※この作品はR-18です。

神姫清廉オルレアハート!-乱行恥虐のスペクトラム-   作:ホリス_if

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オルレアハート、第12話です。
第11話の続きとなっておりますので、是非そちらからお読みください。

ニヴルに敗北し、捕らわれてしまったオルレアハートこと春永雅。
彼女に待ち受けていたのは……自分の武器による、尊厳を踏みにじるような陵辱だった。

今回のシチュエーションは、オルレアハートの武器(刀)の柄を使った二穴陵辱となっております。

今話も是非、お楽しみください。


第12話-強襲!ハウンズ首領ニヴル!(後編)

 

 両手を上に上げたまま氷の手枷を嵌められ、右脚の膝をお腹の辺りまで上げた状態で拘束されたまま……オルレアハートに変身した私、春永雅は拘束されていた。

 そんな動けない私から離れて、戦闘中に私が落とした二本の刀を両手に回収してきたニヴル。

 やがて彼女は再び私の目の前に立つと、片手に一本ずつ刀を持ち、見せびらかすように突き出してきた。

 ……私の手から離れて結構経ったからか、刃が消えてただの柄だけになっている事だけが、まだ僅かな救いだろうか。

 

「今からこれをおチンポ代わりにして、貴女を鳴かせて差し上げますわ! さぁっ、覚悟してくださいなっ、オルレアハートっ!」

 

 だけどそれは、自分の武器で殺されない、ってだけの話。

 そう言い放ったニヴルの顔は……まるで新しい玩具を与えられた子供のよう。

 今からどうやって私を犯そうか、それしか考えてない顔だ。

 ……うそでしょ……あんなの、元々人体に、それも女の子の大事なアソコに挿入れるような代物じゃない。

 それを……私に……挿入れよう、って……!?

 

「っ、な、にっ……考えてっ、んのよっ……!?」

「何って……あぁ、ご心配なく。流石にこのまま刃生やしてザクッ! とはしませんわよ」

 

 怯える私へと見せつけるように、ニヴルは私の刀の柄に手を当てる。

 すると、柄は一気に光りだして……次の瞬間には、本来はビームの刃が出ているところから、持ちやすいように氷の持ち手が伸びていた。

 二本の柄に処理を施したニヴルは、自分の真後ろに氷の台を作り、その上に一本をコトッと置いた。

 

「武器を持った変身ヒロインの定番といえばコレですわよねぇ。自分の武器をディルド代わりにぶち込まれるっ、コ、レ♪」

 

 そして残った一本を手に持って……ニヴルはジリジリと、首を振って嫌がる私に向かって近づいてくる。

 え、ウソ……本当にっ、今から自分の刀で、犯される……の……? そんな……そんな、の……っ!

 

「ひっ……!? 無理っ、無理無理無理無理っ!! ホント無理だからっ! そんなのっ、挿入らないに決まって……っ!!」

「いいえ、挿入らないんじゃありませんわ。挿入れますのよっ♪」

 

 アレはあくまでも、戦う為の、人を守る為のモノ。

 アソコに挿入するなんて考えた事も、そもそも考えたくもない事柄。

 だけど、どれだけ拒絶しても……ニヴルは止まってくれない。

 やがて私の衣装の、レオタード状になっている股間部が、ゆっくりと捲られる。

 

「やだっ、やだやだっ!! 止めてっ、お願いっ!! ホントっ、無理っ、だからぁっ!!」

「あらあら、こんな濡れ濡れおマンコを晒した姿で言われても、説得力ありませんわっ、よっ!!」

 

 そのまま、ニヴルは嫌がる私のアソコへ……

 

 ドチュッ!!

 

「ぁがっ!? ぁ゛っ、ぎっ……ひっ、ぎぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

 

 私の刀の柄を、一気に根元までぶち込んできた。

 

「ぅぎっ、いっ、あっ、あ゛っ、がっ……!?」

 

 ……思った通り、快楽なんて微塵も感じない。

 アソコいっぱいに広がったのは、金属の冷たさと硬さ。

 触手や他の怪人に犯された時とは違う不快感が、否が応でも私の身体を襲ってくる。

 思わず目を見開き、口を大きくパクパクと開いて息苦しさから逃れようとしてしまう。

 

「ぁ゛ぐっ、ふっ、ぐぅっ……! 早っ、く……抜け……っ……抜いっ……て……ぇっ……!!」

 

 しかもそれに子宮を押し潰されて……口からは勝手に、苦痛たっぷりの情けない声が出てしまう。

 気づけば自然と、解放をねだる言葉が飛び出ていた。

 

「こ〜らっ、まだ挿入したばかりでしてよ? 挿入したら、当然……!」

 

 けど、当然それで終わり、なんて展開にはならない。

 ニヴルは片手で私の腰をガシッと掴み、もう片方の手で、柄に付いた持ち手を握り直した。

 

「待っ、今っ、動かしっ、ちゃっ……!」

 

 持ち手を掴まれた振動が響いて、咄嗟に弱々しい声を出してしまう。

 しかし私の制止なんて、この場では何の意味も持つはずがなく……そのまま……

 

「そ〜れっ♪」

 

 ……私のアソコに挿入された柄が、ゆっくりと上下に動かされ始めた。

 

 グチュ……グチュッ!!

 

「っ、ひっ、ぎっ、んんっ……!? なんっ、でっ、うぅぅぅっ!?」

 

 ……いくら散々いじめられて、アソコが愛液で充満しているからといって、こんなので感じるはずがない。

 そう思っていたのに……柄が動かされた瞬間、私のアソコを侵食するみたい、にジワジワとした快楽が込み上げてきたのだ。

 ……勝手に気持ちの良さそうな声を上げてしまう自分の口が、散々犯されて高まってしまった全身の感度が、今は恨めしくて仕方がない。

 

「そこっ、お゛っ、ぐっ、ふぅぅぅ……っ!? ぅぎっ、いっ、だめっ、そこっ、ぉっ、う゛ぅぅぅっ!?」

 

 そんな私を見ている二ヴルの顔は、まさに獲物を前にした獣のような、ニヤニヤとした笑み。

 彼女はゆっくり、ゆっくりと、柄が私のアソコに出し入れしてくる。

 抽挿の速度は、今までに陵辱されたどの時よりもゆっくりとした、常識的な範囲の速度。

 なのに……これは私の気持ちいいところと子宮口だけを、的確に狙い穿ってくる。

 今の私に、この快楽に抗う術は無く……あっという間に、私は鳴かされ始めてしまった。

 

「うあ゛っ、がっ、う゛ぅっ……!? ぁあっ!? ひっ、あ゛っ、あぁぁぁっ!?」

「あらっ、溜まってた愛液が一気に漏れ出てきましたわね! ふふっ、さぁっ、もっと撒き散らしてくださいなっ!」

「いやっ、あ゛っ、ひぁあっ!? やめっ、ぃっ、ひぃっ、いぃっ!?」

 

 抽挿が始まってすぐにも関わらず、勝手に仰け反る身体に、情けない嬌声をヨダレと一緒に垂れ流す口。

 同時に、私のアソコからは激しい水音が鳴り響いてしまう。

 

「あ゛ぁっ、はぁっ、あっ、あ゛ぁぁぁっ!?」

 

 悔しいっ、悔しいっ、のにっ……なんでっ、こんなのでっ、私……

 

「ぁい゛っ、ひっ、うぅぅぅっ……!? ぅあっ、はっ、あぁっ!?」

 

 ……気持ち良くっ、なっちゃってるのよぉ……!?

 

「ぅあっ、はっ、ぅうっ……!? やっ、あ゛っ、はぁぁぁっ!?」

 

 子宮口に柄を押し込まれる、それだけで私の身体はビクビク震えてしまう。

 

「ひっ!? そこっ、お゛っ、う゛ぅぅぅっ!? はなっ、しっ、い゛ぃぃぃっ!?」

 

 誰にも教えたことのない、一番気持ちいいところをグリグリ刺激されれば、つま先が勝手にピンッと張ってしまう。

 この陵辱を一刻も早く終わらせる為には、なるべくニヴルを楽しませてはならない。

 その為には、できる限り声を抑えなきないけない。

 分かっている、のに……なんでっ、耐えられないっ、いぃぃぃっ!?

 

「もっ、ぉ゛おっ!? やっ、やめっ、んぅぅぅっ!?」

 

 快楽と一緒に、グリグリ、ズチュズチュと、身体のナカから卑猥な音が脳まで直接響いてくる。

 

「ふぁっ、っ、うっ、うぅぅぅっ!?」

 

 その度に、まるで身体の内側から快楽に染められていくような感じがして……

 

「うぁっ、はっ、ひぃっ!? やっ、激しっ、うぅぅぅっ!?」

 

 ただ出し入れされてるだけ、嫌なのにっ、気持ち悪いっ、はずなのに……っ!!

 

「ぁあっ、ひっ、うぅぅぅっ!? ぅくっ、ふっ、うぅぅぅっ!?」

 

 ダメっ……こんなのっ……ちっともっ、我慢っ、できっ、ないっ……!

 

「あ゛ぁぁぁっ!? ぁあ゛っ、はぁっ、あっ、はぁぁぁっ!?」

 

 やだっ、イキたくないっ、自分の武器でっ、なんてっ、イキたくないっ、のにぃぃぃっ!!

 

「ふぐっ、ぁっ、ぃっ、う゛っ、ぐっ……ぅぅぅっ……!!」

 

 ガクガクッ!! ぷしゅっ、ぷしゅっ……!

 

 身体を震わせ、アソコから潮を撒き散らしながら……私は、絶頂へと達してしまう。

 ……それでも絶頂の瞬間、反射的に出かけた〝イク〟という絶頂宣言だけは、何とか歯を食いしばって堪えた。

 

「あら、もうイっちゃいましたの?」

「イっ……てっ、なっ、いぃっ……! こんなっ、のっ、でぇっ……イかっ、なっ、い゛ぃっ……!!」

 

 腰がカクカク震えて、口の端から垂れたヨダレが胸元に落ちている。

 多分顔だって、度重なる快楽責めで蕩けきっちゃってるんだろう。

 それでも、これだけは認めちゃいけない。

 私はこんなところでっ、まだっ、負ける、訳っ、にはっ……!

 

「あらあら、それは……」

 

 私の強がりを〝可愛い足掻き〟とでも思ってそうなニヴルの目線が私を貫く。

 

「おマンコだけじゃ満足できないって事……ですわね?」

 

 彼女はそう言うと、真後ろの台から、先程置いたもう一本の柄に手を伸ばした。

 ……背中に、嫌な汗が流れる。

 

「な、なにっ、す、る、気……っ!?」

「またまた、本当は分かっているでしょうに。女の子にはおマンコともう一つ……気持ちよくなれる穴、ありますわよね?」

 

 ニヴルは柄を手に持つと、そのまま私の股の下へと持ってきた。

 やだっ、待ってっ、そっちはダメっ……

 アソコだけでもキツかったのにっ……そっちも一緒にっ、なんてっ……!?

 

「まっ、てっ……おねがっ、本当っ、それ……はっ、無、理っ……!」

 

 咄嗟に出たのは、情けなく許しを乞う言葉。

 だけど、その程度で止まるのなら……こんな状況には、なっていなくて……

 

 ドチュッ!!

 

「お゛っ、う゛ぅぅぅっ!?」

 

 私の柄が私のお尻の穴へと、無慈悲に根元までぶち込まれた。

 いきっ、なりっ……深っ、あ゛ぁっ……!?

 

 ぷしゅっ、ぷしゃぁぁぁっ!!

 

 挙句の果てには、お尻に挿入された柄とアソコに挿入された柄にお腹の中を挟まれて、それだけではしたなく絶頂してしまう始末。

 

「あらあら、オルレアハートはアナル責めも大好きと……これは本当に、変態ヒロインですわねぇ」

「ぢ、が……こん、なのっ……す、き……じゃ……っ……ぅっ、う゛ぅぅぅっ!?」

 

 この程度の口答えすら、少しお尻の柄を引き抜かれるだけで中断させられる始末。

 

「ふふっ、まぁ良いですわ……なんせ、ここからが本番でしてよ!」

 

 二ヴルはこの上なく楽しそうな顔で……二本の柄を、激しく動かし始めた。

 

 ズチュズチュッ!! グチュグチュッ!!

 

「う゛っ、あ゛ぅぅぅっ!? あ゛ぁぁぁっ!? はっ、あぁぁぁっ!?」

 

 途端……私の視界は、真っ白に染まった。

 アソコの中を責められるだけでもヤバかったのに、それを後押しするかのようなお尻への陵辱。

 

「う゛ぅぅぅっ!? ぁひっ、い゛ぃぃぃっ!?」

 

 触手みたいな乱雑な責めじゃない。

 お尻の方もアソコみたいに……丁寧でっ、暴力的でっ、押し流されそうなっ、快楽っ、がぁっ……!?

 

「う゛ひっ!? ぃっ、あ゛っ、う゛ぅぅぅっ!? あ゛ぁっ、はぁぁぁっ!?」

 

 痛いのも苦しいのも、全部快楽に叩き潰されている。

 

「お゛ぉぉぉっ!? ほっ、お゛っ、ぐひぃぃぃっ!?」

 

 何とかっ、何とかしないとっ……このままじゃ私っ、ホントにっ、負けっ、ちゃっ……!?

 

「い゛ぃぃぃっ!? ひっ、い゛ぃぃぃっ!?」

「あらあらっ! まだ開始数分も経っていませんわよ! さっ、頑張れっ、負けるなっ、ですわ♪」

「ふざっ、けっ、ひぃぃぃっ!? ぃあ゛っ、がっ、い゛ぃぃぃっ!?」

「ふふっ、巫山戯てなどおりませんわ。おマンコでもアナルでも、乳首ですらイってしまう全身性感帯のクソ雑魚ヒロインのオルレアハートには……この程度、むしろご褒美でしょう?」

「ふぐっ、う゛ぅぅぅっ!? そんなっ、ことっ、なっ、あ゛ぁぁぁっ!? お゛ぉっ、お゛っ、ひぅぅぅっ!?」

 

 あまりに侮辱的な発言を受けているのに、わずかに返す言葉すら吐けない。

 気持ちいいを通り越した、辛さすら感じる快楽の暴力を前に……私は、僅かに耐える事すら許されなかった。

 

「ひぁっ、いっ、ぎぃぃぃっ!? イクっ、もっ、イクっ、からぁっ!! やめっ、もっ、お゛ぉぉぉっ!? やらっ、イグっ、イっちゃうっ、からぁぁぁっ!!」

 

 そして私は、快楽に流されるがまま……

 

「イグっ、イグぅぅぅぅぅぅっ!? っ、ひぃぃぃっ!?」

 

 ガクガクッ!! ぷしゃぁぁぁっ!!

 

 ……潮を撒き散らしながら、無様に何度目かの絶頂をしてしまう。

 しかし……

 

 グチュグチュッ!! ドチュドチュッ!!

 

「んぎっ、い゛ぃぃぃっ!? イったっ、イったっ、からぁぁぁっ!? なんでっ、まだっ、あ゛ぁぁぁっ!?」

 

 私を気持ち良くする為の抽挿は、一向に終わらない。

 二本の柄が、私のアソコとお尻を抉り続け、絶え間ない快楽を流し込み続けてくる。

 

「ふふっ、面白い事を。何もイクのは一度だけとは言っておりませんわよ。ほらっ、早く次の絶頂を見せてくださいませ!」

 

 私をいたぶりながらそう言う二ヴルは……とても楽しそうに、笑っていた。

 

「むりっ、こんなのむりぃぃぃっ!? やぁぁぁっ!? イクっ、イクぅぅぅっ!? ぁっ、あ゛ぁぁぁっ!?」

 

 ガクガクッ!!

 

「はいっ、二連続! 上手にイけましたわね! では次っ、行ってみましょう!」

 

 ズチュズチュッ!! グチュグチュッ!!

 

「んぎぃぃぃっ!? 止めっ、止めっ、てぇぇぇっ!? だめっ、壊れっ、あ゛ぁぁぁっ!? イグっ、こんなのっ、すぐっ、う゛ぅぅぅっ!? またっ、またイグぅぅぅっ!?」

 

 ガクガクッ!! ぷしゃぁぁぁっ!!

 

 少し抽挿されただけで、あっという間に絶頂と絶頂を繰り返してしまう。

 まるで自分の身体が自分のモノじゃなくなった感覚。

 とめどない気持ちよさに押し潰されて、今にも頭がおかしくなりそうだ。

 だけど……気持ちいいのは、止まってくれない。

 

「何を仰いますの? まだまだこんな元気に潮を撒き散らしてるではありませんか! この調子なら、あと百回くらいは余裕ですわよね!」

 

 何っ、言って……百回って、そんなの、冗談っ、キツいっ、て……っ!

 イったばっかりのっ、常に敏感過ぎるこの身体でっ……そんなのっ、無理に決まって……っ!?

 

「むりっ、そんなのむりっ! 止めてっ、止めっ、んぎぃぃぃっ!? イグっ、またイグっ、まらイグぅぅぅっ!? ひぁっ、あ゛ぁぁぁっ!!」

 

 ガクガクッ!!

 

「ほ〜らっ、数秒に一回イけば百回なんてすぐですわよ! ほらっ、ほらっ♪」

 

 ドチュドチュッ!! グリュッ!!

 

「い゛っ、い゛ぃぃぃっ!? い゛ぎっ、ひっ、ぎぃぃぃっ!?」

 

 乱雑に見える抽挿も、常に的確に私を絶頂へと叩きつけるポイントを抉ってくる。

 無理……こんなの無理すぎる。

 一回の絶頂から降りてくる前に次の絶頂を叩きつけられて、ずっと絶頂しっぱなしなのだ。

 抗う手段を探そうにも、脳内は快楽に染まってロクな思考もできやしない。

 

「許してっ、もっ、許しっ、んぎっ、い゛ぁぁぁっ!? イグっ、イグぅぅぅっ!! ぁひっ、い゛ぃぃぃっ!?」

 

 ガクガクッ!!

 

「ねぇ、今度はどっちでイキましたの? おマンコ? アナル? ふふっ、両方でも構いませんわよ!」

 

 グチュグチュッ!! グリュッ、グリュッ!!

 

「ぉ゛ぐぅぅぅっ!? お゛ぶっ、むりっ、もっ、ぐっ、ひぃぃぃっ!? ぃあっ、はっ、あぁぁぁっ!?」

 

 こんな全身が快楽に蝕まれているこの状況で、今どっちでイったかなんて分かるはずがない。

 もう目の前の敵を蹴飛ばす力も、無理矢理拘束を捩じ切る気力すら残っていない。

 

「イグっ、イグからっ、またイグからぁぁぁっ!? やめっ、ゃっ、んぁ゛っ、ひぃぃぃっ!? ぃあ゛っ!? やっ、もっ、許しっ、う゛ぅぅぅっ!?」

 

 今の私は、壊されそうな、死んじゃいそうな、破滅的な快楽。それを叩きつけられて喘ぎ、イキ狂うだけの玩具。

 

「あ゛ぅぅぅっ!? イグっ、イったっ、イったっ、のにぃぃぃっ!? イグっ、イグぅぅぅっ!! ぁぎっ、い゛ぃぃぃっ!?」

「え〜っと、これで……何度目でしたっけ? まぁ良いですわ! もう一度最初からやり直しますわよ!」

 

 ズチュズチュズチュズチュッ!!

 

「あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!? なんでっ、止めっ、お゛っ、ぐぅぅぅっ!? そ、こっ、お゛ぉぉぉっ!?」

 

 水音の隙間から聞こえてきた一言は、私の絶望を更に深く抉ってくる。

 だけど……抽挿は、止まらない。

 

「ひぃぃぃっ!? い゛ぃぃぃっ!? イグっ、イグぅぅぅぅぅぅっ!? あ゛ぁぁぁっ!! イグぅぅぅっ!!」

 

 ガクガクッ!! ぷしゃぁぁぁっ!!

 

 ……多分このままずっと、身動きの取れない状況下で、ただひたすら、二ヴルが満足するまで延々とイかされ続けるんだ。

 

「ひう゛ぅぅぅっ!? ぅぎっ、い゛ぃぃぃっ!? むりっ、むりなのにぃぃぃっ!? イグっ、イグイグイグっ、まらっ、イグぅぅぅぅぅぅっ!?」

 

 私が変身し続ける限り、私がオルレアハートとして抗い続ける限り……この陵辱は、終わらない。

 

 ズチュズチュッ!! グチュグチュッ!!

 

「お゛ぉぉぉっ!? ぉほっ、お゛っ、ぐぅぅぅっ!? んぎっ、い゛ぃぃぃっ!?」

 

 ……あぁ、そうか、そうだったんだ。

 

「ひぎぃぃぃっ!? イグぅぅぅっ!? またイグぅぅぅぅぅぅっ!! イ゛っ、グぅぅぅっ!?」

 

 ……こんな気持ちいいの……女の子が……私、が……

 

「イグぅぅぅぅぅぅっ!? イグっ、イグぅぅぅぅぅぅっ!! あ゛ぁぁぁっ!?  ふぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 ……勝てるはず……なかったんだ。

 

 ガクンガクンッ!! ぷしゃぁぁぁっ!!

 

 絶頂と同時に心に刻み込まれる、快楽による敗北。

 そして、遂に〝私はコイツに勝てない〟と悟ってしまった。

 その瞬間……私の背中の羽根が、弱々しい光に包まれる。

 

「っ、あ゛っ……は、ぁ゛……はぁ……っ……ぁがっ……」

「……あら?」

 

 興味深いモノを見た、とばかりに二ヴルの責めが止められる。

 私の羽根はそのまま、先端から光の粒子となって、徐々に消えていってしまう。

 

「や……だ……ゃ、な、んで……い、や……消え、ない、で……っ……!」

 

 ダメっ、これ、だけは、消えちゃっ、ダメっ……これはっ、奏とっ、私、の……想いのっ、証っ、だか、ら……!

 けど、今の私の、この程度の祈りすら、どこにも届く事はなくて……

 

「あらあら……覚醒、終わっちゃいましたわね」

 

 ……私の背中の双方に生えていた羽根は、完全に光の粒子となって消えてしまうのだった。

 役目を終えた奏のペンダントが、私の足元にポトッと落ちる音が聞こえる。

 その音が、私の完全に折れてしまった心と重なって……〝もう、抗えない〟という事実を、否が応でも知らしめてくるようだった。

 

「さて……こんな状況では、オルレアハートは終わり、と言っても問題ありませんわね」

 

 絶望に打ちひしがれる私の目の前で、二ヴルは私の柄から手を離し……直後、自分の手元に氷のレイピアを生成した。

 

「しかし、ここまで楽しませてくれたのも事実……ですので、オルレアハート。せめてもの慈悲です。苦しまないよう、一思いに殺して差し上げますわ。貴女もこの先永遠に触手の苗床にされるよりも、その方が良いでしょう?」

 

 そして私の胸元に狙いを定め……二ヴルはゆっくりと、そのレイピアを構える。

 

「ぁ……あ゛っ……い、や……ぁ……っ……やだっ、や……だ……っ……」

 

 ……今度こそ、本当に殺される。

 逃げたいのに、逃げる術はどこにも無い。

 口から垂れ流されるのは、情けないヨダレと弱々しい泣き言だけ。

 

「さようなら、オルレアハート」

 

 せめてギュッと目を閉じて、痛みに堪えようと決まりきらない覚悟を決めようとした。

 ……その時だった。

 

「ブラスト・スティンガーッ!!」

 

 怒鳴るように聞こえたのは、聴き馴染んだ親友の声。

 続けて、つんざくような銃撃音が二発。

 

「ぅ……あ゛っ……この、声、まさ、か……?」

 

 奏のペンダントは確かに私が使っている、つまり奏は変身できないはず。

 けど、奏の声を私が聞き間違えるはずが無い。

 何が起きたのか分からないまま惚けていた、次の瞬間……

 

「ぅあっ!?」

 

 突然私は拘束から解き放たれ、そのまま勢いよく地面に向かって落とされ、お尻を突き出した体勢で地面に倒れ込んでしまった。

 あまりにも酷い体勢だけど……私のお尻とアソコに挿入されたままの柄が地面に激突して更に奥までぶち込まれなかったのは、不幸中の幸いだろうか。

 

「……あら?」

 

 同時に微かに開いた目から、ニヴルが大きくバックステップで私から離れたのが見えた。

 自分の手首を見ると、接続部が破壊された氷の手枷が着いたまま。

 じゃあさっきの衝撃は、これと脚の拘束が破壊された時の……?

 でも私の全力を使っても外せなかったこれを、どうやって……?

 

「なに……が……」

 

 事態も飲み込めず、倒れたまま動けない私に、背後から一人近づいてくる。

 緑のロングヘアーに、赤と白の、チアガールみたいな衣装。

 それに両手にそれぞれ持っている、大型のトンファーみたいな長い銃。

 左手首に着いている、見慣れないシルバーのリングの存在を除けば……間違いない、変身した奏の姿だ。

 

「雅っ、大丈夫っ!?」

「ぁ、ぐっ……だ、いっ、じょう、ぶっ……あり、がと……」

「良しっ! じゃ、もうちょっとだけ待ってて!」

 

 奏は私に笑いかけた後、再びニヴルに対して構え直した。

 私にとっても、多分アイツにとっても予想外の乱入者のはず。

 

「……見逃してあげたのに、わざわざ死にに来ましたの?」

 

 しかしニヴルは一切表情を歪めることなく、冷めた口調で言い放ってきた。

 

「はっ、アンタらっていっつもそうね! エっラそうにしてくれてっ!」

 

 そんなニヴルに、奏は両手二門の銃口を向ける。

 

「もうこれ以上っ、雅に手は出させないから!」

「……貴女にとって、そんなに大事な人なの?」

「んなのっ、当たり前でしょうが!!」

「……ふ〜ん。そう」

 

 間髪入れずに大事な人ってのを肯定してくれたのは嬉しい、けど……いくらなんでも、無謀すぎる。

 

「……っ、かな、で……ダ、メ……そい、つ、は……っ……」

「大丈夫大丈夫っ! 信じて待ってなさいよ!」

 

 奏は変わらず、私に笑顔を向けてくれる。

 だけどそれは、いつもより少しぎこちない笑顔で……明らかに痩せ我慢だってことくらい、私にも分かる。

 生身の状態でアイツの力の片鱗を体験したんだ、そりゃ怖くないはずがない。

 なのに私の為に、わざわざ来てくれた。

 せめて立ち上がって、援護くらいはしてあげたいのに……クソっ、なんで、なんでこんな大事な時にっ……腕もっ、脚も……全部動かないのよ……っ!!

 

「奏くん、変身システムの調子はどうかね?」

「バッチリっ! 全然問題なしっ!」

 

 そんな自分の情けなさと悔しさに震えていると……背後から、もう一人の聞きなれた声が聞こえてきた。

 

「やぁ、すっかりズタボロだねぇ、雅くん」

「……アル、ク……なん、で……ここ、に……?」

「いやなに、奏くんが君を助けたいって泣いて頼んできてな、仕方なくというヤツだ」

「そこ! 適当なこと言ってんじゃないわよ!」

 

 私の近くにしゃがみ込んで、落ちていた奏のペンダントを拾うアルク。

 そんな彼女と繰り広げられる、未だ二ヴルと睨み合ったままの奏の、売り言葉に買い言葉な応酬。

 いつもと変わらない2人の態度に、こんな状況下にも関わらず少しだけ安心感を覚える。

 

「にしても随分とヤられたようだな……まぁ無理もないか」

 

 アルクはそう言うと、私に挿入されたままの柄に手を掛け、一気に引っこ抜いた。

 

 ズリュッ!!

 

「んぎぃっ!?」

「そのままにしておく訳にもいかんだろう。少しくらい我慢したまえ」

「そんなっ、う゛ぅっ!?」

 

 お尻、アソコと順に引き抜かれ、勝手に変な声を上げてしまう。

 ……こんなヤツに、一瞬でも安心感を覚えた私がバカだった。

 

「……で、二ヴル。そろそろ私達を逃がしてくれると嬉しいんだが」

 

 アルクは私から引っこ抜いた柄を床に捨てると、スっと立ち上がって二ヴルの方を向く。

 二ヴルだって、いつでも攻撃を仕掛けられたはず……なのに、未だに奏とアルク、私にも手を出さないまま、腕を組んでアルクの方へと顔を動かした。

 

「……その前に、一つ聞いておきたい事がありますわ」

「……なにかね?」

 

 私に向けられていた楽しそうな声と、奏に向けられるとても冷たい声。

 その中間の、言ってしまえば世間話でもするみたいなトーンで、二ヴルは言葉を続けた。

 

「貴女、オルレアハートの覚醒には、もう一人の……アイリスリーベのペンダントが必要と、そう報告してきましたわよね?」

「あぁ、確かに」

「では、私の目の前にいるこれは……一体どういう事ですの? まさか……」

「まさか、君に対して嘘はつかんよ。現にアイリスリーベのペンダントは、今もオルレアハートの元にある。まぁ、すぐに視覚で証明する事はできんがね」

「なら、どういう事ですの?」

「簡単さ、別系統のシステムを使っただけさ」

 

 アルクの放ったその一言に、ニヴルの眉がピクっと動く。

 

「……旧式……なるほど、通りでこんなその他でも、私の拘束を破壊できたと……よくこんな骨董品、まだ保存していたモノですわね」

「……いざという時の為の保険だよ。バックアップはあるに越したことないからな」

 

 ……相変わらず、この二人だけの会話になると、聞いていても内容がよく分からない。

 けど、じゃあ奏が今変身できているのは、その旧式の何かのお陰って事?

 そういえば奏の着けていた、見慣れないシルバーのリング。

 もしかしてあれが、二人の話している旧式だか何だかの……

 疲労とダメージで止まりかかっている思考を、必死に動かして理解しようとしていた、その時……

 

「……あぁっ、もうっ!!」

 

 突然、苛立ちを隠せていない奏の怒号と共に、爆音の銃声が鳴り響いた。

 

「……黙って聞いてりゃ、さっきから人をアレだのコレだのその他だの! 好き勝手言うのも大概にしろっての!!」

「……あら、まだいましたの?」

「ほんっとムカつくわねアンタ……! アルクもっ、一々教える必要ないでしょうが!!」

「この程度、隠したってすぐに知られるさ」

「だからってねぇ……あぁもうっ、とにかくっ!!」

 

 そのまま奏は、私を守るように二ヴルに向かって立ちはだかり、両手の銃を再度握り直した。

 

「アルクっ! 予定通り雅を連れて帰って! コイツは私が何とかするからっ!!」

「……本当にやる気かい?」

「当然よ!」

「……そうか」

 

 ボソッと呟くアルクの声に、何か嫌なモノを感じる。

 その瞬間……

 

「よっと……ふむ、やはり軽いな」

 

 急に私の身体が、アルクによって担ぎあげられたのだ。

 

「ア、ルク……な、に……し、て……っ……!?」

「決まってるだろ、逃げるんだよ」

「なん、で……だ、って……まだ、かな、で……が……っ……」

「少なくとも、今の君はいてもタダの足手まといだ。いない方がマシなのさ」

 

 戸惑いを隠せない私に対して、アルクは淡々と言葉を突きつけてくる。

 言ってる事は分かってる、けど……あんなヤツ相手に一人で戦うなんてっ、そんなの無謀すぎる……!

 奏を一人残して逃げるなんてっ、そんなの許されるはずが無いでしょうがっ!!

 

「だ、め……おろ、し、て……っ……!」

「っと、暴れるな。そろそろ少しくらい、聞き分けってモノを覚えてくれよ」

 

 アルクの手を振りほどこうと暴れても、今の私が出せる力は、たかが知れてる程度。

 どれだけジタバタ動いても……一向に離してくれる気配は無い。

 

「はぁ……仕方ない」

 

 最終手段、腕の盾の先端を少し突き刺して、無理矢理にでも離させてやろうと思った……その瞬間だった。

 

 プスッ……!

 

「ぁぐ……っ!?」

 

 突然、首筋に鋭い痛みが走る。

 ……一拍遅れて、思考と視界が急激にボヤけてくる。

 

「ぅ、あ……っ……な、ん……で……なに、を……」

「悪く思うなよ……貴重なサンプルをこんな所で死なせる訳にはいかんのさ。それにチャンスは、見逃してくれる雰囲気の今だけだ」

 

 アルクの言葉も、もうぼんやりとしか聞こえない。

 それに、瞼が重くて耐えられない。

 

「だ……め…………か、な…………で…………」

 

 逃げて。

 わずか三文字すら、聞こえる声で話せない。

 届かない腕を懸命に伸ばしても、それはただの願いでしかなく。

 直後、私の意識は、深い闇の中へと沈んでいくのだった……

 

……

……

 

「……下手を打つなよ、奏くん」

「……任しときなさい!」

 

 意識を失った雅を抱えたアルクの姿が一瞬のうちに消え……この空間に残っているのは、十メートル程の空間を挟んで対峙している、奏と二ヴルの二人だけとなっていた。

 

「……さて、まずは雅達を素直に逃がしてくれた事、お礼するべき?」

「……例には及びませんことよ。アルクなら、もっとオルレアハートを楽しい玩具に仕立て上げてくれることでしょうから」

「そっか……ホント、一々癪に障るわね、アンタってばさぁっ!」

 

 その怒鳴り声と共に、奏は右手の銃を二ヴルに向けて撃ち込んだ。

 二ヴルも咄嗟に、正面に氷の壁を作りだして盾とした……が。

 

 パリンッ!!

 

「……あら」

 

 奏の弾が氷の壁に着弾した瞬間、一瞬で壁は甲高い音と共に弾け飛ぶ。

 

「はっ、意外と柔らかいじゃないのっ!!」

 

 自分の攻撃は十分に通る威力を持っている。

 そう確信した奏は、ほくそ笑みながらも、更に縦横無尽に動き回る。

 無論、無駄に動き回っている訳では無い。

 二ヴルの能力を一度体感したからこそ、〝一点に留まるのは危険〟と判断し、奏は常に動き続ける選択を取っているのだ。

 

「そらっ、どうしたのよお嬢様っ! 怖くて何もできないの!? それともっ、痛いのが好きなマゾなのかしら!」

 

 横に走りながら二、続けて三発。

 後ろに飛び退きながら三発。

 近くの壁を蹴り、斜めに上昇しながら二発。

  更には飛び上がった際の銃撃の反動を使い、奏は空中で回りながら乱射し弾をばら撒く。

 相変わらず氷の壁を何度も展開するだけで動かない二ヴルに対し、奏は引き金を引き続ける。

 

「そんなに撃たれるのが好きならっ、存分に味あわせてあげるわよっ!!」

 

 この体育館半分程のスペースに解き放たれた何十発もの弾丸は、外して撃った弾が跳弾し、さながら一昔前のブロック崩しのような光景を生み出していた。

 コンクリートを蹴る打撃音と銃声、それと氷の壁が砕ける破裂音が空間を支配する。

 しかしその弾の嵐の最中にいる二ヴルは、全方位に氷の壁を連続で展開したまま、微動だにしていない。

 しかも相変わらず、冷めて見下しているような表情のまま。

 その姿は、奏の苛立ちを更に煽る。

 

「そんな余裕ならっ、コイツはどうよっ!!」

 

 奏は一度大きくバックステップをして距離をとった。

 そして両手の銃を縦に連結し、狙撃モードへと変形させる。

 

「そのど頭っ、ぶち抜いてやるっ!!」

 

 自身の力を、銃へと送り込む奏。

 そのまま彼女は、連結させた銃に両手を添え、二ヴルの頭部に狙いを定めた。

 そして……

 

「くらえっ!! ブラスト・スティンガーッ!!」

 

 右手の引き金を引いた瞬間、爆音の銃声と共に弾が発射された。

 奏が放ったのは、雅の拘束を解いた時と同じ技。

 彼女は、あの拘束具を破壊できるならば、ニヴルの守りも突破できるはずと踏んでいたのだ。

 そのまま、銃弾は何にも阻まれること無く着弾。

 大量のガラスが割れたような音と共に、大きく土煙を発生させた。

 

「やった……!? っ、いやっ、まだっ!!」

 

 しかし、命中したにも関わらず、悲鳴やそれに似た叫び声は微かにも聞こえない。

 咄嗟に銃の連結を解き、目の前に構えてガードの体勢をとった。

 その瞬間……

 

「っ、ぐぅぅぅっ!?」

 

 突然、ガードの中央部に強烈な衝撃が走る。

 奏は地面に踏ん張り、衝撃を堪える。

 

「……一つ、教えて差し上げますわ」

 

 衝撃の正体は……レイピアを構えて突撃してきたニヴルの刺突。

 

「貴女の纏う旧式の変身システム。現行のシステムよりも火力が高いにも関わらず、何故旧式と呼ばれるのかお分かりかしら?」

「はっ、知らないわよそんなのっ!!」

 

 奏は両手を全力で振り抜き、ニヴルを強引に引き剥がし、自身もそのまま後退する。

 対して、引き剥がされたニヴルは着地するやいなや、奏に対して手をかざした。

 

「ならば教えて差し上げますわ。それが旧式と化した理由、それは……」

 

 そしてニヴルがかざした手をグッと握った、その瞬間……

 

「ぅあっ!?」

 

 奏の背後の、首をスッパリ切れる位置に氷の回転刃が生成されたのだ。

 

「まっ、ずっ……!?」

 

 後退中だった彼女は、咄嗟に身を捩ってそれを回避しようとする。

 しかし慣性の乗った状態では完全に避け切ることはできず……

 

「ぁぐっ!?」

 

 結果、右肩が僅かに回転刃へと触れてしまう。

 ……普段ならともかく、今は変身している状態。

 この程度のかすり傷、戦闘に支障はない……と奏は考えていた。

 だが……

 

「あ゛っ、ぐぅぅぅっ!? あ゛がっ、あ゛っ、がぁぁぁっ!?」

 

 その瞬間、奏の右肩には激痛が走った。

 突然の痛みに立っている事すらままならず、思わずその場に膝をついてしまう奏。

 

「う゛っ、ぐぅぅぅっ……!? な、なんっ、でっ……!?」

 

 咄嗟に傷口に左手を当てると……そこから伝わるのは、生ぬるい粘液の感触。

 左手を見ると……そこには、真っ赤な粘液がべっとりと付着していた。

 

「これでお分かりでしょう? 何故旧式と呼ばれているのか……それは、その防御力の低さ故、ですわ。現行のモノは身体全体を置き換えるのに対し、旧式で転送されるのは装備だけ、後は身体能力の強化にリソースを使われていますのよ」

 

 ニヴルはスっと手元のレイピアを消滅させる。

 浮かべているのはまるで、〝既に勝敗は決した〟とでも言いたげな、バカにしているような笑み。

 

「それを折角あの子が改良してくれたというのに……わざわざ旧式を持ち出すなんて、バカの考える事は分かりませんわ」

「ぁ゛ぐっ、っ、そっ、んなっ、の……知るっ、かっ、てのぉっ……! わた、しっ、はぁっ……守れ、ればっ……それっ、でぇっ……!!」

 

 しかし、なおも銃を支えに奏は立ち上がる。

 その様子に、流石のニヴルも少し驚いたような表情を見せた。

 

「……あら、普通の娘ならあれだけバッサリいかれたらすぐギブしてしまうモノなのですが」

「舐めんっ、じゃっ……ないっ、わよっ……! こっちはっ……まだっ、終わってないっ、てのっ……!!」

「……ふふっ、はいはい、分かりましたわよ」

 

 少しも諦めていない顔の奏に……ニヴルは初めて軽い笑みを浮かべる。

 

「……さて、そういえばアイリスリーベ。貴女にとってオルレアハートは大切な人、で、その逆も然り、でしたわよね?」

「そう、だって……何度っ、言えばっ……いいっ、のよっ……!!」

「いえいえ、何度も失礼致しましたわ」

 

 そしてニヴルの軽い笑みは……ゆっくりと、深いモノへと変貌していく。

 

「なんせ……良い案を思いついたものですので、ね♪」

 

--To be Continued--




ギリギリの所で親友の奏に助けられ、何とか窮地を脱することができたオルレアハートこと春永雅。
そして、旧式の変身ヒロインの欠点により致命的なダメージを受けてしまったアイリスリーベこと江崎奏。
この後、雅は無事復帰できるのか、奏は無事に帰還することができるのか。
そして、ニヴルの言う〝良い案〟とは、一体何を企んでの発言なのか……

次話も引き続き、楽しんで頂ければ幸いです。
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