オバロのインキュバスプレイヤーが兵藤一誠に転生した件について 作:黒旗
満天の星空の下、一人の男が黄昏れていた。
「はぁ、今日でユグドラシルもサービス終了かぁ・・・」
俺の名前は今精二、アバター名はザオユゥンダで種族は
俺は今日サービス終了するDMMO‐RPG「ユグドラシル《Yggdrasil》」にて最後の時間を過ごしていた。
このゲームの凄い所は人間種のみならずエルフなどの亜人種、スケルトンなどの異形種含めて七百種を超える種族に加えて二千をも超える
それにアバターの
しかし、そんなユグドラシルも栄枯盛衰という言葉が当てはまるように十二年の時間の流れに逆らうことが出来ずに最後の時を迎える時が来てしまった。
「十二年か・・・長いようで短かった気がするなぁ・・・」
そう言いながら俺は後ろを振り向く、そこには巨城が目に入ってくる。
混成ギルド「
ギルド「常夜の色魔」は人間種・亜人種・異形種の混成ギルドでユグドラシルの中でも珍しいギルドだ。
このギルドへの加入条件はたった二つ誰にも言えない「性癖」を持つことと社会人であることだ。
この城は俺達ギルド全員で獲得した
「寂しくなるなぁ・・・」
そう口から零しながら俺は城に入り、玉座の間に転移する。
「ふぅ、ここもこれで見納めか」
息を吐きながらそう言うと俺を含めてかつての仲間達を模した旗を見る。
「七十二人いたギルメンも俺一人、一人寂しく最後の時を迎えるか・・・」
それを口にした後、俺は玉座に腰掛ける。
「楽しかったなぁ、最初はメンバーとも気が合わなかった時もあったけど楽しかった」
腕を組み目を閉じるとあの頃の思い出が浮かんでくる。
目を開け時間を確認すると23:59:55、サービス終了目前に差し迫っていた。
「よし、明日も遅いしそろそろ・・・」
ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!
立ち上がってすぐ突然けたたましいアラーム音が鳴り響くとともに胸に激痛が走る。
「なんだ・・・これぇ・・・!?」
突然起こった激痛に俺は膝をつく。
「持病なんてねぇのになんで・・・!?」
あまりの事態と激痛が相まって思考が定まらない。
だが、これだけは確定して解っていることがある。
これは死ぬやつだ、と。
そして、意識が途絶えたと同時にユグドラシルのサービスが終了した。
次に目を覚ました俺の視界に入ってきたのはとある一室の天井だった。
「どこだ、ここは?」
俺はあの時ユグドラシルの自分のギルドホームにいたはずなのにいつの間にログアウトした?
そして、いつこの部屋まで移動した?
起き抜けで頭の回らない頭で思考を巡らせるが考えがまとまりはしなかった。
すると、突然俺の頭の中にある人物の記憶が流れ込んでくる。
その人物の記憶は兵藤一誠、駒王学園というエスカレーター式の高校の二年生で悪い意味で有名人であった。
「覗きにAV持ち込み・・・そりゃ悪い意味で有名になるな」
正に性欲の権化と呼べる行動を取っており、他にも松田・元浜という同士のような存在がいて一括りで変態三人組と呼ばれている。
「これでよく退学にならないな・・・」
普通に疑問を抱いたことを口にするが、それに答える者はいなかった。
「これは過去に戻ったってことでいいんだよな・・・」
そう言いながら俺は視線を向けると窓の外は快晴の青空が広がっていた。
「この景色は現実なんだな」
そう言って外を見ているとあることを思い出す。
「やべっ、学校!!」
学生であることを思い出した俺は慌てて支度をして家を飛び出すのだった。