※この作品はR-18です。

とある原因で母乳が溢れる女魔法使い(爆乳黒髪ロング眼鏡)を少年勇者(黒髪金眼低身長)が乳吸いする事で解決していく話   作:国英

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体調の異変と乳吸い(☆)

「す、すまない……アッシュくん……。んぅ♡」

「んっ……んっ……」

 

 ちぅちぅ。

 テントの中。アッシュはノウリッジの胸に吸い付いていた。ノウリッジは頬を赤く上気していき、荒い息をついている。少年の小さな口は女性の乳房の先、乳首を咥えている。

 

 体勢としてはノウリッジがアッシュを膝枕していて、爆乳を上向く少年の顔に下向けて差し出しており、それに下から吸い付く乳吸いの構図。

 

「ん……っ……あ……っ♡ すまないっ……♡ アッシュくん……♡」

「んっ……!」

 

 ちぅちぅ。ぴゅっ。ぴゅるぴゅる。

 膨らんだ乳首からは乳白液の白い液体が滲んで溢れ出る。ちなみにノウリッジは妊娠経験も、現在進行形ということもない。にもかかわらず、彼女は乳球から母乳を噴いている。

 彼女は排出する母乳の感覚に身悶えている。吸われることによって自然排出されていくミルクの感触に打ち震えていた。

 

 アッシュが吸うほど、ノウリッジの乳からはマザーミルクが出ていく。

 

 少年の口内に広がるのは、牛乳を酷く水で薄めたものに近く、不味に感じるくらいには無味に近い味触りであった。

 

 ☆ ◯ ◇ △

 

 ギガス将軍との戦いからすぐ後のことの時間まで遡る。

 数日、川と洞窟が近くに接している場所で野営していた時のことだが、ノウリッジの身体にはっきりと影響が出た。

 

「……ッ……!?」

「どうしました、ノウリッジさん?」不思議そうにする女司祭。

「ん? 腹でも下したかー?」ノウリッジと犬猿の仲なのでからかう女盗賊。

「大丈夫ですか、ノウリッジさん?」心配するアッシュ。

 

 アッシュたちが夕食を食べていた時。彼女は体調の変化を訴えた。

それと、アッシュは席を外してほしいというノウリッジの要望があり、少年は離れていった。その後、ノウリッジは女司祭と女盗賊に対して打ち明けた。

 

「胸から……乳が溢れてきているのだ……」胸を抑えるノウリッジ。

「あら。……子を為した祝福ですね」あらあらと囁く女司祭。

「懐妊おめでとう……っていいてーところだけど、ノウリッジに男の気は皆無なのになー」

「余計な一言ですよ」女盗賊を軽く叱る女司祭。

「へへ」小さく悪戯っぽく笑う女盗賊。

「冗談ではなくてだな……」ため息をつくノウリッジ

 

 戦いを共にくぐり抜けてきた女司祭と女盗賊、ノウリッジの三人には出会った時と違い、仲間意識が生まれている。最初は疑いの目を向けていたが、今では立派なパーティの一員だ。冗談も言い合ったりするし、ぶつかりあうこともある(ノウリッジと女盗賊がだ)。

 

 女司祭の祝福(魔法とは系統が違う)により、「子を為したかどうかを確かめる奇跡」によって、ノウリッジが妊娠していないことは一発で判明する。

 

 だからこその異変である。

 

 これにより、ノウリッジの体調を様子見の為、数日野営を続けることになる。

 たまたま、敵と遭遇することもなく、さらに3日。その場で過ごし、体調回復に期待を寄せていた一行だが、ノウリッジの体調は良くならなかったのだ。

 

 滞在から一週間経った頃。小競り合いがありつつも、大隊とぶつかることはなく過ごしてきていた一行だが、ノウリッジの母乳は溢れなくなった代わりに、胸の痛みが強くなってきて、それを訴えてきた。

 

「? 何で胸が痛いんだ?」首を傾げる女盗賊。

「わ、分からない……」額に脂汗を浮かべているノウリッジ。

「……あっ」小さく声をあげて何かに気づいたような反応をする女司祭。

「……何?」女司祭を思わず見るノウリッジ。

 

 女司祭は少し考えてから、「まさか」と呟き、思い悩んでから、女盗賊とノウリッジからなんだ、なんだ、と問いただされると、自分の導き出した答えに不安の表情を浮かばせながらも、彼女は答える。

 

「私の信じる聖女神教では、身体の知識も学ぶのです。そんな中にこういうものがあります。母になった者が、胸に乳を貯めすぎてはいけない、と。痛みを覚える話がありまして」

「……なるほど。確かに私は自ら搾ったりはしてこなかったな」

「まー、ションベンも貯めすぎたら腹痛くなるしなー」あっけらかんに言う女盗賊。

 

 女盗賊の汚い下の例えに睨みをつけるノウリッジ(品性がない会話を嫌う彼女だ)。しかし、的は得ている。例えもそれにとても近い。

 

「……すまないが、『アレ』がどうやったら出るかはよく分からなくてな……」

 

 人体よりも他の学問に興味を示してきたノウリッジは己の知識不足を恥じた。体系違いの知識ばかりならば諳んじることもできるというのに。

 

「いえいえ、私がわかりますので大丈夫ですよ」

「ウォーム(女司祭)がノウリッジに何か教えるなんて、夢みてーな光景」

「そういうこともありますよ。モナ」

「……」

 

 女盗賊はとてもめずらしいものでも見たような、驚きの表情で告げ、口笛を小さく吹く。そんな軽い態度の様子が少しノウリッジには腹立たしいが、状況的にはそのとおりなので、強く言葉による糾弾はせず、閉口している。

 

 ちなみに女性陣の話し合いの場の為、テントの中で彼女らは話している。アッシュはテントの中でまたもや蚊帳の外であり、日課の剣の素振りの真っ最中である。

 

 お乳の出が悪い母に対して行う肉体施術(というかマッサージ)を施されるノウリッジ。

 

 しかし、服を脱ぎ、女司祭がノウリッジの豊かな胸に触れていくが、あれほどノウリッジが衣類が濡れて鬱陶しがっていた母乳はうんともすんとも出る様子が無くなっていた。

 

「でねーじゃん」呆れる女盗賊。

「むしろ……痛くなっている……」落ち込むノウリッジ。

「駄目でしたか。しかし、絶望することはありません、ノウリッジ。2つ目があります」落ち着いたまま指を立てる女司祭。

「!! 本当か!」

「本当です」

「どうやるんだ? 施術じゃない方法だなんて」首の後ろで手を組む女盗賊。

「吸い出します」

「へ?」呆気にとられるノウリッジ。

「ぶっ……はははは!!」笑い転げる女盗賊。

「モナ。笑いごとではないんですよ。……仲間の一大事です」

「いや、でも、吸うって……ははははは………え、マジ?」

「へ」

「マジです」

 

 女盗賊とノウリッジは顔を見合わせる。知らない世界の話のようで決して無縁ではないことに、宇宙の神秘ならぬ人体の神秘を感じる二人。

 

 そこからはノウリッジの乳に食らいついて、吸い出そうとする二人が頑張ったが、一向に出る様子は無かった。

 

「同性趣味(レズビアン)じゃねーから……これっきりにしてほしいけど……」

「駄目ですね。……あ、いえ、ノウリッジさん。そんな世の終わりのような顔をしないで下さい。安心してください。同性で駄目でも、子供に吸ってもらったり、異性に吸ってもらったりして出ているような例もございますから」

 

 女司祭はそう告げると、テントの入口を少し開けて、遠目に素振りしている少年の姿を見るのだった。

 

「え?」女盗賊が驚いた声を上げる。

「異性というと……」

 

 ノウリッジは恐る恐るパーティ内で唯一の「男」たるアッシュを遠目に眺める。

 どくん、と心臓がとても分かりやすく跳ねるのを、彼女は自覚した。

 女司祭は小さく笑う他無かった。

 

 ☆ ◯ ◇ △

 

 そこからはテントの中のメンバーは入れ替わりとなる。ちなみにノウリッジの心理としては痛みを取り去るための治療行為とはいえ、パーティ唯一の異性にして、敬愛し(個人的に尊敬もしている)アッシュに吸い出してもらうことを激しく嫌った。

 自分の身体をだらしないものとして自己嫌悪している部分があり、恥ずべき程だらしなく蓄えた(と思っている)胸をはだけて、肌を晒す事も大層恥ずかしい。

 

 しかし、じくじくと痛む胸は針でも刺され続けているかのように鋭痛が続き、戦闘でも起きれば、集中を欠く危険な要因の一つとなろう。治療好意と何とか最終的には割り切る(割り切ろうと努力している)。

 異性とはいえ、女司祭と女盗賊共に敬愛する少年に乳を与える姿を見られるのは断固として嫌だったので退席を願った。

 

 このような流れでテントから去り、テント傍で残ろうとする女盗賊の首根っこを掴んで、近隣を哨戒しようとする女司祭。

 

「おもしれーの見れるかもしれないのに」唇を尖らせる女盗賊。

「男女のあれこれを覗くものは馬に蹴られる。魔法を飛ばされても知りませんよ」

「……丸焦げになるのは勘弁だな」

 

 そんな会話があったのをアッシュとノウリッジは知らない。

 

「ノウリッジさん? 入りますね(良いにおいがする?)」

「ああ、いいぞ。アッシュくん」

 

 入れ替わりでテントへ入るアッシュ。少年は入口布を捲るとテント内へ入場を果たす。

 テントの中は2~3畳ほどの広さとなっている。成人女性一人、少年一人の二人で顔をつきあわせて二人きりとなると、少し手狭に感じてしまう(女性陣三人寝るのは可能ではある)。

 

「(落ち着け……私……相手は少年……これくらいが何だ……)」

 

 当年22歳のノウリッジ。入獄の際に身体検査等で肌を晒したりすることはあっても、身近で知っている人に肌を晒す事になると、風呂以外では初であった。それも同性ではなく、異性の年下の少年。なので激しく動揺している。深呼吸をしてから、純真な瞳で見つめてくる少年と視線があう。肌を見せることへの嫌悪感(自己嫌悪感もセットで)と羞恥から、挫けそうになるが、憎々しい魔物軍の顔ぶれ、ゴブリン等の顔を思い浮かべることで何とか事なきを得ようとする。魔物に見られるのは嫌だが、知り合いを思い浮かべるよりかははるかにマシだった。

 

「大丈夫ですか、ノウリッジさん」

 

 ノウリッジは痛みのせいで顔色が悪い。その様子に気が付き、心配げに声をかけてくるアッシュ。

 そういった自身を心配する顔を見せてくれると、愛おしさが滲むノウリッジ。

 

「大丈夫……ではないな……」

「そうなんですか……」

 

顔をうつむくアッシュ。どうすれば治るのか、という心底心配した表情。

 

「……その、何とか、治りそうな方法が見つかった」

「本当ですか!!」

 

 少年の暗く沈んだ表情は一変していく。そんな表情を見ると、益々、羞恥と恥ずかしさと痛みでおかしくなりそうになる感情。

 

「それには……アッシュくんの協力が必要不可欠でな……」

「そうなんですか?」

「……う、うむ……。……すまないが……アッシュくん。手伝ってくれると嬉しいんだが……」

「なんでも言ってください!? 何でも手伝いますよ」

「(う……うう……っ)」

 

 明るい顔で迫ってくる少年の顔を前に激しい葛藤がまたもや生まれてしまう。

 そもそも、ノウリッジとアッシュは先生と生徒のような間柄。そんな関係であり、生徒に自らの肌を晒すような真似は、淫らな小説や倒錯した趣味の人物がすべきことである。

 

「(こんな……ことをするのでは……まるで……変態ではないか……)」

 

 当たり前で正常な倫理観を持つノウリッジにとっては強い抵抗感が浮かぶのは至極当然である。しかし、冷静に考えるほどに次案はあまり現実的ではないという事にノウリッジはすぐ思い当たることになる。

 

 他の誰かに吸って貰うことになると、一番近くの人里までかなり距離が離れているのだ。

 それに移動の間に、魔物と遭遇し、ノウリッジ自らがパーティの穴となって、大事な仲間たちを危険に晒したくはなかった。

 

「(いい加減、はらをくくれ……マニフィック=ノウリッジ!)」

 

 ノウリッジは覚悟を決めた。

 

「その……今から言うことをアッシュ君にしてほしいんだ」

「はいっ!!」

「(くぅ……元気な返事……)……私の……」

「ノウリッジさんの……?」

「……その……」

「?」

「……私の乳 を 吸ってほしい」

「はい!! ノウリッジさんのチチを……え?はい?」

「(ええい……)んっ……」

 

 するする。

 アッシュがオウム返しを言い終えるのが遅いか早いか。彼の言葉が終わる頃にはノウリッジは服を脱いでいく。長丈のチュニックといってもワンピースに近い構造上、全て脱ぐ必要がある。

 服を脱ぐと、肌が露わになっていく。

 ショートパンツに似た白く薄い絹の肌着を履いている(女司祭から借りた)ので下半身と下の下着(ショーツ)まで肌を晒す事は無い。事前に上に下着(ブラジャー)と肌着(キャミソール)は脱いでいるので、すぐに双丘がまほろび出る。

 

 たぷんっ。

 司祭に次いで大きな爆乳球が外気に晒されていく。縦に胸が揺れる。

 

「……ッ……」

 

 アッシュは反射的に顔を背ける。肌色が見えると、見てはいけない、というのは、容易く異性の肌を見てはいけない、生まれた故郷での教えを忠実に守っているからだ。

 

――アッシュくん!?

――あっ、覗きか?! アッシュ、てめー!! 10年はえーぞ!!

――あらあら。アッシュくんも男の子ですねえ

――ご、ごめんなさい!?

 

 ちなみに余談ではあるが、アッシュは二度、ノウリッジ達女性陣が水浴びをしている所に出くわしたことがある。少年の脳裏にそんな記憶がフラッシュバックしていく。

 

「(あの時の教えをしっかりと覚えてくれているんだな)」

 

 じわり。

 水浴びのハプニングの際に、ノウリッジと女司祭が教えたことは「覗きはいけない」「異性の肌を見てはいけない」「見た際はすぐに視線をそらすこと」というもの。それらの教えをちゃんと守っていることにお姉さんはいたく嬉しく感じてしまう。

 好感に感じた感覚は胸中に嬉しさを覚えさせる。

 

 少し嬉しくなった気持ちは、羞恥をほんのわずかに軽減させる。

 

「……こちらを向いてもらっても大丈夫だ、アッシュくん。見くれないことには始まらないことなんだ」

「え?」

「最初に言っておくが……これからスるのは、治療行為なんだ」

 

 少年は片目だけ開く。怖いものは去ったと嘘を教えられた子供のように、何も大丈夫じゃない!と言わんばかりに再度、目をギュッ瞑るアッシュ。

 

「治すって……む、胸が痛いって聞いていましたけど……?」

 

 アッシュに対して伝わっている情報は「胸の痛み」だけである。

 少年が思い浮かべていたのは胸の内側、体内での異変だ。疑問にまみれた声音なのもそのためである。

 

 じくり。

 騙していたわけではないが、嘘をついて少年を連れてきたような罪悪感を覚えて、胸を痛めるノウリッジ。これは治療行為と自分に言い聞かせながら、罪悪感を振り払おうとする黒髪爆乳魔法使いお姉さん。

 

「胸が痛いのは本当なんだ。だが、胸に毒素が溜まってしまってね……」

「ど、どく?」

 

 事前に考えていた上手い言い訳にアッシュが食いついたことに素直に喜べないノウリッジ。とはいえ、アッシュは恥ずかしくてノウリッジを直視できない状態から――彼の心の優しい性根ゆえに――仲間を心配する心づもりに気持ちと心構えがスライドしていく。

 

「それは……よくないですね」

「うむ。そうなんだ……」

「大変でしたね、ノウリッジさん」

「(くうぅ……)」

 

 益々、心配の眼差しをノウリッジに向けていくアッシュ。そんな目で見られると、ノウリッジは自分には縁遠いものだと思いつつも、この旅の間に何度も何度も見せてきたアッシュに対する母性の欠片が強く表出してしまう。

 

 ノウリッジは抱きしめて、頭をなでたくなる強い衝動を必死に堪える。

 

「そのたまった毒を身体に出す必要があるんだ」

「なるほど……!」

「身体の外に出ると、毒ではなくなるので安心してほしいのだが」

「なるほど……?」

「というわけで、本題に入ろう。アッシュ君には私の……胸を吸って……乳というか……毒を吸い出してほしいんだが……頼めるかな?」

「なるほど! わかりましたよ…………………へ?」

 

 かああああ。

 勢いよく返事をしてから、遅れる形で一気に顔を茹でダコのように真っ赤に染まっていってしまう。少年の顔が染まり、羞恥に濡れる姿は見ていて愛らしいが、そんな光景を楽しむ暇はノウリッジには存在しない。

 

「……女性のお乳は……赤ちゃんにあげるものでは?」

 

 かあああぁぁぁ。

 当然の疑問が定時されて、顔を赤くするのはお姉さんの番である。

 毒とか以前に赤子が飲むものを、自分が飲んでも良いのかという疑問。

 

「う、うぅぅ……っ」胸を抑えるノウリッジ。

「ノウリッジさん!?」

 

 胸を抑えて蹲るノウリッジ。それを見て、あわててアッシュは羞恥を押し殺して仲間の傍に寄る。

 

「む……胸がまた痛んでね……」

「そ、そうなんですか!?」

「やはり……アッシュクンニタノムワケニハ……」

 

 女盗賊から「もしも」の時にと、アッシュの優しさを利用し、お願いするための三文芝居を聞いていたので、それを実践するノウリッジ。ちなみに口から火が出そうなほど恥ずかしくなるノウリッジ。

 

 しかし、女盗賊の企みにより、すんなり事は進む。

年上のお姉さんに頼りがちな少年は頼られる嬉しさを知っているのだ。

 

「任せて下さい、ノウリッジさん!?」

「………………」

 

 じーんっ。ずきっ。

 仲間から強く思われることに嬉しさを覚えるのと同時に、いたいけな少年を騙してしまったことに申し訳無さと罪悪を覚えるノウリッジだった。

 

 

 ☆ ◯ ◇ △

 

「………………」

「………………」

 

 ドッドッドッドッ。

 テントの外に音が漏れないように「無音」の結界を作り出した魔女の心臓は爆音を上げていた。眼鏡越しに見える少年はすっかり視線を泳がせて、彼もまた心音を強く鼓動させていた。ノウリッジは再び、正座する(アッシュは元々、正座している)。

自らの長い黒髪に触れたりしてから、「いつでも良い」と言って、胸を張って、アッシュの方におっぱいを差し出した。

 

 ずいっ。

 少年の方も心を決めて、身を寄せていく。右側の乳に少年は顔を寄せる。

 

「はぁ……」

「んっ……」

 

 ずきっ。びく。

 熱い吐息がかけられ、その熱さに敏感な乳頭が官能を覚え、胸の内、乳腺の辺りから痛みがせりあがってくる。二つの相反する感覚に小さく身を震わせ、片手はテントの床につき、もう反対の手が自らの身体を抱くノウリッジ。

 

「し、失礼します……。……では…………………ぁむ」

「あっ………♡」

 

 ぱくり。

 温かい口腔粘膜によって包まれる。生温かさに包まれ、一気に背筋にゾクゾクとした電流が這い上がっていくお姉さん。

 

「(……って、私は何を……)」

 

 艶のある声を出していたことにハッとなるノウリッジ。

 幸いにもアッシュの内心はそれどころではなかった。

 

「(ノウリッジさんのおっぱい、ノウリッジさんのおっぱい

  ノウリッジさんのおっぱい、ノウリッジさんのおっぱい

  ノウリッジさんのおっぱい、ノウリッジさんのおっぱい)」

 

 脳内を占有していくのは憧れのお姉さんの乳を吸っている事実である。

 口に含んでいるものが全てであり、嗅覚や聴覚は今のところ、何の機能も果たせていないのだ。

 

 しかし、ただ咥えているだけでは、ノウリッジにとって何の進展も得られない。そもそも検証すらされていないからだ。

 

「そ、そのまま……吸ってくれると……助かる……アッシュくん」

「ふぁい……」

「んっ……♡(ぴくんっ) その、咥えながら……喋られると、困る、んだが……♡」

「!!」

 

 ノウリッジは困り顔を浮かべ、忙しなく自らの長い黒髪を触る。

 アッシュはしまった、という表情を浮かべ、罪悪に塗れた顔つきとなる。

 

「……気にしないで」

「(ノウリッジさん)」

 

 ノウリッジはアッシュの頭を撫でる。短いチリチリとした黒髪の感触が手に返る。

 

 アッシュにとって優しい手。まだ指の根元に刑務の時に作ったマメが残る手。撫でられると申し訳無さが薄れくていくアッシュ。

 少年の顔の火照りは強まる。咥えている乳首からはミルクのような甘い味を錯覚する。そうしてから指示通りに動こうとする少年。

 

 ちぅ。

「んっ……♡(びくっ)」

 

 甘い痺れがぞくりと高ぶり、くすぐたったさが浮かぶノウリッジ。軽く吸われ始めると、不思議と胸の奥の痛みが引いていく。

 不可解ではあるが、痛みの緩和はノウリッジにとって望むべきことである。

 

「ふぅ……その調子で……続けてくれたまえ……」

 

 彼女は一呼吸を置いてから、年下の少年に続きを催促する。告げる言葉に少し熱っぽさが浮き出る。

 

 ちぅ……ちぅ。

 少年は等間隔で弱い力ながら、乳を吸い始めた。断続的にやってくる吸われる感覚。

 

「(い……いけいない……これは治療行為だというのに……『感じては』いけない)」

 

 むくっ。はあはぁ。

 吸われる内に乳首が勃起し、少年の口内で触れる面積が広がり、荒っぽい息がテント内を満たすように広がる。しかし、まだ母乳が出る様子はない。

 ノウリッジに少しずつ背に浮かびつつある官能に対しては、悦楽に身を委ねてはいけないという判断を下す。

 なので、ノウリッジは脳裏にに憎むべき敵たちを思い浮かべて、アッシュの乳吸いの悦に抗う。

 

 そして。

 

 ぴゅる……ぴゅ。

「!!(今の……)」

「(あっ…………)」

 

 ハッとなる両者。アッシュは口内に広がる水気に気がつく。同時にノウリッジが感じ続けていた痛みは今度こそ引き、胸内に溜まっていたものが外へ溢れていく流れを、身を以て分かる。

 

「つ、つづけてくれ……っ?」

ちゅっ。ちぅ。じゅっ。ぴゅるぴゅる。

「あっ……♡ ふ……っ♡」

 

 アッシュに勢いよく吸われてしまい、思わず喘ぎが口から溢れるノウリッジ。

 どんどん母乳がアッシュの口内に放たれていき、排尿感とは違った排出感が生む悦は背筋を奔っていく。

 

 しかし、どういうわけか。

 

 アッシュは最初は嬉々として吸っていくものであったが、途中から苦しげに顔を歪めていく。やがてはよろよろと顔を青くしたまま、顔を離していき、後ろに仰向けに倒れてしまう。

 

「う……うう……っ(ばたんっ)」

「アッシュくん!?」

 

 倒れたアッシュの容体が気になり、慌てて駆け寄っていくノウリッジ。少年は顔を青くしたまま、弱々しく声を漏らす。その声が聞き取りづらいので、顔を伏せ、近づける。その後、耳を寄せて、アッシュの小さい声に傾聴する。

 

「……ま……?」か細い声を発するアッシュ。

「ま?」

「不味い……です……」

「えっ」

 

 ノウリッジは羞恥といったものが全て吹き飛び、胸の内は驚きでいっぱいの感情になり、表情もその気持ちで塗りつぶされる。

 

「へへ……上手くいったか、二人とも~」

「駄目ですよ、二人の邪魔をしては……って、アッシュくん!?」

 

 チラッとテントの入口布を捲り、中を覗き込んできた女盗賊と女司祭は二人の様子に気がつくと、慌てて中に入ってきた。

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