コカビエルと向き合いながら一誠はふと思った。ロイガンが来たせいもあるが自分が小賢しい事をしていると改めてだ。グレイフィアの案に乗った日からずっとだが、決めたのは自分なのだとして先制攻撃を仕掛けた。
「水龍三つ眼!」
冥界で覚えた技を敢えて【倍加】は使わずに抜き打ちに近い形で放つ、襲い掛かる三体の水龍にコカビエルは予想外な行動で僅かに虚を突かれた。
「ぬ、おおっ」
光の槍を出して迎撃するが、一誠の水龍は単純な魔力だけではなく悪魔や堕天使にとっては天敵な類いの力が含まれている。最後は四散仕切れなかった水が刃となってコカビエルに刺さるが莫大な力で吹き飛ばした。
「ぬ、ふふ、見事だ。倍加を使うと見せ掛けて恐らく最大級の技で挑むのは好判断だったが、その程度では私に致命傷は与えられんぞ」
コカビエルはお返しとばかりに光の槍を速度と数重視に次々撃ち出すので一誠は回避に専念するしかないと見せ掛け。
Boost! Boost! Boost! Boost!
「何っ、回避しながらだと?」
「水龍・・・・一文字!」
幾度も倍加した力で極大の水龍を放つ、同じく極大サイズの光の槍で相殺したが、霧散した龍が増幅集合してコカビエルの周囲を囲み、一斉に襲い掛かるが全身から発した気で消しばそうとしたが、間に合わなかった。
「ぬがああっ!」
消せなかった水龍がコカビエルの左肩を抉った。手傷を負わされたが追撃が来ない事で確信を持たれる。
「くははは、見事だ赤龍帝。だが、悲しいかな今の一撃で追撃出来ない程に体力を使ったな」
悔しいが事実だ。一呼吸整えればどうにかなるが、体力の上限を把握された事は重大とした時。
~~~~~っ。
「むっ、ケルベロス達が!?」
地獄の番犬ケルベロスをいつの間にか召喚していたようだが、通常の雷撃とは明らかに違う朱乃の力を受けて悶え苦しむケルベロスは小猫の拳で頭蓋骨を砕かれ、ゼノヴィアが出した剣で胴体を一刀両断にされていた。
「ほう、あの娘。出自上の私心で【父譲り】の力を使わないでいたらしいが、吹っ切れたようだな・・・・む、更に面白い事が起きているか?」
一誠が見たのは木場が何やらバルパーに煽られている図だ。どうやら木場を始めとした者達を失敗作として処分したのではなく聖剣の因子だけを抜き出していたようで、残りカスのようなものをくれてやると放り投げたが?
「これ・・・・【聖歌】ってものか」
木場の周りに犠牲にされた者達の残留思念が形になって現れて祝福してくれているようだと一誠には見えた。その果てに。
【禁手】(バランス・ブレイク)
それに至ったは良いが、聖と魔が合わさった剣が握られて・・・・とした時。
「読めたぞ、お前。わざわざ公開試合みたいにしたのは・・・・!」
「フェニックス眷属に勝利したが主の面子を潰したお前にはわかるか、そうよ!お前達に暗部を晒させる為よ!」
そう言って光の槍を投げた先には、大戦で神すら死んでいたと気付いて高笑いしていたバルパーがいた。木場の握った剣がその産物であると笑っていたところを貫かれて絶命をしたが、ゼノヴィアとアーシアが信仰深さを誇りや支えとしていた二人は茫然自失としていた。
「趣味悪いな、俺達みたいのが勝てば勝つ程各勢力の暗部を掘り出す羽目になるって展開に持ち込むかよ」
「そうだ。私は秘匿と言うものは心得ているがやり方次第ではお仕舞いよ、こんな程度でボロが出るようなのが証拠だ。そもそも今は平和としている者が多いが、及び腰になってるだけであろう!戦争をやり始める者達は命より誇りを尊ばせる風潮を作り、やめる時には命に勝るものは無いとする。悪魔も!天使も!堕天使も!そのような惰弱な事があるか、これでは貴様等人間と同じではないか!」
憎悪だけではない、コカビエルが秘めているのは。
【悲哀】
「おい、そんなのに酔っ払った狂態晒す奴があるか!そんなの何かの思想や宗教に中途半端に染まって失敗した人間と変わらねえぞ!」
「ふっ、そうだな。あのイリナという宗教に嵌まり自己陶酔に酔ってる女に醜態を晒させてやりたかった。拭いようのない恥をかかせる下準備の為に恥辱と苦痛を見舞おうとしたが見事にしてやられたよ」
「ああ、イリナは昔からそんなとこあった。成る程、甘く見てたらしてやられたのが誤算だったワケか・・・・じゃあ、終わりにしてやる!」
「速い・・・・っ!だが若いわ!」
一誠が左腕から伸ばした刃で木場ですら視認できない速度でフェイントを掛けながら斬りかかるが、経験値の差で右肩狙いと読まれた。振り切り易い形になりがちと見抜かれて右手から出した槍に防がれ、左手から出す諸手の一撃で腹部を突き刺されようとした時だった。
「な、あ・・・・っ!」
一誠の腹部から下は霧となって槍が素通りした。それはコカビエルは勿論、見ていた者達全てを驚愕させた一瞬、一誠はそのまま回転しながら背後に回り、コカビエルの背中を遠心力を使った斬撃で深々と斬った。のまま落下した一誠に霧が集まり元の身体に戻った頃にコカビエルは倒れ付した一方で一誠は何とか立ち上がったが、息も絶え絶えの見本と言わんばかりな消耗をしていた。
「お、俺の・・・・勝ち、だな」
「ぬぬ、そうだな。み、見事だ・・・・貴様、まさかそこまで・・・・だがわかっているのか?人間界で・・・・っ!」
コカビエルが上空に舞い上がり、宝玉のようなものに吸い込まれた。いつの間にか倒されていたフリードもだ。何事かと全員が一誠の元に集まって警戒体勢を整えた。
「イッセーさん!」
アーシアが神器を使うが、体力の回復は出来ないので掠り傷を消すのが精々だ。
「・・・・部長達、何か服はぼろぼろだけど外傷が無いですね」
「それは、以前は使わなかったけど私がアーシアと一緒に用意した策を・・・・いえ、今はコカビエル達を・・・・」
「あら~、魔王級が機を見て介入前に決着なんて。何処か変ちくりんな赤龍帝は戦闘力は本物だったのかニャ」
「あ、貴女は?」
宝玉を回収して、どこかに転移させたのは黒い和服を着崩した妖艶な美女。その姿を確認した小猫が震えながら見上げていた。
「アーシア、一誠をお願い!」
リアス達は臨戦態勢を整えたが、女性が何やら毒でも含んだ怪しい霧を発生させたと気付いた時には身動きが出来なくなっていた。
「先ずはグーテン・アーベント・・・・いや、日本じゃ確かこんばんはだったね、久し振りね【白音】少しはマシになったのかと思って見に来たら、今まで何やってたのよ。怪力のマスコットって感じじゃニャい・・・・」
ビクッと身体を震わせた小猫を落ち着かせながらリアスは相手の正体に気付いた。
「【白音】・・・・その呼び方をするって事は。貴女は・・・・【黒歌】ね!」
「正解、依頼主に頼まれて送った奴等を逮捕に来たのよ。周りにいるのは・・・・あれ?」
「馬鹿ね、この位の霧は通用しない私が直ぐ様来るのが誤算だった?」
いつの間にかロイガンが黒歌の背後に回って背中に短刀を突き付けていた。短刀から感じるオーラが尋常で無いと地上にいる者達からもわかる程なので黒歌は両手を上げる他は無い。
「ニャ、ニャんで・・・・結界には魔王級でも簡単に入れないよう途中で細工したのに」
「裂け目作った」
【裂け目】
ベルフェゴール家の特有の能力で様々なものに作る事が可能なのだ。要は魔王級ですら直ぐには破れないようにした結界をアッサリ突破したとした時。
「え・・・・ちょ・・・・わかりました。行きな」
「ニャははは!番外でもギリギリじゃ宮仕えは辛いニャ、じゃあねえ」
そう言って黒歌は去っていき、地上に下りたロイガンは事情を説明する事にした。
「今、冥界上層部から連絡入ったわ。あの黒歌は犯罪者逮捕を頼まれて来ただけだから見逃せって、とにかく後の事も頼まれたから体力使い切った赤龍帝君を家に連れ帰りましょ、そこで詳しく事情を話す」
ロイガンにお姫様抱っこされてしまうが抗う術は無い一誠は事情を察しているだけに悔しいとして成すがままだ。未だ立ち直れないゼノヴィアに小猫も他が何とか連れて退散した。
ーーーーーーーーー。
「か、会談・・・・兄であるルシファーにまで及ぶ範囲で、ですか?」
一誠はコカビエル戦、他は黒歌の毒霧で体力が録に残ってないメンバーを前にロイガンが告げた。今回のコカビエルは飽くまで独断で聖剣を扱うテロを起こしたので、逮捕しに行かせる代わりに話を聞いてくれと堕天使側から通達があった。
「で、でも・・・・何で、あの・・・・黒歌まで、が」
「わかんない、上層部に根回しされてるとかで割り切るしかないわね。自分達なりに探るしかない・・・・それにしても」
ロイガンは一誠を見詰めた。初対面のフリのハズだがとしたが、周りからしたら気に入ったよと言わんばかりな目であった。実は【益々】と付くの迄は読めない。
「あのコカビエルをタイマンで倒しましたとはね・・・・地力では負けてたと素直に認めてる辺りも中々・・・・その勇戦さと謙虚さのご褒美に私のコレあげるわ」
「黒歌に突き付けてた短刀ですか」
「うん、転生悪魔だから複雑だろうけど人間界では護身用の短刀は悪魔や妖怪から身を守る為のもの・・・・まあ、厄介事に対するお守りよ。本来は出産祝いらしいけど」
冗談めかしているが、朱乃とアーシアは気が気でなかった。それにリアスも思うところがあるとした夜。
ーーーーーー。
兵藤一誠は危機に瀕していた。
「朱乃、何で貴女が此処にいるの」
「わたくし、一誠君に夜這いして返り討ちに遭ってを繰り返したので、今の疲労状態でのご入浴を手伝う事にて雪辱をと」
リアスとアーシアが目の当たりにしたのは朱乃。二人は手伝いと迄はいかないが消耗が激しいだろう一誠が心配になって声を描けようとしたのだが、朱乃の台詞に聞き捨てならない事が含まれている事に狼狽えた。
だが、リアスが手を回してリホームされ通常の三倍な広さになった浴室の着替え室で見覚えがある服が籠に入れられていて思わず乱入した果てに見たのは?
【ロイガンが一誠の背中を流してあげている図であった】
「はぅぅ・・・・」
「ロイガン様、何をなされているのですか?」
「見ればわかるでしょ、ヘロヘロで心配だからサプライズプレゼント兼ねての手伝いよ。やましい事してると思ってるようだけど、私達は潔白!その証拠に赤龍帝君のお大事は何の反応も無いわ。正直に言うと悔しいわね、ほら」
「ぬえっ!」
一誠の脇の下を抱えて立たせる。確かに抵抗する力すら残ってないとわかるが、とんでもない公開逆セクハラでありアーシアは半失神の有り様であるが?
「ふふ、そうですわね。イッセー君はワケありで下手な誘惑なんて通用しませんわ」
「あら、それは良いわね。強くて興味深くて、下手な誘惑は通用しない・・・・これは良いわ!リアスさん、提案だけどイッセー君を引き抜かせてもらって良いかしら?」
ロイガンは爆弾を投下した。リアスの不手際を考えたら悪魔に関わるならロイガンの元に行くのが最良の選択肢とするくらいわかるが?
「ま、待って下さい!私だってイッセーさんと一緒にいたいですし、リアスお姉さまとイッセーさんに仲良くして欲しいです!」
「あ、アーシア・・・・」
「リアスさんは嬉しそうにしてるけど、その言い方は噂通りギクシャクしてるって証明ね・・・・ビクッてさせちゃったようだから、お詫びに得かもな提案してあげる」
ーーーーーー。
(なんだよ、この状況・・・・)
「イッセー、言ったでしょ。私は・・・・貴方に全てを捧げます」
背中はリアス。
右腕は朱乃。
左腕はアーシア。
正面はロイガン。
洗い椅子に座る一誠は、まるでハーレムの王様のように全裸となった身体を泡立てたスポンジで現れていた。事件に巻き込まれる前はハーレム王を目指すような思考をしていたものだとしたが、思えば何をやっているんだとした。
「イッセーさんの腕、しなやかですぅ・・・・」
「あら、アーシアちゃんもわかります?質感が素晴らしいのですわ」
「ふむ、やっぱり全然反応しないわねえ」
胸を洗うロイガンが提案したのは、一誠が四人掛かりで混浴や奉仕をして欲情するか否かである。もしも欲情したらロイガンの元にとは行かずともデートにでも付き合ってもらうとした勝負内容。泡を流したが欲情の気配が無いので次を提案した。
「は、う・・・・私、イッセーさんに頭と背中。洗われ、てます」
今度はアーシアだ。一誠は女性陣には後ろで固定して身体を流す。朱乃とロイガンも淡々とこなす一誠だが?
「よ、宜しくお願いします」
リアスの番になり、首に手を掛けても構わないと言わんばかりにロイガンは微笑んだ。然れど事もなく済んだ・・・・これにより、一誠の勝ちとなった。
一旦は湯船に入って十を数えて先に出た一誠の姿に安堵したアーシアだが?
「リアスお姉さま。良かったです!これでイッセーさんは・・・・ど、どうしました?」
「み、見ない・・・・で・・・・」
あひる座りに近い形に崩れ落ちながら、リアスの股間からはチョロチョロと水音が響いた。恐らく、本能的に感じたものがあるのだ。
「おやおや、やっぱり赤龍帝君は許しきってたワケじゃなかったわねえ。リアスさんに対して本人にしかしか感じられない怒りを抱いてましただよ・・・・良く我慢出来ました♫」
恐怖の余りな失禁をしてしまい、声を押し殺して泣くリアスにはロイガンの皮肉もアーシアの慰めも響かない、これが現実なのだと受け入れようとしたが?
「っ、きゃ・・・・あああっ!」
天井に張り付いた光球から伸びた鎖付き手錠がリアスの両手首に嵌まって吊り上げる形になる。何事かとしたがロイガンはお湯を掛けてあげた後に朱乃とアーシアに何処からか【カミソリと毛抜き】を出して渡した。
「リアスさん、私なりに鶏冠に来た事があるから赤龍帝君に変わってお仕置きしてあげる事にしたわ、朱乃さんとアーシアさんも手伝いなさい?」
いつの間にか暗示でも掛けたのか二人の目がとろんとしていた。そのままリアスの首から下の身体中にカミソリを這わせた。
「な、何を・・・・何をするんですか、やめて下さい!」
「あら、やめさせたいなら暗示を解いてみなさい」
魔力を込めて試みたが、全く効き目が無い。その内に全身の産毛程度の毛を剃られてしまって残るは陰部と肛門のみ。
「さあ、先ずは陰部だけど淫核の皮を剃られたら後が大変だから大人しくなさい」
「ひ、あ・・・・あ」
具体的にどうなるか知識は無いが、確かにとせざるを得ない内容。朱乃に当てられたカミソリの感覚が恐ろしく冷たいものに感じられた。ショリショリ・・・・ショリショリと微かな音を出して、それ程の量では無い陰毛が剃られてしまった。
「こ、こんな事をして何を・・・・ひゃあ!」
今度はアーシアに肛門に僅かにある恥毛を毛抜きで引き抜かれたと理解した。次は朱乃により剃るには不向きな粘膜付近の毛が一本。次にアーシアが肛門の毛と交互に抜く、微かな痛み以上に異様な状況に震えて、ついに許しを求める声を出す。
「や、助け・・・・いや、いやあああっ!」
目に見える毛を抜き終わって二人に担当した部位を思い切り両手で開かれたと理解した。空気と吐息が内部に入る感覚も耐え難く、先程の件が無ければ失禁していたかもしれない予感に涙が流れた。
「あら、やっぱりどちらも未経験ね。とにかく不浄の毛は全部抜いたから・・・・次はこれよ!」
壺を取り出し、中身は透明の粘液のようで朱乃とアーシアは両手にとって身体中に塗りたくる。冷たい感覚にリアスは震えるが、終わってから手錠が外れて開放される。
「一体何をしたんですか?って顔だけど、試しに魔力を出して見なさい」
真意を探る為に言われた通りにするが、リアスは自分の身体から全く魔力が立ち上らない事に気付いた。魔力を通したり蓄えたりしやすい髪が精々。
「これで貴女は下級悪魔並かそれ以下ってワケね。余程上手くコントロールしないと元通りに力出せないから戦うなんて不可能、逆を言えば過信は出来なくしたし危機感持って鍛練に身が入るって事。じゃあ、後は頑張りなさい」
ロイガンは呑気に湯船に浸かり、朱乃とアーシアは違和感無く元に戻った。リアスはこれが自分にのみの制裁ならまだしも、アーシアと感応しての成果が無になる危機感に震えた。体液の交換による淫らな手段でアーシアの回復の力を広範囲か離れた場に放つサポートを自分がする事に成功して一誠にコカビエルを任せる一方での戦いを有利に進められたのだ。ロイガンの意図は図れないが、アーシアとの連携を封じられたに等しい事には涙するしかなかった。
前書きのはリアスに微エロなイベントが、でした。