※この作品はR-18です。

彼女は彼女に恋をした。   作:霧里

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DLC2:彼女は彼女を可愛がる。(Hシーン

 

「下手っぴ…」

 

はっと、気づいたように手が止まる。真冬の頬から一筋と、涙が流れたと思えば もう止まらない。呟いた言葉が止めになったのか、押し倒した私の上で、彼女は とうとうと泣き出してしまっていた。

 

「あ、ぃゃ、やだっ…私、なんでっ。ごめん。ごめんねっ。ごめん、なさいっ…はね、るっ。ごめんなさい、ごめんなさい…っ」

 

ごめんなさい、ごめんなさい。繰り返される謝罪の言葉。

両手で顔を覆い、しゃくり上げ、流れる涙を拭っても、次から次へと溢れてくる。

 

別に責めてるわけじゃない。

 

エッチが下手なくらいでさ。

 

真冬に触れて貰える。求められるのは、それだけで気持ちがいいし、幸せだ。

それは別にしても、言いたい文句はいくらもあった。当然だ。いきなり羽交い締めにされて、首筋を噛まれるわ、おっぱい揉みしだかれるわ、勢いに任せて弄られたオマンコは、ちょっとヒリヒリしてるくらい。

 

でも、そんな些細な不満はどうでもいい。

 

私が一番につまらなかった事は、真冬が途中で手を止めてしまった事。

馬乗りになった私の上で、はっと、突然正気に戻ってしまった事だった。

 

下手くそ…。

 

本当に、欲の扱いが下手過ぎる。

 

まるで、限界まで膨らんだ風船みたいじゃないか。

 

最初は勢いよく飛んでいく癖に、ある瞬間を境にポトリと地面に落ちてしまう。

 

「押し倒したんなら、最後まで押し切れよ」

「ちがうっ! そんな事、しないもんっ。羽流に乱暴したいわけっ、そんな…そんなの、そんな風にしたかった訳じゃっ、私っ!!」

 

違う、違う。首を振り、泣きながら訴える真冬にはもう、さっきまで滾らせていた獣欲の面影は、何処にも残っていなかった。

 

面倒くさいな。

 

全く思わないなんて事はないよ?

 

そんな不器用な所も、鬱屈した愛情にもだ。普段、良い子ぶっておきながら、根っこは寂しがり屋の甘えん坊。そんな有り様で、私のモノになれ だなんて良く言えた。ヘソで茶が沸くわ。真冬の方こそ、さっさと私のモノになってしまえば楽だろうに。

 

「何が違うの? 私、羽交い締めにされて、噛みつかれて、今押し倒されてるんだけど? 人の体さんざ弄り倒してくれちゃって? 止めてって、言ったのに。そういうのに興奮したんだろ?」

「ごめんなさいっ、ごめん、なさい…。私だって、こんな…。意地悪、いわないで…。羽流に乱暴したい訳ないっ。でもっ、でもっ…」

 

自分でも、何がしたかったのか分からない。

 

そう、口にするのがやっと。泣いて、泣いて、泣きじゃくって…。

自分のやらかしに、すっかり混乱してしまった真冬は、すぐ目の前で転がってる答えにすら気づけていない。

 

「甘えたかっただけでしょ? 私に。それの何がいけないのさ?」

「甘えって…。そんな訳…あんなのだってっ」

「レイプ?」

「そんな…言い方は」

「レイプされても怒らない彼女って貴重よ? 私、凄くない? どんだけ真冬の事好きなんだって、自分でもビビるわ」

「だからっ、言い方。レイプじゃ…っ、すんっ、はっ、ぁ、ふぅ…。やっぱり、羽流って、そういう…」

「ちげーし。人を まふゆん見たいに言うなしっ」

「は? 誰がMなのっ。羽流の方こそっ、私に乱暴されて濡らしてたじゃないっ」

「はーい♪ 今認めましたー。私Mだなんて言ってませんー♪ ちゃんと自覚あるんじゃーん♪」

「減らず口っ。そんなに乱暴されたいのっ! 私はっ、本気でっ…なのにっ。バカにしないでよっ、どうせ出来ないと思ってるんでしょっ。私だって、私にだってっ…」

 

さて、私が煽ったのはどっちだったのだろう?

 

反抗心か、嗜虐心か。

 

どっちにしろ、手招く据え膳を前に、真冬の獣欲が再び涎を垂らしのは確かだ。

 

スルリ…。

 

彼女の羽織っていた上着がベッドの脇へ落ちていく。

ちょっと大変そうだなって、少しだけ場違いな事を考えていた。

 

ペアルックってほどでもないか。

 

私がデニムのミニスカートなら、彼女はジーンズの長ズボン。

ホントはお揃いがよかったんだけど、それは、短いスカートを嫌った真冬の妥協点だ。あまり履き慣れても無いんだろう。厚手の生地はゴワついていて、脱ごうとする度、彼女の出っ張りに引っ掛かる。

 

けん、けん、ぱっ。

 

バツが悪そうだ。両手をベッドに着いたまま足を振る。

勢い込んでは見たものの、ジーンズに絡まれ、遊ばれている真冬の姿は、どこか間が抜けていた。

 

ぎぃっと、ベッドが沈み込む。

 

一人用のベッドに二人分の体重だ。きっと、慣れない重さにコイツも気合を入れてくれたに違いない。

 

腕を交差させて、ぐっと、伸びをした真冬は 残っていたシャツを脱ぎ捨てた。

ぽよんっと、弾んだのはベッドのせいだけじゃない。ブラも外された真冬本来の豊かさは、見上げた私の視線を奪うには十分に過ぎた。

 

「んっ…」

 

真冬の手の平が、私のお腹を撫で始める。

さっきよりは落ち着いた様で、その手つきは柔らかい。少し赤くなっていた肌を労るようでもあった。

 

おヘソの見えている黒いシャツ。デニム生地のミニスカート。

脱がされるも何も、上から羽織っていた白いジャケットの除いてしまえば、私の体を覆う布面積なんて、着込んだ真冬の半分もあったかどうか。

 

お腹を撫でられながら、手の平が肌の上を滑っていく。

服の下に入り込んだ時にはもう、彼女の指は私の胸へと届いていて、一段と柔らかい素肌へと、指先が吸い込まれていった。

 

押し上げられて、捲られる。

 

シャツを脱がされ、ブラを外され。上半分。裸にされた私の体に、彼女の視線が絡みつく。それはもう舐め回す様にだ。普段、視線を逸らしがちな真冬に、食い入るように見つめられると、羞恥心が ちょっとした興奮に変わり、体が熱くなってきた。

 

手の平に包まれた胸の膨らみが、柔らかく形を変えられていく。

 

ゆっくり、ゆっくり、繰り返し。

 

揉むと言うよりは、まだ撫でるといった趣が近い。

私を押し倒した事で少しは安心出来たのか、私に噛みついていた時の乱暴さは鳴りを潜め、顔色を伺う程度の余裕は見えた。

 

「ね、羽流? 気持ち良い?」

「ん…まぁまぁ」

「そう、なんだ…」

 

少し残念そう。曖昧な私の反応に、真冬の顔が曇る。

拙い手の動きは、単純な快感で言えば物足りない。さっきまで乱暴されていたせいか、いまいち盛り上がりにも欠けていて、こんなの愛撫にもなるかどうか。手探りに触られるくらいなら、もうちょっと乱暴でもいいくらいだ。

 

あるいはまた、噛みついてくれたって良いんだけど…。

 

「おっぱい…。小さいと感じやすいって、そうでもないんだ」

「お? なんだ? 自慢か? 目の前でそんな乳ぶら下げてさ?」

「乳とか言わないで。自慢とかでもないから。私は、どっちかと言えば羽流くらいでよかったし。体の線、出るのもイヤで…大きくたって、そんな」

 

そうだろうね。

 

長ズボンとはいえ、ジーンズを履くのも嫌がったくらいだ。

あんなピッチリと、お尻の形が出るような格好。上着の裾で隠してもないと、最後まで嫌がってただろう。

 

「人はなぜ、おっぱいに焦がれるのでしょう?」

「知らない。ちっちゃい頃から吸ってたからじゃないの?」

「まふゆん もかい?」

「それはそうでしょう? 羽流だって…」

 

チラリ…。

 

私の顔を見やった真冬の視線が、胸の膨らみ、その先へと注がれる。

ふわり、ふわり。小さくたって膨らんではいる。揉まれれば形を変えるし、気持ちいいと感じれば、乳首だって固くなってくるのは当然だった。

 

「んっ…♥」

 

真冬の肩から零れた三つ編みに肌をくすぐられる。

押し倒されて、見下されながら、近づいてくる彼女の唇に期待せずにはいられない。

 

ちゅっ…。

 

ぺろっ…。

 

キスをされて、舌先で舐められた。

乳首の先が甘く痺れて、ドキッと、快感の鼓動に胸が弾む。

 

「どう、かな?」

 

どうったってな。

 

思ったより全然良い、というのが本音だったろうか。

でもそれは、快感というより感動に近い。舌先で舐められる。未知の刺激が手伝った部分はあるけれど、顔を真っ赤にした真冬に おっぱいを舐められている。その事実にこそ私は興奮していた。

 

「噛みつかれるかと思った」

「噛まないよ…。流石に、もう…あんな事」

「そう? せっかく役作りしてたのに」

「役作りって…」

「『ぃゃっ、ゃだぁ…まふゆんっ、いた、い…よぅ、やめ…ぐすんっ』みたいな?」

 

いない、いない、ばぁってなもんだ。

 

両手で顔を覆い、嘘泣きを披露した私は、ぱっと手を開いて おどけて見せる。

 

「…」

「ちょっと良いなって顔するじゃん?」

「…してない。してません。一緒にしないで」

 

図星を隠すように、真冬は視線を泳がせた。

気づけば、胸を揉む手にも力が入り、キュンっと、素知らぬ振りしていた彼女の頬も紅潮を増していく。

 

「ごめん…。私も、なんであんな。羽流がどっかいったりしないって、分かってるけど。不安になっちゃって、急に…だから」

「ネットにヤな事書いてたの?」

「…まぁ、色々だよ。羽流だって、分かるでしょう?」

「まぁねぇ。ジャンルとしてはある癖にさ、リアルになると途端 風当たりが強いのなんのって。家のママとかパパだって、照れ隠しくらいにしか思ってないんじゃないかな」

 

その点、真冬の母上はまだ真摯だったろうか。

ただ、ネットの情報を鵜呑みにして気が滅入っていた所に、母親からの正論が、真冬には重すぎたと言うだけで。

 

「羽流は…どうして平気だったの? 変なの、おかしいの分かってて、恋愛なんて出来ないよ、私には…」

「平気だった訳じゃない。そうするしか無かっただけ。真冬と違ってさ、選択肢が無かったんだよ、私には。むしろ、ごめん。こんな恋路に巻き込んで…」

「こんな、なんて言わないでっ。なんか、って言うなって羽流がっ。私は、羽流と…その、恋人になれたの、後悔してない」

 

「あははっ。私も、真冬と恋人になれて良かったよ。でもさ、分かるよ? まふゆんの気持ちもね。たまに思うんだよ、私が男だったら もっと簡単だったのかな? こんな風に、まふゆんを不安になんかさせないですんだのかもって。難しいね、こういうの…」

 

私の言葉が彼女の何に触れたのか。くすっと、微笑んだ真冬は、冗談めかして呟いた。

 

「いぇーい♪ とかやってる男子に、私が近づくと思う?」

「思わない。けどさ、まふゆん押しに弱いし、私から強引にいけばワンチャンあるかなって?」

「それこそレイプじゃない。そうだよっ。だいたい最初に押し倒してきたの羽流の方で、人にレイプとか言う前に自分がさ…」

「だったら…」

 

吠える彼女の口を塞ぐように、真冬の頬へと手を伸ばす。

 

「レイプの続き、する? 仕返しのチャンスじゃない?」

「…言い方」

「言い方かぁ? さっきのまふゆん ちょっと怖かったんですけど? 力めっちゃ強いし。噛みついてくるし。逃げようとしたら無理やり押さえつけてくるんだぜ?」

「ごめん…」

「そういうプレイがしたいなら、付き合うけどって言ってるの、私は」

「別に…レイプしたいって、訳じゃないけど。甘えていいっていうなら…その。

してみたい事はあって…」

 

恐る恐る。おっかなびっくりか。

 

薄く開いた唇の隙間へと、私の乳首が吸い込まれていく。

 

「んっ…。と、なに? 赤ちゃんプレイがしたい…感じ? おっぱいでねーけどな、流石に。よちよーち♪ みたいな感じでいい?」

「っ!」

 

いったっ!!

 

噛まれた。

 

噛んだよ、やっぱり噛みましたよ、こいつ。

 

「ちょっ!? 噛まないって言ったばっかりでっ」

「うるさいっ、黙って。人を赤ちゃん見たいにっ。あんなの羞恥プレイ。誰が喜ぶっていうのっ」

「えー。ニッチだけど需要はあるんだぜ? バブみっていうの? おギャリたいんだとか、男子連中がバカ言ってるじゃない?」

「…気持ち悪い。それって…羽流も?」

 

冷めた視線はそのままに、続く言葉は投げやりだった。

「気持ち悪い」その呟きよりは幾らかマシで、私が頼み込めばワンチャンはあるかどうか。

 

「気持ちは分かるってだけならね」

「…」

 

ドン引きされた。冷めた視線がますます冷え切っていく。

 

「違う違う。私が、とかじゃなくって。好きな相手に欲望の全部をぶつけたいって、そういう気持ちだけなら頷けるって話。さっきの まふゆんだって そうだったじゃん」

「それは…そういうのは、誰にだってあるじゃない。羽流が私にするみたいにさ」

「まふゆん がいちいちエロいのが悪い」

「人のせいにして…。今日は私の好きにするから。羽流が良いって言うんだから」

「お、良いぞ? おいでー真冬ちゃーん♪ 羽流ママですよー♪」

「…」

 

乳を はたかれるか? そのくらいの覚悟はした冗談だったが、果たして真冬は眉を ひそめただけだった。むすっと、頬を膨らませながらも、再び乳首へと唇を寄せていく。

 

「ひぅっ…♥」

 

変な声がでた。

 

何処からだ?

 

お腹の奥で何かが響いた気がして、ソコに意識を向けるとまた…。

 

とんっ…。

 

おヘソの下の方。オマンコへと続く、なだらかな下り坂の その途中。

丁度キーボードを とんっと叩くような力加減でしかない。

 

ジワリ、お腹が熱くなった。

 

それと同時に乳首を舐められ、ヒリヒリとオマンコを苛んでいた刺激が甘く解けていくみたい。気持ちがいい。一つ一つはそれほどでも。特にお腹の方だけなら快感と呼ぶには曖昧だ。

 

けれど…。

 

とんっ、とんっ、とんっ…。

 

繰り返す度、繰り返される度。軽い響きが重なりあい、反響を繰り返す内、

じわり、お腹が熱くなった。広がる熱が、快感を更に響かせる。

じぃん…と、肌を伝う甘い痺れ。オマンコから、乳首にまで、性感帯の隅々にまで行き渡り、指の先まで震えだす。

 

「ちょっ、まって。まふゆん…どこで、こんな…」

 

初めての刺激を どう受けとめて良いかが分からない。

そういう開発の仕方があるとは聞いた事もあるけれど、乳を揉めば膨らむ程度の与太話だとばっかり。

 

「私もどうかなって、思ってたけどさ。結構、ね? 自分でも試してみてさ…。これなら羽流も喜んでくれるかなって、どう? 乳首とか、クリトリスとか、そういう分かりやすい快感の方が好きだもんね、羽流はさ。こんな回りくどいこと、自分じゃしないでしょ?」

 

とんっ…。

 

また、指で叩かれる。

 

さっきよりも響きは重たくなって、快感が下腹部全体へと伸し掛ってくるみたいだ。

 

「お腹の奥、痺れる感じ、いつもと全然違うの分かるかな? ま、分かんなくてもいいよ? 分かるようになるまでするから。クリトリスとか、乳首とか。羽流が好きな所 触りながらさ。だんだん、だんだん、お腹も気持ちよくしてあげるから…ほら」

 

とんっ…。

 

やば、これ。

 

意識がお腹に持ってかれる。真冬が何言ってんのか全然分かんない。

彼女の言う通りだ。乳首いじられながら、とんっと、される度、快感がお腹へと響く。お腹から全身へ、気持ちいいが波の様に広がると、触られてる乳首も もっと気持ちが良くなって、そしたら、またお腹が気持ち良くなってきて。

 

「すとっぷ。まふゆんっ、一旦待ってっ。これ…しらな、私…ダメって」

「やーだ。今日は甘えさせてくれるって話でしょ? 羽流がダメになるまで続けるから、良いよね?」

「良くなっ、あひっ♥」

 

とんっ…。

 

精一杯の強がりも、お腹を叩かれた途端に飛んでいってしまった。

 

気持ちいい。気持ち良い。気持ちが良い。

 

オマンコ、触ってもないのにジンジンしてきてる。太ももを擦り合わせる程度の刺激じゃ、余計な快感を募らせるだけ。

 

気持ち良い。気持ち良い。気持ちが良い。

 

乳首を吸われるたんびに、ビリビリして、先っぽから何か出てきそう。

快感が真冬の唇の中へと吸われていくみたい。ちゅって、吸い込まれて、頭の中が何も分からなくなって。

 

そのくせ。

 

とんっ…と、された。

 

とんっ…て、された。

 

同じペースで、ずっと、ずぅっと。

 

とんっ、とんっ、とんっ…。

 

快感が重たく響く。お腹の奥が熱い。もどかしいよ。今すぐにでも腹捌いて、手を突っ込みたい。今 掻き回したら絶対気持ちがいい。

真冬にお腹を叩かれながら、太もも同士を擦り付ける足の動きが止まらない。シーツをぎゅっと掴まえて、背中を擦り付けるだけでもゾクゾクする。

 

とんっ、とんっ、とんっ…。

 

快感が重たく響く度、全身の感度が上がっていった。

もっと気持ち良くなりたい。気持ち良くして欲しい。頭で考えるよりも、体は正直だ。腰が泳いで、背中が反れる。もっとと強請る様に、胸を真冬の唇に押し付けた。

 

「あはっ♪ すごいね、羽流。そんな顔初めてみたよ? すっごいエッチな顔…ダメだからね? 外でそんな顔したら。みんな、羽流のことが好きになっちゃうもん。そんな顔して良いのは私の前だけ。良い? その代わり、私の前なら、どんなにエッチになっても良いから。どんな恥ずかしい羽流でも、私は…ね?」

 

恍惚としていた。

 

獣欲を取り戻した真冬は、それを隠すこともなく舌なめずりをしてみせる。

そんな彼女の仕草に、ゾクゾクした。ドキドキもしている。体に傷をつけた後は、心にまで刻んでやろうと、荒い鼻息を興奮に変えるようだ。

 

頬を撫でられて、彼女の親指が唇に触れる。触れられた頬が熱い。唇の離れてしまった乳首が物寂しい。ぐっと、顎を持ち上げられた。唇の端から入り込んできた親指に口を開かされ、ようやくとキスを迫られている事に気づく。

 

「んちゅっ♥ んっ、んんぅ…っ。はふ、んあ、はぁ…」

「羽流は素直だね。好きだよ、そういう所。私だったら、未だにイヤイヤってさ。ほんとは、もっとして欲しいのに、羽流のこと困らせてたと思う」

 

唇が重なる。

 

同時に、とんっと、響いた快感に腰が泳ぐ。

 

あ、ダメだこれ。私何も出来ない。

 

すっかりと手懐けられている。首輪とかリードとかそういうんでもない。

快感をエサに支配されていた。被虐的な快感に思う。痛みは無い。あるとすれば羞恥心くらいで、それすらも今は快感の燃料だ。真冬の言う所のエッチな顔。一体自分は今、どんな顔を晒して喘いでいるのか。

 

鏡があったら…。

 

いや、見たくはないか。

 

そんなの真冬だけが知ってれば良い。どうせ他に見せることもないんだ。

 

「ほら、もう一回。口開けて…」

「んっ…ちゅっ、はっ、あっ♥ ぁぁ…っ、やっ、まふ、ゆ…はぁ、あむっ、んんんぅ♥ ちゅぅ…ぇろ…はっ、はっ、はふっ…んんんっ!!」

 

役作り…。どうしようかな?

 

今、このタイミングで、どういう反応をすれば真冬はもっと喜んでくれるのか。

「いや」って「やめて」って、意味のない抵抗をして見せれば興奮もするだろう。あるいは、恥も外聞も無く、泣いて叫んで「もっと、もっと」と、快感を強請ってみれば、その気になってくれるだろうか?

 

そんな余裕はございません。

 

今の私は喘ぎ声一つでさえ自由にならない。

未知の快感に涙が溢れてきてしまう。快感に喘いだ嬌声も、全部、真冬の口の中へと吸い込まれていく。

 

くちゅり、くちゅり…。

 

舌で口の中をかき回されて、ごくり、飲み込んだ唾液の半分は彼女のものだ。

頬から首筋に、真冬の指先が肌を撫でていく。飲み込んだ唾液の後を追うようだった。

 

意識しないではいられない。

 

自分の中へ、喉を通り胸元へ、胸元からお腹の中に。

なんだか熱い。飲み込んだ彼女の唾液。流れたその部分が、イヤに熱く感じてしまう。それが気持ち良い。それが気持ちよくって、ゴクリ、ゴクリ、喉を鳴らして自分から彼女を受け入れた。

 

じぃんっと、お腹の中に広がる熱。

 

とんっと、下腹部を叩かれて快感が響く。

 

ぬるっとした、びりっとした。唾液に塗れた真冬の指が乳首を摘み、痺れるような甘い快感に全身を貫かれる。とんっと、とんっと、同時に重たく響いた快感が、私の全部を燃え上がらせた。

 

「あっ♥ あ、やっ、ぃぅっ! はっ、はっ、ぃぃぃっ…♥ あ、や、また、また、またぁっ。とんって、とんってしちゃ、まふゆ、だめ、だめって、ちくびが、でっ、とんっは、まって、それ、ゃぁぁぁぁぁっ…♥」

 

気が抜ける。力が抜ける。

 

「あははっ♪ すごいね羽流。やっぱり、おっぱいが小さいと感じやすいって、あるんじゃない? 乳首でイッちゃうなんて、私、冗談だとおもってたけど…可愛い、すっごい顔して…はぁ♥」

 

ぎゅぅっと、突っ張っていた何かの栓が外れたみたい。

面白い位に腰を浮かせて、怖いくらいに背中が反れた。沈んでいく。重たく、深い所。オマンコでも、ましてやクリトリスでもない。イジられ続けた乳首は快感を訴え、とうとうと、絶頂に達してしまう。その間にも、とんっと、お腹の奥で生まれた快感が、私を掴んで離さない。

 

気づけば、真冬の肩を掴んでいた。

 

背中に手を回して、ペタペタと、縋るように、とりとめもなく彼女の事を抱きしめる。足の届かない水場で、浮き輪に掴まるみたい。真冬に掴まっている事で、溺れそうになる自分を ようやく引き止めていた。

 

「よしよーし…。いいこ、いいこ…」

「なに、して…」

 

絶頂に浸っていた。頭を撫でられる事にさえ快感を感じてしまう。

心地いい。好きな人に触れて貰える。性感とはまた別の気持ちよさが、絶頂に茹だった私の体を、少しだけ冷ましてくれた。

 

「ん? んー? なんか、オギャってたから? あやしとこうかなって?」

「おぎゃってねーし…。はぁ、ふぅ…っ。そりゃ、ね? イキ顔は晒してましたけど?」

「素直なんだ?」

「潔いと言って欲しい」

「同じじゃない…」

「同じじゃないっ」

「カッコつけちゃって…」

 

すぅっと、真冬の視線が細まった気がした。

感じたのは殺気だろうか? トラかオオカミか、動物園で見た時とは違う、もっと生の感情だ。

 

「あ、ちょっ、真冬さんっ!?」

 

嫌な予感がした。

 

確かに、潔いのは彼女の方。いっそ豪快ですらあった。

毟る様に私のスカートとパンツを剥ぎ取った後、自分のパンツですらすぽーんっと脱ぎ捨て、私の方へと覆い被さってくる。

 

「何?」

 

素知らぬ顔だ。何食わぬ顔で、二回戦をおっぱじめようって顔をしてらっしゃる。

 

「何じゃなくって、今から もっかいとか、ちょーっと厳しいなって。少し、休ませ…」

「イヤ」

 

明確な否定。それは断言。

いつも曖昧に頷く彼女が、私にだけ見せる甘えた言葉。

 

「いやって、ほんとっ、ちょっ、まっ…」

「もう、面倒くさいなぁ…」

 

伸びてきた手を払い除け、なんとかマウントを取り返そうとはしてみても、絶頂直後の体は重い。思った通りに動かないどころか、まだ、真冬の支配下から抜け出せてもいないようだった。

 

とんっ…。

 

快感が、お腹に響く。

 

それだけで、体がベッドに引き戻された。

 

「ひうっ♥ ちょっ、それ…卑怯だってっ、ずるじゃん、そんな、ああっ♥」

 

私の抗議を黙らせるようにもう一度、とんっと、響いた快感は、絶頂の後にはかなり辛い。分からせられる。自尊心からくる些細な抵抗も、もはや風前の灯火だ。

真冬の機嫌一つで、簡単に吹き消されるのも時間の問題だった。

 

「大人しくしてて。ほら、なんだっけ? 天井のシミ数えてる間に終わるから、みたいな奴?」

「そんな余裕あるかぁっ!」

 

ヌルリとした。

 

私の抗議なんてお構いなし。

閉じた足に力は入らない。太ももの隙間は自分の愛液でベトベトになっていて、その隙間を割り開くように、彼女の太ももが沈んできた。

 

「くそぉ…。なにがムッツリだよぉ、性欲おばけじゃんっ、こいつぅ」

「は? ムッツリって、勝手に羽流が言ってるだけじゃない。あと、性欲お化けも止めて。自分だって、散々人の体好きにするくせに」

 

濡れた太ももの隙間が開かされる。

真冬の太ももが、ゆっくりでも、確実に近づいてきていた。ぬるり、ぬるり…。

擦れる肌と肌が濡れて滑って、抵抗ができない。悪戯レベルの快感にさえ、力が抜けていってしまう。

 

「んあっ♥」

 

軽く、体が押し上げられた。

割れ目に、オマンコに、真冬の太ももが押し付けられて、体ごとベッドに沈み込む。

 

「可愛い♪ ほら、まだそんな声出せる余裕あるじゃない? ね?」

「ね♪ じゃねー。するにしたって、ちょっと、休ませてって…」

「イヤ」

 

ご無体な。

 

どうやら真冬は、私に引導を渡すつもりらしい。

 

「ほら。今の声、もっかい聞かせて?」

「ひゃっ…♥」

「あれ、ちょっと違うや。こうかな? こっちの方がいい?」

「んひっ♥ あぁっ…♥ ふぁっ♥ まっ、やっ♥ ぃぅっ♥」

 

まるで、楽器の代わりにされた気分。

角度を変えて、力加減を変えて、緩急極まる刺激の繰り返しに、何度も違う嬌声を上げさせられた。

 

「んあっ♥」

「あ♪ これ。こういうのが良いんだ、羽流? ほら、もっかい、ほら、ほらっ、こうでしょ? ね?」

「んあっ♥ はっ、や、まって、ほんと、まじ、んあっ♥」

 

ずんっ…。

 

快感がお腹に響く。

 

とんっ…と、叩かれた時の響きじゃない。あれはまだ、自分の中で生まれたものだと分かる。こんな風に、体ごと押し上げるみたいに揺らされて、オマンコの奥を直接刺激されているみたい。

 

彼女の体にしがみついたかと思えば、勝手に力が抜けていく。無防備に開いた私の体にまた、ずんっと、快感を押し付けられ、声を上げさせられるの繰り返し。

指の一つも自由にならない。太ももの動きにされるがまま、真冬の望む声を上げることしか許されなかった。

 

ぎしっ、ぎしっ…。

 

真冬が体を揺らす度、ベッドが軋んで、私も揺れて、こんなエッチな揺り籠あってたまるか。けど、オマンコが太ももに犯されて、体、持ち上げるみたいに揺らされている内に、だんだんと、真冬の顔からも余裕がなくなってくる。

 

「あっ、はぁ♥ 羽流は? どう? わたし、ね? 好きなんだ…こんな風に、押し倒されるの。羽流の体重、乗っかってきて、なんか逃げられないの、それがすっごくね…。私で、気持ち良くなってる羽流の顔、見てるの好きで…今、抱かれてるんだって、愛されてるの分かるのが。だからっ、あっ♥ 羽流にもねっ…」

 

私の太ももにまで、真冬の愛液が流れてくる。

 

熱くって、ドロドロしてて。オマンコ、割れ目、開いちゃってさ。押し付けられたクリトリスと一緒に、クリってして、ヌルってして、重なった肌が熱い。彼女の奥から溢れてきた愛液に、溶かされていくみたい。溶かされて、混ざって、一つになって、もう、どっからが真冬で、どっからが私だったのか。

 

少し怖い。

 

とんっと、響いただけで あんなに感じてしまったんだ。

こんな、ずんっと沼に沈めるみたいな快感。今度イッちゃったら。予想がつかない。凄そうだってのは分かる。

 

まふゆん、いつもこんなだったのかな?

 

する事に慣れてはいても、される事に不慣れな私には、落ちていく自分をどう保って良いのか分からなかった。

 

「羽流はっ! 羽流はっ…どう? 私に押し倒されて、ちょっと乱暴にされて、どう? ね、どう? 気持ちいいって、嬉しいって、幸せだって思ってくれる?」

「そんなっ、あっ♥ はっ♥ やっ、んあっ♥ わか、なっ…わからんないっ、まふゆんっ、まふゆんっ、あぁっ…んあっ♥ はぁっ、はふっ、ふぁぁぁっ♥」

「あはっ♪ 分かるよ? 離さないでって思うよね? 迷子になったみたいで不安だよね。一人じゃ怖いの。もうなんでも良いから、一緒じゃないとイヤだよね?」

 

手でも腕でも肩でも良い。掴める所なら何でも良かった。

真冬の体を抱き寄せた。背中を丸めてでも、彼女の胸元に額を押し付ける。

自分がどんな顔をしているのか分からない。見られるのも恥ずかしい。

 

ドキドキしてる。ドキドキしていた。

 

額を押し付けた真冬の胸元から伝わる鼓動の音。その音が私を安心させると、強張った体から、少しだけ緊張が解けていく。

 

「甘えん坊。顔見られるの恥ずかしい?」

「んっ♥ んあっ♥」

 

答えない、答えられない、そんな余裕がない。

彼女の胸元で甘える見たいに、なんども頷くのが精一杯だ。

 

「おいで、羽流?」

 

ぽんっと、背中を叩かれた。

 

泣いてる子どもをあやすように、ぽんっと、背中を叩かれた。

 

ぽんっと、私の中で快感が強く響く。

ぽんっと、背中を叩きながら、腰の方、お尻に向かって降りてくる。

ぽんっと、お尻の上、腰を叩かれ、ゾクゾクした。

ぽんっと、彼女の腕の中に、逃げる場所なんて何処にもない。

ぽんっと、お腹の奥が揺らされる度、背筋が伸び上がりそうになる。

 

背中に手を回されて、体を起こされる。向かい合った私達。

真冬の太ももに、丁度 乗っかるような格好だ。親に甘える子どもみたい。彼女の背中に手を回し、しがみつくようにして胸の谷間に顔を押し付けた。

 

ぽんっと、腰を叩かれ、背中がゾクリと震え上がる。

とんっと、響いた快感に、お腹の奥が きゅんっと熱くなった。

 

「んあっ♥」

 

ずんっと、真冬の太ももが、下から突き上げてくる。

唐突だった。力強い、体ごと持ち上げてくるような刺激に声が出てしまう。

彼女にしがみついたまま、私は動けない。お腹をとんっとされて、腰をぽんっと叩かれる。キュンとした、ゾクってする。前から、後ろから、そして下からは、ずんっと、真冬の太ももの上で腰が弾んで、お腹に抱え込んだ快感が全身に響き渡る。

 

「羽流…ほんとに子どもみたい。そんな可愛い声で泣いちゃだめだよ? そんなにしがみつかれると、もっとイジメたくなる。あ、でも…それで興奮しちゃってる私って…ロリコンとか言うのかな? ね? どう思う?」

「あっ、はぁ…ひぃっ♥ うっさいっ。ロリ…とか、あぁっ。言うなっ、だれが幼女だこらっ…んあっ♥」

「あは♪ そうだね、幼女はそんなエッチな声ださないもんねぇ…」

 

真冬の囁きにすら、耳が甘く痺れだす。そのまま耳を舐められて、くすぐったいやら、気持ちがいいやら、首を振ってみせるのが精一杯。

人をロリ扱いして。本当なら、その肩口にでも、揺れているおっぱいにでも噛みついてやりたいのに。

 

「まってっ、まってってばっ。おねがっ、あ、はぁ…ひぃぅっ♥ ぽんっ…はっ、とんっも…。お願いだからっ、そんな一緒にしなっ、あぁぁっ…んくっ、はむっ…んんっ、ちゅっ…は、あっ…」

「ちょっ、くすぐったいって、羽流。そんなところにキスしたら…あっ♥」

 

唇を開いて、押し付けて、噛みつくだけの力は出ない。

出来て甘噛み。前歯で噛みつく前に、涎で滑っておしまいだ。せめての抗議に、何度も、何度も、それでもだ。「痛い」と、一言も聞けないまま、真冬の胸元は私の涎でドロドロになってしまう。

 

「そんなっ、悪戯ばっかしてっ。あ、はっ、仕返しされたいんだ? 羽流はっ…。いいよ、んっ♥ 私も、そろそろ…だから。一緒に、いこ? 二人なら、絶対気持ちいいよね、今でも…さ? やばいよね、これ…。羽流が、私に意地悪するのも分かるな。こんな…ずっと、こうしてたいのっ」

 

羽流、好き…。

 

その告白に耳が震えた。

 

いやらしい。

 

このタイミングで言うんだもんな。

 

普段、全然言ってくれないくせに。こんな時にばっか、狙いすまして。

ゾクッとした。胸元に押し付けた額をグリグリと動かして快感に耐える。

 

「好きっ、好きっ、大好きっ、愛してるのっ。他の誰にもっ、私のだから、私以外のモノになっちゃっ、イヤっ、だからっ、羽流っ、はねるぅぅっ♥」

 

なるかよ、なるもんか。

 

こんなに好きって、愛されて。真冬以外の、一体誰に恋しろって言うんだよ。

 

「はぁっ、はぁっ、わたし、もっ…真冬のこと、好きっ、愛してっ」

「イヤっ! 私のほうが、ずっと好きだもんっ。羽流のことっ、羽流よりもっ!!」

「イヤとかっ、なんだそれっ。しらなっ、んあっ♥ つよっ、それ…きちゃっ、だめっ、真冬っ、やっ、あっ、きもちぃっ、だめだめっ、ほんとに、わたっ、あっ…」

 

幸せだった。

 

なんか良く分からなくなって、とにかく幸せだったんだ。

 

好きかもしれない、これ。

 

今まで、押し倒すばっかりだったから気づかなかった。

乱暴なくらいに愛してもらえるの、ちょっと癖になりそう。

 

快感が弾けて、幸せに満たされる。

 

真冬に愛してもらえた実感。受け取った愛情は、私が思っていた以上に重たくて。それが、ちょっと…ううん、かなり嬉しい。今まで私が、好きを伝えて、伝え続けて、それでも伝えきれなかったように。溜め込んできた彼女の愛情も、これで全部って訳が無い。

 

ゾクッとした。

 

また、こんな風にされるんだ。

 

そう思うと、新しい期待に胸が弾んでしまう。

 

ああ、でも…流石にさ。

 

「いっ♥ ひぅっ♥ あっ…はぁっ、はぁっ、ひぃ、ふぅ…あぁっ♥ はぁ…んっ」

 

ぶっ倒れた。

 

一緒に絶頂に達した真冬も、寄りかかってきた私を支えられず、彼女を押し倒すようにして、ベッドの上に崩れ落ちる。

 

「あははっ…。はぁ、すご、お腹の奥まだ、ビクビクしてて…はぁ、ひぃ…。こんな愛されたらさ、まふゆんの事、もっと好きになりそう」

「私はいつもだよ…羽流とエッチすると、もっと、好きに…。あ、ほんとだ、ちょっとヒクヒクしてるね? お腹、そんな気持ちよかったんだ?」

「んっ♥ やめ、さわんなよ…いま、マジで敏感になってて…」

「ふーん」

 

あ、ドSだ。私の真冬がそんな顔をしている。

その顔はもう見たと、身構えた私の努力は届かない。だって、もう既に下腹には彼女の手の平が触れていて、後は指を、とんっと…。

 

「あひっ♥ ばっ、ほんっ、まじっ…まてって、さぁっ…」

「ごめんっ、ごめんってばっ♪」

 

謝ってはいるが、とてもそんな顔じゃなかった。

私をイジメて、悦に浸っているのが丸見えだ。

 

「はぁっ、もうっ…」

 

けれど、惚れた弱みだ。楽しそうにしている真冬を見ると、怒る気も萎んでいってしまう。

 

「んで、少しは気は晴れたのかよ?」

「ううん」

「強欲…。流石に引くって。い、言っとくけどっ、今日は無理もうだからっ、絶対ダメだからっ」

「ふり?」

「違うってのっ! マジな奴!!」

 

恐ろしい子。

 

やると言ったらやる。なんとなくでも、そんな気配が立ち昇ってくる。

 

「逃げないでよ。そんな怯えたみたいにさ。ほら、ベッドから落っこちちゃうよ? もっとこっちに、ね?」

「だって…これ以上は、ほんとに」

「人を性欲お化けみたいに言わない」

「そのものじゃんっ」

「じゃあ、はい…」

 

差し出された小指に、今更「何?」と、問掛けることもなかった。

 

「まふゆん さぁ…。私達、エッチの度に指切りしてない?」

「ん? あー、そうかもね?」

 

とはいえ、差し出された小指には、条件反射のように小指を絡めてしまう。

それはまるで、放課後に手を繋いで歩くような気軽さだ。

 

「指切りげんまん…。今日はもうエッチしません。これでいい?」

「過去一 しょーもない約束してる気がするんですけど」

「羽流が逃げるから…」

「まふゆん が脅かすからじゃん。じゃ、嘘ついたら、もうエッチしてあげない」

「羽流のほうが我慢出来ないやつ」

「いーや。まふゆんのが我慢出来ないね、きっと」

「いいよ? じゃっ、指切った」

 

結局ヤッた。

 

「まふゆんのバカっ、アホっ、性欲魔神っ。しないってっ、もうエッチしてあげないって約束はっ!」

「いや、でも…日付変わってるし、良いかなって?」

「何が「良いかな♥」だよっ。屁理屈じゃんっ、そんなのっ。せめて日が昇るまでまてないのっ、吸血鬼か何かなのっ!!」

「あーもう、うるさいなぁ。面倒くさい。そんなに言う余裕あるなら、もう一回出来るでしょ? 日が昇るまで付き合って貰うんだから。ほら、大人しくしてっ、ちゃんと分からせて上げる。羽流は私のモノなの。しっかり覚えましょうねぇ…」

「ひぃっ、あっ、まってっ…ぁ♥」

 

結局ヤラれた。

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