※この作品はR-18です。

名前は知らないけど、身体の味は知っている   作:ピエールたか

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初投稿です


1話

 俺たちは会うと必ずセックスをした。だけど、愛はこめなかった。俺たちは恋人ではないからだ。

 

 俺は彼女のことを深く知らなかった。本名すら分からない。知っていることといえば、ぴたりとくっつくようによく締まる穴の締まり具合とか、興奮すると低い獣のような喘ぎ声をあげることとか、そういう類のことだった。

 

 一緒に飯を食って、赤ワインを飲んで、酔ったらホテルに行ってセックスする。本当にただそれだけの関係だった。

 

 彼女とは大学の先輩である星歌さんを通じて知り合った。ある日、ライブ終わりの打ち上げに誘われて、行ってみると彼女の隣の席に座らされた。初めは、派手な見た目に面食らってしまったけれど、話をしてみたら意外にも会話がはずんで、すぐに打ち解けた。こっそりとその場を抜け出して、二人きりで酒を飲んだ。その後は、流れに身を任せて、気づいたらホテルのベッドでお互い裸だった。

 

 彼女は周りから『PAさん』と呼ばれている。俺もそう呼んでいた。

 

 

 

 時刻は23時をまわっていた。

 

 PAさんとは、1・2ヶ月に1度のペースで会っていた。会うときは、下北沢駅前のファミレスで待ち合わせをすることが多い。

 俺が先に入って、PAさんの仕事が終わるの待っていた。

 

『仕事終わりましたー 今からそっち向かいます 』

 

 PAさんからロインが入った。(ちなみに、PAさんのロインの名前は『 .』である。)

 

 俺は赤ワインのデキャンタとグラス2つ、グリーンサラダ、フライドポテトを注文した。赤ワインとサラダはすぐに運ばれてきた。

 

 10分ほどして、PAさんが来た。体つきがはっきりと分かる、胸元の空いたタイトな黒のリブニットワンピースを着ていた。

 

「ごめんなさい。お待たせしちゃいました」

 

「全然大丈夫。遅くまで仕事おつかれさま」

 

 丁度、フライドポテトが運ばれてくる。

 俺は彼女のグラスに少量のワインをついだ。PAさんはゆっくりとそれを飲み干した。

 今日は、ボーカルのピッチ調整を遅くまでしていたらしい。PAさんが「補正しがいがある」と言って、その子のやる気に火をつけてしまったというのだ。

 PAさんは少しやさぐれているような口調で語っていた。

 

 それから俺たちは、サラダとポテトをつまみながら、だらだらと近況について話した。

 主にしゃべるのはPAさんで、音楽とか、美容の話をしていた。俺は相槌を打ちながら聞きていた。

 

 デキャンタを2本空にした後、俺はほどよく身体が温まってきた。PAさんのはりのある白い肌も、赤く染まっている。

 

 健康器具の話になった。PAさんは最近腰を痛めることが多いようで、マッサージ機が欲しいと言っていた。そして、人は酔うとどんな話題でも下ネタに繋げたがるものだが、その流れでアダルトグッズの話になった。

 PAさんは一人でするとき、必ずバイブを使ってするらしい。だけど、自分にぴったりのものが見つからず、満足にできないと嘆いていた。

 

 「じゃあ、今から探しに行こう」

 

 俺はそう言った。




PAさん誕生日おめでとう
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