※この作品はR-18です。

とある原因で母乳が溢れる女魔法使い(爆乳黒髪ロング眼鏡)を少年勇者(黒髪金眼低身長)が乳吸いする事で解決していく話   作:国英

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失敗と助言(☆)

 その夜。焚き火周りで囲んだ四人。

 一人は申し訳無さでいっぱいで、一人は笑い転げており、

 一人は苦笑したまま困っていて、少年は未だに口を抑えて顔を青くしている。

 

「ひい……めっちゃ笑った」

「その……母乳から出る乳の味というのは、そんなに酷いものなのか?」

 

 腹を抱えて笑いを堪えようとする女盗賊を余所に、ノウリッジは女司祭の方を見て尋ねる。その後、アッシュの方を見る。

 

「個人差はあると思いますよ~。お母さんが栄養をちゃんととれてないと、水っぽい味になるは話は聞いたことがあります」答える女司祭。

「な、なるほど……」合点がいくノウリッジ。

「ひい……げほげほ……んん。……けど、おかしくね? ノウリッジはちゃんと飯を食べてるし、デカいぜ」笑いを堪えてからあっけらかんに言う女盗賊。

「ッ!?」顔を赤くして胸を隠す仕草をとるノウリッジ。

「……ぁ……」何かを思い出して顔を赤くするアッシュ。

 

 二人のそんな変化を見て、少し悩んだ表情をして考えてから、女司祭はまた口を開く。

 

「ですから個人差ですよ。健康でも、お母さんとお父さんが喧嘩していると、いくら健康でも精神が悪くなり、乳が悪くなったりすることがありますし。ノウリッジさんは胸が痛くて苦しんでいたんですから……そうですね、不健康な精神の時期を経ての母乳出となるわけです。味が悪くなることもありうる、……というのは推察でしか言えませんね、すいません」

「な、なるほど……」合点がいくノウリッジ(テイク2)

 

 その夜、身体についての講座を終えてからは、夕飯を食べる旅の一行であったが、ノウリッジとアッシュは互いにその顔を見ることができず、交互に視線を交わしては、互いに逸らすという初々しい光景となっていた。

 

「(何か急に面白くなったなー? これからからかってやろー)」

 

 女盗賊はアッシュを弟のように見ているので、特にノウリッジとアッシュの二人が恋中になろうとなんとも思わない。むしろ、からかうことに楽しさを見出す性分だ。

 

「(大丈夫かしら)」

 

 女司祭もまた自らの身体は聖女神に捧げている身であり、恋よりも使命に生きている女だ。アッシュに対する視点はもちろん大事な仲間というもの。ゆえに二人が不仲よりはよっぽど良いが、戦闘面での不安要因となるので、別の意味で彼女は心配が浮かんでいた。

 

 ☆ ◯ ◇ △

 

 翌朝。

 

「ずいぶんと心配をかけてしまい、申し訳なかった」

 

 朝食の支度を終え、朝食後のこと。

 ノウリッジは空になった器を抱え、ベンチ代わりの流木(近くの河川岸から拾ってきた)に座ったまま、皆に頭を下げた。

 

「まぁ、戦い続きだったしなー。良い休みになったさ」最初に口を開いた女盗賊。

「大丈夫ですよ、ノウリッジさん。頭を上げて下さい」微笑む女司祭。

「ノウリッジさんが健康になってくれて、自分は嬉しいです!」笑うアッシュ。

「うむ。この通り、元気になって――」

 

 ノウリッジはアッシュの言葉に促されて、立ち上がる。しかし。

 

 ズキッ。ズキッ。

「――ッ!?」

 

 昨日の鋭い痛みとは違った胸の奥から遅れてやってくる鈍痛。その痛みを感じて、ノウリッジはゆっくりと胸を抑えた。

 

「……あ」周りを見るノウリッジ。

「もう一泊休んでおくかー」伸びを始める女盗賊。

「大丈夫ですよ、ノウリッジさん。もう一日くらい休んでも」

「……えっと……」

 

 ノウリッジが万全でないことを悟ると、女盗賊は唐突に立ち上がり、周辺の偵察に向かい始め、女司祭はノウリッジを気遣うように優しく声をかけて、アッシュだけは自分のすべきことが昨日で終わりではなく、まだ継続していることを自覚して、顔を赤くしていき、チラリとノウリッジの方を見た。

 

「……今日も……その……昨日と同じことを……?」

「う…………っ」

 

 潤んだ瞳は少年なのに少女のようである。

仲間の乳を吸うことはとても恥ずかしいことだけど、必要でなければしないが、必要であるというのであれば、恥ずかしくも頑張ります。

 そんなことを言いたげな可愛らしいアッシュの瞳であった。健気で優しい少年の心。

 

 これが涎を垂らして、ノリノリで「今日も吸ってあげますよ、ゲヘヘへ」のようなゲスな男めいた主良くであれば、相手を憎んだり、恨めしがったりして、相手への攻撃的精神にノウリッジは腐心すればよい。だが、アッシュは優しく倫理的で仲間思いの少年である。それに飲ませる母乳はクソマズい。

 

 ノウリッジの背筋や首裏がゾクゾクと這い上がる感情がある。羞恥と背徳と変な興奮と戸惑いがぐちゃぐちゃに混ざった複雑な心情を心に宿らせた。

 

 昨日の一件でノウリッジは自分から出るものが、尿道や浮上の穴から出る「もの」と同じように、身体の老廃物と同じような「汚物」に近い認識に変わっている。

 

 そんなものを恩人であり、パーティの仲間であり、優しい少年のアッシュに飲ませなくてはいけないことを。

 

 ズキン。

 胸がまた痛む。この痛みはすべきことを為せばとれるぞ、ということを主張してくる。ノウリッジは痛みに対する訓練をしてきたわけではない。

 

 なので葛藤の後に、ノウリッジは折れる。

 

「今日も……その……頼む……アッシュ君」

「すいません、アッシュ君にしかできないことです。必要なのです」

 

 ノウリッジは顔を真っ赤にして、顔を俯かせたまま、頭を下げてくる。

 母乳の不味さは周知されていると、恥ずかしいことを強いるのであり、女司祭からも「お願い」の言葉を告げ、アッシュに懇願する。

 ずるいやり方だが、女司祭が共に告げることで、「必要なこと」という医療行為という形に落ち着くのだ。

 

「……………………………………………………………わかりました」

 

 アッシュの表情は恥ずかしいような、また不味いものを口にすることへの忌避感からくる苦虫を噛み潰したような、あるいは治療行為とはいえ、仲間の胸を吸うことにドキドキしているような、そんな複雑な顔を浮かべ、少しもじもじとしていた。

 

 ☆ ◯   ◇

 

 その後、アッシュにノウリッジが膝枕していて、太腿に頭を乗せた少年は豊満な胸の先に吸い付いていた場面に戻る。

 

「すまない……っ♡ アッシュくん……っ……♡」

「んっ……(水みたいな味がまた……)」

 

 ちぅちぅ。

 少年はお姉さんの胸から溢れる乳白液を受け止め、飲み干していく。

 どのくらい吸えば終わるかは分からない。また、ぐるぐると少年の視界は滲んでいく。歪む視界。不味い味の他になぜか体調を悪化させる「有害な何か」でも混ざってるかのように、黒く濁った「もの」が同時に口腔に注がれているようであった。

 

 アッシュは女司祭から不味いものを吐き出せば良いのでは、という女権も受けていたが、食べ物を粗末にしてはいけないように育てられてきたので、大地に吐き捨てたりはしない。

 

「(……眼の前で吐いたりしたら……)」

 

 ノウリッジが今後、「お母さん」になった際に、子供に乳をやる時に「心の傷(トラウマ)」にならないような心の配慮がある。これもまた女司祭と話しているうちに思い浮かんだ配慮だった。

 

 どこまでも仲間に優しい少年勇者(もちろん、この少年の優しさに触れ、彼をほっとけずに、あるいは彼に連れ出されてきた仲間達がいる)。

 

「んくっ……んくっ……」

「んぁ……っ……♡」

 

 ちぅちぅ。ぴゅるぴゅる。

 少年は絶えず吸い続ける。その度に乳腺を通り、母乳が排出される度に爽快感が浮かんでしまう。その爽快感には常に罪悪感と背徳感がつきまとう。

 同時に、その爽快感に浸ってはいけないと、乳首に浮かぶ官能を誤魔化すように憎い相手の顔をイメージし続けるノウリッジ。

 こうして、その日も「無音」のテントから出てくる頃には疲弊した少年と、少し晴れやかな顔色の良さと申し訳なさの色が浮かぶお姉さんが出てきて、離れた所で祈祷していた女司祭は苦笑するしかなかった。

 

「(どうすれば治るのでしょうかね、ノウリッジさんの症状は)」

 

   ◯

 

 その日の夜のこと。夜の見張りの番をしているノウリッジは一人大きくため息をつく。

 

「はぁ~~~~~~~…………」

 

 夜の守りの番。勇者パーティに限った話ではなく、冒険者(※魔物を倒したり、魔物に攫われた人を捜索したりという魔物関連案件から、国や地方領主からの依頼を受けたりする場合もあり、あるいは人々の困ったことの万(よろず)事に対処したりする人物たちを指す)パーティにおいても、交代で睡眠をとるのが基本(セオリー)である。基本的に数時間(約2-3時間)に一人の配分で交代する。

 

 余談だがノウリッジが体調を崩している間、彼女はローテーション外だった。今は一時的にも関わらず回復しているので、女司祭の後にノウリッジの番が来ていた。

 

 時刻も夜中に入りつつある。次はいつもの番ならアッシュの番だった。いつもの順番というと女司祭、ノウリッジ、アッシュ、女盗賊という流れとなっている。

 ノウリッジはアッシュとの交代の合間に少し授業をして、歴史だったり、算事(算数)であったり、文字だったり、知識を教える時間が好きなのだ。

 

 だが、次の番はアッシュではなく、女盗賊の番に、順番を変わってもらっている。交代の時に少年の寝ているテントに入り、起こすのがいつもの交代のやり方だが、それすら恥ずかしくなり、少年を起こすことができなくなっていた。

 

 この事で激しくメンタルを乱しているような不甲斐ない自分と、恩人たる少年に治療と称して、自らのまず味体内廃棄物を飲ませていると、さらにこの体調の完全回復と、原因究明の目処が未だにたっていないこと。メンタルと現状打破の問題が積もってきている。

 

 三日目の明日に回復する保証は全くない。

 そんな状況がノウリッジを暗鬱した気持ちにさせる。

 

「……………はぁ~~~~~~~…………」

 

 また一つ大きなため息をこぼす。自らの黒髪に触れ、指先で巻いたりして、困った表情を浮かべてから、息をつくと、夜風に晒された白い息で眼鏡が少し曇る。

 

「(私には必要ないから、と……思っていた、女体の知識だが……興味の一欠片でも向ければ良かった……今こそ、中央図書館で書を探し、調べたい……! 調べ尽くしたい……! ああ、知識さえあれば……!!)」

 

 脳裏に浮かぶのは無数の棚と大量の蔵書。それと埃とカビ臭さを感じる図書館独自のあの空気。何百回と通って、溜め込んだ知識は今や何の役にも立たない。数百年の知識を知っていても、古代文字を解読できても、20桁✕30桁の数字を暗算できても、胸の痛みは取り除けないのだ。無力感を感じてしまうノウリッジ。

 

 どこか、図書を大量に蔵書した場所へ寄ることができた際は絶対に調べようと決心した頃合いだった。

 

 ノウリッジは気づく。暗闇の向こうに「何か」がいる。

 それは明らかな脅威だと、本能が警鐘を鳴らす。

 

「……!」

 

 ノウリッジは流木に座っていたが、神樹製の魔杖を持って立ち上がる。いつでも「起床」の呪文でパーティの皆を起こせるように準備する(発動するとパーティ全員の耳に激しい音がかき鳴らされる。皆、余り好きではない)。

 

「任意……時間……起動……三者……起床……」

 

 魔法陣が地面に浮かぶ。テントの下に浮かび上がり、後はノウリッジの指先一つで起動するも、発動せずに解除するのも自由だ。

 

 杖を構える。

 次に無数の雷を降らせるための任意発動の魔法罠を仕掛けようとしたところで、彼女は気づく。

 

「……テネント。死んだはずでは」

「死んでいる奴が目の前にいるってことは違うんじゃない~~? フフフ」

 

 猫を思わせる大きな猫目はワインレッド色で、腰まで届く長い金髪を持つ。身長は170cm後半代であり、ボンテージのような革製の黒いハイレグ衣装を着ており、エグい角度で股にハイレグが食い込み、いやらしい。背中はほぼ肌色一色に開いている。お尻がハイレグによって、革の布地で隠れているのに、身体のラインは浮き出ているのがセクシーだ。淫魔らしい女司祭にも匹敵する爆乳が揺れる。お尻のやや上、尾てい骨の辺りから悪魔を思わせる黒い尻尾が生えており、ヘビのようにくねる。

 

 ノウリッジは思い出す。以前は魔界の鉄、「魔鉄」で鍛え上げられた鎧を着ていたが、今は着用していない。そのため、その鎧下に着ていたのが今の衣装のように思えるので、彼女は前回の遭遇時に、戦闘で鎧を失ったままだということを。

 

 彼女の種族はサキュバス。

 通常種の淫魔たる生物は、人型生物の異性に好かれ、精を吸い取り、糧とする。精は人の生きるエネルギーや栄養を指す。これをセックスであったり、肌に直接触れた唇を通して吸収したりする。

 

 しかし、この眼の前の淫魔――テネントは、本来淫魔は肉体的に脆弱な所を、突然変異として生まれた。フィジカルと魔法の才に恵まれ、サキュバスの中でも特異な地位を得た個体。

 

 サキュバス・マジックナイト。

 近中遠距離に対応でき、オールラウンダーに戦うことができ、剣や槍を扱える。武の才は倒した冒険者を性的に食べ、その副産物として、自分の才の一つとして、経験を吸収することができた。奪うに近いが、奪われた相手の元からは消えていないので、複製ししているに近いといえるだろう。

 転移術も特異としているので、戦いにくいことこの上ない相手であった。

 

 ギガス将軍の前に戦った、第二の軍団長であった。

 

 勇者の精を貰って、故意の遭遇ではなく、始めての魔物軍相手から意図的な遭遇戦となった(第一の軍団長も遭遇戦であった)。

 

 まずは第二軍団を蹴散らし、テネントとの対決に集中することに成功する。

 ノウリッジは「転移殺しの陣」の策を戦闘中に敷き、テネントの転移を封じることに成功する。第一軍団と長を倒して、急成長を果たした勇者の方が素の戦闘力においては格上であった。一対一に追い込み、勇者が言うには「トドメをさした」と証言していた相手。

 

 勇者が嘘を言うとは思えない。何らかの方法で蘇生されたのかもしれない。

 

 ノウリッジは冷や汗を流す。「転移殺しの陣」には時間がかかるのだ。

 又、サキュバスの体質ゆえに魅了といった精神異常をもたらす戦法に対して、ノウリッジは無力だ。その方面に強いのは女司祭の奇跡だ(混乱付与魔法や魅了魔法ならノウリッジは何とかできる。しかし、サキュバスが生来に持つ特異能力を前にすると無力だ)。

 

 「起床」の方が早いか、手年との「転移」が早いか。

 

 そんな算段を巡らせていた所でテネントの口が開かれる。

 

「全く馬鹿ね」

「……何?」

 

 ノウリッジは意外な反応に感じる。相手の言葉から感じるのは嘲りと落胆であり、以前に感じた刺すような殺気はない。

 

「その辺の偵察しているやつから話を聞いて来てみれば、なあに? こんな所で足止めを食らっているなんて」腕を組んで自らの溢れんばかりの大きな胸を持ち上げるテネント。

「何しに来た」杖を向けたまま(ブラフで攻撃魔法を準備する)ノウリッジ。

「助言(アドバイス)よ」

 

 共通語を話せる魔物であり、他の生物に比べれば、サキュバスは知的生物ではある。だが、そんな相手といえど、敵は敵。そんな相手からありえない言葉を聞いたノウリッジ。

 

「はあ?」

 

 ノウリッジは思わず準備しようとしていた魔法を崩す。杖が下がってしまう。ノウリッジの甘えだが、それは大きな隙にはなっていない。まだ、テネントに対する警戒は解いていない。

 

 風が吹き、二人の頬を撫でる。その風が金と黒の髪を揺らす。

 

「このマムマ川から離れなさい。ここは神話において淫魔の女神が死んで、その神体が大地に横たわり、胸に当たる地域とされているわ」

「……何?」

 

 初耳の知識。もちろん、魔物たちの知識は人界には伝わらない(協力的な魔物でもいない限りだ)。こういった伝説もまた、サキュバスならではの口伝もあるかもしれない。

 ノウリッジは知的欲求が刺激されるが、気を引き締める。

 

 テネントは天幕(テント)の方に視線を向ける。二つのテントの内、何故かアッシュがいるテントの方を向いている。ノウリッジは思案する。自らを倒した少年勇者への復讐か。

 

 しかし、テネントの種族はサキュバス。人類に近い瞳のおかげで読み取れる一(いち)感情はどこか眩しそうに見つめ、憧憬や慈愛に近い優しい視線。

 ここに来た意図まではわからないが、襲撃には見えない。

 

 そうしてからノウリッジに視線を向き直すテネント。

 

「勇者に母乳を飲ませる時はイヤイヤの気持ちであげちゃ駄目よ。あなたから出るミルクは感情に左右されちゃうの。だから、あなたが思い浮かべるマイナスイメージは駄目。マイナスイメージは味を不味くさせるわ。そうね……どちらかというと、美味しくさせる秘訣は相手を愛す勢いで飲ませなさい」

「…………………………………………………?」

 

 ノウリッジは何を言われたのか、呆けてしまった。しかし、聡明な頭脳はサキュバスの柔らかいプルプルの瑞々しい唇から紡がれた言の葉の意味を遅れてから一瞬で理解する。

 

「んなっ!?」

「フフフフ………」

 

 ノウリッジの驚く様を見て、テネントは敵意はなく柔らかく笑う。どことなく揶揄っていることに楽しさ見出しているような笑み。腹が立つ。

 

「勇者によろしくね。この間はありがとう、って。……あ、ああ。後、あなたのミルクだけど、川の成分に私達の因子が混ざってるから、勇者が飲んだら、アソコがとても元気に」

「さっさと消えろーーー!?」

「おっと。これ以上いると火球でも飛んできそうね。さようなら」

 

 顔を真っ赤に感情を剥き出しにしていくお姉さん。「覗かれていた」可能性が脳裏を過る度に怒り心頭に発する。テネントは魔法使いの怒気を感じ取ると、小さく掌をひらひらと振りながら、ノウリッジの眼の前から去っていった。彼女が闇に溶けるように去っても、ノウリッジの怒りは未だにこびりついたままであった。

 

 ☆ ◯ □ ◇

 

「昨日、夜の見張りの最中にテネントがやってきた」

「「「え」」」

 

 翌朝の朝食後。ノウリッジはすぐに皆と情報を共有していく。食器を片付けてからノウリッジはすぐに切り出した。

 

「危険は無かった。敵意も感じなかった」

「それは良かったです」安堵する女司祭。

「だが」

 

 アッシュだけが冷や汗を流して俯いている。

 

「テネントはアッシュ君に対して『よろしく』『この間はありがとう』と言っていた」

「…………………………………………………えっと。その」

「どういうことだ? アッシュ~?」ジト目でアッシュを見る女盗賊。

「怒りませんから正直に話してください。アッシュ組ん」

「それ、絶対に怒る時の台詞だ――――?!」

 

 ノウリッジからアッシュへ向けられる視線。

 それだけではない。年上のお姉さん達からまとめてアッシュに注がれる視線。三人からの視線に耐えきれずに、すぐに白状してしまう。

 

「倒そうとした時に……お世話になった人に……テネントの姿に見出しまして……その、トドメはさせませんでした……」チラリと一度だけ女盗賊を見たアッシュ。

「はぁ~~~~……マジかよ」大きなため息と共にうつむく盗賊。

「テネントは敵ですよ? アッシュくん」

「ご、ごめんなさい!? けど、自分にはできなかったのが……」

「……」

 

 女盗賊と女司祭が少年を鬼詰めしている中で、ノウリッジは思案していた。

 伝えるべきことを伝え、既に二人が件(くだん)の少年の罪を糾弾しているので、ノウリッジは二人に糾弾役を任せていた(三人全員で詰めても良いくらいの問題だが、ノウリッジはそこに加われるような心境ではなかった)。

 

 

「なんで見逃してるんだ」

        「ゴブリンやオーク、怪物達はいけますが、

         まだ人型生物にトドメは――」

「(テネントの言っていた言葉……)」

   「駄目ですよ。アッシュ君。彼らは滅するべき『敵』です」

      「そうだぞ」

「(私は憎い相手に飲ませるような気持ちでアッシュ君にあげていた)」

         「話せば、何とかなる相手でもないのは

          もちろん僕も分かってますけど……」

    「分かってるならば次からはテネントは『必ず』倒しますよ」

      「百害あって一利もなしだぞ、サキュバスなんて……ははーん」

「(だが、気持ち一つで変わってしまう味……私はアッシュ君に……)」

      「お前、サキュバスに魅了されたな~? アッシュ」

    「えっ、アッシュくん……?」

          「ち、違いますよ!?」

       「まー、分かる分かる。オマエも男だからなー」

          「違いますから?!」

       「やーい、マセガキー」

          「むぐっ……ノウリッジさーん(泣きつく)」

「はっ……どうしたんだい、アッシュ君」

 

 アッシュからの声掛けによって我に返るノウリッジ。

 その後は話し合いによって、テネントの次回遭遇時の方針が再度決定される。

 

 テネントともう一度、会うことがあれば今度こそ倒すということ。

 

 それが決まると、ノウリッジは別の話題を切り出した。

 

「すまない……アッシュ君。今日も頼めるかな?」

「あ。頼みというのは……えっと、……アレですか」顔を染めるアッシュ。

「まだ治りそうにないんですね」口を挟む女司祭。

「ウォーム(女司祭の名前)……今日は少し試してみたいことがあるんだ」

「? はぁ」

「……だから、アッシュくんの助けがあれば今日には良くなるかもしれない」

「!! 本当ですか?」顔を明るくするアッシュ。

 

 もちろん、このアッシュの顔はクソマズ味の母乳を飲まなくても済むことよりも、仲間の身体が回復に向かうことへの嬉しさから滲む表情である。

 

「上手くいったら、明日には発(た)とう」

「朗報を期待していますよ」柔らかく笑う女司祭。

「おーおー。上手くいくことを願うわ」ぶっきらぼうに言う女盗賊。

「僕……頑張りますね!?」

「たのむ」

 

 そんなこんなでアッシュとノウリッジは二人でテントに入っていく。女盗賊はまたアッシュが顔が青くして出てくるだろうな、と予想している。しかし、女司祭は違う気持ちになっていく。

 

「(……なんだか、二人が変わってしまうような……)」

 

 女司祭は時々、神からの啓示を受ける。そんな時はいつだって首の裏がチリチリと鳥肌が立つのだ。今は軽い鳥肌に近いものが浮かんでいる。

 しかし、ただ溢れるものを吸い出すだけの治療行為だという事実。二人が恥ずかしくなるから「無音」の結界を張っていたこと。

 これまでにやましいことが一切なかったこと、ノウリッジが良識ある大人であること、といういくつもの信用と信頼が担保されてしまっていた。

 この前提達が別のものに変わることになるとは女司祭は、ましてや中にはいったノウリッジ達でさえも予想できなかった。

 

 ☆ ◯

 

 アッシュとノウリッジは向かい合った。これまでのように。

 ちょこんと、肩身が狭そうにしながら、そわそわした様子でアッシュは座っている。

 ノウリッジが胸を曝け出すまでの間は、昨日もこのような様子だったアッシュ。

 

 ノウリッジは着ていた衣類を少しずつ脱ぐ。

 外套を脱ぎ、自らの身体の脇に置き、一見するとワンピースのように見える長丈のチュニックを脱いでいく。チュニックの下からは上の下着(ブラ)と、ショートパンツに似た白く薄い絹の肌着(今日も履いている)が露わになる。

 

 彼女の豊かな胸を包んでいる下着が少年の視界に表れる。

 純黒のブラで、飾り気は少なく、レースの縁部分がまだオシャレを感じさせる所だろうか。昨日は黒だったが、今回も黒。初回は水色だったので、実はノウリッジの持っている下着の4分の3を網羅したことになる少年。

 この瞬間ばかりはアッシュの脳内メモリにばっちりと刻まれていき、視線を泳がせてしまう。

 

 たゆんっ。

 黒い下着から巨乳が解放される。肩紐が外れ、外気に触れて、柔らかく揺れる白く綺麗で大きな乳房。それに目を奪われてしまうアッシュ。

 

「今日は……その。アッシュくん。初日のような感じで頼んでもいいかな? アッシュくんが寝転がるのではなく、そのままの体勢で……近づいて、吸って欲しい」

「は、はいっ?!(い、いいのかな…… ?)」

 

 ドギマギしながら、そのまま近づくアッシュ。直視してはいけない心と、幼いながらもオスとして、ノウリッジの肌を見たい本能とに挟まれる。そんな少年性にくすりと笑うお姉さん。

 

「し、失礼します……」

 

 双丘の先、美味しそうに見える乳突起。それを見つめて、ごくりと生唾を飲むアッシュ。

 やがて、ノウリッジの顔色を伺う。こればかりは女体に触れるための通過儀礼。年上の相手の身体に勝手に触れるわけにはアッシュとしてはいけないのだ。

 

 なので、ノウリッジが首肯、首を小さく縦に振ると、それを合図に顔が更に近づいていく。

 

 はーっ。はぁ。びくっ。

 荒く熱い呼気が、乳輪と乳首に落ちる。それに過敏に反応してしまうノウリッジの女体。

 

「あむ……んっ……」

 

 ぱくり。

 まだまだ幼体たるオスの小さい唇にくるまれてしまう乳首。

 

「んっ……♡(アッシュ君の唇が……形が……)」

 

 アッシュの唇の形を覚えつつある乳房。

 

 びくっ。びくっ。たゆん。

 次に温かい口腔粘膜によって包まれていき、乳首を通して官能を得て、反応してしまう魔法使い(♀)の身体は身動ぎする。身を揺らすのに合わせて小さくたわなな果実が揺れる。

まだ、この瞬間はノウリッジに不慣れである。

 

「ふぅ……っ……」

 

 小さく深呼吸するノウリッジ。自分を落ち着かせるためのもの。

 

「(アッシュくんにあげるための……あげたい、という……気持ちで……)」

「……?」

 

 次に命令待ちで止まっているアッシュを見つめるノウリッジ。思い出すのは昨夜に出没したテネントからの助言。

 

――相手を愛す勢いで――。

 

「(……アッシュくんのことを……)」

 

 ノウリッジはアッシュのことを仲間として信頼し、信用している。それ以外であれば、絶大な恩を感じている。アッシュの顔を見つめる。愛らしい少年フェイス。短い黒髪。男の子にしては少し長めの睫毛。可愛らしさがあるベイビィフェイス。貴き生まれに多くある金髪の瞳にドキリとなる。

 

 そんな少年を愛するということ。

 愛せるのだろうか。そんな疑問が浮かびかけるが、

 

「……(私はアッシュ君が好きだ)」

 

 そんな疑問は些細なことであった。ノウリッジの小さな取り越し苦労に終わる。

 

 少年の小さな腕や手だというのに、勇者として目覚めた彼の身体は長剣を握り、オークやゴブリン、魔物軍を屠っていく。ノウリッジにはできないことだ。いつも前線で身体を張り、後衛を危険に晒さないように動き回る少年。

 

 好きになる要素よりも嫌いになる部分を探す方が難しいくらいに優しい気質に芯のある、良い子だ。

 

 意識して、愛になりうる要素を胸の内に作り出していけば、その思いは強固に固まる。

 その気持はそうして身体の表面に浮き出ていく。

 

 ぴゅる。ぴゅう。ぴゅるるるる。

 

「……っ!?」口の中に広がる液体の感覚に目を白黒させるアッシュ。

「あっ……♡ ああっ……♡ んっ……!!♡♡」甘ったるい息と「モノ」が溢れるノウリッジ。

 

 彼女の胸、その双丘の両方の先っぽから次々と乳白液が滴り出すのだった。

 

 ☆ ◯

 

「ふ、う……ふぅ……すまない……♡ んっぁ♡」

「(首を小さく横に振る)(ふるふる)」

「んんっ♡ く、首をふらないでくれ……♡」

「!(ご、ごめんなさ―――い!?)」

 

 とろとろっ。ぴゅるぴゅる。

 ノウリッジのおっぱいの先からは母乳が溢れて止まらなくなっていた。

 乳首の根元や乳頭から滲むミルクは甘ったるい匂いを周囲に撒き散らす筈が、少年の口によってそのほとんどを受け止められ、少年の喉を飲み干されていく。

 

 アッシュの口によって防がれている乳の先とは反対の方は、ノウリッジの持っている私物である空のコニカルビーカー(口がやや細くなったビーカー)によって受け止められていた。ビーカーの中には白い液体が少しずつ増えていく。

 

 テントの中には甘ったるい香りに包まれていく。

 

 ノウリッジの身には変化が起きていた。

 

「あぁっ……んっ……♡ ううっ……♡」

 

 喘ぎが明らかに増え、我慢できないくらいに次々と声がテント内に広がり、テント外には「無音の結界」によって受け止められ、漏れることはない。

 

「(なんで、こんなに……き(・)も(・)ち(・)い(・)い(・)ん(・)だ(・)……っ♡♡)」

「んっ……んっ……(んくんく)」

 

 ぴゅるっ。びゅる。

 ノウリッジの乳から吹き出る度に、彼女の背筋に凄まじい快感電流が流れていく。ゾクゾクと感じる喜悦の痺れは、彼女の身体の芯を震わせ、脳裏を白く染める。まるで、無数の陰核(クリトリス)をなぞられているような強い悦楽が浮かび、乳首はすっかり高感度の性感帯と化している。

 

 アッシュにミルクをいつまでもあげたい多幸感と愛に身体が支配される。その感覚がとても抗いたいものとなる。

 多くの書物を読んできた――博覧強記の頭脳は蕩けきり、アッシュのためのミルク製造機(サーバー)に成り下がり、だらしない表情を浮かべる。目を瞑ったり、胸に寄せるビーカーを支えるので、彼女は精一杯だ。

 

「あっ……あっ……♡ アッシュくぅんっ……♡(びくっ)」

「!(うう……)」

 

 年上のお姉さんのあられもない声を聞いてるうちにアッシュも変な気分になってしまう。また、…少年は昨日とは違う事実に気づいている。

 

「(なんで……こんなに、今日は……美味しいんだろう……)」

 

 ちぅちぅ。ちゅ~~っ。

 

「んぅ………♡♡ あっ♡(吸われていく……♡ もっと、っていう口で吸われている……♡)」

 

 少年は夢中で乳を吸ってしまう。吸うたびに、昨日とは全く違う甘味が口いっぱいに広がる。喉越しも良く、するすると飲みやすいというのに、しっかりと濃厚で高糖度なミルク。

 アッシュの舌先、味蕾は母乳を口内に受け止める度に美味しく喜ぶ。それをもっと求めるように、脳が乳吸い欲求を爆発させてしまう。麻薬中毒の如く、ミルクへの常習性が刻まれ、不可逆の変化が脳に染み込む。

 

 結果として。

 

「んっ……んっ……あ♡」

「(ちゅっ、ちゅ~~っ)んっ♥ ん」

「はーっ……はーっ……♡(出が弱まってきましたが……癖になりそうな、この……♡)」

「ん……(少ない……) ん゛っ……#(ぢゅ~~~っ)」

「あ゛っ……♡♡♡(アッシュくん……そんな……乱暴に……っ、……~~~♡)」

 

 びくびく。ぷしょっ。

 胸を吸われているだけで、気をやってしまう黒髪美女お姉さん。身体から力が抜け、ほんの少し潮を漏らしてしまう。

 

「ぷはっ……(ちゅぱっ) ……はーっ……はーっ……(僕は……)」

 

 気をやるのにあわせて、乳先から母乳が出なくなったので口を離すアッシュ。荒い息を繰り返す少年。心臓が不規則なリズムを刻んだまま、戻らない。そればかりか。

 

「(あっ……!?)」とある部位に視線を向けるノウリッジ。

 

 ノウリッジは気づく。

 アッシュの衣類の下、黒いズボンの股間部はすっかり盛り上がり、テントを張った布先は強く自己主張し、少年が「雄」であることを示していた。

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