアクセサリーの輝きに、私の身体は既に受け入れる準備を終わらせていた。

 

「何回言ったかわかんねえけどよ、ほーんとマーテル教会も貴族社会も腐りきってんな」

「伯爵達は既にブラックリスト入りさせている。このガルドはマーテル教会の者がこちらに渡そうとしたものだ。そちらの関係者は、神子の方でよしなに取り計らっていただこうか」

「任せときな。こんだけ特徴揃えて所属の教会がわかれば、俺さまの力で一発よ。にしてもなあ……」

 ワイルダー邸の一室に私を通し、私の持ちこんだ報告書にひと通り目を通した神子は、呆れたように溜め息を吐いた。

 私とプレセアの書いたメモと回収したガルドを元に、カジノでの不祥事は詳細な報告書にまとめられ、関わった者達への対応は迅速に行われた。伯爵家の当主達は当然ブラックリスト入りとなり、渡されたガルドは我が社を通じて屋敷に直接返させてもらった。社の者から事情を聞いた夫人達は動揺し、あるいは主人に対してひどくご立腹なされたそうだが、それは当主達が己の手で責任を取るべき問題だろう。

 性的な接待をし、見返りとしてチップと称したガルドを受け取っていたバニーのスタッフも、プレセアのメモに書かれた特徴から支配人がすぐに特定した。支配人の聴き取りによると、彼女は貴族達に脅されて仕方なくやったと証言したが、一方で楽で稼ぎも良い副業を見つけたと同僚に話していたらしい。謹慎と減給処分に留まるか、あるいは解雇処分となるかは支配人の判断に委ねることにした。

 そして我が社で特定ができないマーテル教会の者達については、私が直々に神子に掛け合うことにした。世界の統合で神子本来の(悪しき、と言うべき)役割はなくなったものの、テセアラの神子ゼロスの王室や教会への影響力は未だに衰えてはいない。不届き者達の処遇についてはこの神子次第であろう。

「ガルドを見返りにバニーちゃんにいやらしいことねえ……俺さまだって考えねえっつーの」

「そうなのか」

「そりゃそうよ。ナンパしたわけでもねえ、そういうプロでもねえハニー達にガルド渡して見返り求めても虚しいだけだろ」

「……そうだな」

 彼等はこの上なく楽しそうだったが、という言葉を飲みこみ、彼にしては珍しくしかめっ面で報告書を読み返す神子を眺める。神子にとってもよっぽどの所業なのだろう、彼等が今後教会にいられるかは定かではないが、それに関してはレザレノ・カンパニーが関わることもない。

「我が社からの神子へのご報告は以上だ。彼等については、ブラックリストに入れるための名前だけご共有いただきたい」

「はいはい。それにしてもなあ、この前まで何の手掛かりも掴めなかったトラブルがよくここまで洗い出せたもんだな」

 どこか含みを持ったような言葉と表情で、神子が笑みを浮かべる。そういえば、神子は私が女性の身体になったときの姿を見たことがあった。どこまで察したかはわからぬが、こちらも手がないわけではない。

「数日前に我が社の者が抜き打ちで調査をしたのだ。ここまで進展するとは思わなかったが」

「ふーん……内容を見る限り、囮になったバニーちゃんがいるみてえだな。案外、俺さまが知ってるような子が身体張ってたりして。ここに書けねえようなこともされちまったのか?」

 誰が調査をしたか、どうやら神子は確信しているようだ。しかし、あの調査を興味本位で探られたくはない。そう思った私は事情を探られる前に手を打つことにした。

「神子よ」

「はいはい?」

「先日はセレス様と共に、療養旅行にお越しいただき感謝する。ただ、夜の劇場で神子が黒髪の女性とお話ししていたと、従業員から報告が来ているのだ」

「げっ」

「女性の素性は存じ上げぬが、セレス様ご不在の場での密会とのことだ。念の為、セレス様にもお伝えする方がよろしいか?」

「あーわかったわかった!これ以上は何も聞かねえ!ってか、それもう牽制じゃなくて脅迫だろ!」

「ご理解いただき感謝する」

「素性は知らねえって、どうせあんたは知ってるだろうよ。余計にタチが悪いっつーの」

「神子も、私も、お互い詮索しない方がよいこともあるということだ。それでは失礼する」

「おう……」

 冷や汗を流す神子に礼をし、ワイルダー邸を出る。神子もこれ以上、調査の方法については詮索することはあるまい。それに……

(さすがに神子とはいえ、調査以上のことについては知る由もないだろう)

 調査の後に行った、私と彼女だけが知る接待の時間。抑えられぬ欲と尽きぬ興味と好奇心を曝け出す、背徳を塗り固めた行為。元の身体には決して名残りを残さぬ記憶をまたひとつ抱え、私はアルタミラへの帰路に向かいだした。

 

終

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