※この作品はR-18です。

妄想怪文書本棚兼ファンアートSS置き場   作:スチア

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ある意味うちの子…になるのだろうか…?
吾輩には分からない…ただ筆がノるままに生み出さん…

プシーヒカちゃんのイラストはこちら!
https://x.com/9tn_grade/status/1919375485575790645?s=46


強靭!無敵!!最強!!!のプシーヒカ

 

◆

 

 

小さい頃から絵を描くのが好きだった。

 

ノートに、キャンバスに、ある時は壁に、自分の扱う盾にも、気が向いた時には門を守るバリケードにも。

 

心の向くままに、頭の中で思い描いた作品を現実に表現していった。

 

ただそれだけしか、私にはできないから…

 

 

◆

 

 

人が真剣に絵を描いてるのに、無粋にも邪魔してくる機械兵を上級マシンピストル(KaMP03)で撃ち抜いていく。

 

誰かはこの辺り一面でスクラップになった機械兵達を芸術に見立てて、私の作品だ!なーんて言ったりするのかな

 

私はそんな感性を持ち得ないから、貴重な趣味の時間を邪魔してくる厄介な存在でしか無いんだけどね。

 

 

「プシーヒカ!貴方ねぇ、またバリケードに落書きなんてして…!これを苦労して消すのは誰だと思ってるのよ!」

 

「監査官様、いつもお疲れ様です〜。監査官様が毎日綺麗にしてくれるおかげで、私も心置きなく絵を描けて毎日幸せですよ〜。」

 

「プシーヒカの為じゃ無いわよ!!!貴方じゃなくて私が!お父様に怒られちゃうから綺麗にしてるのよ!!」

 

 

シャーシャーと喚く監査官をこれ以上怒らせたらご飯抜きにされそうだ。

 

登ってたバリケードから飛び降りて、私の描いた作品を見上げる…

 

うん、今日も綺麗なポ○デ・ライオ…いや、タテ○ミにゃん○が描けた!

 

 

「またそのヘンテコな猫を描いてたの…?カゾルミアじゃ見た事無いけど、貴方って本当にあの猫が好きなのね。」

 

「可愛いでしょ?描きやすいし、監査官も一度描いてみない?」

 

「描かないわよ、私が綺麗にしなきゃいけないバリケードが増えるだけじゃない。それに、描いたら無性にドーナツが食べたくなりそうな気がするし…」

 

「そっか。残念だなぁ…私以外が描いたあの子を見てみたいのに」

 

 

設置していたバリケードを分解して持ちやすいサイズに変形させる。

 

国境からは遠い距離があっても、こんな戦場のど真ん中で綺麗に掃除なんてできないだろう

 

 

「…盾だけでも私達の扱ってる武器より重たいでしょうに、バリケードまで抱えてよく私の歩く速さに着いて来れるわね。その身体の何処にそんな力があるのかしら。」

 

「創造への情熱は身体能力を飛躍的に向上させるんだよ。ライカ監査官。」

 

「意味が分からないわ…さっさと宿舎に帰りましょプシーヒカ。今日こそ貴方が落書きしたバリケードの掃除を手伝ってもらうからね。」

 

 

バリケードと盾を抱えてエッホエッホとライカ監査官の後を追う…

 

戦争なんて早く終わってほしいけど、こんな風に毎日好きなことをして生きていられるなら…

 

ずっとこのままでも良いのにな。

 

 

◆

 

 

「新型兵器のテスト、ですか〜…?」

 

「えぇ、試作型戦術支援兵装…長いからガジェットってお父様は言ってたわ。」

 

 

私の目の前に並べられた兵器はそれぞれ小型ミサイル発射機にロケットランチャーに火炎放射器…果てはミニガンに見た事も無いような兵器がずらりと並べられている。

 

…素人目に見ても、明らかに門の防衛に扱うには過剰すぎる火力があるのですが。

 

 

「前線にテストも終わってない兵器なんて回せないし、これらをテストできるのにうってつけな環境がここしか無いのよ。」

 

「…突撃してくる機械兵達をついでにスクラップに変えて偉大なる祖国を守れるし、事故が起きても替えが効く私達は実験台に相応しく、自分たちは安全な場所で結果だけを見れる…はぁ〜…」

 

「…聞かなかった事にしてあげるわ。私も同じ気持ちだもの…とにかく、これからはこのガジェットを運用しながら仕事に就いてもらうわよ。」

 

「はいはい。監査官様に従いますよ〜…これらのがじぇっと…?って、全部私が試してみても良いですか?」

 

 

なんとなくだが、私はこの子達の扱い方が分かる。

 

この武器を使えば、こんな事が起きて…あの武器を使えば、何が起こるのか…どうして分かるのか説明できないけど。

 

この子達には、上手く扱えば戦争すらも支配する力が秘められているんだ。

 

 

「??…えぇ、別に構わないけど…どれも試作型だから使った瞬間壊れてプシーヒカが危ない目に遭う可能性もあるわよ。本当に良いの…?」

 

「これまで監査官様にはお世話になりましたし、危ないなら尚更他の子達に任せるわけにも行きませんからね〜。」

 

「あとは、純粋に面白そうだから使ってみたいです!いっつも絵を描いてるのを邪魔してくる機械兵共をこれでギッタギタにしちゃえば、とっても気持ち良さそうですから!」

 

「えぇぇ…それが本音なの…?全く…くれぐれも扱いに気をつけなさい。安全は保障できないのに私達がテストしなきゃいけない以上、誰かが使わないと駄目なのよね…悪いけど頼むわよ、プシーヒカ。」

 

「このプシーヒカにお任せください!ライカ監査官様〜。」

 

 

…私以外の誰かが、この子達を下手に扱うと危険な目に遭う予感がびりびりと感じる。

 

ここに居る徴兵された私と同年代の女の子達が被害に遭うなんて嫌だし…

 

この子達には…私の、ううん、私達の運命を左右する何かがあるような気がするの。

 

 

◆

 

 

背負ったバックパックから飛び出した小型ミサイル達が機械兵を綺麗な花火に変えていく。

 

右手に持った火炎放射器が、大きな機械兵の装甲をあっという間に溶解させて中の回路を爆発させる。

 

左手に構えたミニガンで遠くから門に向かって攻撃を行う機械兵を蜂の巣状に風穴を開ける。

 

 

「…もうプシーヒカ一人だけ居れば良いんじゃないかしら?」

 

「私が楽しく絵を描いて良い時間を作る為にも、シフトを一人だけにされちゃ嫌ですよ〜」

 

 

門の前はスクラップと薬莢にミサイルと機械兵の破片が散らばり凄惨な有り様だ。

 

私は愛用してる盾とマシンピストルを持ってる余裕が無いから部屋に置いてきてガジェットを使い回してるけど…

 

結果的に武器を扱うよりもずっとずーっと強くなったね?

 

 

「…ガジェットは本来一人につき一つ扱えるかどうかなのよ。貴方は何当たり前のような顔で全部扱ってるの。プシーヒカ…」

 

「持てるから持てる分使ってるだけですよ〜。私の事はFA(フルアーマー)プシーヒカとお呼びください!」

 

「気に入ってるの?その渾名…それに、アーマーも何もうちの制服しか着てないじゃない。」

 

「このガジェットを使うと〜…ふぅんっ!!」

 

 

近寄っていた機械兵を固く握りしめた拳で殴りつける。

 

私の拳の形が綺麗に刻まれて、べこりと凹んだ機械兵が吹っ飛んでいき爆発した。

 

正常な人体であれば、手どころか腕や肩も原型を留めないんだけど…

 

 

「これが硬化ガジェットの力です!」

 

「うわー…傷一つ無いじゃない…一体どうなってるのよ!この国は何と戦おうとしてるの!?」

 

 

私の手は怪我一つない綺麗なままだ。こんなか弱い乙女の人体に何が起こってるんだろうね。

 

今日の実験はここまで。最終兵器プシーヒカちゃんとか、決戦兵器プシーヒカちゃんなんて揶揄いながらきゃーきゃー逃げる同じ宿舎の仲間たちと戯れながら一日を終えた。

 

 

◆

 

 

そして、ベッドの上で夢のアトリエ内で過ごしていた私の耳に大きな爆発音が届いた。

 

絵画に囲まれながら私自身も好きなように絵を描いていた夢から慌てて抜け出して、すぐさま状況を確認して現状を理解する。

 

 

「プシーヒカ!襲撃よ…!あいつら、一体何処から来たの!!夜警は何をしていたの…!!」

 

「落ち着いてください、ライカ監査官様〜。今すぐ避難しましょう、まだ逃げる猶予はありますよね?」

 

「いいえ…宿舎ごと包囲されてるわ。あぁもぅ、どうしてこんな時に限ってここの宿舎は武器庫から遠いのよ…」

 

 

武器が無いと機械兵と戦う事はできない。諦めるしか無さそうだけど…このまま隣国の捕虜になるのはごめんだよ。

 

幸い、私のガジェットちゃん達はベッドの下に全部押し込んでる。寂しい一人部屋だったし、武器庫に保管してたら他の子が触って怪我しちゃいそうだからね。

 

 

「…ライカ監査官様。これより9等級国民、プシーヒカが外の機械兵を殲滅します。貴方はここの門兵達を連れて逃げてください。機械兵達の注意は全て私が惹きつけます。」

 

 

ベッド下から取り出したガジェットちゃん達を全て身に着ける。

 

きっとこの子達は、今日をみんなで無事に生き延びる為に私の所に来てくれたんだよね。

 

 

「プシーヒカ、あなたね…!!…勝算は、あるんでしょうね。」

 

「この最強兵器、Hi-νプシーヒカにお任せあれ〜。」

 

「…全く、この子ったら…こんな時にも変わらないわね。」

 

「任せたわ、プシーヒカ。不甲斐ない私達に代わって、この国を守ってちょうだい。…勝手に死んだり、居なくなったりしたら許さないからね。貴方の道具全部売り払っちゃうんだから。」

 

「あははっ、それなら絶対に帰って来なきゃね〜。行ってきます。ライカ監査官様。」

 

「…絶対に、無事に帰って来て。」

 

 

宿舎を飛び出して、夥しい数の機械兵達の前でジャミングを起動する。

 

 

 

「誰も連れて行かせない。傷つけさせない…!機械兵さん達、私が相手だよ!!」

 

 

 

動きを止めた機械兵の群れにロケットランチャーとミニガンを叩き込んだ!

 

 

◇

 

 

全ての機械兵をぶっ壊せば、私達の勝利だ。

 

嗅覚はすでに硝煙と燃料、そしてこんがり焼けた鉄の香りで麻痺している。

 

視覚と思考が生きてるなら十分だよ。

 

 

「強装弾はぁぁ!!こうやって使うのおぉぉ!!!」

 

 

ミニガンから放たれる真っ赤な貫通弾の雨が暗闇に紅い軌跡を描いて機械兵達を貫き、火花に変えていく

 

姑息にも仲間だったスクラップを盾にしてミニガンの弾を弾きながら迫っていた機械兵達は、一つ残らず赤い雨に貫かれた。

 

 

「カゾルミアを、私達を墜としたかったらこの倍は用意するんだったね!!!…!行って!ミサイルッ!!」

 

 

避難していた門兵の少女達に向かおうとしていた機械兵がマルチミサイルの餌食になり連鎖的に爆ぜた。

 

機械兵の殲滅に気を取られちゃダメだ。戦いの余波で宿舎がぶっ壊れちゃう前に皆を逃がさないと

 

 

「一斉に来れば勝てると思ったの!?Ξプシーヒカは伊達じゃないよ!!!」

 

 

赤熱したミニガンを放し、壁のようになった機械兵に火炎放射器を浴びせ一網打尽にする。

 

おぉ、スクラップがゴミのようだ!…スクラップは金属ゴミだよ!!

 

連続で射出されたロケットランチャーが後方に控えていた機械兵達を爆炎で包み込む!

 

 

「…っ!こいつらが親玉だね!!プシーヒカXXの必殺技!見せてあげる!!!」

 

 

まるで蛇のような巨大機械兵に、触手をうねうね侍らせた奇妙な巨大機械兵を視界に収めた。

 

硬化ガジェットを発動し、全身に不思議な力が宿ったのを確認してディフェンダーキャノンを構える!

 

 

「ぜーんぶまとめて!消し飛んじゃえー!!!」

 

 

凄まじい反動と共に、ディフェンダーキャノンから明らかに砲口より遥かに巨大な砲弾が吐き出されていき、なんかつよそうな機械兵を木っ端微塵に粉砕する!!

 

もはや何が起きているのかはプシーヒカにも分かっていない!!

原作で表すなら防御レベル4桁台から放たれる魔改造ディフェンダーキャノンだ!!!

 

 

「もうっ…!十分ぶっ壊したでしょ…!!」

 

 

プシーヒカの視界の先には機械兵どころかその後ろにあるはずの防壁すら見当たらない。

 

余波で跡形も無く吹き飛んでしまったのだろう。

 

防壁の修繕費はライカ監査官様に宛ててください。

 

 

「これでっ、終わりっ…!!」

 

 

最後方に残っていた機械兵の集団と、その後ろに居た何かぼんやり人形に見える機械兵かもしれない者をまとめてインパクトショットで吹き飛ばした。

 

この時、限界突破インパクトショットで消し飛んだと思いきや…運良く一命を取り留めていた軍人は祖国に己が見た物をありのまま報告した。

 

 

『カゾルミアを敵に回してはならない。我らの国と文明を守る為にも、和平の道を選ぶべきだ』

 

 

スクラップと土煙、ミニガンの薬莢しか存在しない荒れ果てた広間にプシーヒカは大の字で寝転がっていた…

 

 

「…ライカ監査官様〜…私、いっぱい頑張りましたよ〜…」

 

 

土煙が晴れて、満点の星空がプシーヒカの視界を埋め尽くす…

 

あっ、ポンデ○ング座だ…間違い無い。私がそう決めた。あの星座はポン○リング座と呼ぶ!

 

 

「プシーヒカ、プシーヒカ…!!!何処に居るの…!っ…!プシーヒカ!しっかりしなさいっ…!」

 

「あばばば…揺らさないで〜…私は無事ですよ、ライカ監査官様〜…!」

 

 

泣き腫らした顔で私を抱き上げた監査官様に微笑みかける。

 

この人ほんとーによく泣くな。この前もインク使い過ぎって怒られて泣いてたよね。

 

 

「プシーヒカ…貴方のおかげでみんな無事よ…全員、正規軍に保護されたわ。もうすぐここにも来るから、それまで何としても生きるのよ…!」

 

「全身が煤と機械油だらけですけど、怪我はそんなにしてませんよ〜…ふぁぁ…ライカ監査官様の顔見たら一気に疲れて眠くなりました…おやすみなさ〜い…」

 

「ちょっ…!?今寝たらダメよ!こら、起きて!!プシーヒカ!!……あぁーもう!本当に寝てるだけなの!?」

 

「…zzz」

 

 

最終兵器スーパープシーヒカちゃんは、カゾルミアの大英雄として讃えられた。

 

 

 

◆

 

 

 

路地裏にひっそりと佇む小さな建物の中で、少女が絵を描いている。

 

大通りは騒がしくて絵を描くのに集中できない…でも辺境に居を構えるのはちょっと寂しい…そうだ、路地裏にしよう。

 

住む場所も仕事場もてきとーに決めたけど、なんとか上手くいってるみたい

 

 

「ここを…こ〜して〜…ヨシ!…あっ!いらっしゃいませ〜!プシーヒカアトリエにようこそ〜!」

 

 

「おすすめの絵はねぇ!じゃーん!ポン○の絵だよ〜!一枚どうかな!…え?いらない…?そっかぁ…」

 

 

客足はまちまち。なんとか暮らしていける程度の、小さなアトリエ。

 

それでも、少女は今日も元気いっぱいに絵を描く。

 





これが吾輩のオリゾミアになるのかしら。
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