神姫清廉オルレアハート!-乱行恥虐のスペクトラム- 作:ホリス_if
学園に現れた触手を何とか撃退することに成功した、オルレアハートこと春永雅。
しかし力を使い切った彼女は倒れてしまい……目が覚めると、既に三日が経過していた。
その間に街へと侵攻を開始していたハウンズと、それに単身抗い続けるアイリスリーベこと江崎奏。
雅は奏を助けるために、再びオルレアハートへと変身し戦場へと向かうが……そこにハウンズの首領、ニヴルも姿を表し……
今話もどうぞ、お楽しみください。
「……んっ……ん……」
見覚えのない白い天井。
耳に入る静かな環境音。
そんな日常とは程遠い空間で……私は、目を覚ました。
「……いっ……つつっ……」
鉛のように重たい頭と身体を、白い枕からゆっくりと起こして周囲を見渡す。
……私の部屋とは程遠い、清潔感溢れる、白を基調とした落ち着いた部屋だ。
カーテン越しに光を入れてくれる左側の窓の手前には、デジタル時計とテレビの付いた茶色い棚。
よく見ると、普段私が登校する際に使っているカバンと竹刀袋が立て掛けてある。
右側には扉と、私の右腕まで伸びている点滴の吊り下がった銀色の棒。
寝ていたベッドの両端には白い手すり。
そして、そこを囲うように天井に走っているカーテンレール。
ここは……病院?
でも私、確か学園で戦ってて、気を失って、それで……
「や、お目覚めかな?」
そんな私の思考を遮るように、扉の奥からノックと共に、聞き慣れたうざったらしい声が聞こえてきた。
「……えぇ、お陰様でね」
「そうかいそうかい、それは良かった」
そして私の〝どうぞ〟の声を待つことなく、声の主……アルクは扉を開けて部屋の中へと足を踏み入れてきた。
そのまま彼女は、ベッド脇に置いてあった丸椅子に脚を組み、堂々と腰をかける。
「……で、何の用?」
「……おや、会って早々にご挨拶だな。倒れていた君をここまで運んでやったのは誰だと思ってるんだい」
「……そうだったの?」
「ま、私じゃないんだがな」
……ほんっと……コイツはいつもいつも……!
しれっと言い放つアルクの顔に、思わずイラッとしてしまう。
しかし、アルクはそんな拳を握りしめた私を見て笑みを浮かべていた。
「ふ、三日も寝た割には随分と元気じゃないか」
「そりゃ……って!?」
サラッと聞こえた一言に、咄嗟に時計へと視線が向いた。
……確かに時刻の下に小さく書かれた日付は……あの日から、三日経過したモノだった。
「三日ってっ、私、三日も寝てたの!?」
「あぁ、そりゃもうぐっすりと。点滴変える時にも一切起きる仕草がなくて、流石の私も少し心配になったさ」
そんな長い間を、私は……
じゃあ、学園は、他の場所は……奏は……!?
「それに、運ばれてきた時には顔面鼻血まみれだったらしいじゃないか。」
突然突きつけられた事実を前に、頭の中で思考がグチャグチャにこんがらがってしまう。
「まさか一度生身で犯されてからもう一度、しかも今度は覚醒を使って変身するとは……なんというか命知らずというか、向こう見ずと言うか、バカというか……あの陵辱は変身しているからギリギリ耐えられているということを、もう少し理解して欲しいところなのだが……」
……申し訳ないけど、アルクの言葉に反応できるほどの余裕は、今の私にはなかった。
なんせ、この状況下での三日間は、私にとってあまりに大きすぎる。
ただでさえアイツら、この数日の間に、いきなり大量破壊兵器みたいなのを持ち出してきているんだ。
もし私が何日も休んじゃったりしたら、その間にどんな事が起きるかなんて……とてもじゃないけど、怖くて想像なんてできない。
「……ま、それはいいとして、だ」
そんな私の混乱した姿を前に、アルクはひとつ、大きくため息をついた。
そしてゆっくりと立ち上がると、彼女はカーテンに手を掛ける。
そして……
「君が寝ている間に……街の中は、こんな風になっている」
勢いよく開かれたカーテン。
その窓の奥には……
『っだぁぁぁっ!!』
一人の少女が銃を両手に大量の戦闘員達と戦っている姿が……少しボヤけながらも、肉眼で確認出来るほどの距離で戦っている景色が広がっていた。
それに、その戦っている少女の姿は……赤と白が基調の衣装に、明るい緑色のロングヘア。
「あれ、は……」
間違いない、あそこで戦っているのは……奏だ!
「あれから奏君には洗脳器官を取り除く施術を施した。それが上手くいったもんで、ご覧の通り、早速戦線に戻ってもらってる」
「うん……ありがと、一応礼は言っとく」
私のお礼に、何故か苦笑いを浮かべ……アルクは、再び口を開いた。
「さ、これからどうする? 雅君……いや、オルレアハート」
その目は……まるで私の回答を見透かしているみたいな、とても嫌な目。
「言うまでもなく、我々ハウンズの最終目標は君の敗北陵辱だ。だからこそ、今現在もこの病院は無傷のまま、この街の人々の最後の砦となっている。もっとも、奏君が戦っているからというのも要因の一つではあるがね」
ムカつく……ムカつくけど、コイツの言う事は確かだ。
それに、この状況を打開できるのだって、どうせもう私しかいないとか言い出すんだろう。
「君がこのまま留まれば、少なくとも数日は病院は無事だろう。だが、この街のそれ以外は目も当てられない事態になるだろうね……無論、今も戦っている奏君含めて、だ」
……だから。
「……そんなの、決まってるでしょ」
「と、いうと?」
ジッと私に向けられる、煽るような視線。
それを真横から浴びながら……私は、無理やり点滴の針を引っこ抜いた。
「……行くよ、私は」
「……ふふっ、それでこそだ」
上半身を起こし、ベッドから降りる。
足元に並べられているスリッパを蹴飛ばし、裸足のままで窓の方へと向かう。
「っと、忘れ物だ、ほら」
そんな私に、アルクは二つのペンダントを放り投げてくる。
それらを両手で丁寧に受け止め、一つをポケットにしまい、もう一つを右手でグッと握り締めた。
「おや、確認しなくていいのかい?」
「生憎、何回使ってると思ってんのよ。どっちが自分のかなんて分からない訳無いでしょうが」
「ふっ、それもそうか」
軽く笑ったアルクの横を、ペンダントを握りながら歩いて過ぎる。
全部コイツの思う通りに動いてると思うと何だかシャク、だけど……
「……さ、やってやろうじゃないのっ!」
いつも、どんな戦いだって乗り越えてきた。
だから今回だって……絶対っ、大丈夫!
そう決意を新たに、自分のペンダントを正面に掲げる。
頭に想い描くは力に満ちた、青と白の可憐な衣装。
クリアグリーンの刃と共に、ベージュのポニーテールを靡かせながら高速で戦場を舞い踊る、あの姿。
そして鮮明に浮かべたその姿を、自身に憑依させるイメージをっ、一気に解き放つ!!
「行くよっ!!」
気合いを込め、ペンダントをグッと握った瞬間、私の全身を眩い光が包み込む。
そして一秒にも満たない瞬間に光は弾け飛び……私は、オルレアハートへと変身を遂げた。
「……よしっ!」
身体の感触を確かめるように、グローブ越しに手をグッと握る。
……大丈夫、特に違和感は無い。
これなら十分戦える……後は、急いで奏の元に向かうだけ!
「……よい、しょっと」
窓際へと向かい、鍵を開けてから窓を開ける。
そのまま身を乗り出し、窓枠に足をかけた。
そして……
「じゃ、行ってくる!」
「あぁ、行ってらっしゃい」
軽くアルクへと挨拶して……そこから一気に、窓枠を蹴っ飛ばす。
直後に後方から聞こえたバキバキッ!って音に申し訳なさを感じながらも、同時にスラスターも全開。
そのまま私は、奏の元へと飛び立つのだった……
……
……
「もうっ、少し……っ!」
飛び立った時点で、既に奏の姿は肉眼で確認できていた。
なのに、この距離がとてつもなく長く感じる。
しかも、ずっと奏の姿が見えているからなおさら……
少し押し込まれつつも、まだ奏は両手と腰の銃をフルに使って何とか耐えている。
けど、それももう限界みたいで……
ドスッ!
「やばっ、ぅぐっ!?」
遂に弾幕を抜けた一体の戦闘員が奏の懐に潜り込み……彼女のお腹に、拳を叩き込むのが見える。
思わず銃を手放し、身体を曲げた彼女に対して……更に戦闘員達が三体、正面から襲いかかってくる。
あの体勢じゃ、どう足掻いても何発か貰ってしまうのは明白。
そしたら……っ、くっ、間に合えぇぇぇっ!!
「だあぁぁぁっ!!」
落下の勢いのままに、まずは奏の正面のヤツを、背後から真っ二つに叩き斬る。
地面に着地し、一瞬だけ身体を屈ませて衝撃を吸収。
突然の衝撃に驚いたのか、残り二体が私の方を振り返る。
けど……っ!
「っ、らぁっ!!」
大きく引いた刀を、そのまま大振りに一薙ぎ。
その斬撃に対応する術をコイツらが持っているはずもなく……あっという間に、残り二体も真っ二つ、粒子となって消滅していった。
「っとっ、ごめんっ、待たせたっ!!」
「も、もうっ……遅いわよっ、雅っ!!」
残りの敵に気を配りつつも、背後に座り込んでいる奏に対して声をかける。
そして微かに涙声になってる奏の声に軽いウインクで返答、再び残りの敵の方へと構えなおす。
「奏、まだ動ける?」
「へ、へへっ……もちろんよ! 雅の方こそ、身体はもう大丈夫なの?」
「当然! 治ってなきゃ来てないっての!」
「へ〜……ま、雅ならそう言うと思ってた!」
そんな奏も私に笑うと、その場に落とした銃を拾い、私の隣で銃を構えなおした。
……敵の数は、正直数え切れない。
だけど……何故だか……ちっとも怖さは感じない!
「さっ、行くよっ、奏!!」
「うんっ、行こうっ、雅っ!!」
奏の声に背中を押されるように、私は刀を脇に構えながら地面を蹴り飛ばした。
同時にスラスター全開。
敵の集団めがけ、一気に突っ込む。
「はぁっ!!」
私に向かって襲いかかる戦闘員。
その目前で思いっきり地面を踏み抜き、まずは目の前の戦闘員を一思いに薙ぎ払う。
悲鳴もなく粒子となって消えていく戦闘員を、いちいち見ている暇はない。
今の第一優先事項は……さっさとコイツらを全滅させることっ!!
「っ、こっ、のぉっ!!」
突撃の勢いそのまま、反対の脚を前に踏み出し、返す刀でもう一体。
更に地面を蹴り飛ばし、再び脇に構えた刀で、スラスターの勢いと共に突撃し、一閃。
広範囲の敵をまとめて斬り捨てながら、なおも踊るように刀を振るい続ける。
「っ、はっ、やぁぁぁっ!!」
縦、横、斜めと、クリアグリーンの軌跡が何度も何度も宙に描かれ、その度に斬られた戦闘員達が粒子となって消えていく。
ヤバい、こんなこと考えちゃいけないかもしれないけど……ちょっとだけ、気持ち良いかも。
「そらそらっ!! まだまだこんなもんじゃないっての!!」
そんな私の突撃をカバーするように、奏は両腕と両腰、計四丁の銃から弾丸をばら撒いている。
しかも射線が私に被らないよう、左右の外側から集団を挟み込むように撃ち込んでくれる。
そのおかげで私単体で戦うよりも遥かに早く、効率的に戦闘員の数が減っていく。
ここにカウンターが無いのが惜しいくらいだ。
なんにせよ……やっぱり、コイツらも触手と同じ、今の私の敵じゃないっ!!
「でりゃぁぁぁっ!! はっ、あぁぁぁっ!!」
……この人並み外れた身体能力を持つ変身ヒロインの力と、私自身の剣道の経験。
それとスラスターの制御を組み合わせた、まさに変幻自在とも言える斬撃。
これさえあれば、たかが戦闘員如きっ、何体来たって負けるはず……
「雅っ、後ろっ!!」
奏の声に振り向くと……そこには、大きく拳を振りかぶった戦闘員が一体。
「やばっ……!?」
マズいっ、防御っ、間に合わ……っ!?
私の顔に迫る拳に、思わず目を閉じた……けど。
バァンッ!!
「っ!?」
次の瞬間、目の前で大きな爆発音が鳴り響いた。
びっくりして目を開けると……そこには頭に大きな穴を開け、既に消滅を始めている戦闘員の姿。
「雅っ、大丈夫っ!?」
そして後ろには、奏が少し焦った様子で立っていた。
「ごめん奏っ、助かるっ!!」
「良かったっ、じゃっ、目の前に集中っ、ね!!」
「はいはいっ!!」
急に端っこから狙いを変えて、しかも私の後方から至近距離の目標を撃ち抜いてくれるなんて……
……やっぱり、奏がいてくれて良かった。
「ふふっ、どうよ私の力は! この先読みの力を持つ私がいればっ、この程度っ、どんだけいたって楽勝ってもんよ!」
「って言ってる割にっ、さっき負けそうになってたじゃん!」
「うっ、るさい雅っ!! ほら次っ! 後ろからっ、その次右と後ろっ! さっさと斬っちゃいなさいっ!!」
「はいっ、はいっと!!」
軽口を叩き合いながらも、一体、また一体と戦闘員の数を減らしていく。
さっきは少しだけ油断したけど……一度手を見てしまえば、もう二度目は無い。
行けるっ、このままっ、奏と二人なら……っ!!
「……あら、ようやく主役のご登場ですの?」
……背後から聞こえたその一言に、背中が凍りつく。
チラリと横に動かした視界に映るのは……銀髪のドリルツインテに、フリル満点の赤いドレスに黒いハイヒール。
間違いない……前に覚醒しても勝てなくて、そのまま奏を連れ去った……ハウンズの首領……ニヴル……が……!?
いや、それより……なんで後ろ側から……そっちに通したのは一体も……ましてやアイツの姿なんて……影も形も……!
っ、でもっ、来た以上は……やるしかない……っ!!
「っ、くっ、そっ……!」
グローブの中で、ぶわっと手汗が溢れ出す。
バクバクと、うるさいくらいに心臓が鳴り響く。
そんな緊張感に逆らうように、刀の柄を両手でグッと握る。
……大丈夫、前と違って今は奏もいる。
速攻で突っ込んで、奏の援護を受けながら戦えば多少は勝機が……あるかもしれない。
紅刃で牽制するには、一式も二式も手数が足りない。
烈花で広範囲攻撃……は、刀を使い捨てにする時点でそもそも論外。
それ以外の必殺技とかあれば良いけど……無いものねだりをしてる暇はない。
となれば、やっぱり突っ込んでの近接戦で……変な事をされる前に決着をつけるしか……
でも、私の知らない手をまだ持っていたら……?
……頭の中で、何とか勝つための思考をフルに回転させる。
けど、私の中での結論が導き出される前に……
「二ヴルっ!!」
奏の荒々しい叫び声とともに、辺り一面に銃声が鳴り響いた。
そして爆炎と共に轟く、盛大な爆発音。
「……あら、物騒なご挨拶ですわね」
……しかし、直後にニヴルから聞こえたのは悲鳴ではなく、冷静な呟きだった。
着弾点と思われる二ヴルの顔面付近には、前回の戦闘で散々見た氷の壁。
爆発の衝撃を軽々と防ぎ、爆煙の中から何事も無かったように現れた彼女のドレスには……塵一つすら、見当たらない。
氷の壁を消滅させ、汚れ一つ無いドレスを手のひらでパンパンと叩く。
そんな彼女目掛け、爆煙の中から……
「っりゃあぁぁぁっ!!」
血相を変えた奏が銃を捨て、代わりに取り出した短刀を握って二ヴルへと切り込んでいた。
「おっと……あら、お久しぶりですわね、アイリスリーベ、と呼んだ方がよろしいかしら!」
そんな突撃に対し、二ヴルは手から氷のレイピアを発現させる。
そのまま何食わぬ涼しい顔で、奏の連撃を受け始めた。
「何が久しぶりよっ!! アンタのせいで私はっ、雅とっ!!」
「そんなに怒らないでくださいまし。私と貴女の仲じゃありませんの」
「友達なんかになった覚えはないわよっ、アンタなんかとっ!!」
「まさか、主人とペットって意味ですわよ!」
「抜かせっ!!」
縦、横、突き。
奏は短刀の利点である取り回しの良さを活かし、着実に攻撃を続けている。
だけど……あと一歩が届いていない。
……それもそうだ。
そもそも奏は本来、遠距離での戦いがメインの戦闘スタイルだったんだ。
それを……未来予知が使えるようになったとはいえ、いきなり近接戦でコイツと戦うのは流石に無茶すぎる。
それに怒りに染まった奏の表情に対し、あまりにも余裕すぎる顔をした二ヴル。
あれだけ冷静さを欠いてたら、勝てるモノも勝てないって。
……って、色々考えてる場合じゃないでしょっ、今はっ!!
このままじゃっ、いずれ……っ!
「っ、奏っ!!」
咄嗟に二人の切り合いに突っ込み、そのまま二人の真ん中へと水平斬りを仕掛けた。
「おっと……あら、随分とやる気ですわね」
「っ、わっ!?」
二ヴルは余裕げに、奏は焦りつつも、私の斬撃を避けるために二人は同時に後ろへと飛び退く。
結果、私の刀は誰を斬ることもなく宙を割いた。
そもそも当たればラッキーくらいの斬撃だし……これでいい。
同時に私も、奏の隣までバックステップ。
そして二ヴルの追撃に備えながら、奏の顔をチラリと見た。
「ちょっ、雅っ、急に来ないでよっ、危ないじゃないっ!!」
……うん、予想通りすっごい怒ってる。
だけど、これで冷静さを少しでも取り戻してくれたら……
大丈夫、冷静に、冷静に……
「まぁまぁ、奏なら避けるって信じてたって」
「だとしてもアレはないでしょっ!? 雅っ、私が避けなきゃ……」
「……いいからっ、落ち着けバカっ!」
「っ!?」
……しまった、つい怒鳴っちゃった。
突然の怒声に目をまん丸にした奏に、少しだけ申し訳なさを感じてしまう。
けど言っちゃった以上……ええいっ!
「よりによってなんでアンタが突っ込んでんのよ!
アンタいっつも銃撃ってたじゃない! なんで変えてんのよ急にっ!!」
「なっ、だっ、からってっ、いきなり斬りにくるのは違うでしょっ!!」
バツが悪そうにしながらも言い返してくる奏に対し、私の言葉は勢いのままに口を走る。
「ンな事言ったらいきなり突っ込むのだって違うでしょうが!! 怒りに任せて突っ込んでったら勝てるモンも勝てないっての!!」
「でもアイツのせいでっ、だからっ、私がやらなきゃいけないのよっ!!」
「うるさいっ!! アイツには二人で行かなきゃ勝てないってっ、分かりなさいよっ!! それとも私っ、そんな頼りない!?」
「っ、それ、はっ、違うっ、けどっ……!!」
「じゃあ少しは頼りなさいよ!! 無茶されて目の前で死なれたら堪んないのよっ、こっちだって!!」
私の、その最後の一言に……奏の顔が少しだけ固まるのが見える。
二ヴルを見て、私を見て……そして、空いている方の手で、奏は自分の頬をパンッと強めに叩く。
「……そ、う、だよね……ごめん!」
「……よしっ!」
そう言うと奏は短剣をしまい、再び銃を装備してもう一歩下がる。
その姿を見届けたところで改めて、二ヴルの方へと最大限の注意を向ける。
最大の隙だったはず。
なのに彼女は……ニヤニヤと笑みを浮かべ、腰に手を当てて立ったまま。
「……ふふっ、痴話喧嘩は終わりました?」
「……えぇ、アンタがいなきゃこんなの、雅とする必要なかったんだけどね」
「あら、その最中に攻撃しなかったのには感謝してくださらないの?」
「……変身ヒロインとは正面から戦いたいからとか、そんなところでしょ、どうせ」
「流石ですわねオルレアハート、大正解ですわ!」
「……っ、相変わらずっ、人の事バカにして……っ!」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいまし。こんな街中では、貴女だって本気で戦えないでしょう?」
ニヴルはそう言うと腰から右腕を離し、ゆっくりと頭上へと上げた。
「っ、何する気よ!」
不意打ちに備え、否が応でも刀に力が入ってしまう。
そんな私達を目の前に……
「こうするのっ、ですわ!」
パチンッ!と響く、指を鳴らす音。
思わず身体が強ばる。
……けど、私達の身体には何も起こらない。
代わりに……正面の戦闘員達と、背後の病院。
それらと私達を切り離すように、高く分厚い氷の壁が、私達とニヴルをぐるっと囲むように作り出されたのだ。
「……っ、な、ぁ……っ!?」
見慣れた私達の街に、音も無く現れた巨大な壁。
瞬間、この場所は……氷で囲まれた、体育館程の広さを持つ決闘場へと姿を変えてしまう。
……だけど、戦うだけならいつもの路地裏みたいな場所に飛んで、そこで戦うって選択肢もあったはずだ。
それなのに、わざわざこの場所を戦場に選ぶなんて……
「……で、こんなの作って、どういうつもり?」
その意図が分からず……中央に立つ二ヴルへと、私は思わず問いかけた。
「それはもちろん、私が独り占めする為、ですわ」
「……へぇ、私と雅に一人でボコられたいなんて、随分とモノ好きじゃないのよ?」
「まさか! オルレアハートにマゾペットが一匹増えたところで、私が負けるはずありませんわ!」
「はっ! その自慢の鼻面っ、速攻で叩き折ってやろうじゃないの!」
……なんて奏は威勢よく言い返しているものの……さて、どうしようか。
いくら前と違って奏がいるからといって、今の素の変身状態で勝てるかと言われれば……正直微妙だろう。
かといって、覚醒を使うには一回変身を解かなきゃいけない。
その隙を容易に狙える、この距離で素直に覚醒を使わせてくれるとは思えないし……
仕方ない……後手にまわっちゃうけど、ここは一先ずアイツの出方を伺って……
「……奏、気をつけてよ」
「雅こそ!」
いつ攻撃が飛んできても良いように警戒しながら、自身の得物を構える私と奏。
……にも関わらず、二ヴルは一向に攻撃を仕掛けてこない。
「……どうしたの、もしかして怖気付いた?」
「あら、折角待っているというのに、そんなことを仰いますの?」
「待ってるって……何を?」
「それはもちろんっ、決まっているでしょう!」
私の問いにニヴルは両手を広げ、高らかに笑いながら言い放った。
「ほら、オルレアハート。早く覚醒を使ってくださいまし!」
「何よ、随分と余裕じゃない」
「何を当たり前な! 普通の貴女を倒したところで、もう私は満足できませんの! 全力の貴女方を打ちのめし、陵辱してこそ……ようやくっ、私は満たされるのですわっ!!」
……へぇ、言ってくれるじゃない。
そこまで言われちゃ……引くことなんてっ、できないでしょうよ!
「……良いわよ、お望み通りにしてあげるわ」
両脚を軽く開き、そのままゆっくりと変身を解く。
……一気に襲いかかってくる、徹夜明けのような疲労感と眠気。
それらに抗う為に歯を食いしばりつつ、地面を踏みしめる。
そのまま、倒れる前にポケットから奏のペンダントを取り出す。
そして……
「後悔っ、すんじゃないわよっ!!」
私と奏、二つのペンダントを、強く目の前に突き出した。
想い描くは……普段の変身よりも更に強く、輝く、力に満ちた自分の姿。
そのイメージを全て束ね……全部っ、一気に解き放つ!!
「ラウズっ、リリースッ!!」
両手でペンダントに力を込めながら放った、そのキーワード。
その瞬間……私の全身を、一際眩い光が包み込んだ。
しかしそれも時間にして、一秒にも満たない刹那。
包んでいた光が弾け飛ぶと……そこにいるのは通常の変身後の衣装に加えて背中に機械っぽい羽根を生やした、覚醒状態のオルレアハートへの変身を遂げていた。
「……奏、行ける?」
「もちろんっ、援護は任せなさいっ!」
改めてスラスターから柄を引き出し、クリアグリーンの刃を展開。
奏と背中を合わせ、ニヴルに対し構える。
「ふふっ……そうですわ! 持てる力の全てっ、この私にぶつけてご覧なさいっ!!」
そんな私達に対し、笑みを浮かべながら手招きする二ヴル。
その挑発に乗るように……私は背中の羽根と腰のスラスターを同時に稼働させ、一気に突撃を開始する。
「言われるっ、までもっ!!」
そして、腰のスラスターに収納された刀の柄に手を添え……
「っ、だぁぁぁっ!!」
加速のままに柄を引き抜き、同時に刃を展開しつつ、そのまま居合切りを叩き込む。
「おっと!」
その一閃はレイピアに阻まれ、大きくバチバチと間に火花が走る。
そのまま鍔迫り合いになりそうなところを敢えて一歩引き、少しでもその場に停滞することを防ぐ。
「さぁっ、もっと上げて行きますわよ!!」
そんな私を逃がさんと、ニヴルは背後から複数の氷の矢を展開して撃ち込んでくる。
「っ、くっ、こっ、のっ……!」
まるで魔法陣とでも見間違う程の密度で展開された
前方から迫り来る矢の雨を、
前後左右に回避行動をとりつつ、降り注ぐ矢の雨を羽根と刀で斬り払う。
「気ぃつけてよっ、雅っ!!」
更に奏が乱射で大半を撃ち落としてくれているから、今のところ被弾は殆どゼロに抑えられている。
……だけど、それをいつまで続けていては埒が明かない。
氷の矢による遠距離攻撃がほぼノーモーションで出せるのは、それだけで脅威だ。
いくら私の得意な近接戦闘に持ち込んでも、それがあるだけで一手遅れてしまい……長期戦になったら、それだけ不利になるのは明白。
「っ、やるっ……かっ!」
だから狙うはっ、最短、最速の決着!
「さぁ、まだまだ楽しませてくださいましっ!!」
丁度そのタイミングで、ニヴルの背後に展開されていた矢が弾切れし……そのまま再度矢を展開し、撃ち込もうとしているところ。
迷う暇はないっ、タイミングは……
「……今っ!!」
地面を蹴り飛ばし、敢えて矢の集団へと突っ込んでいく。
「あら、血迷いましたの?」
そんな私に対し、再び氷の矢が降り注ぐ。
……少し怖い、けどっ、目は閉じないっ!
眼前に迫る矢を捉えながら同時に脳内に描く、少しだけ先の空間の情景。
身体を加速に乗せっ、身体全体で……一気にっ、翔べっ!!
「っ、はぁぁぁっ!!」
イメージを全身に流し込み、右足で地面を踏み込む。
その瞬間……一瞬だけ視界が真っ黒に染まる。
そして、次に視界が晴れた時には……
「っ、あらっ、瞬間移動ですの?」
私の姿は、二ヴルの背後へと瞬間移動していた。
流し見しながら振り返るニヴル。
しかしその声に応える事なく、そのまま……
「これっ、でぇぇぇっ!!」
私は刀を大きく振りかぶり、空中からの上段を狙う。
「ですがっ、忘れておりませんか? 私のっ、この力をっ!!」
その瞬間……突如として手首に感じた、冷たい氷の感触。
直後、私の腕は刀を振り上げたまま、空中で止まってしまう。
これは……前にも受けた何処にでも出てくる氷の手枷……!?
……だけどっ!!
「……っ、そっちだってっ、忘れてんじゃないのっ!!」
瞬間、銃声と共に私の手枷へと強い衝撃が走り……同時に私の腕も、瞬時に自由を取り戻す。
「っらぁぁぁっ!!」
「っと……ふふっ、少しは学習できたみたいですわね」
そのまま振り下ろした刀は、タイミングがズレたせいで身体を逸らされて当たらない……けどっ!!
「っ、奏っ! 助かった!!」
「いいのよこのくらいっ! 前は任せたからねっ!!」
「あったりまえっ! 任されたっ!!」
アイツの厄介だった瞬間的な拘束攻撃も、奏がいれば一瞬で解除できることが確定した。
これでアイツの武器を一つ奪ったも同然。
あとは……このまま押し込むだけっ!!
「たっ、らぁぁぁっ!!」
「ふっ、ふふっ! ほんっと元気ですわねぇっ!!」
「うっさいっ!! いい加減っ、黙りなさいよっ!!」
「えぇ、えぇっ! そうでなくてはっ!! 私の求めた変身ヒロインはっ!!」
「だからっ! うるさいってのぉぉぉっ!!」
上段からの真っ向斬り、続けて逆袈裟、一文字。
自分で言うのもなんだけど、流れるような動きで着々とニヴルを追い詰めていく。
当然ニヴルからの反撃の突きも来るけど、その度に奏が〝嫌〟な位置に銃を撃ち込んでくれる。
だから動きを制限できて動きが読みやすくなって、簡単に回避ができるようになっていた。
いけるっ……これならっ、二人ならっ、このままっ!!
「っ、くらえっ!! 〝バレット・コンファイン〟っ!!」
奏の叫びと銃声が聞こえた、その瞬間……突撃する私と、それを受ける二ヴルを取り囲むように、大量の弾丸がアーチ状にばら撒かれる。
これで実質、私と二ヴルを繋ぐ一本道の完成だ。
これなら飛んで逃げる事もできない……後ろに逃げようにもっ、時間の問題っ!!
「っ、やってくれますわねっ!」
「これっ、でぇぇぇっ!!」
スラスターと自身の跳躍力。
その全ての推進力を乗せたまま、右脚で思いっきり地面を踏み抜く。
そして、そこに上半身の勢いを加え……
「終わりっ、だぁぁぁっ!!」
一思いにっ、必殺の一撃を叩き込むっ!!
……けど。
「……っ!?」
瞬間、刀を通じて感じる違和感。
手応えが……〝硬すぎる〟……!?
まさかっ、これ……氷像……
「狙いは良し……ですが……!」
……その瞬間、真横から聞こえる……今斬ったはずの、二ヴルの声。
慌てて振り向いた、その横目に映るのは……膝を曲げ、今にでも蹴りを放とうとしている彼女の姿。
「しまっ……!?」
ヤバいっ、全力で刀を振り抜いたせいで避ける体勢が、作れな……っ!?
くそっ、せめて……直撃だけは……っ!!
ドスッ!!
「ぁぐっ!?」
そのまま、二ヴルの蹴りは私の脇腹へと叩き込まれる。
咄嗟に身体を捻ったおかげで、何とかど真ん中を蹴り飛ばされることだけは防げた。
けど……一気に襲いかかってくる、蹴られた部分が抉り取られたんじゃないかってくらいの激痛。
「ぐっ、う゛っ……!!」
それでも追撃に備え、何とか歯を食いしばって目を開き続ける。
幸い二ヴルは、次の攻撃の体勢にまだ入っていない。
今ならまだっ、距離を作れるっ!!
「っ、そっ……ぉ……!!」
何とか右脚を伸ばして地面に叩きつけ、その反動で強引にバックステップ。
追撃が放たれる前に、辛うじて二ヴルの距離から身体を引き剥がす。
……はずだった。
ドゴッ!!
「ぁぐっ!?」
飛び退いた直後……私の背中が、硬い何かに激突する。
これは……壁っ!?
でもっ、さっきまでこんなのっ、無かったのに……っ!?
「……ふふっ、甘いですわよ、オルレアハート!」
狼狽える私の目の前で、既に二ヴルは笑いながら、レイピアを大きく振りかぶっていた。
「っ、くっ……!!」
あの構えはっ、いつもの刺突じゃないっ……!?
攻撃面積を広げて確実に当てる気か、それとも他の手立てがあるのか……
……ちっ、迷ってる時間はないっ!!
慌てて両腕の盾を前に構え、せめて胴体への直撃だけは防ごうと試みる。
「ですからっ、甘いとっ!!」
その瞬間、二ヴルのレイピアが眩い光を放った。
一瞬レイピアの刀身が消え、そして……
「な……っ!?」
目の前に現れたのは……ハンマーっ!?
「さぁっ、耐えてごらんなさいっ!!」
私の首から膝下くらいまでの大きさをした氷のハンマーが、私に目掛けて迫ってくる。
今の私に、その攻撃を避けられるはずもなく……
ドヂュッッッ!!
「がっ、あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!?」
構えた盾ごと、背後の壁ごと殴りつけられてしまう。
首から下が消し飛んだんじゃないか……そんな衝撃と激痛に、目の前が一瞬真っ白に染まる。
「それっ、もう一発っ、ですわっ!!」
そして視界が再び戻った時には……既に目の前に迫る、追撃のハンマー。
……たった一撃で、腕が、動かない。
……脚も、地面に着いてない。
ダメだ、これっ……避けれ、な……っ!?
ドチュッ!!
「ごふっ!?」
がら空きの胴体へと叩き込まれる、強烈な一撃。
再び身体が壁とハンマーに押し潰され、口からヨダレを撒き散らしてしまう。
「雅っ!? っ、こっ、のぉぉぉっ!!」
「あら、そういえば……いましたわね、もう一匹」
ハンマーが身体から離れ、私の身体が地面に落ちる……その一瞬の出来事だった。
奏が放った銃撃を、軽い身のこなしで避けるニヴル。
そして……
「雅っ、今助けっ……!? うわっ!?」
次の瞬間、奏の銃が……二丁同時に、真ん中で爆発を起こす。
奏は咄嗟に後ろに飛んで身を引く。
……が。
「……これでおしまい、ですわ」
私と戦っていた時とはうって変わった、氷のように冷たい声。
そして奏に向けて撃ち込まれる……氷の矢。
「っ、やばっ……!?」
奏は咄嗟に回避しようとするも、空中では思うように体勢を変えて避ける事もできず……
ザシュッ!!
「ぐっ、あ゛ぁぁぁっ!?」
まず一発が肩に刺さり……
ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ!!
「あがっ!? ぎっ、あ゛っ、がっ、あ゛ぁぁぁっ!?」
続いて二の腕、太もも……と、頭と胴体以外だけを的確に撃ち抜いていく。
……そこでようやく私の身体が、グシャッと音を立て、頭から地面に落ちた。
咄嗟に目を閉じ、そして再び目を開けると……
「ぎっ、あ゛っ……がっ……は……っ!」
そこに映ったのは……矢の連続射撃の勢いに押され、あっという間に氷の壁まで追い込まれた奏の姿だった。
刺された場所から血を流しながらも何とか脚に力を込め、奏は壁に寄りかかりながらもニヴルと対峙する。
「ぐっ……わ、わた、しっ……が……みやっ、び、を……守、ら、な……ぐっ、う゛……っ……!」
腕を抑え、プルプルと震える脚で自分の身体を支えながら、それでも未だ気丈にニヴルを睨みつける奏。
だけど、ニヴルの対応はあまりにも淡白だった。
「……あらそう。それは残念でしたわね」
その言葉と共に、手にしていたハンマーを手放すニヴル。
そのまま奏の首を掴み、彼女の身体をグッと持ち上げる。
「がっ……ぁ゛……っ……が……っ……!?」
「……そこで指をくわえて見てなさい。オルレアハートが私に敗れる姿を」
同時に背後から現れる、氷の槍。
それらを奏の脇や股の下、首の下に次々と刺し……あっという間に、奏は磔のように拘束されてしまう。
そして……
ドスッ!!
「ぁがっ!? が……っ……ぁ゛……」
間髪入れず、奏のお腹にニヴルの拳が深く深くめり込んだ。
奏は短い悲鳴と共に口から大量にヨダレを吐き出し……やがて、意識を失ってしまう。
「……さっ、再開しましょうか!」
そんな項垂れ動けなくなった奏に背を向け、ニヴルは再び私へと笑みを向けてくる。
「っ、げほっ……っ、く……そ……っ……」
何とかして立ち上がらないといけない。
そう分かっているのに……腕に力が入らない。
たった数発受けただけでこのザマ……自分の防御力の無さが憎たらしい。
けど、そんな非力さを嘆く暇もなく……
「そらっ!」
ゴスッ!!
「ぁぐっ!?」
私の脇腹を蹴り、無理やり仰向けにしてくるニヴル。
そして、目の前で大きく脚を上げると……
ドチュッ!!
「あ゛っ、がぁぁぁっ!?」
私のお腹が、ニヴルのハイヒールで思いっきり踏み抜かれた。
靴底から感じる鈍い痛みと、ヒールから感じる鋭い痛み。
「そらっ、そらぁっ!」
ドチュッ!!ドチュッ!!
「ぁぎっ、ぉごっ!? あ゛っ、ぎぃぃぃっ!?」
それが、何度も何度も、無防備な私のお腹へと降り注ぐ。
「ふふっ、ふふっ!! いいですわっ、楽しいですわよっ!!」
ドチュッ!!ドチュッ!!
「ぎゃっ、あ゛ぁっ!? ぁがっ、はっ、あ゛ぁぁぁっ!?」
踏まれる度に身体がくの字に曲がり、情けない悲鳴とヨダレを吐き出してしまう。
ドチュッ!!ドチュッ!!
「ごふっ!? ぉ゛ごっ、がっ、う゛ぶっ!?」
こんな情けない姿、敵の前で晒したくないのに……お腹が痛くて……もう……力が……入らない……
「あぁ、良い……ですが……このまま踏み続けて子宮でも潰してしまったら大変ですわね……仕方がありませんわ」
ニヴルはそう言うと……唐突に私の首を片手で掴み、グッと上に持ち上げてきた。
「ぁが……っ……あ゛……ぐ、ぐる、し……はな……し……っ……」
だというのに私は、首を掴む手を払う事もできず、だらんと四肢を下ろしたまま。
「えぇ、すぐに離して差し上げますわよ」
そんな私の声に対し……意外にもすぐに、ニヴルは首から手を離す。
再び私の脚が、地面と触れようとした……その瞬間。
ニヴルはその場で、フリルとスカートをはためかせながら一回転した。
そして……
「ついでにオマケ、ですわっ!!」
その回転の勢いを乗せた蹴りが……私のお腹のど真ん中に、叩き込まれた。
ドスッ!!
「ぉ゛ごっ!?」
蹴られたままに、私の身体は吹き飛ばされ……
「あ゛っ、がぁぁぁっ!?」
そのまま背中から、氷の壁へと叩きつけられた。
後頭部と背中、四肢に強い衝撃と痛みを受けながら……そのままズルズルと、私の身体は重力に引かれて下に落ちる。
……すぐ隣には、拘束されている奏の姿。
「……っ、あ゛…………っ……ぎ…………」
……視界が、黒く染まっていく。
……たすけ、なきゃ……わた、し……が……たす、けな……きゃ……いけな、い……のに……
……だめ、だ……こ、れ……いし、き……も……き、れ……ちゃ…………
ご……め…………かな……で………………
……
……
グチュッグチュッグチュッグチュッ!!
ぶしゃぁぁぁっ!!
「イクっ、イきますっ、もっ、またっ、イクっ、イクぅぅぅぅぅぅっ!? ぁっ、あぁぁぁぁぁぁっ!?」
「いいですわよっ、さぁっ、もっとイキ狂いなさいっ!!」
「あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!? またっ、またっ、あぁぁぁぁぁぁっ!? イクっ、イクイクイクぅぅぅぅぅぅっ!?!?」
目が覚めた時、一番最初に聞こえてきたのは……私のすぐ隣でイキ狂っている、奏の嬌声だった。
そして、そんな彼女の背後には……氷でできた二本のディルドを持って、楽しそうに激しく二穴を犯しているニヴルの姿が。
「っ、奏っ!?」
急いで起き上がろうとするも、私の身体はさっぱり動かない。
身体の方に視線を送ると……私の身動きを封じるように手首や膝、足首に氷のリングが嵌められている。
それらに押さえつけられ、体勢は仰向けのまま、犬が服従を示す時みたいなポーズから少し四肢を広げた状態で……私は、地面に拘束されていた。
「ひっ!? いやっ、みないでっ、みやっ、ひぎゅっ!? ぅあっ、はっ、あぁぁぁっ!? イクっ、すぐっ、イっ、クぅぅぅぅぅぅっ!! ぉ゛っ、ひっ…………あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!?」
対し、中腰のまま、両腕を頭上で拘束された奏は……涙とヨダレで顔をぐしょぐしょに歪ませながら、何度も何度も身体を痙攣させている。
何度も潮を噴いて、時々白目を剥いてしまって、その度にまた快楽に叩き起されている……
それに、奏の足下に広がっているあまりに大きな水溜まり。
いつの間にか、全身の傷も治って……いや、治されている。
どれだけ意識を失っていたのか分からないけど……もしかしてその間、ずっと……アレで……!?
「イグっ、まらっ、がっ!? ぁ゛っ、ぎぃぃぃぃぃぃっ!?」
「やっ、止めてっ!! いい加減っ、奏から離れなさいってのっ!!」
「あら、おはようございますわ、オルレアハート」
咄嗟に放った私の怒号に、ようやくニヴルの陵辱が止む。
「ちょうど良かったですわ。なんせコレのイキ姿は前に何度も見ましたもの。そろそろ飽きてきましたのよ」
「お゛っ、ぶっ……う゛っ……ぁ゛……っ、ひ…………っ…………」
ズチュッ……と卑猥な水音を鳴らしながら引き抜かれる二本のディルド。
同時に快楽から解放された奏の頭が、力なくガクン、と重力に引かれて項垂れる。
「それに……そろそろ貴女も、コレみたいに犯されたくて仕方なくなってきた頃ではありませんこと?」
「だっ、誰っ、が……ひっ!? やめっ……来ないっ、で……っ!!」
ニヴルがゆっくりと、私の方へと近づいてくる。
怖いっ、怖い……っ、けどっ……逃げられないっ、ならっ……頑張って……耐えるっ、しか……っ!
「あらあら、そんな事言っても……」
そんな私の震えた姿を前に……舌なめずりした二ヴルの細い指が……私の身体を、ツーっとなぞっていく。
「んっ……くっ……ぁ……っ……」
「こ〜んなエッチなコスチュームで……犯されるのが嫌い、なんて通る訳がないでしょう?」
「そっ、んなっ……っ、ぁっ、んんっ……!」
太ももから、徐々に徐々に二ヴルの指が登ってくる。
腰を撫で、お腹をさすり、胸を伝って、腋をなぞり、ゆっくりと頬に触れられる。
「ねぇ……優しく全身を触られるのも、気持ち良いでしょう? 触手なんかより……ずっと……ずっと……」
「ちがっ、そっ、んなっ、ぁっ……ひっ、くっ、ふっ、……!」
嫌なのに……嫌なはず、なのに……身体が勝手に、ビクビクと震えてしまう。
「ふふっ……なら確かめて差し上げますわ」
そんな私のお腹の上に跨り、ニヴルは馬乗りの体勢でマウントを取ってくる。
そして、私の胸に手を伸ばして……
ピンッ!
「んひぃっ!?」
私の乳首を、強く衣装越しに指で弾いてきた。
突然の快楽に我慢が効かず……思わず私は身体を反らし、甘い声を漏らしてしまう。
「ふぅっ、くっ、ひっ、うぅっ!?」
「顔を逸らしてはいけませんわよ。ほら、もっと、乱れる姿を見せてくださいませ?」
そんな私の痴態を満足そうに眺めながら……二ヴルは再び、指で私の乳首を蹂躙し始めた。
カリカリ……クニクニ……
「んんっ、んっ、ぁっ、ふっ、っ、うっ、ぅっ……!!」
爪で弾かれ、指で摘まれ、じっくりと丁寧に、嬲られる。
痛くもなく、物足りなくもなく……ちょうど良すぎる快楽が、乳首を伝って全身に響く。
「ゃっ、あっ、ぁっ、ひっ、いっ、やぁあっ……!?」
「ふふっ、オルレアハートは乳首を苛められるの、大好きですもんね。ほら、これなんか……」
カリッ……クリュッ……カリカリッ……!!
「はっ、うぅぅぅっ!?」
親指と中指で乳首を摘みながら、同時に人差し指の爪での先っぽカリカリ。
さっきよりも数段ギアの上がった快楽に……私の身体は、勝手にガクガクと痙攣してしまう。
カリカリッ……クリュッ、クリクリッ……!!
「ぁっ、はぁぁぁっ!? ぁあっ、っ、ひっ、いぃぃぃっ!?」
くっ……そぉっ……なんでっ、こいつっ……こんなっ、乳首っ、責めるの……上手いっ、のよぉっ……!
カリカリッ……クリクリッ……!
「ぅあっ、はっ、くっ、うぅぅぅっ!? やだっ、いいっ、加減っ、ひぁっ!? やっ、ふぁぁぁっ!?」
やばいっ……このままじゃっ、私……またっ、コイツっ、に……イか……され……ちゃっ……!?
「ふぅっ、ぅっ、くっ、ぅうぅぅぅっ!?」
我慢しなきゃ、耐えなきゃ。
頭では分かってるのに……身体が、全然言う事を聞いてくれない。
そして、流されるがまま、私は……
「ひぃっ、いっ、あぁぁぁっ!? やだっ、それっ、もっ、やめっ、ぁっ、ふぁぁぁっ!?」
ガクッ……ガクガクッ……!!
……あっけなく、絶頂へと達してしまった。
「あら、乳首だけでイっちゃいましたの?」
「イってっ、イってないっ……っ、くっ、ふっ、ぅぅぅ……っ!!」
「あらそう? では、もっと気持ちよくして差し上げますわね……!」
だけど自分からはイったなんて……絶対に認めてやるもんか。
そんな私の事を嘲笑うかのように……二ヴルの次の手が、私の身体を襲ってくる。
グニッ……クチュッ……
「んひっ、いぃぃぃっ!?」
二ヴルの太ももが、私のアソコに押し当てられたのだ。
さっきの絶頂でさらに濡れてしまったアソコを、衣装越しにぐちゅぐちゅと柔らかい太ももを前後に動かされ、刺激される。
クチュッ……グチュッ……クリッ……クリッ……
「ぁっ、はぁぁぁっ!? やっ、くひっ!? ぃっ、はっ、くぅぅぅっ!?」
「ふふっ、乳首とおマンコでこんなに反応させちゃって……なんで貴方はこんなにも……ふふっ……!」
「いっ、やっ、はぁっ!? もっ、やっ、ひっ、いぅぅぅっ!?」
こんな刺激、触手に無理やりぶち込まれて犯されるよりも遥かに耐えやすいはず。
なのに……
クチュッ……クチュッ……クリクリ……カリッ……カリッ……
「ぁっ、ぁあっ、あくっ、ぅっ、はぁぁぁっ!? ひっ、うぅぅぅっ!?」
その触手から暴力性を取り除いた、純粋かつ甘美な快楽に……身体が抗えない……逆らえない。
「イクっ……ゃっ、あっ……やっ、もっ……やめっ……!」
ダメっ……ダメっ、なのにっ……わた、し……また……イ……ク……っ!!
「ぁっ、ひっ……ふっ、ぅぅぅ……っ!!」
ガクガクッ!! ぷしゅっ、ぷしゃぁぁぁ!!
いとも簡単に……私の身体は、絶頂へと達してしまう。
ジワジワと、身体の芯まで侵食するような快楽が、何度も、何度も、ナカから響いて、止まらない。
カリカリ……グチュッ……グチュッ……
「ぁっ、ぎっ、う゛ぅぅぅ……っ!? とっ、とめっ、やっ、めっ、ぁっ!? ひっ、うぅぅぅっ!!」
ダメだ、これ……こんなのっ、続けられたら……私っ、ホントにっ、壊され……っ!?
……そっ、そうだっ、まだっ、スラスターっ、武器っ、残って……っ!!
カリカリ……グチュッ……グチュッ……
「っ、あっ、ぁぁぁっ!? ぁくっ、ふっ、うぅぅぅっ!? っ、やっ、ひあぁぁぁっ!?」
少しっ、少しだけっ、集中っ、しゅうっ、ちゅうっ、し、てぇっ……!!
イった後っ、のぉっ、少しっ、だけっ、大丈夫なっ、タイミングっ、にっ、いぃぃぃっ!?
「ひくっ、ぅっ、あぁぁぁっ!? ゃだっ、まっ、たっ、き、ちゃっ……ふぁぁぁぁぁぁっ!?」
ガクガクッ!! ぷしゃぁぁぁっ!!
「ふふっ、そろそろ素直になってきましたわね。では、もう少し……」
……っ、い、まぁっ……!!
思考を快楽で掻き混ぜられながらも、何とか絞り出した爆発のイメージを、両側のスラスターへと送り込んだ。
「ひっ、ぁ……な……なん、で……?」
……けど、何も起きない。
普段ミサイルとして使っている時と変わらないイメージを、イキながらも頑張って構築したはず。
なのに……爆発……しない……!?
「……あら、まだ元気そうじゃありませんの」
イキ顔と戸惑いが混じった私の顔を見ながら、ニヴルはスっと立ち上がる。
そして、彼女の足元には……氷漬けにされた、私のスラスターが。
「これだけ残しておいても問題ないと思って放置してましたが……ふふっ、抵抗する心を捨てないのは良い事ですわよ!」
そう笑うと、ニヴルは脚を上げ、振り下ろす。
瞬間、私のスラスターは二つとも……ガシャンッ!と音を立て、粉々に砕け散った。
「で、す、が……それはそれ、これはこれ、です」
一瞬だけ、冷ややかな視線が降り注ぐ、も。
「どうやら……もっとキツいお仕置が欲しいようですわね!」
すぐにニヴルの顔は、さっきまでの嫌な笑顔に戻る。
そして彼女はそのまま、私の横に座り込んだ。
「なっ、に……す、る……の……」
「さぁ、それは……」
そんな私の下腹部に、ニヴルの手のひらが押し当てられ……徐々に光が集まっていく。
その、直後……
ズキッ……!!
「ぁぐっ、う゛ぅぅぅっ!?」
突然……お腹の中に、圧迫感が現れる。
なにっ、これ……っ、お腹が張って……ちがっ、何かっ……お腹の……子宮とっ、膣のっ、ナカっ、にっ……!?
「セックスしていないのに子宮とおマンコを犯される快楽……ふふふっ、私相手でなければ楽しめないのですから……た〜んと気持ちよくなってくださいな!」
突然の感覚を前に、混乱がおさまらない。
ニヤニヤと笑うニヴルの顔に、イラつきを感じる余裕もない。
ジンジンと感じる圧迫感と……少しだけ感じる快楽に翻弄されないよう、ギュッと拳を握りしめて必死に抵抗しようとする。
「さぁ、第二ラウンド開幕ですわ!」
そんな私を、ニヴルはまるで愛玩動物でも見ているかのような目で見下してくる。
そして……
グリュッ!!
「ぎっ、あ゛ああぁぁぁっ!?」
その手が、体重ごと押し込まれた。
瞬間……お腹の上から、直接子宮を押し潰されているかのような感覚が降り注ぐ。
痛い、苦しい、辛い、逃げたい。
ありとあらゆるネガティブな感情が、一斉に脳内を駆け巡る。
なのに……濁流のようになだれ込んでくる快楽が、それら一切を塗り潰さんと襲いかかってくる。
「そらっ、そらっ! どうです、気持ち良いですわよね!」
「ひぎっ、い゛っ、ぎっ、あ゛ぁぁぁっ!?」
グリュッ、グリュッ!!
「やめっ、や゛っ、あ゛ぁぁぁっ!? ぁぎっ、い゛っ、ぎぃぃぃっ!?」
「あぁっ、ほんっとうに可愛いですわっ! ふふっ、ふふふっ!!」
私の気持ち良いところを的確に狙い撃つように形成されている突起と、それを外から圧迫してくるニヴルの手。
それに加え……もう片方の手での乳首責めと、今度は膝によるアソコへの愛撫。
バチバチと、頭の中で火花が飛び散って止まらない。
こんなの……こんっ、なのっ……
「はっ、ぐっ、う゛ぁぁぁっ!? ぁっ、あ゛ぎっ、ぃ゛ぃぃぃっ!? イっ、イグっ、もっ、ひっ、う゛っ、ぎぁぁぁっ!?」
ガクガクッ!! ぷしゃぁぁぁっ!!
どうっ、やって……勝て、ば……いいっ、のよぉっ……!?
「ほらほらっ、まだまだ始まったばっかりですわよ!」
グリュッ!! クリクリッ……ズチュッ、ズチュッ!!
「やめっ、やっ、ふぎっ!? ぃっ、あぁっ!? ひっ、う゛ぅぅぅっ!?」
前に受けたアクメビームとはまた違う、緩急の付いた快楽の連打。
歯を食いしばるタイミングが、我慢しなきゃいけないタイミングが、一向に掴めない。
「も゛っ、ナカっ、ごわれっ、ちゃっ、ぁっ、ぎぃぃぃっ!? ぃぎっ、い゛っ、ぐぅぅぅっ!?」
ガクガクッ!!ぶしゃぁぁぁっ!!
そして絶頂する度に、壊れた噴水みたいに勢い良く潮を噴いてしまう。
しかもイった時に噴いた潮が股の部分に染み込み、卑猥な臭いを撒き散らすローション代わりになって……それが更に、私に伝わる刺激を、快楽を、強く感じさせてくる。
「ほらっ、まだまだイかせて差し上げますわっ!」
クリクリッ……グリュッ!!
「お゛ぉっ!? ぉ゛っ、ぎっ、う゛ぅぅぅっ!?」
あまりにもキツすぎる、抜け出し方の分からない悪循環。
ただでさえ、既に何度も何度も連続してイかされているというのに……
「イグっ、もっ、またっ、イグっ、ぁっ、あぁぁぁっ!? イグぅぅぅぅぅぅっ!?」
ガクガクッ!!
イク度にどんどん身体が敏感になって……もう無理、もう限界……そう思っているのに、一向に快楽は強まる一方。
まるでお腹の下に快楽が溜まって、それがずっと連続して爆発しているみたい。
「もっ、む゛り゛っ、む゛り゛ぃぃぃっ!? なっ、んでっ、まだっ、あ゛ぁぁぁっ!? まらっ、まらイグっ、イグぅぅぅっ!? ひっ、あ゛っ、ぎっ、ぅぅぅっ!?」
ダメだ、こんなのダメだ。
認めちゃいけない……受け入れちゃいけない……のに……
「お゛ぐっ、う゛っ、あ゛ぁぁぁっ!? も゛っ、や゛めっ、ゆるっ、じっ、い゛ぃぃぃっ!? あ゛ぁぁぁっ!? はっ、あ゛ぁぁぁっ!?」
「ふふっ、許しませんわよ、この程度ではっ! ほらっ、もっと無様なイキ顔を見せてくださいましっ!!」
グチュッ、グリュッ!!
「お゛っ、ぎゅう゛ぅぅぅっ!? お゛っ、ぉ゛っ、お゛ぉぉぉっ!?」
気持ち良い、気持ち良い、気持ち良い、気持ち良い……っ!!
絶頂の度に身体を仰け反らせ、反射のままに嬌声を叫ぶ。
段々と酸素が足りなくなり、目の前がチカチカと点滅する。
息苦しさも、時間と共に増すばかり。
なのに、それすらも……気持ち良い。
「ぎっ、い゛ぃぃぃっ!? イったっ、イったっ、かっ、らぁぁぁっ!? もっ、お゛っ、ひっ、ぎぃぃぃっ!? やっ、あ゛ぁぁぁっ!?」
……あぁ、きっと。
「イグっ、またっ、またイグぅぅぅっ!? ぁっ、ぎっ、ひぃぃぃぃぃぃっ!?」
……私、このまま……壊され……ちゃ……
「あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!? ぁがっ、あ゛っ、あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!? イグっ、イグイグイグイグっ、イグぅぅぅぅぅぅっ!?」
ガクガクガクガクッ!!
ぶしゃぁぁぁっ!!
……
……
「お゛……ぶ……っ…………ぁ…………ひ…………っ…………」
「あらあら……もうおしまいですの?」
……もう、何度絶頂させられたか、どれだけ時間が経過したのか……何も、分からない。
加えて、普段よりも消耗が激しい覚醒状態での陵辱だったせいで……もう、なにもされなくても勝手に腰はカクカク震え、脚には微塵も力が入らない。
隣に吊るされている奏も、まだ目を覚まさない。
ボロボロの、もはや動くことさえままならない二人の変身ヒロイン。
……誰がどう見ても分かる……私達の完全敗北。
「まぁ……そうですわね、このくらいで終わりにして差し上げましょうか」
ニヴルが馬乗りの姿勢を解除し、私の上から立ち退いた。
そして彼女が指を鳴らすと、私達を捕らえていた氷の拘束が解かれ……奏の身体と一緒に、私の四肢も同時に地面へと叩きつけられる。
同時に、子宮と膣のナカに詰められた氷も解除されたようで……
「ぅ…………あ゛…………っ…………」
じょろろろろっ……
まるで失禁したみたいに……氷が溶けた水が、私のアソコから垂れ流される。
お腹に力を入れて我慢、なんて今の私には無理な話。
ただなるがまま……だらしなく開いた脚の間に、情けなく水溜まりを作ってしまう。
「……さて、こうなってしまっては……後は最期をどうするか、ですが……」
そんな私の目の前で、ニヴルは顎に手を当てて考え……
「……そうですわ!」
やがて楽しそうに笑みを浮かべると、ワザとらしく手を叩いた。
「ここまで楽しい変身ヒロインは久しぶりでしたので……どうせなら未来永劫、その姿を称える必要がありますわよね。な、の、で……!」
言葉尻を弾ませながら、右手に再び氷のレイピアを作り出すニヴル。
彼女はそのまま私の顔の隣に立つと、私のポニーテールの真ん中をグシャッと握り……
「あ゛…………ぐ…………っ…………」
吊るし上げるみたいに、私の上半身を無理やり起こしてきた。
「喜びなさい、オルレアハート! 今から貴女のことを氷漬けにしてっ、最っ高のオブジェクトへと作り替えて差し上げますわ!」
虚ろなままの視界の中で……ニヴルの持つレイピアが、一際強く、青白い光を放ち始めたのが見える。
「そしてっ、消える事も、死ぬこともできないまま……何年、何十年、何百年とっ、永遠に生きたまま晒され続けて頂きますわ! ねぇ、素晴らしいと思いませんこと!?」
そのままレイピアの光が……ゆっくりと、私の顔の高さまで、持ち上げられる。
私……わた、し……は…………
--To be Continued--
ここまでお読み頂きありがとうございます。
抵抗虚しく、為す術なく敗北してしまった雅と奏。
そして髪を掴まれたまま投げかけられる処刑宣言。
果たして二人の変身ヒロインは、この絶体絶命のピンチを乗り越える事ができるのか……
引き続き、お楽しみ頂ければ幸いです。