小説で興味を持っていただけましたら、マンガの方もお手に取っていただけると嬉しいです。
「はあっ!!」
「グアッ!?」
少女が放った剣の一閃が、相対する男が握っている手斧を叩き落とす。
その攻撃は軽く放ったようにしか見えないのに、しかし鋭く、力強く、そして優雅なものだ。
もしこれが何らかの武術大会だったなら喝采を浴びていただろう見事な剣技によって、また一人、山賊が地に伏した。
圧倒的な力量差をただの一合で感じさせる動きのまま、女は油断せず剣の切っ先を男に向ける。
「その自慢の腕力も、当たらなければただの飾りだな」
事実、その通りだった。
当たれば一撃で戦況をひっくり返せるほど、女と男の間には体格差がある。
男は女より身長が頭二つ分は高いし、腕の太さは彼女の二倍以上あるだろう。
……しかし当たらないのだ。
騎士団で剣術を磨き、実戦で洗練された姫騎士の戦技は力任せに暴れるだけの山賊とは全く異なるもの。
腰まである美しい金髪と人形のように整った美しい容姿は少しも泥や煤で汚れることなく、纏っている白を基調としたレオタード状の軍服だって綺麗なまま。
服の胸元を押し上げる戦いには不向きでしかない豊満な胸も、女らしく肉付いた太ももも、鍛え上げた筋肉で固めた山賊より明らかに劣っているとしか思えないのに――勝てない。
文字通りの、圧倒的な力の差。
性別の差という壁を超越した力強さは、山賊の男をよけい惨めな気分にさせた。
「くっ」
敵の山賊が威圧感に圧されて後ずさりをする。
彼らだって略奪行為で命を繋ぐ立場――王国の騎士になど気後れせず、戦い抜いてきた歴戦の猛者たちだ。
自分たちの実力には自信がある……なのに、目の前の女騎士と戦って『勝てるイメージ』が全くわかない――絶対的な実力差が、彼らと、彼女の間にはあった。
圧倒的な『持つ者』と『持たざる者』の立場の違いを嫌でも感じさせる威圧感に、山賊の男が唇を噛む。
「我が領地、善良な民草を蹂躙し、人々を傷付けた罪――」
「ひっ……」
鼻を衝く物が灼ける臭いと黒煙の息苦しさに、女の表情が強張っている。
周囲は炎に包まれ、この国の姫である彼女が守るべき村人たちが、その財産が、先祖から受け継いだ土地が……村が燃えていた。
やったのは目の前の山賊たちだ。
「――その身で贖ってもらうぞ!!」
姫騎士が必殺の意思を込めて剣の切っ先を山賊に向けた。
その時だった
「動くなッ!!」
「なっ」
(まだ人が居たのか!?)
村が焼かれ、アリシアが到着した時にはもうこの場は破壊され尽くした後だった。
護衛の騎士たちに逃げてきた村人たちは保護させたこともあり、少なくともこの近辺には生存者がいないと思っていたアリシアの目に映ったのは、山賊の一人が連れてきた少年の姿。
明らかに山賊ではない、村人の生き残り。
しかも抵抗することも難しい幼い少年だ。
遅れてきた山賊はそんな少年の首に小さなナイフを押し当てている。
アリシア相手なら護身用にもならないが、無力な少年ならそれだけでも簡単に命を奪えるだろう。
……アリシアの表情が緊張で強張った。
「へへへ……形勢逆転ってやつだな。動くなよ」
「卑怯な……」
山賊の要求に、アリシアが唇を噛む。
いつでも飛び出せるよう、山賊から気付かれない自然体でしなやかな美脚へ力を籠めたが、距離が遠い。
男はアリシアが危険だとしっかりと理解し、どうやっても彼女が届かない遠間から話していた。
「変な気は起こすなよ? こんなチンケなナイフでも、ガキの首を刎ねるなんて簡単なんだ……それとも、犠牲を出してでも俺たちと戦うか?」
「くっ」
今度はアリシアが唇を噛む番だった。
距離が遠い、人質が居る……見捨てることが出来ない性格が災いし、表情が悔しさを物語る。
山賊たちはそんなアリシアの様子を見て、ようやく安心したようにニヤニヤと笑った。
(護衛の騎士たちの避難誘導に漏れがあったのか……ッ)
アリシアの立場から護衛が付くのは当然で、しかし彼女は姫を守護するという騎士たちの進言を「今は村人たちこそ守るべきだ」と振り切って村へ来ていた。
自分の力量を理解し、山賊程度には遅れは取らないと判断しての事だ。
さらに言えば、自分を守るための手勢を村人の保護に回せば生存する可能性が高くなると考えての事でもある。
しかしそれが裏目に出た。
確かにアリシアは一人で山賊たちを圧倒したが、しかし生き残りが居たことで今度は一人では対処できない問題に直面したのだ。
「さぁて。まずはその物騒な剣を捨ててもらおうか」
「…………っ」
山賊の要求は分かりやすかった。
村人の為に武器を捨てるか、それとも村人を見捨てて山賊と戦うか。
(……そんな事、出来るはずがないっ)
アリシアは自分の中にある正義に従い……剣を手放した。
彼女はこの国の姫であり、自国の民を見捨てるという選択肢を選べなかったのだ――。
・
・
・
「くっ」
アリシアは、自分が今どこに居るのかが分からず舌打ちをした。
場所は山賊たちがねぐらとして使っている場所で、先ほど焼かれた村からは馬で数十分という場所にある。
深い森の中、その中で獣が作った洞穴を拡張したお世辞にも過ごしやすいとはとても言えない場所。
彼らはそこに近隣の村々から奪ってきた食料や貴金属を蓄えている。
……アリシアがそんな分かりやすい洞穴の場所が分からないのは、目隠しをされているからだ。
それどころか両手は後ろに回されて手首の位置で縛られ、両脚も足首だけでなく膝などの関節までしっかりと荒縄で固定されてしまっている。
口は自由に動かせるが、周囲の状況が分からないのでは大声を上げても自分が不利になるだけだろう。
彼女に出来るのは耳から得られる音という情報のみで、自分の居場所、状況など何も分からない。
(くっ、なんとかこの拘束が外せたら、あんな奴らになんか負けないのに……っ)
人質さえいなかったら、護衛の騎士たちが居たら。
そうすればアリシアは負けなかっただろう……が、そんな『もしも』の考えなど無意味だ。
今現在、彼女は手足を縛られ、武器を奪われ、視界さえ封じられた完全に無力な存在なのだから。
それよりも。
(なんとか外部と連絡を――きっと、近くを護衛の騎士たちが探しているはず)
彼女はまだ、自分が先ほどの村の近くにいるのだと思っていた。
視界が塞がれていることで外界の情報が失われ、現在位置を完全に見失ってしまっているのだ。
そんな哀れな姫騎士は、なんとか外部へ自分の居場所を知らせる方法を思案しながら、まずは拘束を外そうと床の上でモゾモゾと藻掻いていた。
拘束された肢体がイモムシのように石床の上を這うアリシア。
凛々しい姿で山賊を圧倒していた姿などどこにも無く、哀れに悶える女の姿……そうすればただでさえむっちりと肉付いた肢体が床に潰れ、拘束している縄が食い込み、より一層煽情的な姿を晒してしまう。
それにも気付かず、アリシアは逃げ出すために床の上で悶え続けた――。
「く、ふ……」
(この縄、あ、アソコにも……)
悶えていると、次第にアリシアの目隠しされた美貌が赤くなってきた。
息苦しさや疲労ではない。
悪辣な山賊たちは彼女を縛る際に、荒縄の一本を股間にも通していたのだ。
手足を縛り付けているモノと同じ感情で太い縄が、身動ぎをするたびに下着越しにアリシアの股間――女性器を擦り上げ、嫌でも刺激を感じてしまう。
しかも、それは下着越しというのが更に最悪だった。
間に薄いとはいえ布を一枚挟んだせいで痛みは無く、無視できない刺激だけを股間に感じてしまう。
アリシアに拘束や露出の趣味は無いが、しかし股間を刺激されて何も感じない不感症という訳でもない。
縄を解こうと身悶えれば、それに応じて荒縄が股間を擦り上げ、女性器と、いまだ包皮に包まれているクリトリスに鋭い刺激を感じてしまうのだ。
「ふ、ぐ……うぅ……」
逃げようと動けば股間を刺激され、動かなければ逃げられない。
……そんなアリシアは股間を刺激してしまうと分かっていても、動かなければならない屈辱に耳まで赤くなった。
(大丈夫、私以外の皆は無事のはず。必ず助けが来る――)
山賊たちの気配がなくなって十数分が経った。
逃げる算段はまだ思い浮かばないけれど、部下の騎士たちが無事なのは絶対だ。
ならば山賊たちが隙を見せた時に外部へ自分の居場所を知らせる方が、重要だろう。
アリシアがそう考えていると、鋭い聴覚が自分の方へ近付いてくる足音を拾った。
(誰か来る)
アリシアがそう身構えると、ドアが開くと同時に多くの足音がより鮮明に聞こえた。
数は5人ほど。
生意気な女騎士を捕まえたことで興奮しているのか、全員がワイワイと騒いでいる。
……その足音の内の一つがやけに小さい音を立てていることに気付くと、一人は子供だとすぐに分かった。
(そう騒いでいられるのも、今の内だっ)
アリシアは強くそう思うことで自分を奮い立たせると、声がする方へ顔を向けた。
目隠しをされていて山賊たちの顔は分からないが、しかし舐められたくないという気持ちから強気な表情を作る。
「子供を人質にするなんて、何て恥ずかしいヤツ……っ」
「おいおい……目隠しをしてるのによく気付くな。王女様なのに前線へ出てくるくらいなんだから、よほど鍛えてるんだな」
山賊は驚いたように言ったが、しかしその言葉がアリシアの想像通りの状況なのだと裏付ける情報となり、姫騎士は唇を噛んだ。
人質が居たのでは、うかつに抵抗するのも難しい。
「うぅ……」
「暴れるなよ? 今、子供の首に刃を当てている。お前が暴れたら、俺たちは驚いてこの子供を傷付けちまうかもなあ」
「本当に最低だなっ」
「なんとでも言いやがれ。それでお前を捕まえられたんだから、このガキは俺たちにとって神様みたいなもんだ」
「まあ、神様も役に立たないなら殺すしかないんだけどな」
「ひぃっ!?」
山賊たちが興奮しながら口調を荒げると、それに混じって少年の悲鳴が聞こえた。
彼らは少年の首に手斧の刃を強く押し当てて、無理やりに悲鳴を上げさせたのだ。
「やめろっ! その子に何かしたら、絶対に許さないぞっ!」
アリシアが鋭い口調で言うと、場の雰囲気が緊張した。
だが、ここで引けば山賊たちはこれからも少年を人質にしてアリシアへ強硬な態度を示してくるだろう。
だが山賊たちは、アリシアの弱点をよく理解していた。
姫騎士として最前線に立ち、民に愛される者。
民を大切にしているからこそ、民から好かれる存在――それは国の内外に轟いてしまっている。
「わかってるって、そういう態度を見せるってのは」
「でもなあ、俺らが心配なのはお前だよ、アリシア王女。お前が抵抗するなら、人質のガキに価値なんてねえからよぉ」
……山賊たちはアリシアの性格をよく理解していた。
どれほど強固な態度を示そうと、最後には民を見捨てられない甘さを。
「くっ、下劣な……っ」
「安心しろよ。お前が抵抗しなければガキには手を出さねぇ」
山賊の男たちはアリシアの反応を楽しみながら、そう言った。
その雰囲気を察して、アリシアは少年を巻き込まないという選択肢がすでに消えていることをいまさらながらに理解する。
……同時に、これからも少年を盾にするだろう彼らの態度が透けて見え、屈辱に表情を歪ませる。
そんな会話の最中、目隠しをしたアリシアに気付かれないよう山賊の一人が懐に手を入れた。
取り出したのは、何処にでもあるような香炉だ。
中に火を入れたお香を入れておく道具。価値としてはそれだけのもの。
「?」
(いま、なにかを床に置いた?)
アリシアの敏感な聴覚は会話の中でも些細な物音を聞き逃さず、音がした方へ視線を向ける。
山賊たちは気にしない。
もう彼女には何もできないのだと理解しているからだ。
「ま、しばらくは牢屋暮らしを楽しんでくれや」
山賊たちはニヤニヤと笑いながらそう言うと、あっさりとアリシアが居る部屋を出ていった。
「お、おねえちゃん……うぅ……僕のせいで……」
村のために戦ってくれていたアリシアが剣を手放した理由が、自分が人質になってしまったからだと理解している少年はそれが悲しいようだ。
泣き声が聞こえて、アリシアはそちらを向いて微笑みを浮かべる。
「私は大丈夫だから、自分の身を大切にるするんだ。いいな?」
「う、うん……」
手足を縛られ蟲のように床へ転がさても諦めていないアリシアの様子に、少年が勇気づけられる。
涙が止まり、無言だがしっかりと頷くとアリシアは気配でソレを察して安心させるよう自身も力強く頷いた。
……それを見届けてから、山賊たちは笑いながら部屋を出ていった。
「ふぅ……人質が居るとなると、迂闊に抵抗できないな」
そう考えながら、アリシアはくん、と鼻を動かした。
(それにしても、何の匂いだ? 嗅いだことが無い匂い……いったい何をするつもりだ?)
どれだけ力を込めても手足を縛っている縄は解ける気配がなく、今のアリシアに出来ることは何もない。
だから必然的に新しく得た情報――謎の匂いに意識が向いてしまう。
目隠しをしているので香炉は見えていないが、しかし室内の匂いが変化したことだけは敏感に察していた……。
・
・
・
それから十数分後。
「はぁ、はぁ……んっ、ぅぅ……」
(さっき、から……なん、だ……? 身体が……からだが、あつぃ……)
アリシアは全身から汗を噴き出しながら、顔を真っ赤にして床の上で悶えていた。
縄を解くためとか、部屋から逃げ出すためではない。
縛られた身体を動かさないと、身の内から湧き上がってくる欲求を我慢できないのだ。
まるで熱い湯に身を浸しているように身体が芯から熱くなり、何もしていないのに汗が噴き出してくる。
その量は服を湿らせるほどで、汗を吸って濡れたレオタードが肌に張り付くささいな感覚でも敏感に感じてしまうほど。
呼吸が乱れてさらに大量の匂いを強く吸い込めば、瞳の奥で火花が散ったような錯覚すら覚えてしまう。
「ふ、あ……はぁ、はぁ……」
我慢できない。じっとしていられない。
この部屋の中に居るだけでどんどん体温が高くなっていき、乱れた息を一秒だって整えることが出来ない。
目隠しをされたことで敏感になった神経が、体内で脈動する心臓の鼓動を煩いほど近くしてしまう。
同時に、火照った全身とはまた別に、異様に敏感になっていく箇所があることに気が付いた。
胸だ。
「ふーっ……ふーっ……」
(アイツらの、思い通りになど……)
悪辣な山賊たちの顔を思い浮かべ、敵愾心を増そうとするアリシア。
あんな連中の思い通りになってたまるものかと、意志を強く持つ。
……なのに、呼吸するごとに胸が熱くなり、その先端は何もされていないのにレオタードの白い生地を持ち上げるほどまで硬く勃起してしまっていた。
時間の経過とともに全身がどんどん敏感になっていき、目隠しをされたことで外部の情報を得られない弊害から――アリシアは自身の変化ばかりに意識を向けてしまうのだ。
「この、匂い……の効果、という訳か……」
アリシアはすぐに、自分の体の変調の原因がこの匂いにあると気が付いた。
目隠しをされているアリシアには見えていないが、今や、彼女が居る牢獄の中は薄桃色の煙で充満してしまっている。
逃げ場など無く、この部屋の中に居ればどうしても煙を吸い込んでしまう状況なのだ。
そうとは気付けないアリシアは何とか少しでも煙が薄い方へ逃げたいという思いから身体を動かすが、それはまるで煙の中で悶える地を這う虫そのものの動き。
状況に気付けず、ただただ逃げ惑う無力で哀れな存在にしか見えなかった……。
「ふう゛う゛ぅぅうっ!?」
その時だった。
動いた際に運悪く胸が床に当たり、レオタード越しに乳首が硬い石床と擦れたのだ。
……たったそれだけなのにアリシアは獣のような嬌声を上げると、目隠しの奥で目を閉じる。
自然と喜悦の涙が溢れ、頭の中が真っ白になり、ジィンとした重い刺激がいつまでも胸の奥に残る。
(い、今のッ……まさか、バカな……床で擦れた――)
「だけぇっっ!?」
あまりの気持ち良さにアリシアの身体が勝手に、我慢する暇を与えずまた身動ぎをした。
「はあ、はあっ!!」
(こ、こんなっ!? 床に擦るだけで……こんな、無様ぁ……あ、また――)
それを知ってしまうと、もう駄目だった。
そのままアリシアは床へ胸を押し付けながら身動ぎを繰り返すようになり、それはまるでなんでもない床を使ったオナニーそのもの。
凛とした表情が真っ赤に染まり、山賊相手に啖呵を切っていた口からは熱く火照った嬌声だけが漏れるようになる。
全身を縛られた不安定な体勢で、それでも必死に胸を床に擦り付けようとする無様を晒しながら、けれどそれを我慢できない。
我慢しようとしても身体が言うことを聞いてくれないのだ。
「オ゛っ、おオォッ!? ホおぉぉつ、お゛ほッ」
(息、を……止めても……)
何が駄目なのかなんて、すぐに分かった。
煙だ。
部屋に充満している煙。この甘い匂い。
「ふお゛っ、お゛っ、オ゛お゛っ」
(いき、息っ、とめ……ッ! ダメだ、身体っ、燃える……ッ)
本当に、自分の身体が燃えてしまいそうだと錯覚した。
それほどまでに全身が熱くなり、身体の芯が火照り、興奮が止まらない。
火照りの原因である煙を吸わないよう息を止めても、生きている以上、ずっと呼吸を止めておくことなど不可能だ。
縛られた手足を動かせないのでは変な匂いが充満する部屋から逃げられず、アリシアは何度か呼吸を止めたが、すぐに荒い息遣いになってより大量の匂いを体内に取り込んでしまった。
そのたびに頭の奥がクラクラするほどの激しい脱力感――酩酊に近い解放感を覚え、石床の上に転がったまま肢体をビクビクと震わせた。
呼吸するたびに身体の熱が上がり、さらに大量の汗が噴き出す。
汗を吸ったレオタードが肌に張り付けば、レース地の白布は汗を吸ってその下にある肌色を透けさせ、前面ではその下にある無毛の肌色まで見えてしまっている。
同時に、荒縄が通った股間はその締め付けをより強くし、陰唇の谷間へ激しく食い込んでいた。
「この煙っ……吸ってはダメ、なのに……」
そうと分かっていても呼吸は止められない。
「ふっ、フッ……ハァ……」
せめて少しでも長く耐えようと、呼吸は短く浅く――けどそれでも、身体が熱い。ほてりがどんどん強くなっていく。
全身を縛られ、目隠しをされた金髪美女が呼吸の度に全身を震わせ、床の上をもどかしそうに転がる。
そうすると必然、着ているレオタードが汗を吸って肌に密着し、自分を縛っている縄よりもずっと硬い石床に身体が擦れた。
「はふ……ぅ……ン……」
無意識だった。
目隠しをされたアリシアは自分でも気付かないまま腰をヘコヘコと上下させ、自分を縛っている縄に股間を擦り付け始めたのだ。
胸は石床に潰れ、股間は麻縄で刺激される。
その刺激をより強くしようと姫騎士は無意識にうつ伏せになった。
硬い床に身体を押し付け、身悶える。……それはまるで本物のイモムシにでもなったように、第三者が居れば感じただろう。
しかしアリシアは必至だ。
抵抗の言葉も逃走の思考も霞の奥に隠れ、息を乱しながら必死な様子で硬い床に身体を押し付ける。
……そうして次は、身体を揺らしだした。
「ふぅ、はぁ、ふぅ、ふぅぅ……」
(息、止めるなんてムリ、だ……っ)
呼吸の度に思考が乱れ、身体が勝手に動いてしまう。
全身の熱を発散できないまま時間が過ぎていけばどんどん腰の奥に熱が溜まり、もどかしくてたまらない。
そのもどかしさを解消しようとさらに強く身体を床へ押し付ければ、必然、鍛えられたしなやかな美肢体の中でより男性の視線を集める豊乳が荒縄に絞られて強調され、石床で潰れ、目が眩むほどの快感を生み出した。
「はぐ……ッ」
頭の奥に雷撃を喰らったような鋭い刺激と共に、目隠しの奥で美しい碧色の瞳を見開いた。
あまりにも強すぎる刺激に、一瞬何が起きたのか分からないまま身を強張らせてしまうアリシア。
「はぁ、ふぅ、ふぅ……いま、の……」
そのまま無意識にさっきの刺激を再現しようと床へ胸を押し当てると、また頭の奥で火花が散り、股間がキュウッと荒縄を食んだ。
それだけで股間からも鋭い快感を覚え、全身が震え、悶えてしまうアリシア。
――それを知ってしまうと、もう駄目だった。
「ふっ、ぅぅ……んぅぅ……ふォォ……オホっ」
小さな身動ぎに合わせて姫騎士の口からは可憐という表現からは程遠い発情した雌の息遣いが漏れ、同時に全身が小刻みに痙攣し始める。
うつ伏せになって胸を押し付ける。
身体を揺らして自重で乳首を押し潰す。
動かせない肢体を何とか使ってより強い刺激を得ようとする姿は、焼け落ちる村で山賊相手に凛々しい剣技を疲労していた姫騎士と同一人物とは思えない浅ましさがあった。
しかし、アリシアは気にしない。
気にする余裕がない――煙を吸った頭は思考能力が薄れ、今の彼女は自分が気持ちなることでいっぱいなのだ。
「はあっ、はあ……っ、こん、な……ふぅ、ふぅぅ……ッ」
だがそれでも、限界はある。
胸を床に押し付けるだけでは快感が弱く、物足りない。
気が付くと金髪の姫騎士は床に胸を押し付けるだけでなく、腰まで揺らすようになっていた。
けれどこちらは鍛えられたむっちり太腿が邪魔をして股間が床まで届いていない。
ただただ情けなく腰を上下にヘコヘコ動かして、荒縄で股間を擦るだけだ。
荒縄自体が動かないのだからその刺激も微々たるものだ。
煙を吸って発情した女性器からは挿入を求めるような大量の愛液が溢れているにもかかわらず、触ることすらできない。
精々が女性器の入り口と、濡れて透ける純白レオタード越しにも見える陰核の表面が硬い荒縄で擦れる程度。
気持ち良い、確かにそれだけでも腰の奥が痺れるくらい気持ちがいいけれど……。
「――っ……! ――――ッッ!!」
(たら、ないっ! あと少し、なのにっ!!)
絶頂に届かない。
より気持ちいい快楽の極みを知っているからこそ、アリシアは今の絶頂寸前で焦らされている状態がもどかしく――苛立たしくてたまらなかった。
歯を食いしばり、顔を真っ赤にしながら床に胸を押し付け、鍛えられた大きいお尻を上下に動かすアリシア。
敏感になった身体から伝わってくる情報で、分かってしまう。
「フウッ、ふうぅうっ、ン゛んんんっ」
(くそ、これ……っ、クリがギリギリ触れる位置――縄のコブ、ワザとイけないようにされて……っ)
「ふ――グゥゥゥッ!?」
そうと分かっても必死に腰を動かしてしまうアリシア。
情けなくて、みじめで、屈辱なのに。なのに頭の中は気持ちなる事ばかりを考えてもっと激しく腰を振れば、運良く荒縄のコブがクリトリスへ当たった。
「はオっ!?」
クリトリスへの浅い刺激だったけれど、今のアリシアにはそれで十分だ。
脳どころか背骨まで痺れ、多幸感に満ちた開放感から全身が脱力した。
腰の痙攣が意志から離れて激しくなると同時に頭の中が真っ白になり、股間からは驚くほど大量の愛液が溢れ出す。
直前まで焦らされていたということもあって、気持ち良すぎて堪らない。
頭の中が幸福でいっぱいになり、アリシアは目隠しの奥で瞳を裏返し、大量の汗と一緒に口から涎を垂らしながら――やっと絶頂出来た。
のに。
「なん、だ……っ。これっ、えっ!」
(イった、のに……っ。腹が、もっと疼く……っ、疼いてっ)
ようやく絶頂出来たと安心する暇もなく、アリシアは更に熱くなっていく胎の奥の変化に動揺した。
一度の絶頂では収まらない。
一度の絶頂では物足りない。
いや、一度絶頂してしまったからこそ、もっと絶頂したい、もっと気持ち良くなりたいという欲求がさらに強くなってしまう。
表情からは完全に余裕が失われ、歯を食いしばりながら必死に後ろ手に自分を縛っている荒縄を引き千切ろうと暴れ出す。
けれど無理だ。
荒縄は彼女の手首を傷付けるだけでビクともせず、むしろその痛みすら今のアリシアは気持ちいいと感じてしまう。
「こんなの、こんな、っ」
(もえ、燃える……身体が燃えそう――これが、匂いの効果……っ!?)
アリシアは自分の身体の変調を強く自覚しながら、我慢できずさらに強く、激しく、身体を石床に擦り付け、全身を揺らして荒縄で肌を刺激し続けた。
だがそれで得られる快感など微々たるものだ。
股間は更に熱くなり、何もされていないのにレオタードの下からはとめどなく愛液が流れ出している。
(こんな事、私は我慢してみせる……っ)
山賊たちの思い通りになどなってなるものか。
高潔な姫騎士の精神は彼らの目的を理解し、絶対にそんな地帯など晒すものかと強い意志と精神力で自制しようとした。
歯を食いしばり、手の平に爪が食い込むほど強く拳を握る。
痛みで自制心をさらに高めようとした……のもほんの十数秒だけだ。
「はぁ、はあ……っ!?」
身体の方は気持ち良くなりたい一心で姫騎士の意思を裏切り、ほんの僅かに腰をヘコッと上下させただけでその自制心は簡単にひび割れる。
ほんの僅かな動き。
たった一度の快感。
――それだけでアリシアは目隠しの奥で瞳を見開き、眉をハの字に垂らすと唇の端から涎を垂らしてしまう。
「ふぅっ、ふぅっ、うぅぅうぅっ!!」
(だめ、なのに……っ。とまって……っ。誰か、止めてっっ!!)
アリシアは歯を食い縛って必死に我慢しようとするが、腰が勝手に動いて止まらない。
縛られて抵抗できないということもあって自分ではない何者かに助けを求めてしまうが、当然、その言葉を聞いてくれる者もいないのだ。
金髪の姫騎士は長い時間、腰を情けなく振りたくってクリトリスを荒縄へ擦り付けようとするが、しかしそれも難しい。
先ほど絶頂出来たのは『運が良かった』と、強く思い知らされる。
目隠しをされている彼女は頭の中では必死に抵抗しているつもりだが、石床の上でうつ伏せになったまま激しい腰振りを披露している状況などまるで認識できていないようだ。
「はぁー……はぁー……」
(イケ、ない……これ、これだけじゃ、イケない……っ)
荒縄は確かに股間の上を通るように縛られていたが、腰を激しく振るとどうしても局所――クリトリスから外れてしまうのだ。
しかし弱い腰振りでは絶頂出来るほどの強い刺激とならず、もどかしい気持ちが募ってしまう。
運良くクリトリスが擦れてくれることを期待して激しい腰振りを続ければ、鼻息が荒くなり、涎を垂らしながら……絶頂出来なかったもどかしさにアリシアの表情は疲弊してしまう。
そんな表情とは裏腹に、絶頂をおあずけされた股間はお漏らしをしたみたいにクロッチ部分の全体がずぶ濡れで、その下にある無毛の肌色と、興奮に膨らんだクリトリスが浮かび上がってしまっていた。
そうと分かっていても止まらない腰は絶頂を求めて別の生き物のようにヘコヘコと情けなく動き続けてしまう――。
――と
「よお、どうだ。いい匂いだっただろ?」
ドアが開くと音共に、山賊たちが入ってきた。
「随分と熱中してたみたいだなあ?」
「……イケない、これ、これ……っ」
絶頂をずっとおあずけされているアリシアは山賊たちが来たことにも気付かず、情けなく地べたに這いつくばったまま腰を揺らし、胸を床に押し付けていた。
その姿はもう、誰がどう見ても『姫』騎士として国民全員から慕われていた美女とは思えない情けないものだ。
「チッ――返事っ、くらいしろよ!!」
その反応が面白くなかったのか――山賊の一人が足を振り上げると、力強くその大きくと形の整ったお尻を力強く踏みつけた。
「ホッ、お゛っ!?」
瞬間、情けない腰振りだけでは絶対に得られない、痛いほど鋭い刺激を臀部を通して腰の奥、胎の中、そして陰核に感じてアリシアが一国の姫とは思えない野太い悲鳴を上げた。
ゾクッと背筋が痺れ、あまりにも強すぎる刺激に鍛えた筋肉を総動員して腰を持ち上げる。
クリトリスが壊れたと思った。
それくらい陰核を石床で潰す刺激は強すぎて、アリシアは怖くなる。
――恐怖した。
気持ち良すぎるのが怖かった。
「や、やだ――これっ、おかしく――お゛ぎぃっ!?」
しかし山賊は気にしない。
縛られた格好で必死に腰を持ち上げるアリシアを見下ろしながら足を振り上げ――踏む。
「ふギャァアアアッ?!」
踏む
「ひぎぃぃぃっ!?」
踏む
「やべぇええっ、やべでっ、やべでぇええええっ!?」
踏む踏む踏む踏む踏む。
虫でも潰すように何度も何度も何度も何度もアリシアのケツを踏み、そのたびに彼の足元からは王族とは思えない、場末の娼婦、格安の商売女でもあげないような汚い悲鳴が上がった。
「あっ、だめっ、ぞれっ⁉」
(クリッ、潰れっ!?)
踏まれたことで今までほとんど触ることが出来なかったクリトリスが床に密着し、アリシアはあまりの刺激にあっさりと絶頂した。
一瞬で脳が快楽に焼かれ、バチバチと瞼の奥で火花が散り、咄嗟に床へ顔を伏せて表情を隠す。
「おらおら、どうした? また生意気な声を聞かせてくれよ、王女様?」
「あ、だめ――イく、イ――ふぎぃい~~~~ッ!?」
しかしアリシアはその言葉に返事を返す余裕もなく、尻を踏まれてクリトリスを自重と硬い石床で潰しながら絶頂してしまう。
レオタードに合わせた純白のニーソックスに包まれた足指を強く丸めて我慢しようとしたのも一瞬――床に伏した彼女の股間から、水音と共に淫液が流れ出てくる。
勢いよく潮を吹き、石床に黒いシミを作りながら山賊の足の下で優美な王族の美肢体が痙攣する。
何度も何度も痙攣し、山賊がグリグリとさらに力を込めてお尻を踏めば、吹いた潮が一メートルほど遠くまで飛んでしまうほど。
「や゛めっ、も゛っ、や゛め゛え゛ろぉぉおおっ!?」
アリシアはようやく、誰かが自分を踏んでいるという事実に気が付いたようだ。
目隠しをされたまま驚いた顔で背後を見る――。
「流石の効果だな。王都じゃ高値で売られているだけの事はある」
「や、やら、もうやめ――っ!? あっ、また――またイく、ぅぅううぅうぅっ!?」
山賊たちはこの香炉――媚薬のお香を、王都へ向かう承認を襲って入手していた。
依存性が高く、即効性もあり、女を食い物にする貴族たちによく売れる――まだ一部でしか知られていない媚薬香だ。
その効果は清楚なシスターでも嗅ぎ続ければ理性を失い、色狂いへと変貌してしまうほど。
それはアリシアも例外ではなく、高潔な姫騎士はまだ理性こそ失っていないが、身体の方はもう快楽へ従順になってしまっている。
……今は尻を踏まれていないのに刺激を思い出しただけで絶頂し、アリシアの股間を中心に出来上がった淫液の水溜りがその規模を大きくした
「ああっ、またイくぅ!! やら、止まらなひ! なんれ、またぁあぁアアッ!?」
姫騎士は山賊に尻を解放された後も三度、四度と絶頂の潮を床に撒き散らした。
それが面白くて山賊たちは代わる代わるに純白のレオタード一枚に守られたアリシアのお尻を踏みにじり、力を込めて姫騎士のクリトリスを床へと押し付ける。
「もっ、やだぁ! やめてっ、やめなさ――っ!? もうイきたくな、ンあ~~~~っ!?」
アリシアが悲鳴を上げるたびに石床には黒いシミが広がり、まるで水溜りのような楕円形へと広がっていった。
「はぁ……はぁ……」
それが十数分も続くと流石にアリシアの体力も尽きたのか、反応が鈍くなった。
山賊たちも姫騎士の痴態を見て満足したのか、にやにやと笑いながら……部屋を後にする。
ただ、その際に新しい航路を三つ、追加してだ。
「あ……まっへ……まってぇ……」
これまでの人生で初めての、数えきれないほどの絶頂を経験したアリシアは遠ざかっていく山賊たちの足音がした方を向いて声を上げた。
もはや呂律が回っておらず、声も小さい。
山賊たちはその声を無視して、ドアを閉めた。
「この匂いだけでも、この匂いだけでも止めてぇ!!」
アリシアは叫んだが、それはもうドアが閉まった後だった。
……その数時間後。
「こりゃヒデェな……」
にやにやと笑いながら、山賊たちがまた部屋を訪ねてきた。
「おっ、お姉ちゃん!!」
今度は人質の少年も一緒だ。
もしまだアリシアに理性が戻っていて、抵抗された際の切り札として連れてきたのだが……。
「お゛ぉォっ!? ほお゛んっ、はへ、ヘッ、へひ……はひ……こ、え……」
そこには、床に転がってビクビクと痙攣し、山賊の気配を察しても顔を上げるのが精いっぱいという様子のアリシアの姿があった。
全身から大量の汗を噴き出している姿は、快楽に悶えているのか、脱水症状で動けないのか判断に困るほどひどい様子だ。
山賊たちに剣を向けていた凛々しい姿は完全に失われ、この場に自分以外の他人が居ると理解していても腰を動かして床オナをする動きを止められていない。
「返事もできないくらい弱ってるみたいっすね」
山賊の一人が言うと、別の男がフンッと蔑むように鼻を鳴らした。
「まだまだ――それでも、俺らより何倍も強いさ。あと半日はこのままだな」
アリシアにとって死刑宣告にも等しい言葉をサラッと口にすると、山賊は少年を捕まえていた手を離した。
「お姉ちゃん!!」
少年はすぐにアリシアの元へ駆け寄ると、彼女の傍に座り込んだ。
もはや人質は必要ないという判断――だけでなく、アリシアを篭絡する次の段階に移るためである。
少年は何も知らないままニヤニヤと笑っている山賊たちと目隠しをされているアリシアの顔を交互に見た。
「今夜はここで寝やがれ。食いモンはここに置いとくぞ」
「死なれたら売りモンにならないからな。ちゃんと飯を食わせてやれ、わかったな?」
それだけだった。
殴られるでも脅されるでもなく、山賊たちは本当に人質の少年と救出者の姫騎士を同じ部屋に置いて、出ていったのだ。
「???」
少年は不思議に思ったが、世間を知らない彼は山賊たちが何を考えているかなど当然、気付けなかった。
山賊たちが居なくなると薄桃色の煙が霧のように立ち込めた牢屋の中にアリシアの荒い呼吸音が響くようになり、その存在を思い出す。
「そうだ! お姉ちゃん、今、縄を解いてあげるからねっ」
少年は善意からそう言うと、すぐにアリシアを縛っている縄を解き始めた。
自分が人質になっていないなら、この格好いい女の人がきっと助けてくれる。
そんな希望に満ちた表情で、硬く結ばれた荒縄を懸命に解いていく少年。
「……はあ、はあ……だめ……イけない……じぶんじゃ、イけない……」
アリシアが繰り返している言葉の意味も理解できないまま、それでも彼は一生懸命、アリシアのために麻縄を解いた――。
(あ、縄が……)
アリシアは久しぶりに自由になった手足の感触に、嗤う。
「よしっ! おねえちゃん、これで――」
手足の戒めが解放され、待ち望んでいた自由が手に入ったアリシア。
彼女はその手足で愛用の武器を捜す――のではなく。
「お姉ちゃん……?」
アリシアは火照った身体を必死に動かして起き上がると、目隠しを取った。
美しい碧眼が威圧感を纏って周囲を見回せば、すぐに傍で自分を助けてくれた少年を見付ける。
「ふーっ、ふー……っ」
「お、おねえちゃ……んむぅ!?」
その表情からは完全に余裕が失われ――言葉を変えるなら、完全に発情していた。
当然だろう。
数分嗅いだだけでも自慰をしてしまうほど濃密な媚薬香が充満する部屋に数時間も閉じ込められていたのだ。
アリシアの高潔な精神は完全に蕩けてしまい、今、彼女の頭の中にあるのは気持ち良くなりたいという気持ちだけ。
その本能のまま少年の唇をキスで塞ぐと、当然、少年は暴れ出した。
「むぐっ!? おね、ちゃ!? なにを、やめ――」
「フウッ、ふうぅっ!!」
しかしアリシアは逃がさない。
暴れようとする少年の後頭部へ手を回して両手で固定すると、貪るように舌を伸ばして自分の半分ほどの身長しかない少年の唇を蹂躙したのだ。
発情の唾液でまみれたアリシアの舌が小さくて可愛らしい少年の舌を補足すると、まるで獣のように口内で蹂躙する。
アリシア自身もキスの経験は無かったが、しかし本能が勝手に動き、少年の下だけでなく綺麗に並んだ白い歯、舌の裏、頬の裏まで舐めしゃぶる。
刺激によって滲んだ唾液は水分として嚥下し、ごくごくと舌を鳴らしながらブチュブチュと浅ましい音を立てて異性――年端もいかないいたいけな少年の口内を貪る姫騎士。
その瞳はもはや少年を子供と見ておらず、まるで獲物を見る獣のような鋭さだ。
間近でそんな視線を向けられたただの村人でしかない少年は身が竦み、動けなくなる。
しかしそれでも今が異常な状態だと気付き、身体が本能的にアリシアを押し退けようとした。
――が、アリシアはびくともしない。
鍛えられた女の肉体は柔らかさの奥にしっかりとした筋肉の質感があり、子供の細腕ではどれだけ暴れても抗う事など不可能だ。
「んぶっ!? ンンッ!? んっ――やだ、やめっ!? お姉ちゃんっ、何するの!?」
キスの合間に悲鳴を上げるが、アリシアは無視した。
それどころか更に激しく舌を使うと、少年の口内から唾液を掬って呑み込んでしまう。
「はあっ、これっ、すご――床より暖かくて、柔らかくて、ドロドロしててっ」
「なに言って……? やだ、ヤダよお姉ちゃん!! やめ――んむぅっ!?」
アリシアは我慢できず、少年を床に押し倒した。
逃げられないように自分の肉体と床で少年の小さな身体を挟むと、自由になった両手で少年の服を破り裂いた。
まだ何も鍛えられていない、筋肉なんてほとんど無い柔らかい少年の肌が露になる。
アリシアはそんな無垢な未成熟な身体を見下ろすと、その笑みが深くなる。
「や、やだ、やだぁ……」
獰猛な獣同然の笑みを見た少年が怯えた声をあげる。
……桃色に煙った生暖かい空気が肌を撫で、火照った身体に気持ちいい。
自分は服を脱ぐ暇も惜しんで少年に覆い被さると、子供の細い首筋、そして胸元へとキスをした。
「もうやだ、やめてよ、やめてぇ……」
少年が泣きながら懇願する。
彼は自分に何が起きているのかも分かっていなかった。
あの優しく微笑んでいて、とても強かったお姉ちゃんが自分を襲っている理由なんか、理解できるはずがない。
ただ怖くて、怖くて、恐ろしくて泣きながら、少年はアリシアに声を掛ける。
しかしアリシアは――
「ああ……くさ……なにこれ、くっさ……」
そのまま顔を下げると、少年のパンツ……股間に鼻を押し付けた。
子供とは言え男らしい汗の匂い。
パンツ越しにも感じる自分には無い雄の象徴の存在感にアリシアは表情を緩めると、まるで獣が求愛するように美貌を子供の股間に何度も擦り付ける。
そうすると当然、この行為の意味も分からない年齢だとしても、少年の股間がどんどん硬くなってきた。
ズボンが膨らみ、その存在感にアリシアの眼が輝く。
「あは――」
アリシアは嬉しさに破顔すると、乱暴にズボンを掴んで――一気に引き下げた。
現れたのは限界まで勃起していてもまだまだ小さい子供のおちんちん。皮も被っていて、その全容が隠れてしまっている。
「あぁ、ごめんね、ごめんねっ」
その幼貌を見て、アリシアは少しだけ理性を取り戻した。
(私、なにをッ――でも、これ)
「おいし……これッ、臭くて、美味しい……!」
が、それはほんの僅かだけだ。
幼いとはいえ男性器を見たことで更に欲望は高まり、精液の味をするとあっという間に理性なんて吹き飛んでしまう。
「ごめんねっ、ごめんなさぃぃいっっ!」
「や、やめて――そんなところ、汚いよぉ!?」
アリシアは謝罪しながら、我慢できなくなって少年のペニスにむしゃぶりついた。
成人女性の口なら簡単に呑み込めてしまいそうなほど小さくて細い男性器だ。
あっという間にその姿はアリシアの口内に消えてしまう。
「ンぶっ! ンふっふっ、ぅフゥッ!」
だというのにアリシアはそんな細くて小さい男性器を、鼻息を荒くし、水音を立てながら舐めしゃぶった
包茎ペニスを躊躇なく頬張ると、唾液をたっぷり乗せた舌を器用に使って皮を剝いてやる。
その刺激は性行為の基本的な知識すら知らない少年にとって、強すぎた。
痛みすら覚える激感に驚くと、涙を流しながらアリシアから離れようと自分の股間にむしゃぶりついている彼女の頭を両手で圧す。
しかしアリシアは離れない。
まるで色に狂った獣のような必死さで少年の股間を舐めしゃぶりながら、鼻息を荒くして腰に手を回して必死に喰らいつく。
「やだ、ヤダっ!? 誰か助けて! 誰かぁアアッ!」
少年は必死で泣き叫んだが、アリシアは止まらない。
更に鼻息を荒くして一心不乱に少年の股間を舐めしゃぶる。
そうすればさらに大量の媚薬香を吸い込んでアリシア本人の興奮度がさらに上がり、彼女は本能から精液を求めて少年を追い詰めていく。
「はっ、はっ、はっ! これっ、コレッ、早くッッ!!」
「ダメだよおねえちゃん!? おしっこでる、でちゃうぅぅぅっ!?」
少年の叫びと同時に、アリシアは舌先に力を込めて尖らせると幼い男性器の可愛らしい亀頭――その先端にある鈴口に先端を喰い込ませた。
それは鋭い刺激……痛みとなって少年の股間を刺激すると、あっという間に我慢の限界を突破する。
同時にアリシアは空いた手で少年の玉袋を揉みまくり、初めてとは思えない激しいフェラチオと共に無垢な少年を射精へと導いたのだ。
少年の初射精はドロリと硬くて重いゼリー状のもので、アリシアは生臭い固形物を舌にのせると口からペニスを離さないまま嚥下してしまう。
口からは何、鼻から脳に精液の匂いが充満する恍惚感に表情が蕩け、アリシアの動きが一瞬止まる。
だが少年の方も限界だった。
初めてのフェラチオ、初めての射精。
自分の足元で眩しいほど綺麗な美女が一番汚い所を舐めて、悦んでいる。
その異常な事態を理解できず……逃げ出す余裕もない。
「やら、なにこれ……ナニコレぇ……? こし、とけりゅ……」
まあそもそも、初めての射精で少年は茫然としていたが。
腰が抜けて動けずにいると、アリシアは口内の精液の残りを味わうように舌の上で転がした後、ごくりと音を立てて飲み込んだ。
「はぁ、はぁ……これ――すご……」
恍惚とした表情で精液の味を楽しんだ後、アリシアは立ち上がった。
「……?」
「つ、つづきを……」
「はぁ、はぁ……つづき?」
少年はやはり、アリシアの言葉の意味を理解していなかった。
そう言われても訳が分からず、腰が抜けて床へ仰向けに倒れたまま、金髪の姫騎士を見上げるだけ。
アリシアはそんな少年に微笑むと――大股を開いて少年にまたがった。
服を脱ぐ暇すら惜しんで、純白レオタードのクロッチ部分を横へ退けただけ。
少年は初めて、母親以外の女性器を見て……それが不気味だと思った。
その恐怖に怯えて身を竦ませ、自然と涙が溢れ出す。
「もっと気持ちいい事だ」
アリシアは少年にそう教えると、腰を下ろして膣穴の入り口に少年の小さな男性器を導いた。
「やだ……もうやだ、ヤダヤダヤダヤダ! やだぁ!!」
少年にとって、性行為はもう精神的な深い傷だった。
きっとこれから何年と、少年はアリシアに強姦された傷を背負って生きていかなければならないだろう。
しかしアリシアも必死だ。
部屋に充満する媚薬香はその濃度を更に濃くし、彼女の理性を焼き尽くしてしまっている。
何度絶頂しても、精液を飲み込んでも満足できない。
だからアリシアは本能のまま少年のペニスを挿入すると、一気に腰を落とした。
「あっ、あっ、あっ!?」
少年の目の前で、彼の男性器がアリシアの女性器に呑み込まれた。
彼は何が起きているのか分からない恐怖から逃げようとアリシアの腰の下で身体を暴れさせたが、金髪の姫騎士は逃がさないように膣穴をキュッと締めると、ついでに暴れる少年の手を握った。
俗にいう恋人握り――指を絡めて握り合う行為だが、そこに愛や恋などは一切ない。
ただ気持ち良くなるために逃がさない……そんな野生の本能とも言うべき思考から来るただの捕獲だ。
両手を握って逃げられなくすると、アリシアは唇を三日月のように歪めて笑みを浮かべながら少年を見下ろし……激しく腰を動かした。
「あっ、あっ、あ! これ、すご――イくっ、やっとイけそっ」
「まって、止まって!? 何か出るっ、おしっこ、また出ちゃってるよぉおオォッ!?」
少年のペニスは決して大きいものではなかったが、それでも、好きに動けて、そして硬く勃起しているならそれでよかった。
アリシアは必死に腰を動かして少年のペニスを自分の「イイトコロ」へ導き、ようやく訪れる深い絶頂感に歓喜の声をあげる。
対して少年は、すでに限界を超えていた。
挿入とほぼ同時に二度目の射精をし、しかしアリシアの腰遣いによってあっという間に三度目の絶頂へ導かれようとしている。
そんな連続射精など人体では不可能なのに少年は射精を強制され、泣きながら悲鳴を上げた。
泣きべそをかきながら、けれど恋人握りによって両手を塞がれているから何もできない。
パンパンと肉と肉がぶつかり合うほど乱暴に腰を打ち付ける逆レイプだ。
アリシアの美貌が恍惚に染まり、少年の顔が涙と鼻水で汚れていく。
対照的な表情を晒しながら、アリシアが更に腰の動きを激しくし――。
「は――アァァ……」
「ひぃぃいぃっ!」
小さくてぜんぜん奥まで届いていないけれど、ようやく訪れた自分が求める絶頂にアリシアは歓喜の表情で感じ入った。
膣肉は絶頂に合わせてキュウキュウと胎内の異物を締め付け、吐き出された精液を奥へ奥へと導いていく。
そんなアリシアの腰の下では、少年が強制射精の刺激に耐えきれず半ば白目を剥くようにして脱力していた。
その幼い顔は汗や涙、鼻水まで垂らした酷いもの。
彼がどれだけの恐怖を感じていたのかよく分かる――……。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
「あ……」
しばらくすると、少年の男性器が萎えて腰から抜けてしまった。
射精したのだから当然だが、アリシアは名残惜しそうにその様子を見た後……。
「ボクが悪かったなら謝るから、だから、」
「まだ、もうちょっと頑張ってぇ」
泣きながら謝罪を繰り返す少年の顔を見ると、完全に理性を失った……場末の娼婦のような下品で甘い声と共に少年を抱きしめるアリシア。
「た、たすけて……」
人生初の射精――しかも短時間で連続しての射精に、気持ちいいなど思わず、ただただ恐怖だけを抱いている少年は助けを求めた。
しかしその当人は色に狂い――息も絶え絶えになって命乞いをする少年の背に回すと、その右手をお尻に向けた。
「ヒギッ!?」
アリシアはあろう事か少年の尻穴に指を入れると、そのままグリグリと動かして前立腺を刺激したのだ。
一国の姫として、いつか他国へ嫁ぐ、もしくは婿を迎え入れた際に夫を満足させるため――一通りに性的な知識は教え込まれている。
発情したアリシアはその知識を遺憾なく利用し、子を成すために必要な精液を得る行為として男性を無理やりに勃起させる方法を利用した。
彼女の考え通り、前立腺を攻めると萎えていた少年の男性器がどんどん勃起する。
しかも先ほどよりもわずかにだが大きくて硬い――嬉しい誤算にアリシアが笑みを浮かべると、少年は逆に尻穴からの痛みと突然の勃起による下半身の動揺で絶望の顔をした。
「まっへ、まっへぇええ!? おかしっ、おかしくなりゅ――たすけへ、だれかぁああ……」
少年の泣き顔以下の絶望が尾を見ながら、アリシアは獰猛な獣の笑みを浮かべると彼に覆い被さった。
成人女性と少年では体格差からして異なり、少年では到底、抵抗の方法がない。
覆い被さられるとそれだけで押し潰されてしまった。
そのまま自重であっさりと勃起した男性器を再度膣穴へ呑み込み、腰振りを再開する。
同時にアリシアは挿入したまま空いた手でレオタードの前面をはだけると、胸を露出させた。
「むっ、胸も頼むっ! 噛めっ、噛んでくれっ!」
「んぶっ、んむぅぅうぅっ!?」
少年に拒否する権利など無かった。
抵抗もできないし、拒否すればなにをされるか分からない。
その恐怖から命令に従って胸を吸い、それどころかその先端にある乳首に噛みついた。
絶頂の脱力と恐怖によって震える子供の顎だが、それでも乳首がうっ血するほど激しい刺激――けど、それが気持ち良い。痛いのがいい。
「ぞれっ、グるっ、クる!」
「ひっ、ひぃぃぃっ、ごめんなさいっ、ごめんなさぃぃぃいぃぃっ!!!!」
少年の方も、アリシアのような美女の胸を吸う感動など微塵もない。
ただ必死に命令に従うだけだ。
一秒でも早くこの恐怖が終わってほしいと願いながら、ただただ必死にアリシアの胸を揉み、吸い、噛む。
「あっ、うぁああ――っ!!」
「あ゛っ~~~~っ」
アリシアは歓喜の声を、少年は苦痛の声を上げた。
自分本位な絶頂が気持ち良くてたまらない姫騎士は喜んでいるが、しかし連続絶頂どころか無理やりに勃起までさせられた精通直後の少年は堪ったものではない。
快楽なんかほとんど無くて、ただただ苦しくて、辛くて、助かりたい一心で命令に従っているだけなのだから。
「はぁ、はぁ……」
「う、あ――」
部屋の中にはまだ媚薬香が充満している。
だからアリシアはまだまだ満足しておらず――それは、その表情を見るだけで分かった。
「やだ、もうやだぁ……何でも言うこと聞くから、もう許してぇ……」
少年が恐怖に歪んだ表情でそう呟くと、アリシアの中で『なにか』がブチッと音を立てて切れたような気がした。
彼女は少年を落ち着けるために柔らかな笑みを浮かべたのに、少年は恐怖に震え、歯をカチカチと鳴らしながら怯えた顔でアリシアを見たのだった……。
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そんなアリシアと少年が入れられた牢屋の外では、山賊たちが酒盛りをしながら様子をうかがっていた。
「もうやらぁああぁあっ!? おねえちゃん、もうやめてぇええええっ!!」
「……あれって売りモノになるんすか?」
「おおよそ理性は無くなって、もう食うかヤるか寝るかしかなくなっちまった。流石にあれじゃ、価値もつきづれぇ」
牢屋から聞こえてくる悲鳴は少年の物ばかりで、女の方は荒い呼吸やら絶頂の宣言ばかり。
それだけで、牢屋の中で何が行われているかなんて誰でも分かる事だった。
予想外だったのは、媚薬がここまで強力な事と、アリシアの理性が完全に焼き切れてしまった事だ。
これでは好事家には高く売れないだろうが――まあ、言った通り、色狂いとはいえ一国の王女だ。それなりの金にはなるだろう。
「まあ、色狂いの元王女ってのも価値はあるか……」
心底から呆れたように呟くと、山賊たちは金にならない元王女が居る牢屋に向けて侮蔑の視線を向けるのだった。