※この作品はR-18です。

バレンタイン・コンドーム   作:屍蜂朽一

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6-4:本命コンドームで童貞卒業&処女卒業②

「つくしくん、一生のお願いがあるんだけど……」

「なんですか?」

 

 布団から出たつくしは、千夜子(ちよこ)が用意してくれたタオルで軽く汗を拭いていた。千夜子の部屋は暖房で十分温められていたが、汗をかいたあとではさすがに肌寒さを感じた。

 自分もタオルで汗を拭ってから、彼女は言った。

 

「お掃除フェラ、させてくださいっ!」

「一生のお願いで⁉」つくしは驚いて言った。「でも、そんな、悪いですよ」

「実は私、精液を飲む特訓もしてたの」

「ええっ⁉」

「ほら、特訓のときにコンドームを回収してたでしょ。その時に、ちょっと舐めてみたりして……」

「えええっ……?」

「あ、引いちゃった?」

「ちょ、ちょっとだけですが……」

「でも、ちゃんと飲めるようになったから。今から、その証拠を見せます」

 

 千夜子は、つくしのペニスからコンドームを回収した。

 

「わはぁ、今までで一番いっぱい出てる。嬉しい……!」

 

 千夜子はコンドームの口をつまみ、手のひらでうっとりと重さを確かめた。

 

 ゴクリと、彼女の喉が鳴った。

 

「行きます」

 

 千夜子はあーんと口を開け、舌を突き出し、その上でコンドームを逆さにした。ドロドロと濃厚な、射精されたばかりの精液が、ボタボタと彼女の舌に滴り落ちる。

 

「う、うわぁ……!」

 

 淫靡な光景に、つくしのペニスがビクンビクンと反応する。

 舌で大量の精液を受け切ると、千夜子は「んぐ、んぐ……」とゆっくり呑み下していった。

 あーん、と再び口を開けたとき、精液はすっかり呑み干されていた。

 

「どう?」

「す、すごいです……!」

 

 つくしは感動のあまり、胸がじーんと熱くなっていた。

 千夜子は枕元にティッシュを敷くと、空になった使用済みコンドームをその上に置いた。

 

「つくしくんに喜んで欲しくて特訓したんだ。だから、お願いっ……!」

「……わ、わかりました。では、よろしくお願いします!」

 

 つくしはペニスを──千夜子のごっくんを見て再びガチガチに勃起した、精液塗れのペニスを突き出した。

 

「いただきます……!」

 

 千夜子は嬉しそうに、ペニスを咥え込んでくれた。

 

「あああっ……!」

 

 千夜子はいきなり深くペニスを咥え込み、口の中で全体を舐め回してくれた。んぐ、んぐ、と彼女の喉が鳴っている。舐め取ったそばから、精液を呑み下してくれているのだ。

 

「千夜子さん、千夜子さんっ、ああっ……!」

 

 生フェラの快感と、お掃除フェラの背徳感で、つくしのペニスは何度も何度も力強く跳ねた。

 たっぷりと時間をかけて、お掃除フェラが終わった。

 

「……ぷはぁ」

 

 千夜子が口を離した。涎の糸が、彼女の口と亀頭部を繋いでいた。

 精液をすっかり舐め取られたペニスは、唾液でピカピカと濡れ輝いていた。

 

「千夜子さん、ありがとうございましたぁ……」

「こちらこそありがとうだよ、つくしくん。これ、どうしてもやってみたかったんだよね」

「もしかして、ロマンチックだからだったりしますか……?」

「そう! 初めてのセックスで射精してくれた精液を、全部呑んであげるやつ!」

 

 千夜子は瞳を輝かせて言った。これも女性向け作品の影響なのかもしれない。つくしにはわからなかった。

 とはいえ、気持ちよくて、嬉しくて、幸せだったことは確かだ。

 

「千夜子さん……」

「あ、つくしくん……んっ……」

 

 つくしは膝立ちになり、千夜子にお礼のキスをした。

 

「もう、お掃除フェラしたばかりだったのに……つくしくんは平気なの?」

「平気です。千夜子さん、大好きです……!」

「んっ、私も大好きだよ、つくしくん……!」

 

 つくしはためらうことなく、千夜子とのディープキスを堪能した。怯む気持ちよりも、彼女のことが愛しいという気持ちの方が何百倍も大きかった。

 時間を忘れた、長いキス。ぷはぁ、と二人して唇を離す。

 

「つくしくん……」

 

 じ~っ、と潤んだ瞳でこちらを見つめ、千夜子は言った。

 

「今度は、騎乗位エッチ、いい……?」

 

     ※

 

「では、千夜子さんの本命ゴムを、着けさせていただきます……!」

 

 つくしは、千夜子から贈られた本命コンドームの封を破り、ペニスに装着した。

 裏表を確認し、精液溜めをつまんで空気を抜き、包皮を剥いたペニスの先端部に乗せ、するすると根元まで引き下ろす──

 

「い、いかがでしょう?」

「うん、バッチリだね、つくしくん……!」

 

 千夜子は、やはり感慨深そうに、コンドームが装着されたペニスを見つめていた。

 

 つくしはベッドの上で仰向けになった。頭を、千夜子が普段使っている枕に預ける。ふわりと彼女の匂いが香った。

 裸の千夜子が股間を跨いだ。割れ目はヌルヌルのまま、開き切っていた。そこに、自前の潤滑ゼリーを追加で注入していた。とろとろと、溢れた潤滑ゼリーが糸を引いて鼠蹊部に滴り落ちる。

 千夜子が指先で、ペニスを起こした。かぷっ、と膣口が亀頭部を捕まる。

 

「二回目セックス、行くよ」

「はい……!」

 

 千夜子の腰が、ゆっくりと沈んだ。

 

 ずぷずぷずぷずぷぅ……!

 

「あっ、んんんっ……!」

「千夜子さん、ああっ、ふああああっ……!」

 

 またしても、いきなり気持ちがよかった。挿入直後から、つくしも、千夜子も、喘ぎ声を我慢できなかった。同時イキを経験したことで、性器同士がさらに深く馴染んだようだった。

 そして、実にあっさりと、当たり前のことのように、千夜子の腰は完全に沈み、つくしのペニスは根元まで咥え込まれてしまった。同時イキを経て、彼女の膣肉はさらに熱くぷりぷりに仕上がっていた。

 

「あはぁ、全部入ったよ、つくしくん……!」

「はい、すごく気持ちいいですっ……!」

「えへへ。つくしくん、童貞卒業おめでとう!」

 

 と、千夜子はにっこり笑顔で言った。

 

「えっ、さっき済ませましたよね?」

「これは、私の本命ゴムで済ませてくれた分!」

「そういうことなら──千夜子さんも、処女卒業おめでとうございます!」

「うん、ありがとう!」

 

 千夜子はペニスが抜けないか確認すると、掛け布団と毛布を背負うように持って、つくしに身体を密着させてきた。

 彼女の大きなおっぱいが、滑らかなお腹が、つくしの肌に覆いかぶさってくる。

 

「ああ、千夜子さんっ……!」

「つくしくん、大好きだよ。ぎゅ~っ!」

 

 抱き着き騎乗位の体勢。裸の千夜子に、押し潰される。

 

「あうっ、あううっ……!」

「つくしくん、重くない?」

「お、重いですけど、すっごくすっごく幸せですっ……!」

「ありがとう! 今度は私が、つくしくんを気持ちよくしてあげるからね……!」

 

 千夜子の腰が、布団の中でぬぐ、ぬぐ、と小刻みに動く。ペニスの先が、コリュッとした感触に当たる。

 

「こ、これって……⁉」

「オナニーでクリイキして、さっきはGスポットでイッちゃったからさ。ポルチオの準備、できていると思うんだよね……あっ、んんっ!」

 

 ぬぐにゅっ! と膣肉が先程までとは質の違う締まりをみせた。つくしのペニスが、根元から引き絞られる。甘い電撃が、脊髄を貫く。

 

「うわあっ、千夜子さんっ⁉」

「うん、大丈夫みたい。このまま、動いちゃうね……!」

 

 ぬぐ、ぬぐ、ぬぐ、ぬぐ……!

 

 激しい動きではなかった。それでも、ペニスの先がずっとポルチオに当たっているのがわかる。ポルチオを、亀頭部で捏ねまくっているのだ。容赦のない締めつけが、つくしのペニスを襲う。ぬぐにゅっ、ぬぐにゅっ、ぬぐにゅっ、ぬぐにゅっ!

 

「ち、千夜子さん、深いっ、あっ、んはあっ……!」

「ああっ、私の動きで感じてるつくしくん、可愛すぎるぅ……! 騎乗位、ハマっちゃうよぉ……!」

 

 千夜子は、こちらをうっとりと見下ろしていた。

 その瞳が、悪戯っぽく輝く。

 

「ん~……ねえねえ、つくしくん」

「な、なんですか……?」

「──大好きっ!」

 

 そう、笑顔で言って。

 千夜子は、深く深く腰を落とすと同時に──

 ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ~~っと、膣肉全体を意図的に締めつけてきた。

 

「ちっ、千夜子さ──はにゃあああああああっ……⁉」

 

 ポルチオセックスの締めつけと意図的な締めつけが相乗効果を起こし、つくしのペニスをかつてない密着感で締めつけてくる。ドロドロの快感が、腰から全身を犯す。

 

「あはあっ……私も気持ちいいっ……!」

 

 千夜子はつくしを抱き締め、耳元で囁く。

 

「さっきはつくしくんが、好き好きエッチを頑張ってくれたからね。今度は私が、頑張る番」

「ち、千夜子さん、待っ──」

「──大好き、大好き、大好きっ!」

 

 告白に合わせ、深く深く腰を沈める。

 つくしのことを、深く深く招き入れた上で──

 ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ~~っ、ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ~~っ、ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ~~っ! と、意図的な締めつけ。

 

「あああっ、千夜子さんっ、千夜子さぁぁぁぁんっ……⁉」

 

 つくしは悶え、千夜子の身体にすがりつく。そうでもしないと、とても我慢ができなかった。あまりに深い挿入感。溶け合ってしまいそうなほどの快楽。歯の根が合わない。好きという気持ちが、溢れ出して止まらない。

 

「千夜子さん大好きっ、千夜子さん大好きぃ……!」

「ああっ、つくしくんっ……! 私も大好きだよ、大大大大大好きだよっ……!」

 

 蕩けた瞳に、蕩けた声。

 千夜子にも、余裕はないようだった。

 

「好きっ、好きっ、好きっ、好きっ……! つくしくん、すきすきすきすきぃっ……!」

 

 口元から涎を垂らしながら、布団の中で緩やかに腰を前後させてくる。全身が痙攣しているのが、つくしにはわかる。ポルチオの快感と、意図的な締めつけから来る快感、何より告白の快感が、千夜子の身心をぐずぐずに蕩けさせているのだ。

 

 それは、つくしも同じだった。

 

「だいすきっ、だいすきっ……千夜子さんっ、だいすきだいすきだいすきぃっ……!」

 

 千夜子のお尻を、両手でむぎゅっと掴み、ぐりぐりと下から股間を突き上げる。本能的な動きだった。ポルチオをこちらからも、ぐりぐりと刺激する。

 対面を繕う余裕はなかった。つくしはいつの間にか彼女の胸元にむしゃぶりつきながら、そうしていた。

 二回目だとは思えない、あるいは二回目だからこその、本能任せ、欲望全開の恋人セックス。

 

「ああん、つくしくんずるいよぉ……私も、だいすきだいすきだいすきだいすきぃっ……!」

 

 つくしの本能的な動きを押さえ込むように、千夜子がずしんと重心を下げ、ぐ~り、ぐ~り、とねちっこく腰をくねらせてくる。意図的な締めつけも、告白に合わせ絶え間なく行ってくる。ぬぎゅぬぎゅぬぎゅぬぎゅっ、ぬぎゅぬぎゅぬぎゅぬぎゅっ!

 

「あああっ、千夜子さんっ、千夜子さぁん……!」

 

 体格差によって、もうつくしに勝ち目はなかった。千夜子の腰を細い腕で掻き抱き、されるがままになる他なかった。

 

 ぐ~り、ぐ~り、ぐ~り、ぐ~り──

 ぬぎゅぬぎゅぬぎゅぬぎゅっ、ぬぎゅぬぎゅぬぎゅぬぎゅっ、ぬぎゅぬぎゅぬぎゅぬぎゅっ、ぬぎゅぬぎゅぬぎゅぬぎゅっ──

 

「つくしくん、大好きだよ、大好きだよ……!」

「千夜子さん好きっ、千夜子さん好きぃっ……!」

「だいすき、だいすき、だいすき……!」

「大好きですっ、大好きですっ、大好きですぅっ……!」

 

 それは傍から見れば、地味な交尾だったに違いない。

 掛け布団がもぞもぞと動く程度の──小刻みで緩やかな、密着抱き着き騎乗位。

 しかしその分、布団の中では──快楽が、熱気が、何より愛情が、濃密に濃縮し、二人の肉体の境目すら超えて、一つになってぐちゅぐちゅに溶け合っていた──!

 

「つくしくん、イクよ、イクよ、イクよ……?」

 

 細かく震える声で、千夜子が言った。

 

「イキますっ、イケますっ、いつでもイケますっ……!」

 

 振り絞るように、つくしは答えた。

 

「つくしくん、つくしくん、つくしくんつくしくんつくしくんつくしくんっ……‼」

「千夜子さん、千夜子さん、千夜子さん千夜子さん千夜子さん千夜子さんっ……‼」

 

 狂おしいほどに、お互いを呼び合い、求め合い、そして──

 

「大好き大好き大好きっ、つくしくん大好きぃぃぃっ……‼」

「大好きです大好きです大好きですっ、千夜子さん大好きですぅぅぅっ……‼」

 

 ぬぎゅにゅぎゅっ‼ ぬぎゅにゅぎゅっ‼ ぬぎゅにゅぎゅぬぎゅにゅぎゅ~~~~っ‼

 ドプドプドプッ‼ ドプドプドプドプッ‼ ドプドプドプドプドプドプドプドプ~~~~ッ‼

 

 千夜子がポルチオでオーガズムを迎えた瞬間、つくしも射精していた。

 まるで睾丸から直接精液を吸い上げるかのように、膣肉がペニスを容赦なく搾り上げる。

 

「大好きっ、大好きっ、大好きっ、大好きぃっ……‼」

「大好きですっ、大好きですっ、大好きですっ、大好きですぅっ……‼」

 

 お互いの絶頂に合わせ、告白。お互いの告白に合わせ、絶頂。

 

 ぬぎゅにゅぎゅっ、ぬぎゅにゅぎゅっ、ぬぎゅにゅぎゅぅっ!

 ドプドプドプドプドプドプドプドプドプドプドプドプドプドプッ!

 

 箍が外れたように、精液が溢れ出していた。好きという気持ちも、言葉も、次から次へと、とめどなく溢れて止まらなかった。

 

「大好きっ、大好きっ、大好きっ、大好きっ……!」

「大好きです、大好きです、大好きです、大好きですっ……!」

 

 ぬぎゅ、にゅぎゅ、ぬぎゅ、にゅぎゅ……。

 ドプッ、ドプッ、ドプッ、ドプッ……。

 

 気がつくと、つくしと千夜子はキスをしながら告白し合っていた。大好きと言って、キスをして、大好きと言って、キスをして──

 余韻に浸っているあいだも、ずっとベロチューをして、ずっと口の中で大好きだと囁き合っていた。

 

 大好き、大好き、大好き、大好き……。

 大好き、大好き、大好き、大好き……。

 

「──ポルチオセックスでも、一緒にイケちゃったね……」

 

 どれほどの時間が経ったのか、わからなかった。

 布団の中で二人はぐったりと抱き合い、千夜子はつくしの上で陶然としていた。

 

「しかも、二回目のセックスでだよ。まさか、ここまで上手くいくとは思ってなかったよ……」

「千夜子さんの騎乗位、すごすぎました……」つくしもぼうっとしていた。「まだ、あそこがじんじんしてます。気持ちよかったぁ……」

「つくしくんのオチンチンもすごかったよ。いっぱい我慢してくれて、ありがとう……!」

 

 千夜子が、ちゅっとつくしのおでこにキスをする。

 そして、じぃっと期待感の込められた目で、つくしを見つめた。

 

「な、なんですか?」

「んふー、何だと思う?」

「……もしかして、またお掃除フェラをしたいとか?」

「当たり。んっ……」

 

 千夜子が掛け布団と毛布を脱ぎ捨てるように剥(は)いだ。むわり、とこもっていた二人の熱気が解放される。汗まみれの肌の匂いに、何より自分たちの性臭に、つくしはクラクラとしてしまう。

 千夜子が、腰をゆっくりと引き上げる。彼女のオマンコは最後までペニスに吸いつき──ちゅぽっと音を立て、ペニスが引き抜かれた。

 

「ああっ……」

「すごい、お腹にまだ余韻が残ってる……つくしくんは、まだ寝てていいからね?」

 

 千夜子がいそいそと身体を下にずらし、ペニスからコンドームを回収した。

 

「あはっ、またいっぱい出してくれたねぇ……!」

 

 千夜子はぷっくりと膨らんだコンドームにちゅっちゅっとキスをしてから、ペニスにもちゅっちゅっちゅっちゅっとキスをしてくれた。さらにちゅ~~~~っと愛情たっぷりなオチンポキスで、尿道に残った精液を啜り取る。

 

「あひぃっ⁉」

 

 思わず変な声を上げてしまったたつくしを見てにっこりと笑い、精液塗れのペニスを口に含む。上目遣いでこちらの反応を眺めながら、ゆっくりと愛おしそうにペニスを舐めしゃぶってくれる。

 

「あひっ、ふえっ、はああっ……!」

 

 本気セックスの余韻が残るペニスを、丁寧に丁寧に舐め回され、つくしは何度も何度も情けない声を上げてしまった。その度に千夜子は楽しそうに微笑み、んぐんぐと精液を呑み下してくれた。

 仕上げにもう一度、ちゅちゅちゅ~~~~っと熱烈なオチンポキスで残液とカウパーを啜り取り──っぷはぁ、と彼女は口を離した。

 

「は、はへぇ……⁉」

「つくしくん、もう動けそう?」

「は、はい、ありがとうございま──」

「今度は、つくしくんに呑ませて欲しいなぁ」

 

 千夜子が、たっぷりと膨らんだ使用済みコンドームを掲げて言った。

 

 ドクンッ、とつくしの心臓が高鳴った。

 

「……わ、わかりました」

 

 身体を起こし、膝立ちになる。千夜子から使用済みのコンドームを受け取る。彼女はベッドの上でぺたんと座り、あからさまにわくわくとしていた。

 

 あーん、と口が開いた。舌が突き出される。

 

「……い、行きますよ」

 

 つくしは千夜子の舌の上で、慎重にコンドームを逆さにした。

 ドロッ、ドロドロドロォッ……。

 塊のような精液が、彼女の舌の上へボタッ、ボタボタッと滴り落ちる。

 

「んっ、んぐっ……」

 

 千夜子は喉を鳴らし、既に嚥下を始めていた。舌の上だけでは受け切れないほど、つくしは大量に射精していたのだ。

 コンドームの中身が空になった。舌から精液がこぼれそうになり、千夜子は慌てて口の中に舌を引っ込めた。口元を手で押さえ、んぐ、んぐ、とゆっくり嚥下を続ける。

 つくしはそれを、最後まで見守った。

 

「……ごちそうさまでした!」

 

 千夜子が笑顔であーんと口を開けた。つくしの精液は、すっかり呑み干されていた。

 

「あ、ありがとうございました……!」

「こちらこそ、いっぱい出してくれてありがとう!」

 

 千夜子は、つくしから空になった使用済みコンドームを受け取り、先程のティッシュの上に置いた。

 つくしの逆コンドームと、千夜子の本命コンドームが並ぶ。

 

「うーん、エモいね」

「すみません。ぼくにはわかりません……」

「記念に写真を撮っておこう」

 

 千夜子はスマートフォンを取り出し、二つ並んだ使用済みコンドームを撮影した。

 

「インスタに上げていい?」

「いいわけないです」

「じゃあ妹に報告するだけで」

「それなら、まあ……?」

「あ、返信きた。あは、心愛(ここあ)ちゃんも、エモい、ロマンチックって言ってくれてる!」

「姉妹共通の感性だったんですね……」

「あっ、へえ」千夜子はスマホの画面を見て言った。「心愛ちゃんはいま、今日できたばかりの彼氏くんと、ラブホで本命コンドームを使い切るチャレンジをやってるみたい。こっちもロマンチックだね!」

「確か、弥生(やよい)真白(ましろ)さんって方でしたよね。……死んじゃうんじゃないですか?」

「私たちも、やってみる?」

「二箱分は、本当に死んじゃいます……」

「じゃあ、三回戦四回戦は?」

「それは……したい、です」

「んふふ、私も」千夜子は笑顔で言った。「じゃあ次は、またつくしくんのコンドームを使う番だね!」

 

     ※

 

「改めて、最高で完璧なバレンタインデーになったなぁ……」

 

 千夜子が、満足そうに溜め息を漏らした。

 すっかり夜も更けて、二月十四日が終わろうとしていた。

 つくしと彼女は、ベッドの中で抱き合い、まったりと過ごしていた。枕元のティッシュの上には、使用済みコンドームがずらりと並んでいた。結局、三回戦四回戦では終わらなかったのだ。

 

「改めて、つくしくんの逆コンドーム、本当に嬉しかったよ。ありがとう」

「思っていた以上に喜んでもらえたみたいで、ぼくもすっごく嬉しいです」

「つくしくん、だーいすきっ!」

「ぼくもだーいすきです、千夜子さんっ!」

 

 イチャイチャ、イチャイチャ……つくしと千夜子は、何度目かもわからないキスとハグとベロチューと愛撫のし合いっこをした。

 

「それにしても、これはあれだね」千夜子が言った。「ホワイトデーのお返しにも、期待しちゃうなぁ……!」

「な、なに言ってるんですか千夜子さん⁉」つくしの顔は、たちまち真っ赤になった。「ぼっ、ぼくたちにはまだ、気が早いですよっ!」

 

 三月十四日。ホワイトデー。

 男性が、パートナーである女性にバレンタインデーのお返しをする、特別な一日。

 つまり、女性の膣内に、直接──

 

「えー、その頃には受験も終わってるだろうし、ご褒美としてちょうどいいと思うんだよね、ホワイトデー」

「そ、それはそうかもしれませんけど……」

「あっ、そうか!」千夜子が顔を輝かせた。「つくしくんが逆ゴムをくれたんだから、ホワイトデーは、私からもお返しをしなきゃなんだ!」

「ち、千夜子さんの、逆ホワイトデー……⁉」

「それだけじゃないよ。そもそも受験が終わったら、毎日でもセックスしていいんだから! あはぁ、どうしよう、幸せ過ぎる~!」

「ま、毎日……⁉」

「もちろん、勉強とかに差し支えない程度に、毎日ね」

「毎日なのは変わらないんですね……」

「楽しみだね、つくしくん!」

 

 にこにこと笑う千夜子を見て、

 

「……はいっ、ぼくも楽しみです!」

 

 つくしも、笑顔でそう答えたのだった。

 

     ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 二月十四日。バレンタインデー。

 それは、女性がセックスをしたい男性にコンドームを贈る、特別な一日である。

 

     ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 




『バレンタイン・コンドーム』は、これにて最終回です。
 最後まで読んでいただき、そして、お気に入り登録や評価や感想をしていただき、誠にありがとうございました!
 またバレンタインデーになりましたら、この作品のことを思い出してくださいますと幸いです!
 それではまた、別の作品でお会い致しましょう。ハッピーバレンタイン!
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