神姫清廉オルレアハート!-乱行恥虐のスペクトラム- 作:ホリス_if
今回は触手によるリョナ、アナルへの陵辱がメインとなります。
今話から新たな変身ヒロイン、雅の親友である『江崎 奏』が変身する『アイリスリーベ』が登場。
親友の戦う姿に雅は何を思うのか……
是非、お楽しみください。
「何、これ……?」
私のポケットから出てきた謎の物体。
それは買った覚えの無い、ハート型のペンダントだった。
「っと、そうだそうだ」
……そんなことより、今は時間を確認する方が大切。
いったんペンダントを横に起き、スマホを取り出して電源ボタンを押す。
「やっば……」
そこに表示された時間は……午前十時。
やらかした。完全に遅刻だ。
心配してくれているのか、奏からの連絡が大量に届いている。
「……はぁ」
こうなったら、もう多少登校時間が伸びたとしても既に誤差の範囲だ。
私は履きっぱなしのローファーを脱いで、ゆっくりとベッドから立ち上がる。
ローファーを玄関に置き、さてどうしようかと、再び大きなため息。
「……シャワーでも浴びよっかな」
とりあえず……身体のベタベタとどこかモヤモヤする思考を洗い流そうと、私は浴室へと向かうのだった。
……
……
更衣室で着たままだった衣類を全て脱ぎ、そのまま洗濯機へ投入。
そして小さな浴槽と小さな洗い場、ごく一般的な浴室へと、私は足を踏み入れる。
シャワーからお湯を出して、まずは頭から浴びる。
みんなが学園に行ったり仕事をしている時間に浴びるシャワーというのは、中々特別感が味わえて良い。
まぁ、これはこの後に待っている先生からのお説教が代償なんだけど。
なんて事を考えながら、顔、頭と順に洗い流していく。
首から上がサッパリしたら、もうシャワータイムは半分終わったも同然。
さ、後はいつも通り、パパっと身体を洗ってしまおう。
ボディソープを手に取り、上から順に両手で身体を洗っていく。
首、肩、腕、と来たところで……私は少し、異変を感じる。
「んっ……ぁ……んんっ……」
ある程度の大きさを持っていると自負している私の胸。
そこそこの大きさがあるということは、谷間や下の方が蒸れやすいということ。
だから私は胸を重点的に洗う事が多い。
そのはずなんだけど……
「ぁっ……ふ……っ……んっ……」
いつもなら事務的に洗うだけ。
なのに何故か、今日はヤケに感じやすい。
「なに……っ……これっ……ぁっ……」
何かした覚えは無いんだけど……いや、特に何をしたらこんな風になるなんて知識も特に無いんだけども。
「は……っ……ぁ……っ……んっ……ふっ、ぅ……」
私の手は、勝手に先っぽへと向かっていた。
両手で両方の乳首を、自分でクリクリと弄ってしまう。
普段オナニーなんてしないはずなのに、気持ちいいのが止められない。
腰が抜け、浴室の床にそのまま座り込んでしまう。
けど、止められない。
ただただ快楽を求めるためだけに乳首を弄る。
平日の朝からオナニーなんて、こんなの、まるで淫乱女そのものだ。
「ぁっ、んっ、ひっ、ぅっ、ふっ、ぁっ……!」
段々、熱いモノが込み上げてくるのが分かる。
やがて……
「はぁっ、はぁっ……んっ、ぁ……ひっ、うぅぅぅっ!?」
ビクビクッ!!
……そのまま私は、イってしまった。
腰がガクガクと痙攣してしまう。
けど……まだお腹の奥が、キュンキュンしているのを感じる。
「もしか、して……」
流石にそれはマズい。
頭ではそう分かっているはずなのに。
ズチュッ……
「んっ、んんっ……!」
私の右手の指は……勝手にアソコを弄り始めてしまっていた。
ズチュッ……ズチュッ……
「んぁっ、はっ、ぁっ、んっ、あぁっ……!」
入り口から手前側の上の方、私が一番感じやすいところを中指で擦る。
「ぁっ、んっ、はっ、んっ、ふっ、ぅうっ……!」
ヤバい、これ、気持ち良すぎる。
流石に止めなきゃ、今までの私に戻れなくなる。
「ひぁっ、んっ、んんっ……ぁっ、イクっ、イクイクっ……イクっ……!」
そう、分かっているのに……指は、止まってくれない。
そのまま、流されるように……
「だめっ……イっ……ク……っ!!」
ガクガクッ!! プシャァァァッ!!
イってしまった。
しかも、潮まで撒き散らしてしまう。
「はぁっ……はぁっ……っ……はっ、は、ぁっ……」
座り込んだまま、肩で息を整えていると、次第に快楽の余韻が薄れていく。
「何……やってんだろ……私……」
同時に……朝から全裸でオナニーしていた、という事実で後から自分への嫌悪感が湧き上がってくる。
「……洗い直しだな、これじゃ」
……その嫌悪感までも洗い流すように、私は再び頭からシャワーを浴び始めるのだった。
……
……
「はぁ……」
私の身体、何かがおかしい。
そう思いつつ、私はドライヤー片手に全裸で髪の毛を乾かしていた。
この要因が何なのか、自分ではさっぱり分からない。
スマホで時間を見ると、時刻は十二時。
ついでに奏からのお昼の報告付き。
何だかんだ、シャワーだけでかなり時間をかけてしまったらしい。
「……面倒だなぁ」
いっそ今日はサボってしまおうか……なんて考えつつも、結局実行に移せないのが私。
ぶつくさと文句を垂れてても、最後にはただのお利口さんに落ち着いてしまう。
「……はぁ〜」
誰も見てないのを良いことに、本日何度目かのため息をつく。
いつもの白色無地な上下の下着を着け、黒のタイツを履き、制服を着る。
そしてベッドの横に散らばっていたカバンの中身を整理し、今日の午後からの用意をパパっと詰め込んだ。
「……これ、奏なら知ってるかな」
最後に謎のペンダントを雑にポケットへと突っ込み……
「……ついでに何か、食べてこっかな」
……私は学園と、ついでに昼食を食べに行くため、玄関の扉を開ける。
太陽の陽が、眩しい。
更に増す憂鬱感を押し込めるように、私は足を踏み出した。
……
……
「おっ、雅〜っ! おっそよ〜! お説教お疲れ様!」
「おそよ〜奏〜。いや〜、流石に疲れたよアレ」
「あはは、弓口先生のお説教、長いからね〜」
登校早々、担任の弓口先生に職員室へと呼び出されてのお説教。
分かっていた事といえど、いざ直面すると非常に疲れる。
「雅、お昼は食べてきたの?」
「うん、せっかくだから」
「いつものとこ?」
「んん、今日は別のとこ」
「へ〜、美味しかった?」
「ん〜、そこそこだった」
「そこそこか〜」
「うん、そこそこ」
そんな何気も無い話をしながら、私は奏と隣同士である自分の席へと座る。
幸い、午後はそこまで面倒な授業は無い。
そもそも学園が面倒という話は他所に置いておくとして……今は来たる授業への憂鬱を押し込めながら、奏とのワチャワチャとした時間を楽しむことにするのだった。
……
……
「いや〜今日もお疲れ様だねぇ」
最後の授業が終わって早々、奏が話しかけてきた。
「今日は雅も何も無いでしょ? 一緒に帰ろっ!」
「そだね、じゃ、帰ろっか」
奏の言う通り、今日は特に学園での予定は無い。
なんか剣道部もしばらく活動を休止するらしく、風紀委員も〝後輩育成〟と銘打ってしばらくはおやすみ。
……まぁどっちも最近行ってなかったし、特に何かあるって訳じゃないんだけど。
並んで廊下を歩き、互いに下駄箱から靴を取り出す。
今までの学校と違い、この学園で使う靴は指定のローファー。
だから、一緒に遊ぶ度に何度か取り違えてしまった事もある。
しかもサイズも色も同じだったから、今ではどの組み合わせが正しいのかはもう分からない。
だからといって、特に不快感はない。
だって相手は奏だし、もう今更、といった気分。
そういえば奏とも長いなぁ……この学園に決めた時だって……
「ねぇ雅、大丈夫?」
「あ、うんっ! ごめん、少しボーッとしてた」
「最近多いよね……もしかして疲れ、溜まってる?」
「ん〜……そうかも。何かしてる訳じゃないんだけど」
「頼むよ〜雅さん〜。無理して体調崩さないでよ〜?」
「はいはい、ありがとっ、奏」
私を気遣って、おちゃらけた雰囲気で話してくれる。
そんな奏が、私は大好きだ。
……きっと奏なら、ふざけないで相談に乗ってくれるだろう。
「ねぇ、奏」
「ん、なに?」
そう思って、こちらを覗き込んでいた奏に……問題のペンダントを見せてみた。
「これ……何か知ってる?」
そのハート型のペンダントを見せた、その瞬間……奏の顔からは、険しさが滲み出る。
「……これ、どこかで拾ったの?」
「いや、なんか昨日帰ったらポケットの中に入っててさ。買った覚えも無いし、奏なら何か知ってるかな〜って」
「そっか……」
奏は少し俯き、考えて……再び、いつも通りの笑顔を浮かべた。
「……あ〜、ごめんっ! 私も分からないっ! でも可愛いし、折角なんだし使っちゃえばいいんじゃない? ほら、スマホとか財布に付けたりしてさっ!」
「やっぱ奏も知らないか〜。大丈夫大丈夫っ、ありがとっ!」
少しだけ見えた奏の表情に何かを感じつつ、私はペンダントを再びポケットの中へと突っ込んだ。
そして、再度前を向いた、その刹那……
「……えっ、何……ここ……?」
……私は見た事のない、路地裏のような場所に足を踏み入れていた。
「か、奏っ!? なにっ、どこっ、なんなのここっ!?」
「……雅、私の傍から離れないで」
目の前には薄暗くて広い部屋。後ろを振り向いても、そこにはただ真っ直ぐ続いている路地裏。
記憶にない場所に突如として連れてこられてパニックに陥る私の隣で、妙に落ち着いている奏。
「なんで雅まで……もしかしてあのペンダント、本物だったの……? でも、素質がなきゃ入れるはず無いし……いや……でも……」
「か、奏……?」
「あ、ごめん……大丈夫、大丈夫だよ、雅。いい? 大丈夫、落ち着いて。私の近くにいたら安全だから、ね?」
考え込んでいた奏に話しかけると、彼女は再び、優しい顔で私を落ち着かせようとしてくれる。
奏に連れられるように一歩足を踏み出そうとした……その時だった。
「……っ、雅っ!!」
「わっ、きゃあっ!?」
突然、奏が私を突き飛ばした。
「いたっ!? ちょっ、奏っ、なにしっ……ひっ!?」
上手く受け身がとれずにお尻を強打してしまう。
怒ろうとしたその刹那……私が元いた場所の、その真下から……私の二倍ほどもある化け物が生えてきたのだ。
「え……ぁ……な、なに……なにっ……これ……っ!?」
その周りから連なるように、赤紫色の粘液まみれでグロテスクな触手が、大量に生え出てくる。
そんなアニメですら見ないような光景が、目の前に流れている。
私の脚は力を失い、その場にヘロヘロとへたりこんでしまう。
「っ、か、奏っ! 奏、大丈夫っ!?」
せめてもと必死に声を出し、私は横にいる奏へと声を掛ける。
「……大丈夫、安心して、雅」
……けど、奏の声は、私みたいに震えた声じゃなくて。
「私が、倒してみせるからっ!」
しっかり立って化け物を睨みつける彼女の手には……あのペンダントが握られていた。
「ついてにそのペンダントの正体、教えてあげるっ! ……変身っ!」
そしてそれを掲げた瞬間……奏の身体は、眩い光に包まれた。
しかしそれも一瞬のこと。
光が晴れた時……奏の姿は、全く別のモノに〝変身〟していた。
オレンジ寄りのショートヘアだった髪型は、緑色のロングヘアに。
それに、さっきまで私と同じ制服だったはずの服装もまるで別物。
例えるなら、まるでチアガールの衣装みたいな姿。
胸の形が分かるくらいにピッチリと張り付いた肩出しスタイルの上半身。
谷間を魅せつけるように、胸元が軽く開けられている。
お腹まわりは丸出し。
白色ベースで淵に赤色の装飾が施されたスカートからは、白いタイツを履いたスラッとした脚が覗き、膝から下には赤色のロングブーツが履かれている。
首には普段の奏なら選ぶ事はないであろう、ハート型のペンダントが付いた黒色のチョーカー。
そんな、赤をベースに白色で装飾されたその衣装を、奏は自分のスレンダーで綺麗な身体を彩るように可憐に着こなしていた。
腰には縦長の箱みたいなモノが左右に付いていて、白いグローブを着けた両手には……四角くて長いトンファー?みたいな武器。
その武器から生えた棒を、奏は片手ずつ握っている。
「アイリスリーベ、参上っ! 今日こそ倒してやるわよっ、ハウンズっ!!」
そんなお決まり文句を叫ぶと、奏……いや、〝アイリスリーベ〟は、触手の化け物に向かって武器を向けた。
そして、アイリスリーベがギュッと棒を握った瞬間……
「さぁっ、ぶちかますわよっ!! 雅っ、耳塞いでてっ!!」
「うっ、うんっ!」
アイリスリーベからの指示に従って私が耳を塞いだ瞬間、武器の先端から、爆音と共に砲撃が開始された。
「きゃあっ!?」
突然の轟音にびっくりしつつも、奏の姿を見守るべく、私は目を開き続ける。
アイリスリーベの放った弾丸は化け物へと直撃……したように見えた。
けど、爆煙が消えた先にいる本体は無傷。
どうやら周囲の触手を盾にして、その攻撃を防いだみたいだ。
「まだっ、ならっ!」
それでもアイリスリーベは止まることなく、今度は化け物の周囲を走りながらの攻撃を開始した。
「はぁぁぁっ!!」
走りながらも攻撃を的確に当てるアイリスリーベと、その攻撃を全て触手で防ぐ化け物。
アイリスリーベの放つ砲撃は触手を二、三本巻き込んで吹き飛ばすが、その度に化け物は新たな触手を地面から生やし、新たな盾にする。
それどころか、化け物は本体から少し離れたところから触手を伸ばしてアイリスリーベへの攻撃を混ぜてきた。
「くっ、このっ!!」
だがその程度の攻撃は、彼女も予想していたみたい。
正面から突撃してくる触手を武器の砲塔部分で弾きながら、アイリスリーベは化け物への攻撃を続けていた。
「こっ、のっ!! いい加減っ、やられちゃいなさいよっ!!」
アイリスリーベが化け物を撃ち、触手がそれを防ぐ。
お返しとばかりに触手を伸ばし、アイリスリーベがそれを叩き落とす。
まさに一進一退の攻防、といった具合。
もし剣とかの近づいて攻撃できる武器があったら楽そうなのに……と思いながら、私は彼女の戦いを見守っていた。
……けど、この拮抗に少し苛立ってきたのだろうか。
先程から、アイリスリーベが舌打ちするタイミングが増えてきた気がする。
剣道の試合でも、選手には冷静さが求められる。
この調子で大丈夫だろうか……
そう心配しちゃうけど……元々戦う力の無い私に言われるのは、余計なお世話って感じになるんだろうな。
「仕方ないっ、雅っ、少し離れててっ!!」
「は、はひっ!?」
そんな中で飛んできた、突然の勧告。
アイリスリーベからの指示に慌てつつも、私は急いで彼女と反対側の壁際まで下がる。
アイリスリーベは私が下がったのを確認して……
「いっく、よっ!! 必殺技っ!」
彼女は一気に、壁を垂直に走って登り始めた。
「うわっ……すっご……」
変身したら、何か力が強くなったりしてるんだろうか。
今まで一度も見た事のない彼女の壁走りに少し興奮しつつも、彼女から目を離さない。
そんなアイリスリーベはある程度の高さまで走ると……足元の壁を強く蹴り、宙返りした。
彼女の真下には、ちょうど化け物の本体。
アイリスリーベは、その化け物目掛けて頭から垂直落下し始めたのだ。
思わず声を出しそうになる。
けど、アイリスリーベは余裕そうで……
「これっ、耐えられるかなっ!!」
彼女が両手を交差させると腰の箱が動き出し、新たに銃口が現れた。
両手の武器と、腰の銃。
合計四門の銃口を、真下にいる化け物と触手へと照準を合わせた。
そのまま……
「くらえっ、〝バレットカルテット〟ッ!!」
彼女は空中で回転しながら、四門の銃口から無造作に弾をばら撒き始めたのだ。
「きゃあぁぁぁっ!?」
歌声のように奏でられる突然の轟音に、またもや私は悲鳴をあげてしまう。
けどアイリスリーベは銃撃をしっかりと制御できているみたいで、私の方には一切弾は飛んでこない。
着弾点は、全て敵。
落下から着地までのわずか数秒。
その僅かな時間で、アイリスリーベは目に見える触手を全て撃ち抜いていた。
しかし、化け物もただやられてばかりでは無いらしい。
着地寸前の無防備になる瞬間目掛け、本体の触手を叩きつけようと振りかぶっていた。
「奏っ、危ないっ!」
「大丈夫っ!」
健康的なお腹に触手が叩き込まれると思った、その瞬間……アイリスリーベは空中で縦にクルッと回り、その触手を蹴り飛ばしたのだ。
結果、彼女は安全に、化け物の目の前に着地する。
「これでっ、トドメっ!!」
そして立ち上がりざまに両手の武器を化け物に押し付けると……
「くらっ、えぇぇぇっ!!」
銃口を密着させたまま、両手の武器から弾を発射した。
くぐもった爆発音に、思わず目を閉じてしまった。
再び私が目を開けると……化け物の身体には、二つの大穴が空いている。
その目の前には、少ししか傷が無いままピンピンと立っているアイリスリーベの姿。
「雅っ、大丈夫だった!?」
彼女はそのまま、焦った顔で私の方へと走ってきた。
「わ、私は大丈夫! それより奏の方こそっ、あんな事して大丈夫なのっ!?」
「あ〜、私は大丈夫っ! なんたって私は正義の魔法少女、アイリスリーベだからねっ!」
……あの戦い方は魔法少女というより、武装少女か魔砲少女じゃないの?
なんて、口に出せるはずもなく。
とりあえずは無事に勝利を収めた奏と、安堵の意を込めて互いに笑いあう。
……その時だった。
「か、奏っ、後ろっ!!」
「えっ?」
……さっき奏が吹き飛ばしたはずの化け物が、再び床から生えてきたのだ。
「ちっ、まだいたのっ!」
奏が再び武器を構えて、化け物と円を書くように距離を取る。
化け物の周りにはまた触手が生え、状況は振り出しに戻ってしまう。
「雅っ!!」
焦った顔の奏が、私の名前を呼ぶ。
何事かと思った、その瞬間……
「ぁぐっ!?」
私の手脚が、急に壁から生えた触手に絡まれてしまった。
壁に引き寄せられ、そのまま磔みたいな状態になってしまう私。
「ぐっ、うっ……!」
痣が残りそうなほど締め付けられ、身動きが取れない。
「雅っ!! ぐっ、このぉっ!!」
私が拘束されているのを見て、余計に焦りを表してしまうアイリスリーベ。
段々と動きが大雑把になっているのが、私の目からでも分かってしまう。
だめっ、その動きじゃ……っ!
そう、口から言葉が出る前に……
ドスッ!!
「がはっ……!?」
遂に触手の一撃が、アイリスリーベのお腹へと深々とめり込んでしまう。
自身のスピードが乗った状態で叩き込まれた一撃に、思わずアイリスリーベの身体が丸まる。
そんな状態を、この化け物が見逃すはずなくて……
ガスッ!!
「ぁぎっ!?」
蹲るアイリスリーベの後ろから、再び触手が叩き込まれた。
無防備な彼女を守る物は何も無く、アイリスリーベは転がるように正面に向けて吹き飛ばされてしまう。
「奏ぇぇぇっ!!」
殴られた勢いで武器は手放され、もう腕を伸ばしたくらいでは届かない位置に行ってしまっていた。
この触手……アイリスリーベが敗北する瞬間を私に見せるために、私を拘束しているのだろうか?
そう思ってしまうほど、触手は私に対しては何もしてこない。
けど、アイリスリーベに対しては違う。
「ぐ……っ……ぅ゛っ……!」
よほど先程の攻撃が効いてしまったのだろうか。
痛そうに呻きながら、彼女は地面に倒れ伏してしまう。
そんなアイリスリーベの首に……一本の触手が巻きついた。
「ぐっ……はなっ、ぁぐっ……!?」
彼女は首の触手を振りほどこうとする。
けど、触手の方が一手早い。
触手は自身を高く上げ、彼女の身体を、まるで首吊りのように持ち上げたのだ。
「がはっ……ぁ……ぎっ……くるっ……し……っ!」
空中でもがきながら、何とか触手を振りほどこうともがくアイリスリーベ。
歯を食いしばりながらヨダレを垂らし、足掻くように脚を動かす姿は、あまりにも見ていて痛々しい。
しかし、これだけでは終わらなかった。
次の手、とばかりに触手は自身ごと彼女を振り回し始め……勢いのまま、彼女を背中から地面へと叩きつけたのだ。
ドゴォッ!!
「がっ、あ゛ぁぁぁっ!!」
土煙の中からは、アイリスリーベの悲鳴。
そんな悲鳴を楽しむように……触手は、繰り返し彼女の身体を地面へと叩きつける。
ドゴォッ!!
「い゛っ、ぎぃぃぃっ!?」
ドゴォッ!!
「ぐぁ゛あ゛ぁぁぁっ!!」
……止めて、もう見たくない。
「止めて……お願いっ……もう止めて……っ!!」
私は逃げるように目を閉じ、許しを乞う言葉を並べる。
「ぁ゛っがぁぁぁっ!? ぁっ、ぎっ……ひっ、ぐぅぅぅっ!?」
あまりに悲痛な叫びに耳を塞ぎたくても、触手の拘束がそれを許してくれない。
どれだけ聞きたくなくても、アイリスリーベの悲鳴と、彼女が激突する音だけが、この場所に鳴り響く。
そして何度も何度も叩きつけられ、痛みに苦しむ声を、強制的に耳に届けられてしまう。
こんなのもう戦いじゃない、ただの暴力だ。
あまりにも、酷すぎる。
「ぐぁ゛っ、あ゛ぁぁぁっ!! ぁぐっ……ぐっ、ぁ゛……っ……」
……やっと、音が止んだ。
恐る恐る目を開ける、と……
「ぁ゛……が……っ……」
……そこには、既に首の触手に手を当てることすらままならない……まるで〝処刑完了〟とばかりに吊り下げられる、アイリスリーベの姿があった。
「か……かな……で……?」
振り回される勢いで脱がされてしまったのか、アイリスリーベの脚に履かれていた赤色のロングブーツはいつの間にか無くなり、彼女の脚を守るのは白いタイツだけ。
勝ちを確信したように触手が首の拘束を解くと、彼女はそのままぐしゃっと地面に落ちてしまう。
仰向けで倒れ、動けないままのアイリスリーベ。
化け物はそんな彼女の柔らかそうなお腹の上から触手を押し付け……そのまま捻り始めたのだ。
ドチュッ……グリッ……グリュッ……!
「ぎっ……!? がっ、あ゛ぁぁぁっ!? あ゛がっ、ぎっ、ぁ゛ぁぁっ!?」
意識が朦朧としていても、強制的に引き戻されるような激痛に襲われているのだろう。
目を見開いて、今まで聞いたことの無いような悲鳴をあげるアイリスリーベ。
こんな、立つのも辛い状態の時にお腹を踏みにじられているような状態……到底耐えられるはずがない。
「がぁ゛ぁぁっ!? ぁがっ、あ゛っ、ぎっ、い゛ぃぃぃっ!?」
「かなっ……で……ぇ……ぐ……ぅっ……!」
さっきまで敵を翻弄するように走り回っていた脚も、今は痛みでピクピクと震えている。
既に武器を手放した両手は地面に押し付けられ、必死に痛みに耐えている様がヒシヒシと伝わってくる。
「ぐっ、あ゛ぁぁぁっ!! ぁがっ、がっ、あ゛ぁぁぁっ!! ぁっ、ぃぎっ、い゛ぃぃぃっ!? ……が……っ、ぁ゛……っ……」
それでも……身体は、限界を迎えてしまう。
アイリスリーベは痛みに耐えきれず、とうとう意識を失ってしまったようだ。
ビクビクと痙攣しながら最後に放った、断末魔のような叫び声。
親友のあんな声を前にしても何もできない私……そんな自分に腹が立って仕方がない。
しかし……これで終わるはずがなかった。
化け物はアイリスリーベのスカートの中へと、一本の触手を潜り込ませる。
ビリッ!
続いて聞こえてきたのは繊維を破る音。
同時に宙に舞ったのは、白色の下着。
考えたくはないけど……多分、あれはアイリスリーベが履いていた下着なんだろう。
化け物はそのまま、意識を失ったアイリスリーベの首と両手首、両膝へと触手を巻き付ける。
そして彼女を空中に吊り上げ……両手は上で束ね、脚をエム字開脚のように開いて、彼女を固定したのだ。
まるで犯す為の準備が完了した、と言いたげな姿……その後、目覚まし代わりの一発が、アイリスリーベのお腹に叩き込まれる。
ドスッ!!
「ぁぐっ!? ぁっ……がはっ……! な、なに……何……する……気……?」
ヨダレを口から垂らしながら、なおも化け物を睨みつけるアイリスリーベ。
そんな彼女の足元へと、一本の触手が迫る。
「ひっ……!? ……くっ、そ、そんなの……で……私は……負け……ない……っ!」
もう自力では立つことすらままならないであろう彼女。
それでも、アイリスリーベは気丈に振る舞う。
「っ、悪……趣味……こんなのっ、で……犯されたって……まだ、私は……負けない……から……」
そんな事は気にも止めない、とばかりに、彼女のスカートの中ににじり寄る触手。
「くっ……やめっ、ろぉっ……くるっ、なぁ……っ!」
嫌悪感と震える声を抑えるように、化け物に向かって彼女は叫び続けた。
それでも触手は、ゆっくりと彼女のお股を目指して登ってくる。
触手の熱を感じたのだろうか、アイリスリーベはギュッと歯を食いしばった。
「っ!? ちっ、ちがっ、そっちっ、はぁっ!?」
ただ一つ、彼女にとって想定外だったのは……
ドチュッ!!
「ひぎっ、い゛ぃぃぃっ!?」
その触手はアソコではなく……アイリスリーベのお尻の穴へと、ぶち込まれたのだ。
「お゛っ……ぐっ……う゛……っ……!? ぐ、ぐるっ、し……っ!?」
異物感に苦しむ彼女を気にすることなく、触手はそのまま……彼女のお尻を犯すように、動き始めた。
ドチュッ、ドチュッ!!
「う゛ぁっ!? ぎっ、い゛っ、ぐっ、あ゛ぁっ!? ぁがっ、ぎっ、ぁ゛っ、がっ、ぁ゛あ゛っ!?」
その声色には快楽の色は微塵も無く、あるのは屈辱と苦痛の色だけ。
「あ゛ぐっ、う゛っ、ぐっ、う゛っ、ぎぃっ!?」
まるで腸内を引き出すかのような勢いで行われるピストン運動。
スカートで隠れているおかげで、アイリスリーベと触手の接合部は見えない。
それでも彼女の足元で面積を増やし続けている水溜まりが、その陵辱の激しさを物語っているように見えた。
ドチュッ、ドチュッ!!
「う゛ぐっ、う゛っ、ぁ゛っ、ん゛っ、ぎぁ゛っ、がっ、はっ!?」
……でも、アイリスリーベの顔に明らかな苦痛が現れていたのは、ほんの少しだけ。
十回、二十回と触手が彼女のお尻から引き抜かれ、再び挿入される、その度に……
「んぐっ、ふっ、ぎっ、い゛っ、ぃっ……!? なにっ、こっ、れっ、ん゛っ、ぐっ!?」
段々と彼女の声色に……快楽が顔を出し始めたのだ。
ドチュッ、ドチュッ!!
「お゛っ、ぐっ、う゛ぅっ!? こっ、こんなっ、のっ、お゛ぉっ!? ぜっ、たっ、おかっ、しっ、い゛ぃっ!?」
アイリスリーベ自身も、この感覚に戸惑っているようだ。
こんな化け物に、しかもお尻を犯されて感じているなんて……きっと奏の事だ、死んでも認めたくないんだろう。
でも……彼女の顔は明らかに紅潮してしまっていて、口の端から垂れるヨダレも止まっていない。
「か、奏っ! 頑張ってっ、お願いっ! そんなヤツに負けないでっ!!」
「みやっ、びっ、い゛ぎっ!? みっ、みなっ、い゛っ、でっ、ぇっ、あ゛っ、ぐひっ、い゛ぃっ!? あ゛っ、がっ、ひっ、ぃ゛っ!?」
必死で顔を背けようとしても、下から突かれる衝撃で身体を反らしてしまうアイリスリーベ。
そんな彼女に対して、私ができるのはせめてもの応援だけ。
それがすごく、もどかしい。
いっそ一緒に犯されて、一緒に快楽に侵されてしまえばどんなに楽だったろうか……なんて考えが、ふと頭をよぎってしまう。
ドチュッドチュッ!!
「ふぐっ、う゛っ、ぐっ、う゛ぅっ!! まけっ、なっ、い゛っ、ぎぃぃぃっ!? ぐっ、ふっ、ぎっ、い゛っ……ぁ゛っ、がっ、う゛っ、ぐぅぅぅっ!?」
……頭を振って、そんな考えを吹き飛ばす。
だって奏は、アイリスリーベはあんな状態でも頑張っているんだ。
それなのに私が先に諦めてどうするんだ。
大丈夫、きっと奏は勝てる。
なんたって奏は正義の魔法少女、アイリスリーベなんだから!
「ぁ゛ぎっ!? やめっ、それっ、だっ、めぇぇぇっ!? やだっ、むりっ、おねがっ、やめっ……ひっ、ぎぃぃぃっ!?」
……ビュルルルルっ!!ビュクビュクッ!!
そんな私の呑気な望みは……アイリスリーベの体内から聞こえた濁流の音に、全て掻き消されてしまった。
「あ゛づっ、い゛っ、ぎぃぃぃっ!? イグっ、これっ、イっ、グぅぅぅぅぅぅっ!? ぁっ、がっ、あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!?」
ガクガクッ!!ビクビクッ!!
直後、アイリスリーベの身体が激しく痙攣する。
それでも……まだ、濁流の音は止まらない。
ビュクビュクッ!!ドクドクッ!!
「やだっ、やだぁ゛ぁぁっ!? ぁ゛っ、あ゛っ、ぎぃぃぃぃぃぃっ!? とまっ、でっ、え゛ぇぇぇっ!! またっ、まだイグっ、イグぅぅぅぁぁぁっ!! ぎっ、ぁ゛あぁぁぁっ!!」
ガクンガクンッ!!
まるでまな板の上の魚のように、アイリスリーベの身体は痙攣しっぱなしになっていた。
つま先はピンッ!と伸ばされ、拘束された両手はギュッと握ったまま。
白かった彼女のタイツの残っていた部分すら、もう元の色が残っていない程、溢れ出した白濁に汚されていた。
彼女の数少ない自由に動かせる部位すら……今はもう、快楽に支配されてしまっている。
「あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!! ぁがっ、ぁ゛っ、がぁぁぁぁぁぁっ!! むりっ、も゛っ、む゛り゛ぃぃぃっ!! あ゛ぁぁぁっ!! ぁ゛っ、ぎぃぃぃっ!?」
ここまで一度も、濁流の音は途切れていない。
いくら変身して強くなっているといっても、これだけ体内からの刺激を受けてしまえばひとたまりもないはずだ。
「も゛っ、はいらっ、な゛っ、い゛ぎぃぃぃっ!? むりっ、も゛っ、むっ、ひっ、い゛っ、あ゛ぁぁぁ!? ぉ゛ながっ、ぐるっ、じっ、い゛ぃぃぃっ!?」
でも、これだけの辱めを受けても、まだ終わりじゃなかった。
頭がおかしくなりそうな快楽を受けていたはずのアイリスリーベが、徐々に苦しみ始めたのだ。
……何か嫌な予感がする。
その予感の直後、唐突に目の前に広がった光景に……思わず私は、言葉を失ってしまった。
「ぁ゛っ、ぎっ、ぃ゛ぃぃぃっ!? ひっ、ぁ゛っ、う゛っ、え゛っ!? やめっ、い゛っ、やっ……う゛ぶっ、う゛っ、ぶぅぅぅっ!?」
アイリスリーベの体内に収まりきらなくなったのだろうか……まるで噴水みたいに、彼女の口から……白濁液が噴き出したのだ。
「ひっ、いぃっ!?」
到底この世の物とは思えない惨劇。
こんな人の尊厳すら踏みにじる行為、人をモノ扱いするかのような所業、許されるはずがない。
でも、でも……私には、何もできない。
ビュルルルルッ!!
「ぉ゛え゛っ、う゛っ、ぶぅぅぅっ!? う゛ぇっ、ぁ゛っ、う゛っ、う゛ぅぅぅっ!?」
こうしている間にもアイリスリーベの体内には白濁液が注がれ続け、それは口から溢れだしている。
「もうっ、もう止めてぇぇぇっ!! 奏がっ、奏が死んじゃうっ!! お願いっ、私がっ、か、代わりになるっ、なるからっ!! 私がやるっ、からぁっ!! お願いっ、奏を離してぇぇぇっ!!」
せめて戦えなくてもっ、奏の代わりになるくらいは……っ!
そう願って声を出すも、化け物は一向にこちらを振り向かない。
それどころか更にアイリスリーベの反応を楽しむみたいに、彼女に挿入された触手をグチュグチュと出し入れしている。
徐々に身体の動きが小さくなっていくアイリスリーベ。
何もできない悔しさ、無力感に苛まれ、涙が溢れて止まらない。
これ以上、奏のあんな姿を見たくない。
ギュッと目を閉じ、せめてもと涙を堪える。
そんな中……微かに彼女の視線を感じた。
「う゛……ぁ゛……っ……」
恐る恐る閉じた目を開いて彼女の方を見ると……既に彼女は虚ろな目と化して、もう悲鳴もロクに出せていない。
変身に使う力が切れかかっているのか、衣装はそのまま、髪型は綺麗な緑色のロングヘアからオレンジ寄りのショートヘアへと戻ってしまっていた。
今は辛うじて首から下の変身を保てているから、この拷問に等しい所業を受けても耐えられているのかもしれない。
もしこのままこれが続いて、全身の変身が解けてしまったら……最悪、奏の身体は耐えきれずに、そのまま死んじゃう可能性だってある。
でも、奏は口パクで、確かに私に伝えてきたのだ。
〝逃げて〟と。
「……っ、ふざけないでよっ!!」
……冗談じゃない。
仮に私だけ生き残って逃げれたとして、それが何になる。
「奏っ! アンタは私と一緒に帰るのっ!! こんなところで犯されながら死ぬなんてっ、私は絶対に認めないんだからぁっ!!」
そんな思いの丈を叫んだ、その瞬間だった。
……私の身体に、突如として内側から力が湧いてきたのだ。
下を見るとポケットに入れていたペンダントから、ポケット越しにでも分かるくらいに眩い光が溢れ出ている。
……なんだろう、よく分からないけど……私はこれを、知っている気がする。
ぼんやりと浮かんでいただけのイメージが、段々と鮮明になってくる。
そう、確か……この光に身を任せて、イメージを、強く想い、願うんだ。
「……行くよっ!」
キッと化け物を睨みつけながら呟いた、その一言。
ペンダントから出た光が、私の身体を包み込み……その直後、私は〝変身〟を完了した。
このポニーテール、この衣装、この装備……
そうだ……思い出した。
私は、私は……私がっ、〝オルレアハート〟だ!
相変わらず変身の経緯とか、何と戦って来たか、とかの記憶は無いまま。
それでも……何故か私の身体は、オルレアハートとしての戦い方を、力の使い方を、知っていた。
「はぁぁぁっ!!」
両手の盾から刃を出し、瞬時に自身を拘束していた触手を切り裂く。
自由になった身体のままスラスターから柄を引き抜き、クリアグリーンの刃を発生させ、アイリスリーベを犯していた化け物の本体へと突撃する。
当然化け物も触手を生やして対抗してくる……が。
「私はっ、近接戦闘が得意っ、なのよっ!!」
腰のスラスターを使って触手の攻撃を上下左右に回避しつつ、距離を詰めていく。
まるで何度もこの攻撃をくぐり抜けてきた錯覚に陥るけど……今はそんなこと、どうでも良い。
あっという間に私は、化け物のすぐ目の前へと迫る。
「はっ、あぁぁぁっ!!」
迫る触手を切り払いながら、化け物本体の目の前に着地する。
着地時の姿勢は低く、刀を下段に構えたまま。
そして、身体のバネを最大限活かすように……
「いい加減っ、奏をっ、離せぇぇぇっ!!」
身体を回転させながら放ったのは、必殺の逆袈裟切り。
「くたっ、ばれぇぇぇっ!!」
トドメに返しの刃で、上段から真っ直ぐ一気に叩き切る。
歪な四つ切りとなった化け物も、これには耐えきれなかったのだろう。
このまま復活することも無いまま、触手と一緒に消えて無くなっていった。
……同時に聞こえた、グシャッと落ちた奏の音。
「はぁっ、はぁっ……! か、奏っ!!」
あの音が聞こえたということは、とりあえずは奏を犯していた触手ごと消えてくれたということ。
でも、安心するにはまだ早い。
私は急いで刀をしまって柄をスラスターに収納すると、先程まで酷い目にあっていた奏の元へと向かった。
「奏っ、奏っ、しっかりしてっ、奏ぇっ!!」
涙やらヨダレやら白濁液やらで酷いことになっている奏の顔。
だけど……幸い、息はしている。
「……よかったぁ」
間に合った。
安堵感に包まれた瞬間、私の脚からはガクッと力が抜けてしまう。
「……ありがとね、奏。お疲れ様」
へたり込んだままゆっくりと動き、奏の頭を自分の膝枕に乗せた。
奏の身体に付いた粘液とか、今は知った事じゃない。
私の中じゃ、奏は、アイリスリーベは、私を救ってくれた命の恩人なのだ。
だから……奏が目を覚ますまでは、膝枕しててあげようかな。
触手の出る気配の無いこの場所で、私達はゆっくりと、一時の安息を得るのであった。
……
……
--ハウンズ 本拠地--
『オルレアハートが復活し、アイリスリーベと合流したか……ところで変身ヒロインに施した記憶処理、第一段階の記憶解放条件は何だったか?』
『それぐらい頭に入れといてよ……いいかい、第一段階の条件は〝他の変身ヒロインが命の危機に直面した所に遭遇〟しつつ、〝その変身ヒロインを救いたい、助けたいと強く思う〟ことだ』
『ちなみに、その基準にした理由は?』
『なんて事ないよ……仲間は瀕死の状態、自分には戦う力は無い……そんな絶体絶命の状況で、奇跡的に失った記憶を取り戻す変身ヒロイン、というシチュは素晴らしい……これで説明になるだろう?』
『ん〜、私的には目の前で他の変身ヒロインが惨殺されて無力感を噛み締めながら、復讐のために怒りによって再び戦う力を取り戻す方が好きなんだがねぇ』
『黙れガルム、私の癖にケチを付ける気か?』
『まぁまぁ、落ち着きな。なるほど、よく分かったよアルク……ところで第一段階って範囲はどこまでに?』
『だ〜か〜らぁ……はぁ、第一段階で解放される記憶は〝変身ヒロインとしての戦闘能力〟についてのみ。第二段階、第三段階については……そうだね、これは達成者が出た時にでも話そうか』
『今まで記憶処理した変身ヒロインの内では、誰も第二段階解放まで行った変身ヒロインはいなかったからな。今から楽しみというものだ』
『……そこばかりに目を配られても困るぞ? よもや、我々の目的を忘れた訳ではあるいまい』
『勿論です。オルレアハートも注目ですが、他変身ヒロインも、十分魅力的な娘ばかりですから』
『ところで先日処理した別の変身ヒロイン、彼女の様子はどうなっている?』
『ん〜、あれは使い道なさそうだし、何よりもう壊れかけだったからね。苗床処理して正解だったんじゃないかな』
『そうか。なら近々、他の変身ヒロインにお披露目会でもしてやるか』
『いつもの路地裏っぽい触手部屋ならモニターも出せるし、いいんじゃないか?』
『まぁ、そこは各々考えておいてくれ。それでは今回は以上で終了とする。ハウンズに栄光あれ』
--To be Continued--
力を取り戻し奏を救う事に成功したオルレアハート、そして新たな変身ヒロインであるアイリスリーベ。
2人の親友による戦いは、更に苛烈を極めていく……
引き続き楽しんで頂けたら幸いです