12000mからの登山、神に見放されても、俺たちの登山は続く。
少し進んだ所でまたもや右左の選択をオレたちは求められた。
右ルートは平坦で広大な氷河を進むことになる。
キャンプは張りやすいが、危険も多いだろう。
一方、左ルートはは後半にギザギザと尖った危険な岩壁の通
過がある。
墜落した場合、即死は免れない。
拓也はまたもやどちらに進むか決めかねた。
ましてや昨日は氷河を進んだ結果、あんな危険な目にあってしまったから、余計に乳首をいじって考える。
でもスコットが足を負傷していることを考えると、岩山を登るのははっきり言って無理かもしれない。
俺は氷河を進むことを提案、スコットの怪我を心配する意図に気がついたのか皆はうなずいた。
スコットは平気だといったような素振りを見せるけど、時々痛みに耐えている様子だった。
拓也たちは平坦で広大な氷河を進む、開けすぎていて、見晴らしが良すぎる。
ゴブリン仮面「ちょっと待ってくれ」
ゴブリン仮面は突然、立ち止まった。
デナリー「どうした?」
ゴブリン仮面「感じる、これは...」
ゴブリン仮面は急に顔面を真っ青にして震えだした。
いったい、何を感じたんだ?神の気配だったりするのかな?
デナリー「何がだ?」
スコット「何にも見えないけど」
ゴブリン仮面「わからない。
でも、確かに何かいる」
拓也「何があるって言うんですか?」
不安になったから周りを見ると、拓也の視界の端で雪が動いているのがみえた。
まさか、これは……
拓也「雪崩だ……」
デナリー「なんだって!?」
ゴブリン仮面「逃げるぞ!」
幸いにも雪崩は俺たちの遥か上の高度で起きている。
いまから引き返せば雪に埋もれる心配はない。
ゴブリン仮面は終始雪崩を恐れていた。
田所が死んだと思われていた時でも、ここまで動揺してはいなかったのに。
何かしらのトラウマがあるのだろうか。
俺たちは何とか安全な場所まで非難した。
みんなが安心する中。
ゴブリン仮面は独り言をブツブツと呟いていた。
ゴブリン仮面「ああ、よかった。本当に良かった。」
田所「いやー助かりましたね!さすがっすよぉ!」
ゴブリン仮面「……」
ゴブリン仮面はどこか上の空だ。
どうも様子がおかしい。
ゴブリン仮面「経験が役に立ったんだ」
拓也「なんの経験っすか?」
ゴブリン仮面「.....狂気山脈で、仲間四人を雪崩で失った経験だ」
失言を後悔している拓也を尻目に語っていくゴブリン仮面。
ゴブリン仮面「標高7000mから登るとき、天候は視界不良であまりよく見えなかった。
それでも僕は今まで順調に来た慢心と、人類初登頂の栄光を前にして、先へ進むことを選択してしまった。あの時、引き返せば……。」
ゴブリン仮面の後悔に、みんなは同情した。
拓也「とにかく今は助かったんです。ありがとうございました。」
その後、再びアタックを開始。
そのまま、15000m付近へ迫る。
すると、スコットが急に足を止めた。
その後、再びアタックを開始。
そのまま、15000m付近へ迫る。
すると、スコットが急に足を止めた。
足に限界が来たのか、彼は膝をついた。
俺はすかさず駆け寄る。
拓也「スコット!大丈夫か?おい!」
スコット「どうやら俺が同行するのはここまでみたいだ.....」
拓也「何言ってるんだよ!そんなことないって!」
スコット「このまま行っても足手まといになるだけだ。
行けよ。
俺は最初っからこの山を登る資格なんてないのさ。
狂気山脈を登頂していないからな」
だからこそ、俺はお前に登ってほしいんだよ。
例え登れなかったとしても、ここで見捨てるなんて有り得ない!
デナリー「一回降りて、あの神官の元へ行こう」
デナリーが提案する。
みんな一流の登山家なんだ。
だから仲間が一人動けなくなったぐらいで、諦めたりしない。
拓也「スコット、お前言ってたじゃないか!山から逃げたくないって!だからこんな所で諦めないでくれよ、一緒にイこうぜ!」
拓也は、スコットの腕を掴もうとした。
しかし、スコットはそれを振り払った。
スコット「拓也......この先はこの山の核心部、“バルザイ・ステップ”。かつてこの山を訪れ神を冒涜した人の子、バルザイの名を取って、山に住まう大地の神々がそう呼んでいる」
スコットの様子が急におかしくなった。
さっきまで足を抑えて震えていたはずなのに、今はなぜか、平然とした様子。
しかも今の話は、スコットには絶対知りえない情報だ。
瞬きをした瞬間。
スコットの姿が急にコージーへと変わった。
コージー「デナリー、お前の弟に対する思い...それはそれは涙ぐましいものだったぜ!」
デナリー「なっ....!?」「まだわからないんですか?......探索者たちよ」
急に弟の姿がコージーへ変わって混乱するデナリー。
瞬時に見たことのない女性の姿へと変わる。
穂高「ゴブリン仮面さん、久しぶりですね。
私たちを忘れようとして今の姿になった時、笑いが止まりませんでしたよ!」
ゴブリン仮面「な、なぜだ?ありえない!」
ゴブリン仮面は膝をついてうなだれる。
俺も何が何だかわからねーって感じでポカーンとしてしまった。
次に坊主頭の男に変身。
MUR「キャンプ地にサウナを建ててサウナパワーでゴリ押してるのすっげー面白かったゾ~」
最後に彼は、マネージャーの姿に変身した。
俺はその姿に動揺しつつも、必死に問いかける。
姿が靄となって消え、その向こうに、眼を見開き、口元を大きくゆがませたブロッケンの妖怪が
浮かび上がる。
スコット「全て見ていたぞ。お前たちのあがく様を。狂気山脈の踏破、地球に住まう神々どもや、我が主はご立腹だったようだが、私は大いに楽しませてもらった。
特に拓也とかいう男、あれほどまでに我を忘れて腰を振るとは、見ていて実に滑稽だったぞ」
拓也「スコット!お前は一体誰なんだ!」
拓也「なっ....」
スコット「お前たちの奇異なる生き様に敬意を表し、わが名を名乗ろう。我こそは這い寄る混沌ニャルラトテップ」
今オレの目の前に映った出来事がすべて信じられない。
いままで共にこの山と戦ってきたスコットが、こんな化け物だったなんて....俺は今まで何を見ていたんだ……。
恐怖でしかないその本当の姿に、拓也はただ呆然と立ち尽くす。
しかし不思議と、ジャニ系イケメンの十倍は美しく見え、勃起しているチンポがあった。
ニャルラトテップ「あの神官の説明には不足があってな。お前たちをこの山に呼び寄せた張本人、我が主であり、混沌の宇宙の中心に坐する、かの白痴の魔王アザトースは、ただこの山でお前たちの骸を使って“虹の谷”を作りたいわけではない」
デナリー「ど、どういうことだ....なにを考えている?」
ニャルラトテップ「我が主の目的は、お前たちがこの世界に存在したと
いう事実そのものを無に帰すこと。
つまりは『狂気山脈を踏破したものがいる』という事実を消し去るということだ」
ゴブリン仮面「なんだって!?」
ニャルラトテップ「それが我が主の望みだ」
デナリー「なぜそんなことをする必要があるのだ」
ニャルラトテップ「それは、お前たち自身がよくわかっているはずだ」
拓也「う、うるせぇよ...そんなことはいい。
なんてずっとスコットのふりをして、俺たちをだましていたんだ?」
俺は恐怖で全身が痙攣しながらも、立ち上がって怒りを向けた。
ニャルラトテップ「ただ単に、お前が登頂者の中で一番面白かったから、近くで行動を見るためにあの姿をしていただけだ。お前のキスを受けた時に後悔したがな」
拓也「……」
ニャルラトテップ「我々は幾多の並行時空を監視しているが、昨今の常
軌を逸した“狂気山脈登山ブーム”とも言うべき現象にはほとほと困っているのだ。
あの山は秘され
ていなければならぬ。
神秘性を取り戻してもらわねばならぬ」
デナリー「だから我々には消えてほしいと」
ニャルラトテップ「さて。登山家たちよ、この先、お前たちには選択肢がある。
ひとつは、あの神官の進言を聞き入れ、ここで登頂を諦め、山を登るという冒涜的な行為を悔い改め、今後は山と無縁に暮らすことだ。さすれば運が良ければ我が主の目から逃れ、この幻夢境で平穏に暮らせよう。もちろん、元いた世界でのお前たちは行方不明のまま還らぬ人とはなるだろうがな」
つまり俺は元の世界でダチに犯されたまま魂がぶっ飛んで死ぬってか? ダチが人殺しになっちゃうぜ。
ニャルラトテップ「もうひとつの選択肢は、愚かしくも山頂を目指すことだ。その先でお前たちは我が主と出会い、存在ごと抹消されるであろう。お前たちの元いた世界では狂気山脈の踏破された事実も消え去り、文字通りお前たちは全てを失う、代わりに得られるのは、この山を制覇したというお前たちの無意味な、矮小な達成感のみだ。」
どっちにしても死ぬのかぁ、でもどうせ死ぬのなら、山頂に登って死んだほうがいいよね。
今の俺はクライマー拓也。
いまさら悩むなんて馬鹿らしいぜ。
ニャルラトテップ「さあ、存分に悩み、そして決断するがいい。命を選ぶか、それとも頂を選ぶか」
過去に震え、混沌の姿を見て狂いかけた登山者たちは立ち上がる。
全員の目線は、1000m先の山頂を見据えていた。
今更悩むことなどない。
俺たちは、そこに山があるから登るんだ。
デナリー「私はもう思い残していることなど何もない....だからこそ先へ進ませてもらう」
ゴブリン仮面「現実に未練なんてないさ、ロマンを抱いて死ねる。
結構じゃないか」
拓也「俺は、俺たちは登るぜ、ニャルラトテップ」
ニャルラトテップ「やはりお前たちは、登山家という生き物は面白い!根源的に無意味な行動であると自覚しながら、進んで破滅の道を自ら選び取り高みを目指す愚か者どもよ。我が主はお前たちを許す気はないようだが、私はお前たちが愛おしい」
ニャルラトテップはそんな俺たちをみて楽しそうにしていた。
はっきり言ってムカつくぜ。
俺たち人間の必死に生きる姿を見下して笑っている。
この俺の怒りは、心の内にある狂気を目覚めさせた。
拓也「ああッ、イイッ、気持ちいい、やばい、これ、まじ、死ぬ、アッ、はぁん、ふわ、もっと、もっと、突いて、あっ、はう、奥、すごい、いい、はう、うう、うううう、はう、う」
ニャルラトテップ「お前急にどうした」
拓也「ううううううううう、あう、う、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は」
ニャルラトテップ「拓也?おい起きろ拓也」
白目を向いて腰をケツをおっぴろげながら痙攣する俺。
ニャルラトテップはただただ混乱していた。
拓也「……んん……は……ん……ああ……ん……ん……ん……ん……ん……ん……ん」
ニャルラトテップ「だ、大丈夫か?」
拓也「よし、センパイから最後の調教を妄想で受けてきたぜ!これでビルダー拓也は無敵だ」
ニャルラトテップ「なんだその変態プレイは.....とにかく。お前たちにチャンスをやろう。あの空に浮かぶ日食、あれは門だ。宇宙の中心より、この幻夢境まで我が主が訪れるための門。かの日食が終わるとき、我が主はこの幻夢境に完全降臨するだろう。さすればお前たちに消滅を免れる術はない」
空の月と太陽は、もう重なりかけている。
ニャルラトテップ「しかし、万が一、あの日食が終わるまでにこの山を踏破できれば。
そこにお前たちを“覚醒の世界”へ戻す扉を開いておいてやろう」
拓也「ああッ、イイッ、気持ちいい、やばい、これ、まじ、死ぬ、アッ、はぁん、ふわ、もっと、もっと、突いて、あっ、はう、うう、うう、はう、うう、はう、うう、はう」
今の俺たちにできる精一杯の抵抗は、狂気に身を任せてあいつが気持ちよく会話するのを妨害することだ。
ニャルラトテップ「ちょっと止めてくれないか?」
拓也「先輩から調教受けてる時が一番幸せなんです」
ニャルラトテップ「だから今そのセンパイとやらに会えるようにするという話なのだが」
拓也「わかりました。では、先輩とのSMプレイについて詳しく語りましょうか」
ニャルラトテップ「やめろと言っているだろう。まったく」
拓也「センパイとは、俺がまだゲイビ男優だった頃に知り合ったんです」
ニャルラトテップ「その話はもういい」
拓也「俺は当時、自分の身体に自信がありませんでした」
ニャルラトテップ「さあ急ぐがいい。猶予はないぞ。この先は神の領域。歩みを進めることが正真正銘、神々との正面対決になる。お前たちの技量を出しつくし、天候と、運とを味方につけねば突破は困難だぞ」
ニャルラトテップの声は、もはや遠く聞こえていた。
ニャルラトテップ「健闘を期待している。さらばだ」
最期の言葉が聞こえた時には、すでに消えていた。
ゴブリン仮面「時間に余裕がないな、今すぐ登ろうか?」
デナリー「ああ、そうだな」
天にある月と太陽は少しずつ重なっている。
ここで停滞していられる余裕はない。
制覇した上に帰られるなんてチョー最高だよな!俺の体の奥から湧き上がるマグマのような欲望が俺を突き動かす、この衝動に身を任せて俺はグングン進む。
そんな拓也たちを出迎えたのは爆風に吹き飛ばされ、岩が散乱した山肌だった。
ルートを取るのがかなり困難だし、クライミング力も試される。
風が吹き荒れる中、拓也たちは岩に手足を掛けながら一歩ずつ 前へと進んでいった。
デナリー「こんな風吹き荒れる場所でクライミングか...確かに神々は我々を殺しにかかっているようだ」
田所「ますます燃えますねぇ!こういうハードプレイは大好きです!」
拓也「行くぜみんな!」
困難にさしかかればさしかかるほど、俺たちの気合はどんどん高まる。
凄まじい勢いで駆け上がる俺たちを、神の息吹が妨害する。
かまいたちのような突風の数々に、俺は吹き飛ばされかける。
だが、その度に、ビルダー拓也の中の悪魔が囁きかけてくるのだ。
「神など恐れることはない。
このまま突っ走れ」と。
何なら俺は、神を恐れさせてやるとばかりに服を脱ぎ、全裸になって腰を振り、乳首をいじり天へ仰ぐ。
拓也「ああ、センパイ、センパイ、センパイ、センパイ、センパァイ、センパアアアアアアアアアイッ」
ゴブリン仮面「このバカ北京原人さっきからおかしいな」
デナリー「いや、はっきり言ってずっとおかしい。」
独自の精神統一を経て、俺は覚醒した。
俺は、ゴブリン仮面に話しかけられたことに気付いた。
ゴブリン仮面「おい、大丈夫なのか?先ほどから独り言ばかり言っているぞ」
拓也「あっ、すみません。センパイのことを考えていました」
ゴブリン仮面「その、なんだ、あまり無理をするな」
拓也「あ、はい」
淫獣拓也は、センパイのことを想いながら、登り続けた。
淫獣拓也は、センパイに調教される妄想をしながら、登り続けていた。
ゴブリン仮面「ん、あれは」
先を進むゴブリン仮面が新たな困難を発見。
岩と岩の距離が離れていて、ダイナミックなロッククライミングを楽しめるルートだった。
拓也「あっ、これは」
ゴブリン仮面「どうした?」
拓也「あそこに、エッチな本が落ちてます」
俺は、手前の岩場の間に挟まっていた本を拾い上げた。
ゴブリン仮面「どれどれ、見せてくれ」
本には、センパイとの情事について書いてあった。
俺は、センパイとの激しいSMプレイを思い出していた。
拓也「センパイは、いつも俺を激しく虐めるんです」
ゴブリン仮面「どんな風に」
拓也「縄で縛ったり、鞭で叩いたり、蝋燭垂らしたり」
ゴブリン仮面「なるほど」
拓也「あと、センパイのちんこをしゃぶらせて貰ったり」
ゴブリン仮面「ほう」
拓也「センパイのちんこは、凄いですよ」
ゴブリン仮面「そうか」
デナリー「そろそろその話止めてもらえないか?月蝕が近い、先を急ごう」
拓也「あっ、そうですね」
パッと見てここの移動はsasuke25回のアルティメットクリフハンガーと似たような構造になっていることがわかった。
まずは拓也と田所が先行する。
俺は、センパイとの情事を思い出しながら、登り始めた。
センパイは、俺のケツ穴に指を突っ込み、前立腺を刺激しながら、乳首を吸ってきた。
センパイ「ほら、乳首ビン勃ちになってんぞ」
拓也「あっ、ダメッ」
センパイ「何が駄目なんだ?言ってみろよ」
拓也「ああ、センパイ、乳首気持ち良いです」
センパイ「おい、もっとハッキリ言え」
拓也「は、はいっ」
そう言いながら、俺は上の岩に手を伸ばして掴む。
拓也「あっ、これなら登れそうだぜ」
すんなりと、俺の手は岩を掴んだ。
そのまま、岩を手掛かりにして、俺は上に登る。
拓也「センパイ、俺、登りました」
俺は、ひたすらセンパイのことを考えていた。
センパイは、俺のことを優しく抱いて、頭を撫でてくれた。
拓也「センパァイ」
センパイ「どうした?また何か妄想していたのか?」
拓也「あっ、はい」
センパイ「全く、お前は本当に変態野郎だな」
拓也「はい」
センパイ「今日は、どんなことを想像していたんだ?言ってみろ」
拓也「センパイに、お仕置きされる妄想です」
センパイ「ほう、詳しく聞かせろ」
拓也「センパイに、縄で縛り上げられて、鞭で叩かれて、蝋燭垂らされました」
センパイ「それで」
拓也「乳首を吸われながら、ちんこをしゃぶられ、」
センパイ「それから」
拓也「ケツ穴に指を入れられて、前立腺を刺激しながら、」
センパイ「ほう」
拓也「頭を撫でて貰いました」
センパイ「なるほど」
俺はそう言いながら、岩から岩に飛び移った。
流石妄想パワーだ。
大成功だぜ!田所も無事に移動できたようだ。
田所「余裕余裕!余裕!」ゴブリン仮面「そろそろ、後を追うぞ」
デナリー「そうだな」
うまく飛び移ったのを見たのか、2人が拓也の後に続く。
ゴブリン仮面は体が小さいから、上の岩に手をかけるゾーンは、拓也よりもつらそうだ。
でも、ゴブリン仮面は腕力で飛び上がり登った。
そして次は小さな岩の突起に飛び移る場所だ。
ゴブリン仮面「ふぬおっ」
ゴブリン仮面は、体を横に振り、気合で成功させたものの、勢いが付きすぎたのか手にダメージを追う。
デナリー「おい、大丈夫か」
ゴブリン仮面「なんとかな」
デナリーも上の岩に手を伸ばす。
デナリー「ふっ」
一方デナリーは序盤軽々と進んでいき、飛び移りの場面へさしかかる。
デナリー「あっ」
跳んだ瞬間、デナリーは、岩をつかみ損ねて落下仕掛けたが、拓也と田所が協力し、デナリーの腕を掴み、引っ張り上げた。
デナリー「あっ、ありがとう」
拓也「怪我は大丈夫か?」
俺はデナリーさんを引き上げた。
デナリー「助かった」
ゴブリン仮面「怪我はないようだな」
デナリー「問題ないとおもう」
一瞬のヒヤリハットで俺たちは肝をひやし、会話がぎこちなくなった。
続いて拓也たちが見たのは、一見どこにも行く道がなさそうな景色だった。
ゴブリン仮面「困ったな、どこを進めばいいんだ....」
デナリー「どこか、行ける場所があるはずだ」
拓也「確かにそうですね」
オレたちは、ひたすら歩き続けた。
すると、突然、目の前の岩が消え、広い空間に出た。
デナリー「これは一体……」
ゴブリン仮面「隠し通路か」
拓也「これ、通れるんですかね」
デナリー「やってみるしかないだろう」
俺は、デナリーさんの後に続いて、狭い穴を通り抜けた。
デナリー「よし、大丈夫そうだ」
拓也「本当ですか」
ゴブリン仮面「僕も大丈夫です」
デナリー「よし、行こう」
俺たちは、奥へと進み、無事この場面を通り抜けた。
この山を管理してる神ってセキュリティがガバガバだな。
爆風が吹き抜ける場所を抜けると、比較的登りやすそうな氷河が俺たちの前に現れる。
ここを登るのは楽勝だなっと一歩足を踏み出すと、急にこの山登ることに対して、得体の知れぬ本能的な忌避感を感じ始めた。
なるほど、次は精神を折る作戦かといままでのトラウマを思い出しつつも進む俺。
周りを見ると、もう吹っ切れているのか力強い足取りで進むデナリー。
とくにトラウマがなさそうなのでいつも通りな田所。
一番後ろで俯きながら進むゴブリン仮面の姿があった。
デナリー「どうした? 」
だんだんと進むスピードが遅くなっていくゴブリン仮面。
ゴブリン仮面「なんだか、登るのが.....怖い」
拓也「オレもです」
デナリー「私も、同じ感覚を覚えた」
ゴブリン仮面「もしかしたら、ここがゴールかもしれない」
拓也「でも頂上までまだかなりあるんですよ」
デナリー「仕方ない、先に進むしかないだろう」
やがて、ゴブリン仮面は足を前に踏み出すのをやめてしまう。
ゴブリン仮面「拓也」拓也「どうした?」
ゴブリン仮面「ぼ、僕は本当にここを制覇していいのか....仲間を守れず、いままでのうのうと生きてきた僕が、この山を制覇してもいいんだろうか……」
俺は奴の前に立つ。
肩を掴み、ゆするように言った。
拓也「ここまで来てそんなことを言い出してもしょうがねーだろ!今の俺たちは一人の登山家なんだ。
山があるから登る。
それだけだろ!登っていいんだよゴブリン仮面、こんな所でくよくよ懺悔しても仲間には届かないんだ!」
ゴブリン仮面「拓也……」
拓也「でも、オレたちは、ここまで来たんです。
今は一人の登山家として、ここにいるんです」
ゴブリン仮面「拓也、」
拓也「登りましょう、頂上へ」
ゴブリン仮面「そうだね.....」
ゴブリン仮面は立ち上がると、つけていた仮面を取り去った。
その下からは一見中性的に見える顔立ちをした少年、だがその目元はK2ことケヴィン・キングストンにそっくりだった。
ゴブリン仮面「僕も一人の登山家、ケヴィン・キングストンとして、偽りなき姿でこの山に挑戦させてもらおう」
拓也「あ、あなたは....」
ゴブリン仮面の目元は、あのK2ことケヴィンにそっくりだった。
ゴブリン仮面「恐らく君たちの世界にも僕が居たんだろう」
拓也「ハハッ、びっくりしましたよ、まさかこんなところで出会うなんて」
デナリー「なんと、君は、あのケヴィンだったのか」
俺たちはすっかりその驚きで忌避感を忘れ、次のエリアに進んだ。
次の道は氷河で覆われた場所だ。
ただ氷は硬く、強く蹴り込まないとアイゼンが刺さらないため、進むのが困難だった。
デナリー「よし、これでどうだ」
デナリーさんは、力任せに氷を蹴ってアイゼンを突き立てる。
拓也「デナリーさん、凄いっす」
デナリー「これくらい、普通だ」
拓也「でも、オレアイゼン捨てちゃったからどうやって登ればいいかわかんねー」
拓也はさっき全裸になる過程で、アイゼンを捨ててしまった。
ゴブリン仮面「僕に任せてくれ」
ゴブリン仮面は、拓也をおんぶした。
ゴブリン仮面「しっかり掴まって」
拓也「はい」
ゴブリン仮面は、氷の上を歩き始めた。
ゴブリン仮面「どうだい? 僕のテクニックは」
拓也「凄いっす。
なんでこんなに上手いんすか」
ゴブリン仮面「そりゃあ、死に場所を求めて山を一人でめぐってきたからさ」拓也「そうだったんですか」
ゴブリン仮面「ああ、そうだ」
オレは、涙が止まらなかった。
拓也「オレは、今。
あなたにもう一度会えたことを感謝します」
ゴブリン仮面「僕だって、君たちにあえて本当に良かった」
田所もデナリーも、彼の正体にはただただ啞然としていた。
だって信じらんねーじゃん。
どこをどう整形したらこんな姿になるんだよ!でも、凄く会えてうれしかった。
ケヴィンに、あのリーダーシップに溢れた憧れのケヴィンにもう一度会えたんだから、世界が違っても、一見ケヴィンに見えなくても、俺は嬉しくて涙をながし、射精した。
氷河を抜けて最後のエリアに進む。
狂気山脈にあったのが大黒壁だとするならば、ここは白く染められた大白壁。
精液に染められたような真っ白さに、俺は唾を飲む。
いざ触れてみると、岩質が極めて不安定で、足を踏み外せば落下死は免れない。
デナリー「慎重に進もう」
拓也「ウッス!」
ゴブリン仮面「ちょっと待って、様子が変だ。
上の方を見てくれ」
言われた通り上を見ると。
数百メートル程度しか離れてなかったはずの頂上が、地味に遠くなっていく。
意味のわからない光景に混乱するが、すぐにからくりがわかった。
神の手によって、標高が上げられている。
もう何が何でも登らせないとばかりに高くなっていく山に俺は呆れた。
あーあ、遂に禁じ手を使ってきたな、てかここまでするなら俺を直接殺しに行けばいいじゃん。
頂上を目指して最後のアタックが始まる。
デコボコした壁相手にスピードクライミングだ。
神様と直接対決開始だぜ。
俺達四人は岩場に手をかけて登り始める。
全身の筋肉を使って登りまくり喘ぎまくり、腕痛めてつらいけど、下半身が貧弱だからとにかく頑張ってもらうしかない。
寒さも厳しくなってきた。
全身の筋肉が悲鳴を上げる。
俺は、必死に登った。
寒さなんかに、負けていられない。
加速せよ、加速せよ。
焦りは禁物だが、それでも、急ぐしかない。
反応、反射、対応、瞬発力、スピード、持久力、筋力、体力、精神力、根性、忍耐力、闘争心、判断力、決断力、集中力、持続力、想像力、記憶力、空間認識力、柔軟性、柔軟力、理解力、共感力、そして、愛。
全て、今の自分には満ち溢れている。
下半身の勃起力も負けじと高まってくる。
俺は、登ることだけに集中する。
デナリーさん、ゴブリン仮面、それに、デナリーさんの仲間達のために、俺は、登り切る。
デナリー「拓也、大丈夫か」
拓也「ハァ、ハァ、はい、なんとか」
ビルダー拓也は、全身汗まみれで、呼吸を整えていた。
ゴブリン仮面「よく頑張ったな」
拓也「でも、まだ頂上じゃないですよ」
デナリー「その通りだ。
気を抜くには早い」
全身の筋肉がパンパンにパンプアップする。
ビルダー拓也は、もう限界に近い。
だが、頂上は見えてきている。
行ける、もう少しで行ける。
全身が悲鳴を上げ、ビルダー拓也は、痛みで失神しそうになる。
だが、ビルダー拓也は、登る。
インパルスの波状攻撃に耐えながら、登る。
永久記憶は、常に更新される。
俺は、今、生きている。
登り切った。
俺は他の三人に引っ張られながら、頂上へたどり着く。
デナリー「やったぞ、みんな」
デナリーの一言で、緊張が解け、俺はその場へ倒れ込んだ。
雪の冷たさが体にしみこむ。
デナリー「おい、しっかりしろ」
ゴブリン仮面「これまでいろんな登山を経験してきたけど、ここまでバカみたいな登り方したのは初めてだよ」
ケヴィンは苦笑いを浮かべながら座り込んだ。
ゴブリン仮面が予備の服を俺に渡してくれた。
拓也は着替える。
服装はすっかり元のボディビルダーに戻っていた。
ゴブリン仮面「よくここまで来た」
デナリー「ああ、感心している」
登頂を果たした。
推定標高は 16,000m をゆうに越える、無名峰の山頂へ到達。
拓也「やったぞおおおっ!!!!!」
田所は、涙を流しながら抱き着いて来た。
田所「やりましたねぇ!」
ゴブリン仮面も泣いていた。
ゴブリン仮面「拓也君、本当に良く頑張ったな」
拓也「ありがとうございます」
手を伸ばせば、宇宙にも届きそうなその頂。
分厚い空気の層に阻まれて、ビルダー拓也たちは遥か遠くに光を見つけた。
それはまるで、神様からの白旗のよう。
目線をしたにむけると、ビルダー拓也たちの眼下には、広大な大地が広がっている。
ここは正真正銘、神の世界の中心だぜ。
無論、既に拓也達は分かっている。
ここは現実には存在しない山だ。
これは一夜の夢。
目覚めれば、また別の夢が続くだけ。
一緒に登って来た仲間たちとも、ここでお別れ、これからは別々の道を進む。
でも、同じ場所に立つときがあるんじゃないかな?その時はお互いに違う世界だけども、立っている場所は同じだろう。
そう信じたい。
拓也の山への渇望は、満たされたかな?マネージャーと話す勇気は出てきたかな?きっと出てきてるぜ!それ以上に困難な壁を乗り越えられたのだから。
山頂に扉が開く。
あの忌まわしき這いよる混沌が用意した、門。
俺たちはその門に向けて歩き出す。
デナリー「色々あったが、本当に楽しかったな。」
デナリーさんは微笑んでいた。
ゴブリン仮面「ありがとう。
ただそれだけしか、僕には言えないな」
ゴブリン仮面は深々と頭を下げた。
拓也「そんな、お礼を言うなら、こっちの方だぜ。みんなが居なかったら、ここまで辿り着けなかったんだ。」
こんなすっきりとして終われる登山にしてくれたのは、みんななんだ。
「ああ、そうだな」
「時間が来たらおしまいだし、いこうか」
「ウッス!さよならっす!」俺たちは笑顔のまま扉へと入り、意識を無くした。
「もしもし?.....なんですか、拓也。」
「もしもしマネージャー、一緒にご飯でもどうかと思ったんですけど、すぐじゃなくてもいいんで、これませんか?」