ハイスクールH&S with [Nioh2][Wild Heats] and more 作:「秀吉」
「どうした?」
「いや、知り合いもここに入寮した、と聞いていたんだが……」
「……へぇ。あ、そういや人員の都合で入寮がキャンセルになったヤツがいるってよ」
──黒鵜荘入居者の会話──
一年
これで今日は帰れるんだが、終始クラスの空気が重い。
……無理もない。中学の時もそうだった。
多分、原因は俺と舩坂のせいだろう。
表情筋が完全にストライキを起こしているような無表情と、鍛えられた肉体と威圧的な雰囲気。
背丈は俺よりは低いが、それでも平均よりは高い。
俺自身は2メートル越えの長身で筋肉ムキムキのゴリラみたいな外見だ。ちょっと顔は整っているかもしれないが、それでも威圧感は否めない。
……いや、それでも人を押し潰すような威圧感を発している後輩よりはマシの筈だ。
「……思うに、先輩は一度、自己を省みた方が良いと思いますが」
「ふ……いや、叶馬か」
頭を下げて挨拶をする舩坂。
叶馬だった。名字を言うのは禁句だったな。
……内心でも気を付けねぇと咄嗟に口にするかもしれん。
んで、そんなやり取りを、クラスメートたちが驚愕した様子で伺っているのが分かった。
まあ、そりゃそうか。叶馬の礼儀正しさに初対面の人間は驚く。
中学時代、コイツには先生と俺で礼儀を物理的に叩き込んだ。今にして思えば、先生的には問題児を二人潰し合わせるつもりだったかもしれんな。消耗すれば制圧は簡単だろう。
ただ、最終的にはどうしても対叶馬で二人して動かざるを得なかった。……それくらいコイツの家庭は最悪だったそうだ。俺は詳しい話は聞いてないが、先生がそう言っていた。あと両親が生きていた頃にコイツに母ちゃんの飯を食わせたら引く程感謝してたのは覚えてる。
「先輩のイメチェンは人を萎縮させます。格好良いと俺は思いますが、それでもやはり怖く思う人間は多いかと」
「そうか? お前だって人の事を言えない顔だろうが。何度クラスの女子を怯えさせたか忘れたか?」
「……ただ静かな生徒が多かっただけでは?」
「ンなワケあるか」
ツッコミを入れるのは別の生徒だ。
茶髪のチャラそうな外見をしたイケメンの男子。しかしどこか苦労性な性根が俺には伺えた。
しかし、この叶馬が意味のない事をするとは思えない。つまり、これは……
「お前、まさか」
「はい。明日のダンジョン実習は彼と行動するつもりです」
どうやらそうらしい。
まさかそんな剛の者がいるとは思わず、俺は何度も二人を見比べた。
で、その言葉を聞いていたクラス中に、緊張が走ったのを俺は感じた。……焦りと恐怖、それに驚愕だろうか?
「そうか。で、俺に何の用だ?」
分かってはいたが、それでも一応訊いておく。
すると、叶馬と組むらしい生徒が自己紹介する。
「ええっと……先輩、なんスよね? 叶馬の話だと」
「ああ、諸事情で一年休学していてな。世にも珍しい中学浪人だ」
「マジっスか。あ、俺は
「ああ。……で、本題に入ってくれるか?」
苦笑しそう言うと、緊張していたのか咳払いして誠一と名乗った生徒は話し出す。
「先輩、見たところ何かヤってますよね? 身のこなしが素人じゃねぇように見えるっス」
「……ああ、ちょっとした武術を、な」
「…………ちょっと、のレベルにゃ見えねぇけど」
ボソリ、と誠一が低く呟く。
まあ、気持ちは分かる。事実として俺も本当の事を話してない。
だが、いきなり会った人間に、どんな相手なのかも分からんのに情報を全ブッパは普通はしない。
叶馬の場合は、口下手でエキセントリックな性格のせいで意志疎通が若干阻害されるから、良くも悪くも誤解される。直すつもりがないのが別の意味で問題でもあるが。
「ま、そこはイイっすわ。で、叶馬とも知り合いだってんなら、俺らと組みませんか?」
「……その子らともか?」
視線を向けると、二人の陰に隠れるように立っている女子生徒がいた。
二人。
明るい金髪のギャルのような印象の女子と、黒髪で清楚な印象の起伏の激しいスタイルの女子だ。
……だが、黒髪の方はどこか危うい雰囲気を感じる。恐らく、なんらかの切っ掛けがあれば容易に人を破滅させる存在になりかねない。そんな危うさが見て取れた。
「あ、はい。そうっス。どうですかね?」
ヘラヘラと笑いながら誠一が言う。
明らかに『知って』いる表情だ。逆に叶馬は何も知らないらしい。
きちんと調べもしなかったんだなこの馬鹿は。
「駄目だ」
だから、俺はこう答えるしかない。
その発言に、目を見開く誠一と女子二人。
「こっちも色々と情報は掴んでいる。男三人に女二人だとなると、色々とハードルも高いだろう。幾ら覚悟しているとは言え、だ」
「……知ってたんスね」
「ここのOBが俺と叶馬の中学の担任だった。多少ボカされてはいたが、それでも分かる部分はある」
「成程」
「あの、先輩……仰っている事が、よく──」
ああ、成程。
コイツ、この期に及んで盛大なドッキリを仕掛けられてると思い込んでやがる。……本当は分かってる癖に。
「スマンな、こんな馬鹿で」
「……いえ。何も知らないなら、それは仕方ないですから」
「と言うワケだ。残念だが叶馬と誠一は、俺と一緒に行動しない。キミたちは普通に、四人一組で明日の実習を頑張ってくれ」
「「は、はい……」」
怯えた様子で、そう言う女子二人。
ギャルのように制服を着崩した方が
まあそれも仕方ない。
こんな強面が二人もいれば気後れするだろう。そのうちの一人は人外の気配を持っているからな。話せばトンチキな馬鹿で、愛嬌もあると気付けるんだが。
そんな叶馬が何かに気付いて、窓の外を指差す。
視線を向ければ、外を歩く集団がいた。
俺たちの制服はブレザーだが、歩いている集団の格好は違った。
「さ……秀龍先輩、あれを」
この野郎、俺を斎藤先輩って呼ぼうとしたな。……まあ、俺も舩坂って呼ぼうとしたしお相子か。
「どうした? あれは……特級科、だったか」
「俺たちと制服が違うようですが」
窓の外を闊歩する集団。
纏っている雰囲気も普通とは違う。
所謂『名家』の生まれ特有のモノを感じた。
「詰め襟の学ランにセーラー服か。華組と呼ばれている、と聞いたが……雰囲気も違うな」
「……詳しいっスね」
「いや? 知っているのはこれだけだ。小耳に挟んだだけでな」
誠一が、元華族の子供たちが多いから『華組』と呼ばれていると説明してくれたが、制服はこっちが可愛い、と麻衣は断言した。
制服、か。
俺たちの制服は、スペクトラ繊維を編み込んだ防刃製と聞いていたが……着心地を優先しているのか、質もそこまで良くはないな。
無縁人の装束や、獣狩の装束一式の方がまだ防御力はいいだろう。
さて……
「明日は朝からダンジョン実習だ。今日はこれ以上は何もないんだ、さっさと帰るとしよう。……動きたくとも動けない人間もいるようだしな」
少しからかいを込めて、叶馬を見遣る。
だが何故か周囲から半目で俺も見られたが、顔や体格は兎も角雰囲気はそんなに怖くないと思うんだがなぁ。
□
「……なあ」
「ああ」
「あの先輩……帰り際だけどよ」
「──ああ、嗤っていたな」
「…………ガチの
「震えているのか、誠一」
「お、おう。なんか、雰囲気ある先輩だよなっ」
「ああ、中学時代に何度か手合わせした事もあったが、どうにも簡単にあしらわれてな。……担任の先生を殴る為に考案した
「……武術の達人かなんかか。お前より強いって、バケモンみてぇだな」
「ああ、俺なんぞ足下に及ばぬレベルの化け物だ」
「……嬉しそうに見えるぜ?」
「当たり前だろう。俺よりも上がいるんだぞ。目指すべき
「…………」
「ふむ」
「で、そんなセンパイから、何貰ったんだよ?」
「ああ、『ダンジョンに入ったら食え』と渡されたものがある」
「あん? なんだ?」
「飴だ。恐らく手製の
「ふーん……見せてくれよ」
「ああ、これだ」
「……へー、綺麗なモンだなぁ」
「ああ、こと料理は秀龍先輩の十八番だ。恐らくこっちに来る前に作ったものだろうな」
「……あんな見た目なのに家庭的なのな。似合わねぇ」
「……まあ、そうだな」
「なんか、あんのか?」
「あるには、ある。先輩のプライベートな事だ、俺は話せん」
「……そうか。ま、どうせこの学園に入学する普通科のヤツなんて、大なり小なり事情を抱えてるようなモンだからな」
「そうなのか?」
「知らねぇのかよ……ま、明日は先輩も言ってたみてぇに、ダンジョン実習なんだ。さっさと寝ちまおうぜ」
「そうだな」
「そう言えば先輩は、これを渡す時に何か言っていたような気が……」
──ここのダンジョンとは別で、
「……明日でいいか」
□
これ、差別って言わんか?
ついつい俺はそう思った。
山間にある学園都市。
それが豊葦原学園だが、生徒は学園の周囲にある複数の寮にて共同生活を営んでいる。小規模の学生寮は数え切れない程あると聞いていた。
だが、俺は……
『……誰もおらんのぅ』
猫又が呆れたように、溜息を吐いた。
『噂を集めてきた木霊たちによれば、ここはどうやら寮生がおらず、閉鎖された寮だったようじゃな』
『……「ろすと」、じゃったか。どうにもきな臭い事情があるようじゃな』
白澤や六科が感想を口々に言った。
木霊たちによると、どうもここの寮生たちは少し前に『
ロスト、というモノがどんな状態を言うのかは分からんが、良いことではないのは確かだろうな。……何か知っている人間がいるなら、それとなく聞き出す方がいいかもしれんな。
そんで、上級生たちはそれを受け入れている。多分、事情を知る同級生の何割かも。
「ま、取り敢えずは住処を整えようや」
今が春とは言え、場所が場所だ。ボロい建物である事には変わりがないんだ。
俺がここに配置されるってのは「突然」決まったらしく、建物は色々と隙間風も吹いている。風呂や炊事場が生きているのは幸運だった。
で、そんな環境を知った『つくも』たちが補修したいと上申してきたので、許可を出した。
現状、この『墨烏荘』には俺だけしかいない。……だから誰にも文句を言われずに作業させられるんだがな。
取り急ぎ俺の寝室の整備を頼んでいる。
あ、ベッドは俺が足を伸ばして寝れるサイズにしておくれ。普通のベッドだと足がはみ出るから。
『おお、そうじゃ。「社」も建てねばのぉ。そうすればいつでも奈落獄と東の国へ行けるぞ』
六科がそう言って『つくも』たちに指示を出す。カラコロと音を鳴らしているが、あれは了解の意味だ。
ただ、問題は……
「誰が参加してくれるか、だな」
叶馬だけは参加するのは確実だ。アレの中にある戦闘欲とも言うべきものはかなり旺盛だからな。分かっていなかったとしても、本能的に理解しているだろう。
今の自分では逆立ちしても勝てない相手、というのにアレは焦がれている。
恐らく誠一とかいうヤツも、強くなれると聞けばアレを飲むだろうと思う。「何か」を抱えているのがなんとなく分かったからな。多少のリスクは折り込み済みだろう。
問題は、麻衣と静香だ。
いや、麻衣だけか。
多分だが、あの子の感性は普通だ。イマドキのギャルのような格好で、陽キャのような印象に相反するような怯えが態度に滲んでいた。多分、こっちのダンジョンは厳しいだろう。
……そして、静香。
おどおどとした態度の中に、男への不信と嫌悪があった。そして、自分への嫌悪も。
守護霊を通じて視たから分かった事だが、どうやらかなり荒れた環境にいたようだ。色欲を全身で受け止めたことがあるのがなんとなく分かった。
……だが、あんな文学少女が備えるには不釣り合いな色香、恐らく無理矢理仕込まれたんだろう。
昔の
『……そのことなんじゃが』
六科が、少し言い難そうに。
『あの娘の纏う絶望、どうにも毛色が普通とは違うようじゃ』
「……と、言うと?」
『さて──ワシにも事情は分からん。じゃが』
『放っておけば、未曾有の災いを招くおなごとなるかもしれん……』
まあ、分かる。
俺も初対面の印象は、大人しい女子の姿をした
叶馬や誠一には、普通の女子に見えていたかもしれんが……早い段階で寄りかかれる支えがいると思う。
「……叶馬だな」
『うむ』
俺はノータイムで、後輩にあの子の面倒を見させる事を決めた。あんな超重力系の女子を扱えるのは、同じくらいトンチキで思考が読めない叶馬が丁度良い……筈だ。
「さて、さっさとメシでも作るか」
俺は気を取り直して、複数の大きな段ボールで届けられた食材を『つくも』たちと一緒に運んだ食料庫へと向かう。一人分とは言えども、それなりに量はあった。大体一日三食で二、三週間分はあったと思う。
そこから食材を取り出して、俺は今日の夕飯と明日の朝食を準備する事にした。
明日のダンジョン、どんなものだろうか。
□
「……成程」
豊葦原学園の有するダンジョンの名前は、『
一時限目から一年丙組総勢四十人は、神社の鳥居が幾つも並んでいる場所へとやって来た。
学園地下に存在する大空洞、その前へと。
和風の神社を思わせる外観をしているが、その全てが朱色だった。
壱から伍の門は、それぞれがダンジョンに関する役割を担っていると担任である翠先生は説明する。
まずは壱の門──「始界門」にてダンジョンへとダイブするそうだ。これにより自分たちの情報が門に記録され、ダンジョン内で死んでも戻ってこれるようになる、との事だ。
その言葉の裏がどんなモノか、なんとなく俺は分かった。
成程、確かにコレは言えんな。
「……鬼、か」
「────っ」
翠先生が、驚いた顔でこちらを見た。
用務員として眼前にいる連中がなんなのか、俺には簡単に分かった。俺のアムリタに染まった眼には、連中の『角』が映っているのだから。
向こうも、俺が「鬼」に関するナニカだと分かったのか、警戒の表情を見せる。
──……小鬼風情が、誰を睨んでおる?
魂代として装着していた酒呑童子と大嶽丸が、その小鬼共の態度に反応する。
高度な霊視能力が無ければ分からない──幽玄たる半透明な姿。
しかし、半裸の鬼と鎧を着た鬼の圧は、しっかりと発せられていた。
肌を灼くようなプレッシャーが、指向性を以て二匹の鬼に浴びせられる。
それを受けてか、用務員の格好をした鬼共はダラダラと汗を流して立ち尽くしていた。
これ多分、力量差を自覚して動けないパターンだな。ライオンが目の前にいるインパラか?
──余らの行く手を遮らぬならば好きにせよ。我欲の侭に振る舞うこそ鬼故にな。だが……
ぽん、と大嶽丸の巨大な手が用務員の肩に乗せられる。
俺にしか視えないからいきなり震えだしたようなもんだけどな。他の連中は全員ダンジョンに入った。叶馬たちも俺の前にダンジョンに消えた。
俺しかいないからこその、警告だ。
──鬼としての矜持すら捨てたのならば言うが良い。余の顕明連と酒呑殿の金棒にて、その身を滅して遣ろう。
ガチガチと歯を鳴らして脅えが最高潮になる小鬼共。
「……往くぞ」
小声でそう二人に告げて、そこら辺に持たされた警棒と強化プラの盾を捨てながら、俺も「始界門」を潜る。
翠先生だけが、不思議そうに、しかし不安を隠そうともしないで俺を見送る。その視線には、隠しようもない自己嫌悪と悲哀があるように見えた。
「……ごめんなさい」
その言葉を聞きながら、俺はダンジョンに取り込まれた。
薄れゆく視界の端で、崩れ落ちるように腰からへたり込んだ鬼共が見える。その無様な姿に、俺の両脇の鬼は苦い顔を隠そうともしなかった。
□
感想を言おうか。
弱い。
「弱い」
ゴブリンとしか見えないような化け物がいるが、全員が俺の刀の一閃で首が飛んだ。餓鬼でももう少し手強いぞ。
手にしてる武器の質もお粗末で、体捌きだけでなんとかってしまう。
一応、仁王2世界の『無縁人シリーズ』をダンジョンに入ってから装備しているが、ダメージは今の所受けてない。……鍛えすぎたか。
まあ、リアルでのダンジョン探索だ。
どこまでやれるのか、検証は必要だろう。
なので、蹂躙する。
得物を変えて散々に暴れていると、だ。
ふと、自分の身体にある事を感じた。
これは……股間のイチモツが元気になっとるな。
「……なんか、股間が元気だな」
『性欲が増大しておるのう。常人ならば理性を喪うような兇悪なモノじゃが……霊石と天つ糸の力を使うお主の精神に影響させるには些か弱いのじゃろう』
猫又の分析を聞いて、成程と思う。
道理で色々と陰でセックスしてる上級生が多かったワケだ。
強化された肉体と魂が、異性を求めるんだな。
で、そんな分析をしていると、だ。
現れた。
ゴブリン共なんぞよりも強い気配。
『
……だが、俺はそれを見て拍子抜けしてしまった。
「このダンジョンの
得物を「
「破邪の薙刀鎌」という、明王の憤怒により悪鬼を浄化する権能を備えた武器だ。具体的には武器に対妖怪特効の浄属性が乗っている。
人型の影を立体化したかのようなソレが、頭部をガバっと開き、その口腔内の櫛のような牙を見せて威嚇してきた。
だがそれは、餌に対する対応ではない。
自分を殺し得る天敵に対する、警戒と恐怖からの威嚇だった。
「はっ、自分じゃない「自分」が何度も狩られてるのを感じ取ったか? なら、俺が逃がさんのも分かるよなァ」
ついつい口が弧を画く。逃がすつもりなど毛頭ない。
指を鳴らし、あやかしを呼び出す。
俺が使役する連中は、大抵のヤツが人など容易に殺せるポテンシャルを秘めている。
ただ、こんな通路ではデカ過ぎるヤツは的にしかならない。と言うよりも動くのもキツいだろう。
だから俺は、『烏天狗』を呼び出した。
頭が烏で、修験者のような格好をした妖怪だ。
コイツは、俺と似た背丈で翼もあって空も飛べる。
敵が動くより先に、高速で移動して黄泉醜女の背後を取って錫杖を構えた。これで逃げるのは不可能だ。
ダンジョンで出遭った以上、逃亡は赦されない。
俺の意志で、半月状の刃に持ち手のついた大鍘刀の形態が、ガキンッと音を鳴らして大鎌へと変わる。
「さァ、ヤろうか」
俺を殺しにきたんだろう?
なら、お前は俺に殺されるのだって覚悟してるだろう?
雑魚ばっかりで少し拍子抜けしてたんだ。
お前は違うんだろう?
人間だと絶対に勝てない存在だと聞いてる。
勿論、お前が「あの黄泉の雷神共」よりも強いワケないってのは分かる。
だが、それでも──
そう、思っていたんだが。
「本当に、弱い……っ」
そう吐き捨てる。
ちょっと上段、下段、そして中段の構えを変換しながらの攻撃をいなせず、黄泉醜女の首が飛んだ。『烏天狗』も敵の弱さ具合に呆れて戻っていった。
この野郎、奈落獄にいたお前の同族ならもっと歯応えがあったぞ。
なんだこの紙みたいな防御力は。
こっちの攻撃を防ぐのも避わすのも出来ねぇという体たらく。
あっちの黄泉醜女はデカい口の牙や手の爪をアムリタで強化して、絶・天狼抜刀牙みたいな事だってやるっつーのに。
…………
……いや、分かってる。
序盤のステージに出るような敵なんだから、如何に絶対に勝てないという触れ込みの敵でもこんなモンだろうってのは。
だが、それでも。
前日から大真面目に色々と考えてた俺が馬鹿みてぇじゃねぇか。
「なあ、そう思わねぇか? ──舩坂」
「……ふぅ……ふぅ……」
息が荒い後輩が、立っていた。
意識が朦朧としているのだろう。
こっちに拳を構えて突っ込んでくる。
全身になんぞ黒い包帯が巻かれているのが分かった。……なんか、黄泉醜女のドロップ品っぽいな。
精神が侵食されているんだろうなぁ。守護霊もいないし、天つ糸もなければ、こうなるのも仕方ない。
……まあ、こういう時は一択だ。少なくとも俺とコイツの間では。
「さて……やるぞ」
得物を手甲に替える。こっちも浄属性の「山伏の手甲」だ。修験道の行者が装着していたという逸話のある手甲で、ありがたい霊力も込められているので正気を喪った馬鹿を起こすには最適だろう。
だからこそ、俺は容赦なく突っ込んでくる
船坂叶馬からの評価
「先輩について? そうだな……ああ、俺にとって秀龍先輩は、『普通の家族』を教えてくれた恩人だ」
「先輩のご両親は、暖かい人たちだった。俺にも笑顔を見せてくれたし、食事も御馳走してくれた」
「ああ、そうだ。俺としてもあの人たちが亡くなったのは……堪えている」
「だが、先輩は立ち上がった。受け入れたのかは分からんが」
「帰ってきてからも変わらず、俺の事をよく気にかけてくれた。色々と」
「貰ってばかりだ」
「だから……恩返しが出来るように俺はなりたいんだ。静香」
好きな武器種、または活躍してほしい武器はある?
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刀
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二刀
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槍
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斧(鎚)
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鎖鎌
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大太刀
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旋棍
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手斧
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薙刀鎌
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仕込棍
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手甲
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弓・銃・大筒
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傘
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大筒(からくり)
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からくり刀
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野太刀
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弓(からくり)
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鎚(からくり)
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変形棍
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飛燕刀