TS魔法少女戦隊の落日 作:中の人
「我輩こそは秘密結社ドアクトーの精鋭怪人、アナルほじり男爵であーる! 女も男も我輩の触手でガバガバアナルにしてやるのであーる! ものども、かかれぃ!!」
「「「「ウィー!」」」」
今日も今日とて悪の組織が町中で暴れ出し、人々は悲鳴をあげて逃げ惑う。
「相変わらず懲りねー野郎だなドアクトー! タコの丸焼きにしてやらぁ!!」
「しつこい……諦めれば良いのに……」
「人様に迷惑ばかりかけて! 許せません!」
「今回も間に合ったみたいだな! いっくぜー!」
「学習能力ってものがないのかな~? 頭スカスカ~♡ ザコすぎてかわいそ~♡」
そして正義の魔法少女戦隊ペンタグラムが出動し、いつもならそのまま戦闘が開始されるわけだが、今日は何やら様子が違っていた。
「出たなペンタグラム! 逃げるが勝ちであーる!!」
「あ!? 逃がすかよタコが!!」
普段ならペンタグラムに襲い掛かりあっさりと返り討ちにあうドアクトーの怪人が、戦闘員たちを置き去りにして一目散に逃げだしたのだ。
それに対し、基本的に怪人討伐を担当しているレッドが、相談もせず反射的に飛び出してアナルほじり男爵を追いかけ始めた。
「ふぁ……、めんどいなぁ……」
「レッド! 単独行動は危険です!」
「つってもこっちはこっちで何とかしなきゃだぜ!」
「てかレッドが怪人に負けるとかありえないし、放っておけばよくない?」
一方で戦闘員たちはいつも通り市民を襲うのを止めないため、ブルーたちはそちらの対応をせざるを得ない。グリーンは突出してしまっているレッドの身を案じるように声を上げたが、イエローとピンクの言葉を受けてそれもそうかと考え直し目の前の戦闘員に集中する。
今までもレッドが一人で怪人を撃破していることは多い。今更心配など必要ないと全員が確信しているのだ。
「タコのクセにすばしっこいんだよクソが!」
「愚かな! タコとは元々素早い生き物であーる!」
「そりゃ水ん中の話だろうが!!」
暴言を吐きながら怪人を追い詰めるレッドに対し、怪人は必死の形相でレッドを煽りながら逃げ続ける。しかしレッドの移動速度はペンタグラムの中でも上から二番目に数えられるほど速く、どんどん距離は縮まっていき捕まるのも時間の問題かに見えた。
「今でアール!」
「空間相互転移装置起動!!」
「うおおぉぉ!? なんだ!?」
最後の悪あがきと言わんばかりに、怪人はとあるビルの自動ドアをぶち破りながら建物に侵入し、エントランスにガラスをぶちまけつつ合図のような声をあげた。
すると次の瞬間、怪人を追ってビルに突っ込んだレッドは内臓を揺さぶられるような不愉快な浮遊感に襲われ、気が付くと周囲の景色が一変していた。
「チッ、何しやがった?」
キョロキョロと周囲を警戒しながらレッドは怪人へ問いかける。
パッと見たところ、かなりの広さがある倉庫のように見える場所だ。窓はなく陽の光はさしていない。怪人が入って行ったビルの内装は外からも多少確認できていたが、明らかにそれとは異なる場所であることがわかる。
「フハハハハ! こうもあっさり成功するとは、単細胞の突撃馬鹿様様であーる! 貴様は我輩たちの罠にかかったのであーる! 空間を入れ替える転移罠をあらかじめ仕掛けていたのであーる! ここはドアクトー本部、我輩たちの本拠地であーる!」
「転移罠だぁ? んな気軽に使えるもんじゃ……」
空間転移可能な装置が存在することはレッドも知っているが、それはかなり金と技術の必要なものであり、いくら大きな悪の組織であってもおいそれと使えるものではない。
しかしレッドのその疑問はすぐに解消されることとなる。
「皆の衆! 出てくるのでアール!」
積み上げられた荷物の陰から何体もの怪人がぞろぞろと姿を現す。
軽く数えただけでも10どころか20は軽く超えるほどの異形の集団だ。戦闘員ならばこれくらいの数が出てくることもそう珍しくはないが、全て怪人となると話が違う。さらに言えば怪人のデザインもてんでバラバラであり、ドアクトー以外の怪人が混ざっていることは明らかだった。
「なるほどな。お前ら、例のユニオン・ヴィランとかいうやつだな?」
悪の組織とは、社会性のない自分勝手なゴミ共の集団である。似たような性質や嗜好を持っている者がつるむことはあっても、全く毛色の異なる組織が連帯して動くということは少ない。だからこそ、ヒーローやヒロインを狩るために十もの悪の組織が徒党を組んだユニオン・ヴィランという集団のことは、秩序側でもそれなりに知られ危険視されている。
ユニオン・ヴィランに狙われたならば、空間転移装置などという個人に使うのは大げさすぎる力を罠にするということも現実味を帯びる。
タラリと、レッドの額に冷や汗が流れる。
表面上は冷静に状況を分析しているが、非常にマズイということは理解している。いくらレッドが強力な魔法少女であるとは言っても、元が人間である以上疲労やダメージは蓄積していく。敵はいくらでも湧いて来るというのに、ドアクトーの本拠地は未だに秩序勢力も把握できていないため補給や救援は期待できない。絶体絶命というわけだ。
「上等だクソ共! 自分から拠点に招待してくれて助かるぜ! 全員ぶちのめしてドアクトーごとぶっ潰してやるよ!! ドラゴンブレス!!」
・ ・ ・
「――――んあ?」
目が覚めると、レッドは真っ暗で狭苦しい何かの中にいた。
身体は動く。手足も特に縛られていない。手さぐりに周囲を確かめようとすると、すぐに壁にぶつかってしまう。恐らく何か、箱のような物の中にいるとレッドは感じた。
(何があった?)
次々と湧いて来る怪人をちぎっては投げちぎっては投げ奮戦していたが、次第に攻撃をさばき切れなくなり、ついには膝をつくこととなった。そんなレッドに血走った目で鼻息荒く近づいて来る怪人たちに対して、最後の抵抗とばかりに自ら変身を解除し、正体が男であることを明かして女じゃなくて残念だったなと盛大に煽ったところまでは覚えていた。しかしその先の記憶はプツリと途切れてしまっている。
「なんだってんだよクソ。ん? ここ、開きそうだな……」
敗北して箱詰めにでもされているのかと思ったレッドだが、手あたり次第に腕を伸ばしてみると、どうやら扉らしき部分が施錠されていないことに気が付いた。警戒するようにゆっくりと開き、キョロキョロと周囲を見渡しながらその箱から出る。
「更衣室か?」
箱の外には、人の背丈ほどの高さのロッカーがところせましと並べられており、いくつか背もたれのないソファが置かれている。どうやらここは更衣室であるらしい。
自分の入っていた箱に視線をやれば、そこにあったのはドアの開かれたロッカーだった。つまりレッドは箱詰めにされていたのではなく、ロッカーの中に入っていたのだ。
拘束されていないことを考えると、ユニオン・ヴィランにぶち込まれたというよりは何とか逃げ出してここに隠れたというようにレッドは感じた。
『――クソ! ――見つからないのか!』
『ウィー!』
『意識を失って――再変身し暴走する――。――忌々しいペンタグラム――!』
唐突に、天井付近のスピーカーから不機嫌そうな男の声がノイズ混じりに響く。
誤って音声が乗ってしまったのか、マイクから遠い場所で会話しているような音の拾い方だ。
その会話内容から察するに、自分は確かに変身解除して一度気を失ったが、何らかの要因によて暴走し怪人たちの包囲を逃れ、現在ドアクトー基地の中を逃走していたのではないかとレッドは推測する。
それならば、最後の記憶では本来の姿に戻っていたはずの自分が、今魔法少女の姿をしていることにも説明が付く。
「この俺が、淡河帝様が敗走させられるなんてよぉ! 舐めた真似しやがって!!」
唯我独尊という言葉を体現したような性格をしており、この世で最も価値のあるものは自分であり、自分よりも優れた人間などいないと本気で考えている。
魔法少女として戦っている理由も、正義のためだとか平和を守るためという殊勝なものではなく、特別な力は特別な自分にこそ相応しいと思っているからだ。変身中だけとはいえ女になってしまうことには抵抗があったようだが、一般的なヒーローやヒロインよりも遥かに魔法少女への適性が高く、TS魔法少女になれば最強を目指せる可能性もあると知って渋々受け入れていた。
「寝心地はよくなかったみてえだが、回復はしたな」
床の上で眠ったかのような節々の痛みこそあるものの、体力と魔力は完全に回復しており、力が漲っているのがレッドにはわかった。怪人の包囲もなくなった今、大勢の怪人に見つかりさえしなければ脱出できる可能性は大いにある。そして拠点の位置が割れれば、秩序勢力の協力のもと悪の組織を壊滅させることなどそう難しくはない。
ガチャ
「ったく、やってらんねーよ。あっ」
「どうせ俺らじゃ勝てないしサボんべ。ん?」
「お楽しみは怪人様が捕まえたらな。あれ」
悪くない調子であることを確認して早速行動を開始しようとしたところで、ドアが開き気の抜けた会話をしながら全身タイツの男が三人更衣室へと入って来た。そしてレッドの存在に気が付くと、まさかこんなところで遭遇するとは思わなかったというように間抜けな声をあげた。
ドアクトーの雑魚とは違う、これまで戦った記憶のない戦闘員だ。しかしユニオン・ヴィランが動いているのなら余所の組織の戦闘員がいてもおかしくはない。
「オラぁ!!」
「ひぃ!?」
細かいことは後で考えるとして、騒ぎ出される前に黙らせる。
殺意と共に突き出されたレッドの拳が情けない悲鳴をあげている戦闘員に直撃し――
「って、あれ? 全然痛くねえぞ」
全くの無傷で受け止められた。
「なっ!?」
「いきなり何すんだクソガキ!」
「ギャ!?」
戦闘員などいつもなら軽い一撃で吹き飛ばせるはずが、一歩退かせることすら出来なかった事実にレッドは驚いて硬直してしまい、激昂した戦闘員のテレホンパンチの直撃を食らってしまう。そしてあろうことかレッドドラゴンの方が軽く吹っ飛ばされて床に叩きつけられた。
「ほんとにこいつがあのレッドドラゴンなのか? そっち足押さえてくれ」
「あいあい。外見は完全に一致してるけど弱すぎるよなぁ。お、パンツは黒か」
「拘束の手際良すぎw。怪人軍団と戦って弱ってんじゃね? ラッキー」
「離せクソ野郎! この!」
(ありえねえ! 怪人どもと戦った時の消耗は完全に回復したはずだぞ!? この戦闘員どもが特別強いのか!? クソ、びくともしねえ!? それに魔法が使えねえ!?)
うつ伏せに倒れ込んだレッドドラゴンの隙を見逃さず、一人の戦闘員が両腕に体重をかけて押さえ込み、もう一人は膝裏あたりに腰掛けつつスカートをめくってパンツを覗き、そして最後の一人が勝ち誇ったように笑いながらレッドの頭を踏みつけてグリグリと靴底を擦りつける。
力づくで振り払おうとして失敗し、ならばとブレスを使おうとするもなぜか不発。
普段は気にも留めていないような雑魚に完全に取り押さえられてしまった。
「イエーイw レッドドラゴン敗れたりw!」
「いぎっ!? ざっけんなテメェ……! 誰の頭を!」
「おっ、抵抗してる抵抗してるw。がんばえーw!」
「もう一回床とキスさせちまえw」
「はいドーン!」
「ッ!? んーー!!」
踏みつけられている頭を全力で持ち上げながら怒声をあげるレッドドラゴンだが、両手両足を押さえている戦闘員たちが囃し立てると、頭を踏みつけている戦闘員が再度足に力を込めてレッドドラゴンの顔面を床に押し付けた。
「かわいそ~」
「てかきたねー。こないだここでヤッてる奴いただろ?」
「それな。まだ乾いた精液残ってたかも」
「っ!? んー! むー!!」
その言葉を聞いてレッドドラゴンは必至で顔の向きを変えようとしているが、頭を踏みつけている戦闘員がうまく力を調整して顔を逸らさせず、それどころかゴシゴシとレッドドラゴンの顔面をぞうきん代わりにするかのように動かし始めた。
「おらおら、自分の頭が足蹴にされる気分はどうだ~」
「今まで怪人にして来たことが返ってきちゃったなぁ」
「魔法少女になんかならなけりゃこんな目にあうこともなかったのになw」
(クソッ! くそっ! くそぉ! 好き勝手言いやがって! 雑魚戦闘員の分際でぇ!)
レッドドラゴンは、淡河帝は、これまであらゆる勝負事に勝ち続けて来た。スポーツだろうが勉強だろうが喧嘩だろうが誰にも負けたことなどなかった。ヒーローやヒロインとして今は自分より強い存在がいることは知っていたが、いずれそれすらも追い抜けるという確信があった。
だからこれは、レッドドラゴンにとって初めての決定的な敗北だ。勝つことが当然、勝ちたいなどと思うまでもなく勝ってきたレッドドラゴンは、今日この瞬間、自分が無様に敗北したという事実を突きつけられた。
(チクショウ! ちくしょうちくしょうっ! ふざけんな! 俺を誰だと思ってやがる! 絶対許さねえ! ぶっ殺してやる!!)
この今までに味わったことのない屈辱的な敗北感を胸に刻み、甘い毒のような苦々しさを噛み締め、必ず復讐するとレッドドラゴンは決意した。
「ちょw、おいお前らビッグニュースだw!」
「お? なになに、どうした?」
「なんか面白いもんでもあったのか?」
戦闘員たちのうち、足を押さえてパンツを覗いていた男が思わずというように笑いだしてレッドドラゴンの股間辺りを指差した。
「こいつ頭踏まれて濡らしてやがるw」
「うわマジじゃんw。おいマゾ豚! 喜んでんじゃねえよw」
「自分がやって欲しいことを怪人にしてたってわけかw」
「んー!? んんんっ! んー!!」
完全にスカートをめくり上げて黒いショーツを白日の下に晒せば、秘部を包み込んでいる部分がじんわりと湿って色が変わっていることが明らかに見て取れた。
レッドドラゴンはそんなことあるはずがないというように抗議の声をあげるが、戦闘員たちの目の前には動かぬ証拠がある。しかもそのことを指摘した戦闘員たちがレッドドラゴンを嘲笑すると、ショーツのシミは更にジワジワと広がりを見せていく。レッドドラゴンが敗北待ちのマゾメスであることは最早確定的に明らかだった。
「悪の組織に負けてレイプされるのがオナネタってかw」
「流石、レイプされたくてわざわざメスになるような奴は違うわw」
「おい、ひっくり返して足開かせてくれ。こっちの方が嬉しいんだろw」
「や、やめ――」
手足を押さえている戦闘員たちが、小さなレッドドラゴンの身体を手際よくひっくり返す。その瞬間を見計らってレッドドラゴンは抵抗しようとしたが結局抜け出すことは出来ず、股を無理矢理開かされ、もう一人の戦闘員が自分の股間部分に狙いを定めていることに気が付き若干震えた声で制止しようとするが、
「メスモドキのバカマンコがよ!」
「ひぃぃぃ♥️ んおおぉぉぉっ♥️♥️!!」
言い切るよりも早く、レッドドラゴンの濡れた女性器が勢いよく踏みつけられた。
その瞬間レッドドラゴンはこれまで感じたことのない全身がとろけるような快楽を感じ、情けない悲鳴と嬌声が入り混じったような無様な声を無意識の内にあげていた。
「やべっ♥️ やべろぉ゛ぉ゛♥️♥️! そこぉ゛♥️♥️、ふむなぁ゛ぁ゛♥️♥️♥️!」
グリグリと踏みにじるように動かされる戦闘員の足に合わせるようにレッドドラゴンが情けない声で泣きわめく。そこには最早強く気高い魔法少女の姿はなく、口だけは一丁前なザコメスが甘美な敗北に酔いしれるように身を震わせていた。