※この作品はR-18です。

九条パチ宗の淫蕩記   作:ニンカタ

10 / 10
今回からかなり書き方のイメージを変えたから、それで戸惑うかも。まあ新章だから良いよね。

メインは赤井華子さんです。


赤井華子との関係+堀越ナオミ

 

 孤独だと、思った。一人でピアノを弾くのは好きだった。例え誰よりも上手くなくても、私はピアノを弾けるというだけで幸せを感じていた。一人ぼっちでの演奏会も、高校に入ると新しい聴き手が一人現れて、2人だけだけど私の世界は綺麗に色づいていた。

 そんな世界に罅が入り始めたのは、私がピアノの伴奏者として推薦を貰ったあの日からだった。

 泉君はプライドが高い人。だから私にピアノで負けたという事実が気に食わなくて、私への嫌がらせを始めました。

 友達が守ってくれたから、私は挫けそうになりながらも毎日毎日ピアノを練習して、唯一の友達にこの音を聴かせる為、頑張って頑張って来た。でも、多くの手で行われた度を越した嫌がらせは、徐々に徐々に友達の手でも防ぎ切れないくらいに広がっていく。私だけなら我慢も出来たかもしれない。けどね、ある日聞いちゃたの。私の大事な友達に、あの人達が酷い事をしようと計画してたのを知ったのは。

 耐えられない。そう思った。私が傷付くよりも、友達がそんな目に遭うかもしれないって、想像するだけで、私の心は落ち着きと冷静さを失わせていった。

 何で、どうして。そう戸惑い悲しそうにする親友を見ながら、私は諦めた笑みを浮かべるしか出来なかった。

 これで普通の毎日が戻るのかな、そんな残念な気持ちとごめんねと言う気持ちを抱えながら私は諦めた次の日を迎えました。

 変わらなかった。いや、少しは変わったけれど私にとっては微々たる差でしかない。

 泉君は本当に私の事が気に食わないみたい。折れて、ごめんなさいと見当違いの許しを乞うたのに、それでも収まりが付かなくて、今もこうして私の心と体を苦しめてくる。

 たったの2人。泉君とその彼女さんだけだけど、私への嫌がらせは大人数が加わっていた時よりも苦しかった。

 助けが来ない。これが1番で、とても悲しかったのを覚えている。

 何で?何で?私の事を嫌いになったのかな。それとも私が、あの時にしっかりとした返答を返せなかったから?

 どんな理由でも、友達が申し訳無さそうに合わせた瞳を逸らしてしまうのが苦しくて悲しい。

 床に散らばった吐瀉物を見て、2人の気持ち悪いと嘲笑う声が木霊する。

 ピアノを弾いてても楽しくない。一人になったから。

 がっこうに来ても楽しくない。友達が居なくなったから。

 …生きていても、楽しくない。苦しい。そんな考えばかりが私の頭の中に残り続ける。

 だから、これは仕方ないんだ。

 首に掛かるのは青いゴムホース。下に見えるのは青いバケツ。私は今バケツの上に何とか立っているから、これを蹴飛ばせば下に落ちてしまう。

 首に何かがある状態では、それは致命的。それは分かっていたけど、その時の私に戸惑いは無かった。

 ボン、と空洞のバケツを蹴れば変な音がトイレに鳴り響く。この音が私の聞く最期の音なんだなと、少し悲しくも思ったけど、苦しさからの解放の音色だと思えば悪いものとは思わなかった。

 ゆっくりと落下していく中で、スローになった頭の中、幸せだった記憶を思い出しながら、私は目を──

 

 「……大丈夫か?」

 「え…?」

 

 再び目を開く。浮いた肉体は誰かに受け止められ、温かな温もりのようなものを感じた。驚いた瞳の先には、見知らぬ大人の男性の顔が映り込む。

 誰だろう?こんな先生は居なかったし、用務員さんという風貌でもない。これから死ぬ前に、沢山の疑問が頭に浮かんだ。

 

 「あと、1日」

 「……?」

 「あと1日だけその選択を待ってくれないか?」

 

 私を抱き抱えた人は、目を合わせると懇願するような瞳を向けた。何となく、この人は私について色々知っているんだなと思う。今私がしようとした事、それを咎めはせずに私の残りの時間を伸ばすように願った。

 

 「何を、するんですか…?」

 「それは、まだ言えない。すまない」

 「そう、ですか」

 

 言う事なんて聞かずに、知らない人のお願いなんて無視すれば良い。友達ならそう言うんだろうなと思ったけど、何でかその言葉を信じてみようかなと思いました。初めて会った人なのに、不思議。

 知らない人は私をゆっくりと床に降ろすと、そのコートを私に羽織らせ、泉君達の嫌がらせで汚れたトイレを掃除し始めた。

 

 「あの…私がやりますよ?」

 「大丈夫だ。君は、取り敢えず着替えてくれ」

 「あ」

 

 そう言えば私、変な格好してるんだった。今更ながらに何だか恥ずかしくなってきた。ギュッ、とコートを掴んで縮こまる。そしてそろ、そろ、と掃除をしている人に見えない、トイレの個室で着替えを始めた。

 

 「送って行こうか?」

 「いえ、大丈夫です。自分の足で帰ります」

 「そうか。また明日」

 「……また、明日。はい、そうですね…」

 

 着替え終わると掃除も終わっていた。あっという間に終わらせたんだ。トイレの中から2人コソコソと旧校舎の中を歩いて出て、暗くなってきた門の前までこの人は送ってくれた。

 帰り際に交わした、明日という言葉がやけに胸の中に残る。明日、私の運命は決まる。そんな大袈裟な確信にも近い感覚。だけど、私はこの感覚を信じたかった。

 

 

 

 

 「…泉君。これはどういう状況なのですか?」

 「さ、坂本先生!?な、何で此処に!?」

 「これは此方の台詞です。旧校舎への出入りは禁じていたと思いますが」

 

 何時もと変わらない泉君からの執拗な嫌がらせ。明日、そう言っていたから、何かが変わるのかなって思ったんだけど。それも勘違いだったのかな。私の心に、また諦めが押し寄せてくる。やっぱり、信じても、

 そんな時だった。バタンと扉が開いたかと思うと、昨日会った知らない人が現れる。何事だと泉君と彼女さんが入口の方を振り返ると、其処には知らない人以外の人達も居た。 

 中でも目立っていたのは教務主任の坂本先生。視線をアチラコチラに動かすと、その後に大きく溜息を吐いて苦々しい表情を作る。ボソボソと何かを言った気がしたけど、遠いから上手く聞き取れなかった。

 

 「え、ええとですね。これは…その」

 「…まあ、大体の事情は把握していますがね。出来れば貴方の口から本当の事を喋って欲しいのですが」 

 「え…!?」  

 

 其処からは見ている私でも、少し可哀想かなって思うくらいに泉君は質問責めにされていた。どれだけその場の嘘を重ねても、直ぐに坂本先生がピシャリと矛盾点を指摘する。

 厳しくて、怖い先生なのかなって思っていたけど、何だか今の姿はとっても格好良く見えた。

 

 「すまないな。少し、遅れてしまった。…怪我はないか?」

 「あ、ええと、はい。ない…ですね」

 

 そうか…。と安心したように胸を撫で下ろしていたのは、昨日の知らない人。坂本先生や他の先生にも面識はある見たいだし、私が知らないだけで先生なのかな?…だとしたら昨日。少し馴れ馴れしく接したのは良くなったのかな。どうしよ。

 

 「お、お前、お前ぇ゙ぇ゙ぇ゙!!」

 「──ひぃっ!?」

 

 ほぼ詰み。自分の状況がそれに類すると分かった泉は、この期に及んでまで自分の邪魔をする赤井華子に、見当違いの激情を抱く。それがこの後、更に自分の首を絞める行動だと分かっても、泉は九条八宗の傍に居た赤井華子に何かをしなければ、この憤りに収まりが付かなかった。

 

 ベキッ!

 

 鈍い音が辺りに響いた。泉の拳は赤井華子に向けられて振るわれ、しかしその対象は別の相手に防がれた。

 

 「……大丈夫か?」

 「……は、はい」

 

 このままでは赤井華子に当たる。そう咄嗟に判断した八宗は、赤井華子を抱き寄せると、片腕で泉の拳をガードした。少しばかり変な音がしたが、音だけだ。充分に耐えられる痛み。少し怯えている赤井華子に軽く微笑み掛けると、八宗は泉俊彦の方を向いた。

 

 「………」

 「ひっ!」

 

 無言ではあるが、その表情には確かに怒りがあった。ただ怒っているだけ、それなのに怯えが止まらず、泉はその場にへたり込んでしまう。その後はいきなりの泉の行動に呆気を取られた教師陣が動き、泉を一時拘束。

 彼の起こした事件。傷害未遂は追って説明が来るとの事。

 

 「…………」

 「お……!」

 「…………」

 「おい、聞こえてるか!」

 「ひゃ、ひゃい!?」

 

 自分を抱き寄せ、泉からの暴行を防いだ八宗を見て、赤井華子は熱に浮かされたかのようにボーっとしていた。八宗が何度も声を掛けると、忽ち正気を取り戻し、慌てた返事を返す。

 

 「迎えが来てるぞ。一度家に帰れ」

 「あ、ほ、本当ですね」

 

 色々と大事になってしまった為、今の近衛原学園は大騒ぎだ。こんな状態じゃまともに授業も出来ない。当事者である赤井華子の父兄は直ぐに一報を聞いて飛んできた。このまま学校に居るよりも、一度家に帰り落ち着いて状況を理解するのが良いだろう。赤井華子の元に駆け寄る親御さん達に、行って来いと八宗は声を掛けるとその場を去ろうとする。

 

 「あ、あの!名前!名前教えてください!」

 「九条八宗だ」

 「九条……八宗…さん」

 

 去り行く八宗の背中を見つめ、何度も噛み締めるように呟いたその言葉は、深く、深く赤井華子の中に刻み込まれたのだ。

 

 「九条、八宗さん………」

 

 何度もその名前を呟く赤井華子の表情は綻んでおり、時折頬を赤らめて様子が変だったらしいが、それは八宗が知らぬ話。

 

 

 

 最低だ、と思った。結局私は友達を傷付けただけ。何が──を傷付けるのは、私が許さない、だ。だって今回の事件で一番に友達を傷付けたのは私じゃない。肝心な時に助けられなくて、その理由も自分勝手。最低でないなら何だって言うんだ。

 なのに私は、その最低を現在進行形で更新しているのだから救いようがない。友達とはあれから腹を割って話した。泉に脅迫されていた事、だから助けに入りたくても、それが頭に浮かんで二の足を踏んでた。ごめんって。 

 友達は許してくれた。こんな自分勝手な理由なのに許してくれた。勿論脅された内容を話してなかったから、此処までスムーズに仲直りのような事は出来たのだろう。

 友達が自殺未遂をしていたと聞いた時、私は自分の馬鹿さ加減に絶望していた。守る。守るとか言って守らないし、それどころか今、全てが終わった今!私は友達がどれだけ苦しかったのかを知ったんだ!

 馬鹿でしょ、馬鹿すぎる。我が身可愛さで、親友が死にそうになっていたのを見逃していったて訳だ。馬鹿過ぎて笑い話にもなりゃしない。

 しかも解決の鍵になったのは知らないおっさん。ハハ…何それ。私が勇気を出していれば、その枠に私が収まれたのかなって思う自分にも吐き気がする。何処まで惨めで浅ましいんだろう、私って。

 

 「九条八宗さんって言うんだ…」

 

 辞めて。そんな嬉しそうな顔をしてその名前を呼ばないで。罰だって言うのは分かってる。私が私を優先した罰。友達よりも自分を買った裏切り者への末路。そんなのは分かってる。分かってるけど……!私の、私の好きな人を取らないでよぉ…!!

 

 「ナオ…私ね…?」

 

 ……え?

 

 

 

 「ですから、私、九条さんの事好きになったんです♡」

 「いやいや、それは一時の感情だ。それに俺は──」

 「奥さんが沢山居るんですよね?知ってます」

 「…なら余計にだ」

 

 恋する乙女は強し。赤井華子は泉とのゴタゴタが片付くと、直ぐ様八宗に猛アピールを開始した。色々と調べ、九条八宗が住む館を突き止めると、単身で乗り込み想いを伝える。余りの直球パワープレイに流石の八宗もたじろいだ。   

 

 「…はっきり言うと、奥さんが沢山居るって知ってガッカリしました」

 「そうだろう。だからこんな男なんて忘れ──」

 「私が一番じゃないんだって…」

 (其処か…)

 

 思春期の女子のように、沢山の女性と関係を持つなんて不潔と罵ってくれた方がマシだった。まさか序列で悩んでいるとは、思いもしなかったからだ。

 

 「でも!私、何番目の女でも良いですから!だから結婚を前提にお付き合いしてください!」

 「何方の言葉も女性から言うものではない……!」

 

 改めて自身の業を突きつけられたような感覚だ。まだ〇校生の女の子に自分は何を言わせているのだ。頭が痛くなり、胃も何だか締め付けられているような…。

 

 「別に良いんじゃない?抱いてあげたら、兄さん」 

 「サヤ!?」 

 「ほら、奥様もそう言ってらっしゃいますし!」

 

 最近のサヤは、俺の女性関係について達観している所が見受けられる。いや確かに、俺が一番悪いのは分かっているのだが、少し雑に扱われているような気がして、複雑な想いもある。

 

 「じゃあ行ってきますね!」

 「夜までには終わらせるのよ?」

 

 俺の介在しない会話で、トントン拍子に事は進んでいき、俺はこれから女子高生を抱く運びになった。おかしい。明らかにある時期から、関係を持つ相手が一回り下の年齢になっている気がする。

 俺は腕を引かれながら、こんな筈では無かったのになと想いを馳せる事しか出来なかった。

 

 

 

 「ん…ちゅる…れろ…れる…♡ぷはっ…!初めて、あげちゃいました…」

 

 抱き締め、腕の中で唇から離れた華子は、まだ女として未成熟だとは思えない艷やかさを感じる笑みを浮かべた。

 八宗も此処まで来れば彼女を自分の物とし扱う。丁寧に丁寧に、壊れ物を扱うように華子を優しく導くと、その男を知らぬ唇に初めての(おとこ)を覚えさせた。

 

 「ふふ…」

 

 胸に頭を擦り付けると、華子は頬をほんのりと赤らめる。この人が私の好きな人。これからずっと私を愛してくれる人。そう頭の中で思う度に、ニヤける笑みが止まらないのだ。

 

 「…手つき、いやらしいんですね…♡」

 

 今まで見せてきた大人として、男として紳士的な顔は無くなり、この部屋に入ってからは雄の振る舞いをする八宗。

 好きな人でなければ嫌悪する振る舞いだが、華子にとっては八宗は特別な人。だから嫌という気持ちどころか、自分を1人の女として扱ってくれているようで、華子はその顔が好きだった。

は八宗は特別な人。だから嫌という気持ちどころか、自分を1人の女として扱ってくれているようで、華子はその顔が好きだった。

 未だ成長途中の胸とお尻に男の手が触れられていく。無遠慮なようで、何処か繊細。快感と安心感。矛盾した2つの感覚を華子はその手から感じ取っていた。

 

 「ん……あ……!」

 

 少しづつ少しづつ。華子の性感を育てるように愛撫は続けられていく。お尻も触られた。お腹、腰、首筋も。少し触れるだけの時もあれば、ガッシリと掴むように力強い時もある。

 初めてなのに、華子はそれから手だけ体中を触られて、男の手による絶頂を迎えたのだ。ガクガクと震える両足は頼りなく、もたれるように八宗に寄りかからないと倒れてしまいそう。

 華子は絶頂の痺れが体から抜けるまで、八宗の腕の中で乱れた吐息を吐き続けていた。

 

 「…結構、意地悪なんですね」

 

 優しい貴方しか知らなかったけど、私は今貴方の酷さを知りました。女の人を知り尽くしていないと、多分こんな事は出来ないと思います。だから八宗さんは悪い人。悪い大人。

 …だけど大好き。私を助けてくれたから。あの絶望の時間から救ってくれたから。どれだけ私は貴方に酷い事をされても、多分許してしまいます。それは貴方が、私を恋に落としたから。私は貴方にこの体と愛をあげます。

 だから貴方も私を愛して下さい。どれだけこれから、辛いことがあったとしても、貴方とこうして繋がれるだけで、幸せだなと思えるように。

 今まで味わって、体にも頭にもこびり付いたトラウマを、貴方との安らかな時間が全部上書きしてくれるように。

 ───私を愛して(わたしをこわして)

 

 

 「──あ♡んっ、んっ、んっ!はぁ、はあん♡ん、んぅ…!」

 

 蕩かされて、絆されて。私の体は貴方を初めて受け入れたというのに、こうして女の悦びを感じるくらいには行為に慣れてきた。ふと、下を見れば確かに鮮血が滴っているのだから、私は確かに八宗さんとの行為が最初だと自覚出来る。でないと余りに気持ち良くて、幸せだから、夢でも見ているんじゃないかって不安になりそうだ。

 肩に両手を置いて、私は、はしたなくも自分から腰を振る。ビクビクと怯えて、しがみついて腰を打ち付けられていた時とは違って、八宗さんに言われたからそうしてる。

 腰を降ろすと、八宗さんはそれに合わせて下から突き上げてくる。そうすると私が我慢出来なくて、乱れた声を上げると知っているから。私よりも私の体を知っている。

 こんな短時間でまるで私の全てを知られたみたいで、少し恥ずかしい気もするけど、何だか八宗さんの物になった気がして、それも悪くないかなって思いもする。

 

 「中に、中にください…!」

 

 駄目だって分かってるけど、そうしたいって思いが強すぎるから耐えられなくて。私は八宗さんに強く抱き着きながら懇願する。すると八宗さんはそれに応えて、今日何度目かもう分からないけど、こうして抱き締めたたまま私の中を染め上げてくれる。幸せだなって、中に広がる八宗さんを感じると、震えが止まらない。

 その後も何度も、何度も、お願いをして。私はお腹の中に沢山のものを貰ったの。

 

 「…有難う御座います。八宗さん…」

 

 事後。私は八宗さんの横に寝そべると、そう言った。色んな意味を込めたありがとう。私自身でも何に対してかは上手く言えない。けど、八宗さんはそれを何も言わずに受け取ってくれて、優しい私を抱き締めると頭を撫でてくれた。

 …ああ、やっぱり好きだな…。私はそんな今更を、八宗さんの腕の中で再確認したのだった。

 

 

 

 「あ、あ、あ…」

 

 話を聞き終えた彼女は絶望を露わにする。分かってはいた。だけどもう其処まで、私の手の届かない所まで親友(すきなひと)は行ってしまったのだと、理解したから。

 

 「ナオ、ねぇナオ!」

 

 その声も聞こえない。聞こえないようにしている、が正しいか。自分の間違えで全てを失った。彼女はそう思うだろう。だからこの後、幸せになっていく親友を見守るしか、彼女に出来る事は…

 

 「──ナオも一緒に幸せになろう?」

 「え?」

 

 手を握られ、言葉は聞こえたが、その意味は分からなかった。

 

 

 「ほら、ナオ…もっと足を開いて…?」

 「う、うん……」

 

 八宗の前には、親友(ハナコ)にその身を蕩かせ尽くされた親友(ナオミ)が、怖ず怖ずと八宗を受け入れる準備をしている。華子との関係を持ってから幾日か、何時ものように九条邸を訪ねてきた彼女の傍らにはナオミが居た。

 私は八宗さん以外にも付き合う人を決めた。でもその関係は今の世の中では到底受け入れられないもの。

 だから八宗には、その恋人ごと自分と彼女を纏めて囲って貰いたい。そんな提案を受けた。

 口が開かないとはこの事。八宗との一線を越えてから、華子は変わったとは思っていたが、まさか此処まで振り切る程とは想定していなかったからだ。

 八宗も好き。だけど今まで支えてくれて、傍に居てくれた親友も好き。改めて自分の気持ちを整理し終えた彼女は、欲張りにもその両方を手にする道を選んだ。

 八宗は今更、沢山の女性と関係を持っている手前、彼女の選択を否定する事は出来ないが、彼女の親友自身はこの事をどう思っているのか、当たり前に感じた疑問は華子の横に居た彼女が答えてくれる。

 

 「一緒に居られるなら、それも良いかなって」

 

 …どうやら話はついているようだった。

 

 

 「ああ…!入って来た…入って来たよハナ…♡」

 「ナオ、凄く可愛いよ…♡」

 

 肉棒が少しづつナオミの中を進んでいく中、彼女は硬く親友である華子と手を繋ぎ、お互いに顔を見合わせながら快楽に準じていく。いつの間にか位置を変え、ナオミに乗るように場所を移動した華子は、体を密着させ、すぐ間近で恋人のあられもない表情を視姦していく。

 八宗が腰を振り始めると、互いに互いを抱き締め合い、その唇同士を絡ませて、2人だけの世界を作っていく。

 少しばかりだしにされているような気もするが、彼女達が幸せそうにしているのだから、それも言うだけ野暮かと八宗は無心で行為を続ける。

 

 『──ああっ…!!』

 

 射精と同時に、2人は絶頂を迎えると、そのまま抱き締め合い体を擦り付け合った。

 

 「んちゅ…んあ…んん…れろ…ちゅるる…」

 「んん、ちゅる…れろれろ…ぢゅるる…!」

 

 華子とナオミ。2人の間には八宗の肉棒がある。2人で協力し、先端、雁首、玉袋。至る所に舌を絡ませながら、射精に導くため、雄の象徴に服従を示す。時折彼女達同士の舌が触れ合う時もあるが、その時は互いに嬉しそうな笑みを浮かべると、再び別の箇所に奉仕をしていく。

 

 「あ…いっぱい出た…♡」

 「すご…こんなに出るんだ…」

 

 まるでシャワーのように、2人は八宗の精液を顔に浴びると、それぞれの感想を零す。どれだけナオミが好きでも、一番は八宗な華子は、愛しの男から与えられた精液を嬉しそうに堪能して。

 対するナオミは、初めて受けた男の力強い射精に、少し驚つつも、興味は隠せない。そんな様子。

 

 「八宗さん…♡次は私に…」

 「あ、ハナ…!」

 

 恍惚とした表情で八宗に性を乞う華子。それを見て、一応八宗の片腕に抱き着き、恋人の動向を伺うナオミ。少し変わった2人との関係は、これから慣れるまでかなりの時間を要しそうだ。

 両手に花の状況だが、八宗の表情には少しの戸惑いが見えた。

 




偶に違った時間帯も悪くないかなとこんな時間に投稿。

今回に死噛だと結構印象深い華子さん。悪い人じゃないのに、目を付けられた相手が質悪すぎ。イジメ相手は報いを受けたけど、普通に生きて過ごしてて欲しかった悲しい子。
尚、この世界では好きな人も親友も両方掴み取る逞しい子になった模様。女は男を知ると変わるからね。仕方ないね。
ナオも手に入れるために、八宗との行為前に、裸の付き合い(意味深)で説得しました。その様子も書こうかなとは思ったけど、レズ描写が難しくて断念。カットして八宗、華子、ナオミの3Pに直ぐ移りました。

後書きはこのくらい。ではまた。
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