俺に跨る一之瀬を見やる。
ここまで至近距離でじっくりと観察する機会はあまり無かったが、改めて見ても抜群のプロポーションをしている。
瑞々しい肌、縊れたウエスト、程よくハリのある巨乳に、親しみやすくも綺麗で整った顔。
学年一の人気を誇るのも頷ける。
そんな彼女の艶姿に当てられたからか、先ほど射精したばかりのはずの逸物がいつのまにか起立していた。
それを見て一之瀬が微笑む。
「元気だね」
「鍛えているからな」
「確かに……」
冗談のつもりだったが、納得した一之瀬は俺の腹部に触れ、触り心地を確かめるように撫でてくる。
「すごいね……綺麗に割れてる」
「そうやってなぞられると、くすぐったいな」
そう言っても一之瀬は手を止めず、無言で俺の腹筋をさわさわと撫で続ける。
ならばと、俺も彼女の腹部に手を伸ばした。
「ひゃっ」
お腹に触れると、柔らかさの奥に確かな硬さを感じた。
「引き締まってるな」
「綾小路くんが入会してから、ジムに通う頻度が増えたからかも」
確かにジムで一之瀬を見かける機会は多かった。
理由は言うまでもないだろう。
彼女と同じように、俺も無言で彼女のお腹を触る。
女性特有の柔らかさの中に、確かに感じる筋肉の硬さ。
外見からはわからない彼女の身体を、じっくりと触って確かめる。
触れる指になぞられるたび、一之瀬は小さく吐息を漏らして身じろぎした。
「んっ……確かにくすぐったいね」
「おあいこだ」
一之瀬はくすりと笑った。
そのまましばらく、触れ合いは続けられた。
それは腹部だけでなく腕、肩、胸、首、頬と場所を変えて続けられ、相手の身体を余すところなく確かめ合った。
身体の感触だけでなく、心の在り処を探し求めるように。
そのうち俺達を取り巻く空気は、徐々に淫靡なものへと変貌してゆく。
気がつけば、俺達は互いの頬に手を添えたまま至近距離で見つめあっていた。
一之瀬はほわりと微笑み、俺の頬から手を離す。
そのまま体を起こし、自らの腹部で主張していた俺の剛直を掴んで己の蜜壺の入口へと──
「待ってくれ。避妊具はあるのか?」
その一言に一之瀬の動きが止まる。
野暮だが、これは大切なことだ。
一時の過ちで、これから始まる3年生を棒に振るわけにはいかない。
限りなくリスクは減らしておくべきだ。
だから情動に呑まれてしまう前に、空気を壊してでも確認する必要があった。
「うん、大丈夫だよ」
それに対し、一之瀬はすべてわかっているとばかりに頷いた。
そして、いつの間にかベッドの端に置かれていたコンドームを拾い上げ、こちらに見せてくる。
「さっきお水と一緒に取ってきたんだ」
「用意がいいな」
「あっ、ちがっ……その、今日のために買ってたわけじゃなくて、友達とそういう話になって、興味本位で……その、とにかくたまたまだからね……!」
慌てた身振りで否定する一之瀬だが、俺の行動を読んでいた上にこの状況で偶然避妊具を用意できるものだろうか。
俺の視線に疑われたと考えたのか、さらに否定を重ねる。
「私、そんなにふしだらじゃない、はずだよ……」
「はず、なんだな」
「うう……もう」
一之瀬は照れ隠しをするように、せわしなくコンドームを袋から取り出す。
そして俺のモノに巻きつけていった。
サイズもどうやらぴったりのようで、ますます真偽はわからなくなったが……。
「できた」
一之瀬は今度こそ腰を持ち上げ、俺の下腹部に跨る。
そそり立つ己の先端に、ゴム越しでも熱さを感じる濡れた柔肉の感触が触れた。
「じゃあ……挿れるね?」
俺が頷くと、彼女はゆっくりと腰を下ろしはじめた。
彼女のきつく締まった柔肉をかき分け、己の肉棒が徐々に飲み込まれていく。
「んぐ、き、つい、はう」
しかし、奥へと進むたび一之瀬は苦悶の表情を濃くしていった。
初めてであれば無理もない。
心は準備ができていても、それが身体に反映されるには時間がかかる。
このまま続けても、痛みに耐えながらする行為ではいい記憶にならないだろう。
俺は彼女の手に触れ、一度挿入を静止させる。
「無理はするな。いったん抜いてくれ」
「っ私は、大丈夫だから……」
首を振り、続けたいと訴えてくる一之瀬。
彼女を安心させるように、俺は優しいトーンで続けた。
「やめるとはいっていない。だが、もう少しほぐした方がいい」
ゆっくりと腰を引き抜き、彼女を抱き寄せる。
初めての緊張と痛みによってか、彼女の身体は強張っていた。
「……ごめんね。雰囲気、壊しちゃったよね」
「気にするな。焦っても仕方ない」
緊張を解きほぐすように、抱きしめたまま緩やかに頭を撫でる。
申し訳なさそうに頭を俺の胸元に埋めていた一之瀬だったが、次第に体の力が緩んでいった。
「……こうしてると、ドキドキもするけど……すごく、安心する」
「緊張は解けたか?」
「うん。ごめんね、こんなつもりじゃなかったのに」
顔を上げ、先程よりも緩んだ表情を見せる一之瀬。
「そう気に病まなくていい。俺のが大きすぎたせいかもしれないからな」
「それは……ちょっと、思ったけど」
一之瀬は言われたそれをちらりと見やり、目を逸らして頬を赤らめる。
さすがに少し柔らかくなっているが、それでも威圧感のある大きさなのだろうか……。
そうやって言葉を交わすうち、一之瀬の強張りも解けてきたので、抱きしめたまま手を下にまわした。
そして彼女の秘部に指を沈めていく。
「あ……」
そのままゆっくりと、指の腹で彼女の膣内を愛撫する。
今度は絶頂へと追い詰めることではなく、緊張した膣壁をほぐすことを優先した動き。
じっくり、ゆっくりと優しく彼女の内を広げていく。
「ん……ふぅ……」
徐々に一之瀬の表情が陶酔に染まってゆく。
彼女もこちらの下腹部に手を伸ばし、俺のモノを握ってきた。
膣内が締まるたび、ゴム越しの彼女の手も俺を締め付ける。
お互いの手で、疑似的な行為が行われていた。
「ふあ……んっぁ……はぁぅ」
しばらく弄っているうちに、彼女の肉壁から感じる硬さは無くなり、指先を柔らかく包み込む感触に変化していた。
これくらいでいいだろう。
「もう大丈夫だ。挿れても──」
問題ない、と言い切る前にぐいとベッドに押し倒された。
その犯人である一之瀬が俺を見下ろしている。
彼女の目の奥に宿る妖しい光が、俺を貫いていた。
「ふぅ……ふーっ……」
肩で息をする一之瀬は、既に興奮が限界を超えているようだった。
そのまま静かに俺のモノを掴むと、躊躇なく己の中へと迎え入れる。
「んぅ、ぁぁああ、はぁ……っ」
「ぐっ……」
膣壁の柔らかさと強烈な熱さが、肉棒を包み込む。
俺と一之瀬の下半身の境界が曖昧になり、ぐずぐずに溶けてしまいそうだ。
「はぁ……あ、んっ……」
一之瀬が初めて感じる快楽に身を震わせる。
今度は痛みではなく快感が得られることを確認すると、俺の上で一心不乱に動き始めた。
「んっあ、はっ、ぅ、あ」
尻が打ち付けられるたび、膣口が肉棒を咥えこみ、締め付け、絞り上げる。
彼女の髪が揺れ、汗ばむ身体を揺らすたび、シトラスの香水だけでは無い、一之瀬本来の香りが脳を甘く痺れさせた。
「うぅ、あっ……は、あっあっぁ……っ!」
快楽に一之瀬の身体が跳ねるたび、眼前で彼女の大きな果実が揺れる。
俺はそれを空いた掌でわし掴み、揉みしだく。
「ひゃ、あ、それだ、めっ……あぁぁ、んぁあ!」
芯の部分を指で弄ぶと、連動するように膣内がきゅっと俺を締め付けた。
「きもち、い……ぁ、きもちいいよ、綾小路くんっ」
「俺もだ」
なおも腰を振り続ける一之瀬。
精を搾り取ろうとする雌の締め付けによって、下腹部に衝動が湧き上がってくるのを感じる。
このままでは長くは持たなそうだ。
彼女に主導権を握らせ続ける訳には行かない。
俺に股がり夢中で腰を振る一之瀬を、今度は俺が押し倒した。
「ひぁっ、え、綾小路くん?」
驚いた彼女の瞳が俺の顔を捉える。
「今度は俺が動く」
「き、急にひぁぁあん!」
胸の頂点を指の腹で撫でると、堪らず嬌声を上げた。
そのまま片手で胸を揉みしだきながら、じっくりと出し挿れを繰り返す。
仰向けになってもその大きな乳房は綺麗に上を向いており、瑞々しいハリを保っている。
一之瀬の胸の触り心地はとても好ましく、ずっと触っていたい程だ。
「あっやぁあ、うぁ……ふぁあ、あっあっはぁあ……っ!」
彼女の矯正が耳朶を打つ。その音が、今はとても心地よい。
彼女の尻に自らの欲望を叩きつける感触が気持ちいい。
いつの間にか、俺は一心不乱に腰を打ち付けていた。
俺が彼女を犯しているのか、それとも、彼女の魅力に、俺が突き動かされているのか。
そのどちらなのか、今はもうわからなくなっていた。
「あは、その顔……!」
俺を見て、快楽に翻弄され歪んだ笑みを向ける一之瀬。
その理由を深く考えられないほど、俺の視野は黒く狭まっていた。
「いいよっ……私で気持ちよく、なって……!」
今はただ、目の前の女を。
一之瀬帆波を犯す。
「っ……射精すぞ、一之瀬」
「あっ、わたしも、もう……ぃく、いっちゃうっ、いくいっ……!!」
瞬間、これまでで最も強い締め付けが俺の肉棒を襲った。
それが限界だった。
せき止められていたダムが決壊し、己の精が一気に解き放たれる。
痙攣する膣圧と限界まで蓄積された吐精の脈動に、とてつもない快感が押し寄せる。
「ぐっ……」
「……っっ!! あっ……!! うぁ……!! はぁ、あ……!!」
襲い来る強烈な快楽の波に耐えるべく、縋るように手を広げる一之瀬。
それに応えるように俺も彼女を強く抱きしめ、更に奥へ奥へと欲望を吐き出していく。
一滴も漏らさないようにと、膣中へ己の精を押し込み続けた。
俺たちは一つになったまま、快楽の中、互いの存在を刻み合っていた。