神姫清廉オルレアハート!-乱行恥虐のスペクトラム- 作:ホリス_if
戦いの日々にも次第に慣れてきたオルレアハートこと春永雅。
でも今回の相手は、いつもの触手とは少し違っていて……?
「ふっ!!」
いつもの路地裏的な空間で、変身した私は見慣れた触手の化け物と対峙していた。
最初は苦戦して、敗北し、犯された事すらある相手。
でも、今はもう違う。
何度も何度も、毎日のように戦わされてきたおかげなのか、この化け物の手の内は全部見切っている。
「っ、はぁっ!!」
雑魚の触手に構うより、本体を直接叩いた方が早い。
今までの戦いからそう学習した私は、抜刀した得物を片手に、腰部のスラスターを同時に吹かす。
私を妨害する為に生やされた触手を薙ぎ払いつつ、脚を使って跳ぶよりも早く、一瞬のうちに化け物の懐へと潜り込んだ。
そのまま大きく宙へと飛び上がり、落下しつつスラスターによる加速を行う。
そして……
「これでっ、トドメだぁぁぁっ!!」
ありったけの力を込めながら、その化け物を切り裂いた。
途端、崩れ落ちる化け物。
ソイツの姿を視界に入れながら、私はゆっくりと得物を腰のスラスターへと納刀する。
「……よしっ、今日もおしまいっ!」
今の私にとって、ソイツはさながらデイリークエストのようなもの。
新技を試したりするのに絶好の相手、もはや雑魚と言ってしまっても過言じゃないはず。
「さっ、帰ろっと」
未だにこの空間の事は何も分かっていない。
けど、それすらも……今の私からしたら、段々些細な問題に思えてきてしまっていた。
……
……
「雅〜っ! また明日ねっ!」
「うんっ、また明日っ!」
何事も起きる事無く、平和な放課後が訪れる。
奏はこの後、先生に呼ばれているらしく、授業が終わると急いで職員室へと走って行った。
そんな奏の後ろ姿に手を振り、私は真っ直ぐ家へと向かって行く。
「……ん〜」
今日の部活は休み……というかココ最近、学校に行っても授業を受けてそのまま帰るだけになっていた。
理由は簡単、疲れていたから。
いくら変身したら身体能力が向上すると言っても、身体の疲労まで綺麗さっぱり拭ってくれる訳じゃない。
できるなら少しの間離れたいけど……敵組織であるハウンズのあの言葉を聞いてしまうと、そうも言ってはいられない。
……もっとも、離れたくても勝手にあの空間に呼び込まれてしまうんだけど。
「どうしたら良い……のかなぁ……」
だったら、如何にして素早く戦いを終わらせられるか。
それが私に課された第一の課題だと思っている。
となれば、オルレアハートにとって一番の武器である機動力、これは十分すぎるアドバンテージになるだろう。
実際、今まで戦ってきた経験からして、攻撃力も申し分無い。
上手いこと腰のスラスターや全身に付いた武器を使いこなしてやれば、多分敵をさっさと片付けるのだって夢じゃないはずだ。
そのために必要なのが、第二の課題。
全身に付いた武器や防具、これの使い方を一刻も早く熟知しなくちゃいけない、ということだ。
生憎と私が経験したことあるのは剣道だけ。
だから刀一本だけ使う今の戦い方についてなら、多少の慣れはある。
けど、盾から出せる剣や、そもそもの盾の使い方。
それにスラスターに付いた機能とか、まだまだ知らない事が多すぎる。
多分ハウンズの戦力だって、あの触手の化け物一種類って訳じゃないはずだ。
あのモニターに出てきていた男が直接出てくる可能性だってある。
人の姿をした敵と戦うのは少し抵抗があるけど……出てきたら戦わなきゃいけないんだろう。
なんて、まだ見ぬ敵に対して憂鬱を抱える。
「……はぁっ」
目を閉じて、一つ大きなため息をつく。
……瞬間、周囲の空間が歪んだような気配を感じる。
あぁ、今日も真っ直ぐ帰れないんだ……
何かの間違いであれ、と願いつつ目を開けると……そこには、やっぱりいつもの路地裏。
となればもう、後はお決まりのパターン。
「じゃあ今日も、さっさと終わらせて帰らせて貰うわよっ!」
ポケットからペンダントを取り出し、目の前に掲げる。
願い想うは、あの姿。
「行くよっ!」
私が叫んだ瞬間、私の身体は光に包まれた。
その煌びやかな光が晴れると……制服でだった私の格好は、全く別物へと変身していた。
変身に使うハート型のペンダントで纏められたベージュのロングポニーテールに、青と白の横で繋がった肩出しで半セパレートタイプのレオタードにサイドスカート。
黒いロンググローブと、双方の手首に着いている青くて小型の盾。
黒いニーハイと白いショートブーツ。
それに双方の腰の横に付いている、武器の収納機能もあるひし形の白いスラスター。
これが私、オルレアハートの衣装だ。
「よしっ、やるぞっ!」
変身してしまえば、私の身体能力は大幅に向上する。
この姿ならどんな敵が来ても大丈夫。
今日もいつも通りパパっと敵を倒してさっさと帰る。
いつも通り、大丈夫。
まだ見えない敵に若干の不安を覚えつつ……私は倒すべき敵を探すために、目の前の路地裏を走り抜けるのだった。
……
……
「今日のは……コイツね」
少し走り続けた後、私は少し広めの部屋にたどり着いた。
その部屋の中央にいるのは……いつもの触手じゃない?
例えるなら、ホラーゲームの洋館とかに飾ってありそうな……鎧?
昔の西洋で使われてそうなそれは、ゆっくりと部屋の中を徘徊していた。
武器を持ってないってことはシンプルに肉弾戦……か、鎧の中に何か隠している可能性が高そう。
何かアクションを起こしてくれればそこから対策とか練れるんだけど……生憎、そんなことはあるはずなくて。
それに、結局コイツを倒さないことには帰れないんだ。
だったら……
「行くしかっ、ないよねぇっ!!」
柄を取り出し、クリアグリーンの刃を出現させ……腰部のスラスターを、いきなり全開でかっ飛ばす。
私の出せる最大限の速度で、鎧へと肉薄。
相手はまだこちらを振り向いただけ。
行けるっ、これならっ!
「はぁぁぁっ!!」
速度を乗せたまま、鎧の腹部を狙って一気に刀を振り切る……はずだった。
「なっ、ぁっ!?」
けど手元に返ってきたのは、初めて味わう反動。
ガツンッ!と刃が跳ね返され、触れているのに切れない状態に。
「ちっ……!」
鎧が反撃の拳を出すのが見え、慌ててスラスターを逆方向に吹かして距離を取る。
一気に反対側の壁まで達し、足で壁に着地。
今回のはかなり硬い、けど!
「対応するっ、前にっ!!」
壁を蹴ってスラスターを吹かし、再び突撃を開始する。
切るのが無理ならっ、貫くっ!!
「はぁぁぁっ!!」
ピンポイントの攻撃ならっ、流石に効くでしょうっ!
全体重を乗せた刃先を向け、勢いのままっ、突き出すっ!!
……だけど、返ってきたのは反動と鈍い金属音。
「うそっ、これでもっ!?」
効かないっ!?
不自然な体勢で無理矢理着地する。
その瞬間……
突然私の横から、鎧の裏拳が飛んできた。
咄嗟の出来事に、私は対応することが出来ず……
「ぎっ、ぁがぁぁぁっ!?」
左肩を殴られた衝撃で、私の身体は再び壁まで吹き飛ばされてしまう。
背中から壁に激突し、下にずり落ちる。
「ぐっ……ぅ……ぐ……っ……!」
思わず肩を押さえて蹲ってしまう。
一撃受けただけなのに、触手なんかとは比べ物にならないくらい、重い。
「くっ……ゔ……っ!」
でも、このまま一方的にやられる訳にはいかない。
鈍い痛みに耐えながら、肩を押さえて立ち上がる。
その時、だった。
「……えっ!?」
さっきまで重鈍な動きしかしてなかった鎧が……いつの間にか目の前に迫っていた。
「くっ!!」
慌てて刀で切りかかる……けど、間に合わない。
私が刀を振り切る前に……私のお腹へと、鎧の拳が突き刺さった。
ドスッ!!
「ぉごっ!?」
私を挟んだ背中側の壁が、衝撃で崩れたのが感覚で分かる。
まるで内臓が潰されたと錯覚するような痛み。
「ぁがっ……ぁ……が……っ……!」
口が閉まらない。
だらしなくヨダレを垂らす私の目の前には、再び殴りかからんとする鎧の姿。
さっきの衝撃で刀は手放され、予備の刀も負傷した左手で抜く方にしかない。
……流石にアレを二度も受けるのは、マズい。
「ぐっ、ゔぁぁぁっ!!」
咄嗟に二つのスラスターを後方へと吹かしながら、切り離す。
ミサイルみたいにスラスターを飛ばして相手に当てるこの技。
使った後は機動力が落ちちゃうし、何より一回しか使えない奥の手だけど……このまま殴り殺されるよりは遥かにマシっ!
直後、大きな爆発音と共に、鎧の姿が爆煙に呑み込まれるのが見えた。
よしっ、直撃!
勝利を確信し、小さくガッツポーズ。
さて、中にはどんなヤツが入っていたんだろうと爆煙の中を見つめる。
「……うそ……でしょ……」
……けど爆煙の中から出てきたのは、倒れ伏すどころか……何事も無かったかのようにピンピンして立っている、鎧の姿だった。
その鎧が、再び拳を振りかぶる。
狙いは間違いなく……私。
「ひっ……ぃ……!?」
頭から血の気が引くのを感じる。
そのまま……
ドスッ!!
「あ゙っ、がぁぁぁっ!?」
私のお腹に、拳が突き刺さる。
「ぅぐっ……ぉ……えっ……」
拳が離れた瞬間、私の身体は膝から地面に崩れ落ちた。
強烈に吐き気が込み上げるも、口から出るのはヨダレだけ。
攻撃を受けたのは、たったの二回だけ。
なのに私の脚は、もう言う事を聞いてくれない。
攻撃力も防御力も、何もかもが今まで戦ってきた触手の化け物とは段違い。
ダメだ……これ……勝て……ない……
そんな絶望に襲われる私に対しても……その鎧は、攻撃の手を緩めなかった。
「ぁぐっ……は、離し……て……!」
鎧にポニーテールを掴まれ、私の身体が持ち上げられる。
力の入らない両手でその手を剥がそうとしても、当然ビクともしない。
「ぁぐっ……!」
そして、鎧は私の身体を壁に押し付けて……
ドゴッ!!
「ぐふっ!? ぉごっ、ぁっ、が……っ!?」
私の身体を……サンドバッグのように殴り始めたのだ。
ドスッ!!ドスッ!!
「がぁぁぁっ!? ぁっ……ぎっ……ぃぎっ!?」
痛いっ、痛い痛いぃぃぃっ!?
何も付加効果のない、シンプルな腹パン。
それ故に、効いてしまう。
ドスッ!!ドスッ!!
「ぐふっ!? ぅっ、ゔぐっ、あ゙っ、ぎぃぃぃっ!?」
純粋な戦闘能力で敗北したのだと。
負けたのは、私が弱いからだと。
大切な人と町を守る為だけに戦ってきた私の心が、徐々に崩れ落ちていくのが、分かる。
ドスッ!!ドスッ!!
「ごふっ!? ぅあ゙っ……がっ、あ゙ぁぁぁっ!?」
何度も何度も殴られ、激痛で頭がおかしくなりそうだ。
有効な武器も無ければ、防御策も無い。
逃げる方法も、そもそも命乞いが通用する相手かすらも分からない。
ドスッ!!ドスッ!!
「ぅぎっ!? ぁ……ぎっ……ぅぐっ!? ……あ゙……が……っ……」
……頭の中がチカチカしてきた。
視界も既にハッキリとしない。
……あぁ、このまま私……殴り殺されちゃうのかな……
ドゴッ!!
「あ゙……ぎ……っ……い゙……っ……!」
もう……ダメ……耐えられ……ない……
……チョロロロッ
その最後の一撃を受けた瞬間、遂に私の我慢は限界を迎え……両手はだらんと下に落ち……私は、失禁してしまっていた。
「ぁ゙……が……っ……」
敵の目の前で失禁するなんて、さっきまでの私なら耐えられなかっただろう。
でも、もう……どうでも良い。
きっとここで、このまま……殺されちゃうんだから……
ごめんね、奏……私、帰れそうにないや……
焦点の合わない目を閉じ、迫るその時に向けて覚悟を決めた。
「……えっ?」
だけど、鎧は私へとトドメの一撃を入れる事はせず……何を思ってか、まるで口のように鎧の前面をガバッと開いたのだ。
「な、なにし……て……」
その狙いはすぐに分かった。
なぜなら……ポニーテールを掴まれたまま、私の身体がその鎧の中に放り込まれたからだ。
その鎧の中には青色の粘液……まるでスライムのようなモノがミッチリと詰まっており、私の身体は首から下、全部スライムにすっぽりと飲み込まれてしまっていた。
すぐに口は閉められ、どうやって逃げれば良いのか検討もつかない。
かといって脱出する力はどこにも残っていないのだが。
動かない身体に対し、スライム達は容赦なく穴から内部へと潜り込んでくる。
なんとかしないと……このままじゃスライムにまで犯される……っ!?
焦りを抱えた、そんな時……突如スライムが光り始めたのだ。
まさか……と思っても、もう遅い。
直後……
バチバチッ!!
「あ゙っ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
スライムから流れ出す電撃。
その全身を焼かれるような激痛を、鎧の腹パンで満身創痍な私に耐えられるはずもなく……
「がっ……ぁ……ひ……ぎ……っ……」
全身をピクピクと痙攣させながら……私の意識は一瞬のうちに、闇の中へと呑み込まれたのだった。
……
……
「ぅ……ぐ……っ……ぁ……っ……」
目が覚める。
暗い部屋、何も見えない。
ひんやりとした台の上で、私の身体は大の字に拘束されているみたいだ。
首にも金属の拘束具があり、軽く左右に動かせる程度。
見えないけども同様の拘束具が、私の手首と足首にも取り付けられているのを感じる。
ショートブーツは脱がされ、手首のリングと盾までご丁寧に外されていた。
当然、腰に付いていたスラスターも復活していない。
「ふっ……ぐっ……! ぁ゙っ、だぁっ……!?」
いくら力を入れても、外れる気配は無い。
それどころか、散々殴られたお腹に痛みが走ってしまう始末。
「くっ……」
……私、負けたんだ。
今更ながら、そんな絶望が私を襲う。
あの状況からなら、ここは敵の組織の施設だと思って間違いないだろう。
じゃなきゃこんな拘束、するはずないし。
……だったら、ここは危険な場所のはず。
なんせあんな触手や鎧の化け物を生み出す組織だ。
一刻も早く脱出しないと、どんな目にあわされるか分かったモンじゃない。
だけど、私を縛るこの拘束は、そう簡単に外せるモノじゃない。
さてどうしたものか……
お腹の痛みに妨害されつつ、精一杯頭を回していた……その時だった。
「おはよう、オルレアハート。気分はどう?」
目の前の暗闇の中から一人、私の方へと歩いて来る。
大人びた女性の声。
この暗闇の中からじゃ、容姿はよく見えない。
「っ、誰っ!」
「あ〜、そういえば君はここに来るの、初めての変身ヒロインだったわね。良いよ、教えてあげる」
精一杯強がった私の声を一切気にすること無く、その女性は指をパチンッ!と鳴らした。
途端、私の周囲は機械的な光によって一斉に照らされた。
突然出現した光源に必死に目を慣らす間にも、彼女は私に向かって話し始めた。
「はじめまして。私は〝ハウンズ〟の研究者。主に変身ヒロインについて研究しているわ。呼び方は、そうだなぁ……〝アルク〟とでも呼んでくれ」
ノートパソコン片手に〝アルク〟と名乗ったのは、ウェーブのかかった黒髪ロングで少し背が高めの女性。
光によって見えたのは、上半身は白シャツの上に白衣を羽織った、いかにも研究者って感じ。
下半身もタイトスカートの下に黒タイツと黒いハイヒールという、白衣さえ取れば都会でランチを楽しんでいるオフィス勤め、と言っても違和感が無い格好をしていた。
だけど、それよりも……
「な、なに、ここ、は……?、」
……私の周りの電子機器。
部屋を囲むように広がったモニターには、よく見ると私の体型や戦闘記録、使った技なんかが映し出されていた。
「あら、折角自己紹介してあげたのに無視するの? 全く、酷いなぁ」
まぁ良いよ、とアルクはため息をついて、再び話し始める。
「ここはね、捕まえた変身ヒロインを使って色々と研究だったり実験だったりする場所なの。そ、し、てぇ……君はあの鎧ちゃんに負けちゃった、無様な敗北ヒロイン……さ、どうなるか……分かっているよね?」
アルクはニヤニヤと笑いながら、私の方へと近づいてくる。
「ひっ……!? い、いやっ、こないで……っ!」
「ダメだよ、君は負けたんだ。まさか敗者はどんな目に遭うか、考えた事無かったのかい?」
そんな訳無い。
ただ、考えないようにしていただけだ。
もし負けたら、なんて事を考えてしまったら……きっと私は、戦えないだろうから。
そんな私の考えを、まるで見通したかのようにニヤニヤと見つめてくるアルク。
「折角の機会だ……存分に堪能してくれよ、敗北ヒロインの末路ってヤツをさっ!」
そして彼女は再び指をパチンッ!と鳴らす。
その瞬間……
バチバチバチバチッ!!
「がっ、あ゙あ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
拘束具から一斉に、電撃が放たれた。
「あ゙ぁぁぁぁぁぁっ!? あ゙ぎっ、い゙ぃぃぃぃぃぃぃっ!?」
「あははははっ!! いいよいいよその顔っ!」
電撃によって勝手に反り返り、ビクビクと痙攣させられる私の身体。
そんな私の姿を見て……アルクは楽しそうに笑っていた。
バチバチバチバチッ!!
「い゙ぃぃぃぃぃぃぃっ!? ぃぎぃ゙あ゙ぁぁぁぁぁぁっ!?」
「痛い? 苦しいっ!? あ〜それそれっ、その苦しそうな表情っ!! もっともっと、もっと頂戴っ!!」
この女……狂ってる……ヤバ……い……このままじゃ……殺……さ……れる……っ!
「ぁあ゙ぁ゙ぁぁぁぁぁぁっ!? あ゙っぎぃぃぃぃぃぃぃっ!?」
「……おっと、そろそろヤバいね」
死が間近に迫っている事を実感した直後、アルクは手元のノートパソコンを操作した。
わざとらしく音を立ててエンターキーを押すと、私に流れていた電撃は終わりを迎える。
「がひっ……ぁ゙……っ……はっ……はっ……はっ……!」
……ジョロロロロ。
「ん〜耐えれたのは二分ちょっとか……って、おやおや、変身ヒロインたる者がおもらししちゃったのかい? 全く、これだから負けちゃうんじゃないかなぁ。ねぇ、オルレアハート?」
緊張していた身体が急激に弛緩し、かつ直前の激痛から解放された安堵から……敵の前にも関わらず、私は本日二度目の失禁をしてしまう。
けど、そんなことは私にとって既に些細な問題。
「はぁ゙っ……はぁ゙っ……っ……ぁ゙っ、はっ……ぁ……!」
思うように動かない呼吸器を必死に動かして酸素を取り込む。
「も〜また無視かい? まぁ良いや、じゃ、今回の実験結果、ついでに教えてあげるよ」
そんな私の無様としか言いようのない姿を横目に、アルクはスっと指を振った。
すると、私の目の前に仮想空間でしか見ないようなウィンドウが現れる。
そこには……
「こ、れ……わた……し……?」
「あ、そういえばこれ見るのも初めてだっけか」
まるでゲームのステータス画面のように、私の事がこと細かに書かれていた。
「えっと、ここが変身後のステータスでしょ、で、ここがスーツの残耐久度で、これが今の君自身の残り体力……ま、流石にゲームじゃないから、これらはあくまでも参考程度なんだけどね」
戸惑う私の為に気を使っているのか、アルクは私の目の前のウィンドウに指を指し、各種項目を説明してくれる。
「で、これが部位別損傷度。これが残弾……君の場合だと残っている攻撃手段って言った方が良いかもね。で、これが武器別の耐久度で、これが思考伝達の精度……」
「ま……待って……」
少し息が整ってきたところで……彼女の話し方に違和感を覚える。
「ん〜、どうしたの〜?」
「なんで……私の事、ここまで……?」
こんな数日そこらの戦いで、私すらも知り尽くせていないオルレアハートの事を、何故ここまで知っているのか。
例えあの空間での戦いを全てモニターされていたとしても……『使った事の無い武器』まで記載されているのは、どう考えてもおかしい。
「なんでって……決まってんじゃん」
そんな私の疑問に……アルクは、さも当然のように返してきた。
「この変身システム、私が作ったからだよ」
……その言葉に、頭が真っ白になる。
「う、うそ……うそだ……そんな……の……っ……!」
脳が理解を拒む。
言葉が、出てこない。
「え〜、嘘って言われてもなぁ……」
そんな私に対し、面倒くさいヤツ、と言いたげに頭を搔くアルク。
私は真っ白になった頭で無理矢理言葉を繋いで、質問を投げかける。
「じ、じゃあなんでっ、何がっ、目的っ、でっ……!?」
「ん〜質問に要点が無いけど……要するに私達が何をしたいかって事でしょ?」
「そう、よっ……なんのっ、ためにっ、私っ、は……っ!?」
あんな化け物と戦わされて、あんな気持ち悪いヤツに犯されて……こんな目に……あわなきゃいけないの……っ!
「なら簡単。私達ハウンズはね……『変身ヒロインの敗北』、これを堪能する為に作られた組織なんだ」
「……ぇ……は……っ……?」
でも返ってきたのは、予想とは真逆の回答だった。
その発言はあまりにも私の常識とはかけ離れていて……思わず脳が理解を拒む。
「そう、変身ヒロインの敗北。君達のような変身ヒロインが敗北する姿を楽しむ事、それだけがハウンズの存在意義さ」
「じゃ、じゃあなんでっ、最近の、私っ、はっ、負けてっ、なっ!?」
「あぁ、それは勝てるレベルの怪人しかぶつけてなかったからね。要するにレベリングだよ。負けると分かってる弱い変身ヒロインの負け姿なんて、少なくとも私は望んでないからね」
「なら最初っ、あの触手はっ、なんで最後っ、勝てたのっ!?」
「君が敗北したのは初戦と二戦目だろ? 初戦は敗北と勝利の味を同時に覚えさせる事で成功体験を与えるため。二戦目は搦手も覚えることで対応力を高めて後に繋げるため。ま、今回で負けちゃったから結局意味無かったんだけどね」
……意味が分からない。
分からない、けど……不思議と全部、理解ができてしまう。
なら、だったら……
「なんで……全部……教えてっ、くれるの……?」
恐る恐る口に出した私のその問いに……アルクはゆっくりと口を開いた。
「はぁ……少しは自分で考えてみなよ。君達が武器を使う時、いつも考えたら形になるだろ? つまり私達には思考を感知するシステムがあるって事。それを応用してやれば……記憶を弄るくらい、どうってことないんだよ」
……ゾクッと、私の背筋に悪寒が走る。
「な、何……言って……?」
「君は見どころのある変身ヒロインだった。これなら、オルレアハートなら私達の理想を実現してくれると思っていたのに……残念だよ」
凍りつく私を尻目に、アルクは再びノートパソコンを弄り始めた。
そして……
「そういえば実験結果をまだ共有してなかったっけ……まぁいいや、さぁ、実験の再開だ! とはいえ電流はもう耐えられそうにないし……そうだな、次は快楽耐久実験といこうか!」
彼女がエンターキーをタンッ!と押した瞬間……
「ひっ!? いやっ、またっ、何する気っ!?」
周囲の機械が一斉に動き始めた。
手始めに私の股の下から刃物が飛び出て来て、私のレオタードの部分を切り裂いた。
続いて胸の部分にも刃物は伸び……器用に谷間に合わせて縦に刃を入れて切り裂く。
あっという間に、私の大切なトコロが全てあらわにされてしまう。
「さぁ、私に再び期待させてくれよっ! どんな逆境でも諦めない、オルレアハートは強い変身ヒロインだってこと、私に見せてくれよっ!!」
アルクは言った、快楽実験と。
ならっ、この機械はっ……っ!?
「んひっ、いぃぃぃっ!?」
胸にカップ状の機械が吸い付き……すかさず中でヒダヒダが付いたローターが暴れ始めた。
「あぁぁぁっ!? ひっ、ぁっ、はっ、あぁぁぁっ!?」
乳首を擦られ、勝手に身体がビクビクと痙攣してしまう。
「お、やっぱり乳首は効くみたいだね。触手で少しだけでも開発したかいがあったってもんだ」
「んひっ、いぃぃぃっ!? やめっ、先っぽっ、擦っちゃっ、んぅぅぅっ!?」
挿入された時とは違う、ジワジワと込み上げてくる快楽が溜まっていくのを感じる。
自分で触ったってこんなに感じる事無いのに……
まさか、前回触手に変なガス吸わされてオナニーさせられた時の感覚が、まだ残っているのだろうか。
自分の身体が自分のモノじゃないようで、気持ちが悪い。
「これっ、離しっ、てっ、んっ、んぅぅぅっ!! はっ、ぁあぁぁぁっ!?」
「おやおや、ちょっと乳首弄られただけでこんなに濡らしちゃったのかい? 全く、変身ヒロインはもっと清楚でなきゃいけないのに」
身体を捩らせ、ビクビクと震えてしまう。
そんな私の元にアルクはにじり寄り……
クチュっ……
「んっ、ひぃぃぃっ!?」
私のアソコへと、直々に指を挿入したのだ。
そのまま彼女は、私のアソコを弄り始める。
「へぇ、良い締りしてるねぇ? あれだろ、あんまり男で遊んで来なかったタイプかい?」
「抜いてっ、抜いっ、んっ、んんぅぅぅっ!?」
初めて人の指がアソコに侵入する感覚。
それだけでも今すぐ止めて欲しいのに……反対側の手でクリトリスを責められながら、クチュクチュと音が聞こえるように、アソコを掻き回されてしまう。
「あぁぁぁっ!? ひっ、あっ、んっ、はぁぁぁっ!?」
「なのにこんなに濡らしてるってことは……あれだね、君は淫乱女の素質があったってことだね」
「ちがっ、そんなのっ、じゃっ、ひっ、ぃぃぃっ!?」
言い返したい……のに、私の身体は言う事を聞いてくれない。
「お、ここが良さそうだ」
そんな中……遂に私の弱いところを見つけられてしまった。
グリュッ……!
「ぁっ、ぎぃぃぃっ!?」
一気に身体が仰け反る。
その隙を、アルクが見逃すはずもなくて……
「お〜やっぱり! じゃあ特別、ここ使ってさっさとイかせてあげようか」
クチュクチュクチュクチュッ!!
「ひぁぁぁぁぁぁっ!? やめっ、やっ、んっ、はぁぁぁぁぁぁっ!?」
ただでさえキツイ乳首への刺激と、アルクのアソコ責め。
今までギリギリのラインで堪えてきたモノが、一気に込み上げてくる。
気持ちいいっ、嫌っ、なのにっ、ダメっ……もう……耐えられ……な……っ……
「あっ、あっ、ぁっ、あぁぁぁぁぁぁっ!? ふっ、あぁぁぁぁぁぁっ!!」
ガクンガクンッ!! プシャァァァっ!!
情けなく腰を突き出し、潮を撒き散らしながら……私は絶頂させられてしまった。
「おっと、もうイっちゃったか」
そんな私の撒き散らした潮を指で掬い、アルクは口に運んでペロッと舐めとる。
「ふ〜ん、オルレアハートの潮はこんな味か。まぁまぁ良いんじゃないかな」
「ぁっ……ひっ、いっ、んっ、ふっ、ぅぅぅ……っ!? これっ、止めっ、てっ、ぇっ……!」
絶頂しても、乳首への責めは一向に止まる気配は無い。
「ん〜、ま、いっか。オルレアハートは乳首責めと手マンで簡単にイっちゃう変態ヒロイン。とりあえずはそれで良いじゃないか」
そんな私の声には耳を貸さないまま、彼女はニヤリと笑った。
「じゃあ第二段階。次は……こっちも使ってみよっか?」
そして、彼女は指を鳴らす。
その直後……私の下から少し大きめの機械が現れた。
ご丁寧に股の下から見えるように現れたソレからは……ドロッドロの粘液まみれにされている、二本の肉棒が生えている。
「ひっ!? だ、めっ、そっちっ、はっ!?」
そんなモノ、使う用途なんて一つしか思いつかない。
けど、咄嗟に足を閉じようとしても、拘束された状態では叶うはずもなくて……
「ぁがっ、い゙っ、ぎぃぃぃっ!?」
為す術なく私のアソコとお尻の穴へと……二本の肉棒が、同時に挿入されてしまった。
「ぁがっ……がっ……ひっ……ぃ……!?」
一気にっ、奥までっ、来るっ、なんてっ、ぇっ……!?
胸を責められる快楽でも上書きできないくらいの息苦しさが、私の下半身から込み上げてくる。
「データじゃオルレアハートはアナル未経験だったよね? どう、初めておマンコとアナルを犯された感想は?」
「ひぎっ……いっ、ぎっ……!」
「あらら、苦しそうだねぇ……でも大丈夫、すぐに気持ちよくなれるって!」
アルクがそう言った瞬間……その肉棒が、一気に上下に動き始めた。
ドチュドチュッ!!
「ひっ、ぎぃぃぃぃぃぃっ!?」
お尻でエッチなんて苦しいだけ、痛いだけに決まっている。
そう思っていた、のに……
「あ゙ぁぁぁっ!? はっ、ひっ、い゙ぃぃぃっ!?」
私の身体は、快楽を感じてしまっていた。
アソコと一緒に犯されているからだろうか。
胸を責められているから、それとも肉棒に付着していたあの粘液のせい?
分からない、けど……
「あ゙ぁっ、はっ、あぁぁぁっ!? ぁっ、ひっ、んっ、ぁっ、ひぁぁぁっ!?」
二本の肉棒で壁を擦られ、下と横から子宮を抉られる。
「ぉごっ、お゙っ、ぐっ、ゔぅぅぅっ!?」
本来使わないはずの場所で抽挿されて、勝手に汚い声が出てしまう。
絶対に人前じゃ出しちゃダメな、恥ずかしいはずの声。
グチュグチュッ!!ドチュドチュッ!!
「んぎっ、い゙っ、ゔっ、ぐっ、ゔぅぅぅっ!? お゙っ、お゙ごっ、ゔっ、ぎぃっ!?」
そうわかっているのに、絶頂直後のこの身体じゃ……もう、耐えられない。
「あ゙がっ、ぁっ、ぎぃぃぃっ!? ひっ、あ゙っ、あ゙ぁぁぁっ!?」
「あ、イク時はしっかりイクって言ってね〜? じゃないとこれ、いつまでたっても終わんないよ〜!」
……そう、これは仕方ない事。
仕方なく言わされるだけ、私の意識で言う訳じゃない。
だから……
「イグっ、だめっ、もっ、イグっ、イグぅぅぅっ!!」
ガクガクッ!!
腰を大きく痙攣させ、身体を拘束台に打ち付けながら……私は言われるがまま、責められるがままに絶頂させられた。
「お〜! 綺麗にイったね〜!」
「イっ、イった……から……とめ……んっ、とめっ、てぇ……!」
「ん? よく聞こえなかったよ、じゃ第二段階、イってみよっか!」
その直後、一瞬たりとも責めが止まること無く……肉棒のピストン運動と乳首を責める回転の速度が、約二倍ほどに加速した。
「ひっ!? まだっ、はやっ、くっ、んぎぃぃぃぃぃぃっ!?」
「さぁ頑張れオルレアハート! 一般人なら摩擦で痛みしか感じないだろうけど、なんたって君は正義の変身ヒロインだ! この程度の責めに負けるなよ!」
アルクは他人事のように、呑気な声をかけてくる。
「ぎっ、ひぃぃぃっ!? あ゙ぐっ、お゙っ、ぁっ、あ゙ぁぁぁっ!?」
対して私は……目を見開き、足先をピンッ!と伸ばし、仰け反りながら快楽に蹂躙され続けている。
「イクっ、またイクっ、またイクぅぅぅっ!? ひっ、あ゙っ、はぁぁぁぁぁぁっ!!」
聞こえるのはモーター音と、私の身体から発される淫らな水音。
否が応でも快楽に向き合う事を強制され……私の身体は、あっという間に次の絶頂へと辿り着いてしまう。
「え〜、またイったのかい? 仕方ないなぁ……じゃ、これもサービスしちゃおっか」
そんな私の姿を見たアルクはイタズラっぽい笑みを浮かべて、再びノートパソコンを触りだす。
そして、エンターキーを押した瞬間……
バチバチッ!!
「がっ、ひぃぃぃっ!?」
胸を責めていた機械から、突如として電撃が発されはじめる。
先程全身を襲った電撃に比べたら遥かに微弱な電撃だけど……それでも先っぽを責めるだけなら、十分すぎる威力。
だって現に……
「ひぎっ、ぃ゙っ、ぎぃぃぃっ!? あ゙ぁぁぁっ!! はっ、ぁ゙ぁぁぁっ!?」
私の身体は、まるで陸に打ち上げられた魚のようにビクンビクンと跳ね続けているのだから。
「やめっ、やめろっ、やめっ、ひっ、ぎぃぃぃっ!? イグっ、またっ、またイグっ、イグぅぅぅっ!? はっ、あぁぁぁっ!!」
快楽で全身を殴られている。
それ以外の例えが、見つからない。
「やだっ、あ゙っ、ぎっ、ぃっ、がぁぁぁっ!? イグイグイグっ、まらっ、まらイグぅぅぅぅぅぅっ!! ぁっ、ぎぃぃぃっ!?」
絶頂、絶頂、絶頂、絶頂。
何度イっても止まらない。
何度でも、何度でも、ただ私をイかせる為だけに、この機械は動き続けるんだろう。
……そんなの無理。
耐えられる訳が無い。
だって私は……ただの学生なんだから。
「ぁぎっ、ひっ、ぎぃぃぃっ!? もっ、おねがっ、ゆるしっ、ゆるしてぇぇぇっ!? ぁぐっ!? ぁっ、またっ、またイっ、ぐぅぅぅっ!? ぁっ、ひぁぁぁっ!?」
「……許して?」
……耐えきれず、私の口から発された懇願。
瞬間、アルクは私の、その一言に反応した。
「ねぇオルレアハート、今私に『許して』って懇願したのかい? 正義の変身ヒロインである君が、悪の組織の私に向けて命乞いしたのかい?」
「はいっ、いいましたっ、いいましっ、たっ、あ゙ぁぁぁっ!? しぬっ、しんじゃうっ、からぁぁぁっ!! たすけっ、ゆるしっ、あ゙っ、イグっ、またっ、イグぅぅぅっ!! ひっ、い゙ぃぃぃっ!?」
アルクの声のトーンが、一気に下がる。
「私が求めているのは、決して悪に屈しない強い変身ヒロインだ。なのにオルレアハート、君はあろう事か私に向かって命乞いした。こんなこと、あっちゃいけないよねぇ?」
「おねがっ、いっ、おねがいしまっ、ひぎゅぅぅぅっ!? たすけっ、たすけてっ!! やだっ、イクのもうっ、ゃっ、あぁぁぁっ!? ひぎっ!? ぃっ、ぎぃぃぃっ!?」
まるでゴミでも見るのような冷めた視線。
でも、そんなことはもう私には関係ない。
だって、仕方ないでしょ。
私が戦う理由は……元々は〝奏を守りたい〟の一つだけ。
なのに、なんでこんな事をされなきゃいけないのか。
もう、嫌だ。
早く助かりたい、もう止めて欲しい、許して欲しい。
……既に私の心は、とっくに折れてしまっていたのだ。
「……はぁ……もういいや」
でも、そんな私のことだって、アルクはとっくにお見通しなのだろう。
明らかに飽きたような様子の彼女が指を鳴らすと……私の上から、まるでヘッドギアのような被り物が降りてくる。
「なにっ、いやっ、やめっ、ぁっ、ぎぃぃぃっ!? やだっ、ゆるひっ、い゙ぃぃぃっ!? あ゙ぁぁぁっ!? はっ、ひぁぁぁっ!?」
これ、被せられたらヤバいヤツだ。
いくら本能的に分かったとしても、今の私が避けられるはずもなく……私の頭はゆっくりと、そのヘッドギアへと呑み込まれていく。
そして、私の頭がヘッドギアによってすっぽりと覆われた、その直後……
「はっ、あ゙っ、ぐぅぅぅっ!? なにっ、かっ、はいってっ、んぎぃぃぃっ!?」
耳の中に、ヘッドギアから生えてきたと思われる細長いモノが入ってきた。
触手のようなそれは耳の壁にピタリと張り付き、ぬちょぬちょと気持ちの悪い音を頭の中へと直前響かされる。
「そいつは洗脳用の機械。次の絶頂をトリガーに洗脳波が出力されて、脳に直接アクセスができちゃう優れものさ。ま、精々頑張って耐えてくれよ」
吐いて捨てたような言葉使い。
それでも、私に絶望を植え付けるには十分すぎる言葉。
「ひっ、いぃぃぃっ!? イっ、イかないっ、イかっ、なっ、あぁぁぁっ!? むりっ、これっ、んぎっ、い゙ぁぁぁっ!?」
今更ながら、頑張って身体に力を込めてみる。
もっとも……この状況で更に耐えられる場所なんて、もう残っていないんだけど。
「やだっ、だめっ、これっ、ひっ、ぎぃぃぃっ!? ぁっ、ひぃっ!? ゃっ、だめっ、イクっ、イクイクイクっ、まらっ、まらイクぅぅぅっ!?」
そして私は、あっという間に……
「ふっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
一瞬たりとも耐える事ができないまま……絶頂させられた。
途端……頭の中に流れ込む、熱い刺激。
「あ゙……ぁ゙……ぁ゙……あ゙……?」
クラクラして、視界が定まらない。
まるで頭の中に直接射精されたみたいに熱を持って……何もかもが、分からなくなっている事だけが分かる。
「あ〜あ、イっちゃったねぇ、オルレアハート。これで、サヨナラだ」
薄れゆく意識と視界の中、アルクが目の前で何かを話している事を認識する。
ここで意識を失ったら、きっと大切なモノを失うって直感が叫んでいる。
けど、もう瞼が、開けていられない。
「次は精々、私を失望させないでくれよ?」
その発言を最後まで聞くことができないまま……私の意識は、スっと闇の中へと溶けていった……
……
……
「んっ……んんっ……」
目が覚めると、そこは見慣れたベッドの上。
制服姿で寝ちゃってたって事は、よっぽど疲れたんだろう。
なんせ、昨日の記憶が全く残ってない。
ベッドの横には中身の散乱したカバン。
靴下どころかローファーすら脱がず、そのままベッドに寝ていた始末だ。
外明るいけど……今、何時だろ……
スマホを見ようとスカートのポケットに手を入れる。
良かった、ちゃんとある。
取り出そうと手を伸ばした、その時……スマホとは別の、何か硬いモノに手が触れた。
なんだろ、これ。
チェーンの付いた謎の物体を、ポケットから取り出す。
「何、これ……?」
それは……買った覚えの無い、ハート型のペンダントだった。
--To be Continued--
初めての敗北、オルレアハートとしての記憶を消されてしまった雅。
果たして彼女はこれからどうなってしまうのか。
引き続き楽しんで貰えたら幸いです。