2-1:雪消美景&末黒芒、花見仲春(と引鴨と四方木)
「花見くん、おはようございます! ハッピーバレンタイン!」
二月十四日。ショコラ高校。午前七時四十五分。
二年B組の教室で
個包装のコンドームが詰まった色付きの小さなジップ袋──いわゆる、義理コンドームである。
「おはよう。今年もありがとね、委員長」
「よかったら今年も使ってくださいね。あ、
新たに登校してきた男子のクラスメイトに、雪消美景が長い黒髪をふわりとなびかせ歩み寄る。
そして、
「お二人にも──はい、ハッピーバレンタインです!」
花見に渡したものと同じ、義理コンドームの包みを、二人にも差し出した。
「おはよう、委員長。義理ゴムありがとな」
「うわ~っ、やったぁ! 委員長ありがとう!」
「いえいえ。よかったら使ってくださいね。あ、おはようございます!」
他の男子たちも、続々と登校してくる。
その、全員に。
「はい、委員長さんからのハッピーバレンタインです!」
雪消美景は、にこやかに義理コンドームを渡していった。
「ありがとう、委員長!」「やったやった! 俺、義理ゴム貰うの初めてだ!」
喜びに沸く男子たち。
そして、さらに、
「おっはよ~!」
二年B組のビッチギャル筆頭──
「みんな~、義理ゴム配りの時間だよ~!」
義理コンドームの包みを満載したケースを、彼女は弾けるような笑顔で掲げてみせた。
「やったぁぁぁぁ! 今年は二人分の義理ゴムだぁぁぁぁ!」「うおおおお! 二年B組でよかったぁぁぁぁぁぁっ!」
男子たちの盛り上がりは、最高潮に達した。
「まさにバレンタインデー、って感じだな」
「す、すごい……本当に二人とも、男子全員に義理ゴムを配ってる……!」
花見仲春のもとに、友人である引鴨と四方木がやってきた。雪消美景から受け取った義理コンドームを、二人とも大事そうに持っている。
「放課後が待ち遠しいね」花見仲春は言った。「二人とも、心と体の準備はできてる?」
「ああ。ヤル気もオナ禁もバッチリだぜ」引鴨が言った。「俺は去年末黒とはヤッたからな。今年は委員長とのセックスを優先だ!」
「ぼ、僕は末黒さんで、童貞卒業っ……!」と四方木。
「僕の目標は、雪消委員長へのリベンジだ!」
花見仲春は言った。
「今年こそは、委員長に満足させてもらうだけじゃなくて、委員長にも満足してもらえるバレンタインデーにしてみせるっ!」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
二月十四日。バレンタインデー。
それは、女性がセックスをしたい男性にコンドームを贈る、特別な一日──
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「花見くん、オチンチンのサイズを教えていただけますか?」
「13.9センチ、コンドームの推奨サイズはMだったよ」
「ありがとうございます。あ、去年よりちょっと大きくなったんじゃありません?」
「覚えててくれたんだ。さすが委員長」
「いえいえ。引鴨くんはいかがでしたか?」
「16.5センチ、推奨サイズはL」
「ありがとうございます。最後に、四方木くんはいかがでしたか?」
「ぼ、ぼくは12.2センチ、推奨サイズはSでした……」
「ありがとうございます! ご協力感謝です!」
雪消美景はにっこり微笑んで一礼すると、別の男子のサイズを聞きに向かった。
「……すごいなぁ……」
雪消美景のことを目で追いながら、四方木が言った。
「委員長、去年もああやってクラスの男子全員にペニスのサイズを訊いて回って、全員に義理コンドームを配ってくれたんだよね?」
「うん」花見仲春は頷いた。「去年の委員長も、あんな感じだった」
二月七日。ショコラ高校。二年B組の教室。
この日、ショコラ高校では全校一斉の健康診断が行われていた。来たるべきバレンタインデーに備えた、特別な健康診断である。
男女ともに性感染症の検査が行われ、男子生徒の場合は勃起時のペニスのサイズが計測される。これによって、推奨されるコンドームのサイズが把握できるのだ。
花見仲春、引鴨、四方木の三人は、健康診断を終えて教室に戻っていた。クラス全員の健康診断が終わるまでは自由時間ということで、クラスの友人同士で駄弁っていたのである。
そこに、二年B組の学級委員長である雪消美景が、ペニスの計測結果を訊きにやってきたのだ。
キューティクルの美しい、黒髪のロングヘアー。校則通りの膝丈スカートの下は、学校指定の黒タイツ。スマートフォンでメモを取る手は白くたおやかで、花見もいつの間にか目で追ってしまっていた。
「花見くんは、去年委員長と同じクラスだったんだよね」
四方木が言った。花見の友人で、手足のひょろ長い痩せ型の男子生徒である。
「委員長、二十人以上の男子を一度に相手にしたって本当?」
「いいや、男子の側にもいろいろ事情があるからね。実際のところ、参加したのは十二、三人だったはずだよ」
「いやいや、十分すごいよ……!」
四方木が、キラキラと尊敬の眼差しで雪消美景のことを見つめる。
「僕、義理コンドームも貰ったことがないからさ。今年のバレンタインデー、すごく楽しみだよ……!」
「おっと、だったら今年は委員長だけじゃねぇぞ」
そう言ったのは、やはり花見の友人である引鴨だった。空手部に所属する、精悍な顔つきと身体つきをした男子生徒である。
「末黒も去年、クラスの男子全員に義理ゴムを配ってたからな。たぶん今年も配るんじゃねぇか?」
「ええっ、末黒さんもそうだったの!?」
四方木が驚きに目を瞠った、ちょうどその時だ。
「たっだいま~!」
教室の扉を開けて、末黒芒が健康診断から帰ってきた。
金髪に染めた髪にプリン頭。短めにしたスカートにサイハイソックス。肌を全身小麦色に焼いた、クラスのビッチギャル筆頭である。
「あはー、お帰り」「……お帰りなさい」
末黒芒の友人であるビッチギャル二人組が、声をかける。
「あー……で、なんかもらってた?」
「もらってないから~。バチクソ健康体~!」
末黒芒が、にっこり笑顔でVサインを作る。
「あはー、そいつは重畳」
「……よかった」
「ウチらも健康体。これで今年のバレンタインも楽しめそうだな」
「あ、じゃあじゃあ、一緒にクラスの男子全員に義理ゴム配っちゃう~?」と末黒。
「いやムリだから。体力持たねぇ」
「……芒や委員長たちが、特別」
「あ、そうだった。委員長~! どう? 情報集まってる~?」
「芒ちゃん、お帰りなさい。はい、バッチリ情報収集してますよ!」
末黒芒に話しかけられた雪消美景が、にっこり笑顔で応対する。
二年B組の学級委員長である、雪消美景。
二年B組のビッチギャル筆頭である、末黒芒。
一見まるで正反対な二人だったが──その実、仲はいいらしい。
「さっすが委員長~! 今度二人で、得意なプレイのすり合わせとかしようよ~」
「あ、いいですねぇ。みんなが楽しんでくれるように、一緒に頑張りましょう!」
花見仲春、引鴨、四方木の三人は、そんな二人の会話に、さりげなく耳を傾けていた。
「……聞いた?」花見は言った。
「ああ。あの感じだと、今年は委員長と末黒の二人で、男子全員に義理ゴムを配ってくれるみたいだな」
「……うおおおおっ、楽しみすぎるぅぅぅぅっ……!」
四方木は興奮を抑えられない様子で小さく唸っていた。
「おっ、委員長の時よりテンション高いな。末黒のこと、狙ってたのか?」
「狙ってたというか、童貞を卒業するならギャル系の女子がいいって、ずっと夢だったんだ……!」
熱を込めて、四方木は言った。
「ねえ、引鴨くんは去年末黒さんと同じクラスだったんだよね? 末黒さん、アソコまで含めて全身日焼けしてるって、本当?」
「ああ。しかも、パイパン」
「……おおっ、おおっ、おおおっ……!」
四方木は前屈みになっていた。勃起してしまったのだろう。
「バレンタインデー、楽しみすぎるっ……! そうだ、二人は去年、委員長たちとセックスしたってことだよね? どんな感じだったの?」
わくわく顔の四方木に訊かれた花見仲春と引鴨は、
「「うーん……」」
と、押し黙ってしまった。
「ど、どうしたの? まさか何か嫌なこととか、事故でもあったの?」
「いや、そんなことは全然ないよ」
「むしろ大成功で終わったって感じだよな。ただ、まあ……」
「うん、まあ、ね……」
「もう、もったいぶらないで教えてよ」
「えっと、じゃあまず大前提として──」
花見仲春は言った。
「そもそも、いくらエッチなことが大好きな女子であっても、クラスの男子全員に義理コンドームを配る人なんてなかなかいないってことは、わかるよね?」
「ああ、それはわかるよ」四方木は言った。「僕だって正直、都市伝説か何かだと思ってたもん」
「配るとしても、知り合いの何人かに配るってパターンの方が多いわけよ」と引鴨が言った。「ちょうど、俺ん家の姉ちゃんみたいにな」
「あ、引鴨くんってお姉さんいるんだ」と四方木。「義理ゴムって、貰ったりする?」
「一応な」と引鴨。「でも使う気にはなれんね。姉ちゃん義理ゴムを配った相手を自分の部屋に呼ぶのよ。順番的に俺はその後になるからさ。知らん奴の後っつーのは、ちょっとな」
「へー。僕の家は家族からの義理ゴムはなしの方針だから、貰えるだけでも羨ましいけどなぁ……」
「ともかく、クラスの男子全員に義理コンドームを配る女子なんて、なかなかいない」花見は言った。「逆に、それをやってのけるということは、それだけ体力や性欲に自信があるってことなんだ」
「ということは、つまり……」
「全滅だった」
花見仲春は言った。
「雪消美景委員長は去年、集まった男子生徒全員を、勃起できなくなるまで搾り尽くしちゃったんだ」
「そ、そんなに……?」
「ちなみに、末黒もそうだったぜ」引鴨が言った。「集まったクラスの男子全員、ノックアウトだった」
「え、えええ……?」
四方木は半信半疑の様子だった。
「まあ、実際に経験しないと信じ切れないところはあるよな」引鴨は言った。「特に、ビッチギャルで名の通ってる末黒はともかく、委員長までそれに匹敵するドスケベなんてよ」
「えっと、じゃあ花見くんも引鴨くんも、その、勃たなくなるまで搾り取られたってこと?」
花見仲春は、引鴨と一緒に頷いた。
「オナ禁してた分も、その場で新たに作られた分も、一滴残らず、ね」
「搾られ過ぎたせいかしんないけどよ、まーじで家に帰ってからも勃たなくてさぁ。俺のチンポ大丈夫なんかって不安になったわ……」
「そ、そうなんだ……」
四方木は、期待半分、困惑半分といった様子だった。
「とまあ、去年は委員長に圧倒されっ放しだったからね。今年は、リベンジしたいって考えてるんだ」
花見仲春は言った。
「リベンジ?」四方木が首を傾げる。
「去年は委員長にイッてもらう前に僕たち男子側が力尽きちゃったからね。今年は、委員長にイッてもらえるように頑張りたいんだ」
「あれ、でも乱交で女性側のオーガズムにこだわるのって、あんまりよくないことなんじゃなかったっけ?」四方木が言った。
「基本的にはね」と花見。「でも、今しているのはあくまで締めの段階の話だよ。乱交の締めのセックスで、委員長に気持ちよくイッてもらいたいって話」
「末黒相手でも同じだったんだけどよ……」と引鴨。「去年は、相手がまだまだ余力を残している段階で、俺たち男子側が続行不能になっちまったんだよなぁ……」
「なるほど。それは確かに心残りだね……」四方木は言った。「じゃあ、何か作戦でもあるの?」
「もちろんだよ」花見仲春は言った。「この一年、雪消委員長にリベンジする方法を考えない日はなかったからね。たとえどんなクラス分けになったとしても、たとえ自分が委員長とは別のクラスになったとしても、委員長にイッてもらう作戦をそのクラスの男子と共有しよう、そして委員長に満足してもらおうって考えて、知恵を絞ってきたんだ」
「そ、そうなんだ……」と、四方木は若干引いていた。
「うーん。花見に比べたら、俺はそこまでモチベーションは高くねぇな……」引鴨が言った。「末黒にリベンジしたいって気持ちはあるけどよ、せっかく今年は委員長ともセックスできるってんなら、そっちを優先したいって気持ちの方が強いぜ」
「そうか、二人から義理コンドームを貰えるなら、どっちを使ったって……いや、どっちも使ったっていいんだ……!」
四方木が瞳を輝かせていた。
「そうだね」花見も頷いた。「まさか同じクラスになるとは思ってなかったから、そこはちょっと想定外かな。リベンジじゃなくて、あくまでバレンタインデーを楽しむことを優先したいって気持ちを、咎めることはできないよ」
「ま、この一年で体力的にも成長したって自負はあるからよ。作戦があるってんなら手伝うつもりではいるぜ」
「あ、じゃあ僕が末黒さんを担当するよ!」と四方木。「末黒さんにも、気持ちよくイッてもらいたいからね。作戦があるなら、協力する!」
「ありがとう、引鴨くん、四方木くん」花見仲春は言った。「僕一人じゃとても達成できない目標だからね。心強いよ」
「よーし、決めたぞ」四方木が言った。「僕は今年のバレンタインデー、末黒さんで童貞を卒業する! そしてあわよくば、末黒さんにイッてもらう! そして余裕があったら、委員長ともセックスする!」
「ははっ、欲張りだな。でも、いいと思うぜ」引鴨が言った。「ま、それでも俺は、委員長とのセックスを優先するつもりだけどな。で、花見の作戦を手伝う」
「僕は、雪消委員長にリベンジだ!」
と、花見仲春は言った。
「二人に満足してもらえるように、作戦会議とオナ禁、頑張ろう!」
「おう」
「お、お~……!」
花見仲春の言葉に、引鴨と四方木も続いた。
そして、二月十四日。バレンタインデー当日──
バレンタインデーの影響力はすさまじく、この日は普段よりも早く授業が終わる。
放課後。生徒会役員、保健委員、風紀委員の生徒たちが監督する中、男子生徒たちが中心となってバレンタインデーの準備が行われた。
使用される教室の清掃、簡易ベッドの設営、温めたローション&潤滑ゼリーの用意、水分補給用のスポーツ飲料の用意、ペニスを拭うためのティッシュやウェットティッシュの用意、女子用のバスローブの用意、などなど……。
それが終わると、生徒たちはシャワーを浴び、身支度を済ませ、そして──
「みなさん、お待たせいたしました」
「集まってくれて、ありがと~!」
雪消美景と末黒芒が、二年B組の教室に戻ってきた。二人もシャワーを浴びて、身支度を整えてきてくれたのだ。ふわりと漂うシャンプーやボディーソープの香り、何より二人の濡れた髪の匂いが、教室の雰囲気をガラリと変えた。
「「「「「うおおおおっ、待ってました、委員長!」」」」」
「「「「「末黒さんも、ありがとう!」」」」」
二年B組の教室に集まった──二十名を超える男子生徒たちが、拍手で二人を出迎える。
「って、参加人数多くないっ!?」四方木が言った。
「どうやら去年同じクラスだった男子たちにも、律儀に義理コンドームを配ってたみたいだね……」花見仲春は言った。
「末黒もそうみたいだな」と引鴨。「つっても、全員が今年も参加したってわけじゃないらしい。せいぜい半分くらいってところかな」
「うちのクラスの男子も、全員が参加してるわけじゃないからね」と花見。「
「ああ、弥生なら妹さんの方の
「あ、じゃあ如月さんが上手くやったんだ」花見は笑った。「弥生くんも水臭いな、一言言ってくれればいいのに」
「如月さんよかったね……って、それはそれとしてだよ!」四方木が言った。「参加人数、普通に二十人は超えてる感じだよ!? 委員長と末黒さん、本当に捌き切れるのかな……?」
「それではこれより、私と芒ちゃんのバレンタインデーを開催させていただきます!」
雪消美景が宣言し、教室は再び大きな拍手に包まれた。
雪消美景と末黒芒が、教卓の前に並び立つ。清掃時に男子たちが机と椅子を脇に寄せ、教室の中央には広い空間が作られていた。二人のことを、二十名を超える男子生徒たちが輪を作って取り囲む。暖房を効かせた教室の空気は、興奮した男子たちの熱気でさらに暑くなっていた。
「ざっくりNG事項を確認しておくと、アタシも委員長も、キスと過度なボディタッチとアナル周りがNGだからね~!」
今度は末黒芒が呼びかけた。
「細かいところで迷ったら、その都度確認する感じで! ルールとマナーを守って、楽しく乱交しちゃおうね~!」
「「「「「はーい!」」」」」
と、男子たちは元気に返事をした。
「よ~し、いい返事! じゃあまずは、ゴム見抜きからスタート~!」
ゴム見抜き──
バレンタインデーの義理ゴムセックスで、どこまでのプレイを許容するかは、個々人によって大きく異なる。
それは、女性であっても男性であっても変わらない。
極端な話、挿入は望まないが義理コンドームはくれる女性がいるように、義理コンドームは貰うが挿入は望まない男性も存在する。
見抜き勢が、前に出た。
制服のズボンのチャックから──あるいはズボンを半脱ぎ状態にして下着の前部から──勃起したペニスを取り出し、貰った義理コンドームを装着した男子たち。
彼らは義理コンドームをペニスに装着し、くれた相手をオカズにオナニーをすることで満足する。
もちろん、見抜きだけで満足する男子ばかりではない。他のプレイの下準備として見抜きをする男子生徒たちも、そこには混じっている。
他にも、特定のパートナーがいるものの、「見抜きまでなら」といったパートナーからの許諾を得た上で参加している男子生徒たちも、存在している。
「ふふ、オチンチンがいっぱい。バレンタインデーが始まったって感じがしますね」
「みんな、アタシたちのゴムを使ってくれて、ありがとね~!」
「うおお、こんな感じなのか……!」初参加の四方木が、恥ずかしそうにペニスを取り出していた。他の男子たちと同様、期待感で既に勃起している。
「貰ったゴムの中にローションを垂らすと、自分で扱くときにいい感じだぞ」引鴨が彼にアドバイスをしていた。
雪消美景と末黒芒を囲むように見抜き勢の男子たちがしゃがみ込み、ローアングルを確保する。
「委員長、末黒さん、パンツ見せて!」さっそく、見抜き勢の一人が言った。
「はーい、いいですよ。まずはオカズ供給の時間ですね」
「オッケー。じゃあ委員長、せーので見せてあげようよ。せーのっ──!」
二人が同時に、制服のスカートの裾をぴらりとたくし上げた。
おおおおおっ……! と男子たちがどよめく。
「あれっ? 委員長、パンツはいてないじゃん!」
「はい、今年はノーパン黒タイツにしてみました。チャームポイントは、太ももに巻いたガーターリングです!」
黒タイツ越しに、整えられた恥毛の様子や、大陰唇や割れ目の形がうっすらと浮かび上がっていた。遠目からでも、ドキンと花見の心臓が高鳴る。
「末黒さんは、白いサイハイソックスにガーターベルト、ヒョウ柄の紐パンの組み合わせかぁ!」
「ふっふっふ~。たぶん委員長と同じ理由でガーターベルトをしてるよ。楽しみにしててね!」
「なになに、どういうこと?」
初参加の四方木が不思議そうにしているのを、経験者である引鴨はニヤニヤしながら見守っていた。
二人を囲んだ見抜き勢が、さっそく手を動かし始める。二人のスカートの中を凝視しながら、内側にローションを加えた義理コンドームをぐちゅぐちゅと鳴らす。
「委員長、くるって回って後ろの方も見せて!」
「はーい、いいですよ」
「末黒さん、脚をがに股気味にして、腰を突き出してみてくれる?」
「オッケー。あはは、なにこれ恥っず~」
二人は見抜き勢のリクエストに、快く応えてくれた。
そして、
「うっ……‼」
見抜き勢の一人が、早くも射精した。
「あっ、一人目のお射精ありがとうございます!」雪消美景がにっこりと笑顔を浮かべる。「最後まで出せましたか? では、こちらでお預かりいたします!」
「うん……はい、委員長」
雪消美景が、しっかりと口の縛られた使用済みコンドームを受け取る。
「わぁ、一杯出してくださったんですね。嬉しいです!」
そして彼女は──
太ももに巻いたガーターリングに、その使用済みコンドームを結びつけた。
「そ、そうやって使うの⁉」と初参加の四方木。
「ああ、委員長と使用済みゴムの組み合わせ……イクッ!!」別の見抜き勢も射精した。
「末黒さん、こっちも出るよ、イクとこ見てて……!」
「オッケー!」
末黒芒がペニスを扱く見抜き勢の一人を、スカートをたくし上げたままじーっと見つめた。
「ああ、ありがとうっ──イクッ!!」「あっ、ダメだ、俺も貰いイキするっ……!!」
「あはは~、イッた証拠は、アタシにもちょうだいね?」
末黒芒も、見抜き勢からしっかりと口の縛られた使用済みコンドームを受け取った。彼女は自らのサイハイソックスの穿き口に、使用済みコンドームを引っ掛けた。
「す、末黒さんまで⁉ だ、ダメだ、ちゃんと我慢しないと……!」
四方木が手を動かすのを中断する。しかし、太ももから使用済みコンドームをぶら下げた二人を前に、彼のペニスはビクビクと何度も痙攣していた。
早漏気味の見抜き勢が、次々と陥落していく。雪消美景と末黒芒は、嬉しそうに中身の詰まったコンドームを受け取り、次々と太ももに装着していく。そのビジュアルが、男子たちの興奮をさらに加速させる。
二人は色とりどりのコンドームに彩られた太ももを見せつけるように、大胆にスカートの裾をたくし上げ、様々なポーズを取ってみせた。
「「「おおおおおっ……!!」」」
二人がポーズを取る度に、男子たちがどよめく。
「あ~、委員長可愛いっ……!」「末黒も、ノリノリなのがたまんねぇ……!」
「やばいっ、やばいっ! まだ見抜きなのに二回目出るっ! 二回目でるぅっ!!」「俺見抜き勢だからここで抜くっ! ここでイクぅっ……!!」
「おおっ、危ねぇ……勝手にチンポに手が伸びてた……」「セックスはまだまだ先なんだ。だからここは我慢、我慢だ、俺の息子よ……!」
「……なあ、ヤバくねぇか?」引鴨が言った。
「うん、ちょっと計算外……いや、予想以上かも……」と花見仲春。
「なに? どうかしたの?」と四方木。
「僕たちは、委員長と末黒さんにリベンジをするために、いろいろと計画を立ててきたでしょ?」
花見仲春は答える。
「でも、メインとなる方針は結局、地味だけど体力管理に気をつけることになった。有志の人に締めのセックスになっても体力を温存しておいてもらって、締めのセックスを担当してもらうって作戦。でも……」
「委員長と末黒が並んでエロいことをしてるビジュアルは、予想以上だ」引鴨が言った。「これだと興奮しすぎて、去年以上に体力の消耗が早まっちまう可能性が高い。そうなると、体力管理の計算が狂っちまう」
「でも、思ってたよりも参加人数が多いみたいだし、案外なんとかなっちゃうんじゃない?」四方木は言った。
「いや、参加人数が多いというのも、不安材料だよ」と花見。「それだけの量の義理コンドームを配ったということは──委員長も末黒さんも、去年以上に成長しているということ。それに、他の男子のセックスを見せつけられる機会が、それだけ増えるということ」
「乱交が盛り上がってくると、他のやつらのセックスでも興奮して、独特の雰囲気が醸成されてくるからな」と引鴨。「去年も、そうだった」
「場の雰囲気に呑まれてしまうこともあるけれど……場の雰囲気に適合できれば、いつも以上のパフォーマンスを発揮できる」
「だがその代わり、いつも以上に体力を消耗しちまう」と引鴨。「去年も、そうだった……」
「そ、そうなんだ……」四方木が、ごくりと唾を呑み込む。
「しかもその現象が、委員長と末黒さんの二人がいることで、二倍あるいはそれ以上の効果を発揮することだって考えられる。もし、そうなるとしたら……」
花見仲春は言った。
「今年のバレンタインデー……何が起こるか、わからない」
「……だとしても、やることは変わらねぇ。まずは、楽しむことが最優先だ!」
引鴨が言った。そして、
「委員長、そろそろ手コキして欲しい!」
と手を挙げた。
「いいですよ。では引鴨くんからどうぞ!」
「末黒も、手コキいい?」別の男子が手を上げた。
「もちろん、オッケーだよ!」
局面が動く。
雪消美景と末黒芒のバレンタインデーは、ここからが本番だった。