※この作品はR-18です。

神姫清廉オルレアハート!-乱行恥虐のスペクトラム-   作:ホリス_if

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オルレアハート第7話

今回は触手陵辱がメインとなっております。
アルクに捕まり、絶体絶命の雅と奏。
果たして二人は変身ヒロインの力を振り絞り、この状況を打開することができるのか……

今回も是非、お楽しみください。


第7話-神姫覚醒!オルレアハート!

 

「さぁ、変身ヒロインの敗北陵辱ショーといこうじゃないか」

 

 アルクの声に合わせて、多数の触手がゆっくりと私達へとにじり寄ってくる。

 

「やっ、めっ、くっ、ぅう……!?」

「離っ、せぇっ、ぐ、ぁあっ!?」

 

 さっきの戦闘で、私達の衣装は既にボロボロ。

 胸もアソコも、くり抜かれたように晒されてしまっている。

 四肢を拘束する触手を振りほどくどころか、僅かに抵抗する力ももう残っていない。

 

「まずは……これから行こうか?」

 

 そんな手を頭の上で拘束され、M字開脚の体勢で拘束された私達の目の前に、一本の太い触手が突きつけられる。

 

「さぁ、これを咥えるんだ」

 

 臭い粘液を垂らす、グネグネとした気持ちの悪い触手。

 こんな物を口の中に入れるなんて……想像しただけで無理……!

 

「こんなのっ、咥える訳っ、ないっ、でしょ……!」

「あら、自分から咥えて欲しかったんだが……そう言われてしまったら、仕方ないねぇ」

 

 不満そうな顔をしたアルクが、パチンッ!と指を鳴らす。

 その瞬間……

 

「ぁがっ!?」

「ぉぐっ!?」

 

 私達の後ろから触手が首に巻きついて、そのままギチギチと絞められた。

 

「ぁ……ぎっ……ぃっ、ぎっ、い゛……っ……!?」

「ぐっ、ぐるっ、じっ……ぃっ、ぁ゛っ……!?」

 

 酸素の供給が止まり、一気に息苦しさが襲ってくる。

 横から聞こえる奏の声にも濁音が混じっていて、顔は見えないけど多分同じ目にあっているって事が分かる。

 

「このまま絞め殺しても良いんだが……生憎、これはショーなのでね。見ている側が楽しめ無ければ意味が無い。そこで、だ」

 

 アルクはそのまま、手を大きく広げて大胆なポーズを見せつけながら、芝居がかった口調で話し始めた。

 

「この首絞めに頑張って耐えて耐えて、〝後〟に口を開けた方の口に、この触手をぶち込んであげよう」

 

 ……つまり奏を助けたければ、なるべく長く苦しむ姿を見せろ、って事だろう。

 なんて悪趣味なヤツ。

 できればすぐにでも、アイツを叩き斬ってやりたい気分だ。

 

「ぐっ……ん゛……ぎ゛……ぃ゛……っ……!」

「ん゛……ぐっ、ぅ゛……う゛っ、ぐっ……!」

 

 ……でも、所詮それは願いに過ぎない。

 悔しいけど、今の私にできることは……可能な限り耐え続けること。

 

「ぃっ、ぎっ……ぐっ、ぅ゛……!」

「ぐっ、ぅ……っ……ぃ゛……ぎ……っ……!」

 

 奏が早々に口を開けないということは、〝私が奏を裏切った〟という誤解も解けた、ということなんだろう……多分。

 気を失っていた間に何が起きたのかは分からないけど……それだけが、今は救いだ。

 

「ん〜、このくらいじゃすぐに音を上げてはくれないかぁ」

 

 苦しむ私達の姿を楽しむみたいに、ニヤニヤと笑みを浮かべている。

 

「それでこそ変身ヒロイン! と、褒めてあげたいところなんだが……生憎、そこまで時間がある訳じゃなくてね。少し、強硬策を使わせてもらおうかな」

 

 憎まれ口すら叩けない状況だけど、せめてもとばかりにキッと睨みつける。

 ……その時だった。

 私の首を絞める触手の力が、急に強まってきた。

 

「ぎっ!? がっ、あ゛ぁあぁぁぁっ!?」

 

 ギチギチと骨が軋む音が、直接脳まで響いてくる。

 これっ、首っ、折れっ、ちゃ……!?

 更に強く首を絞められ……つい私は、叫んでしまった。

 

「お、脱落者決定だね」

 

 このまま首を折られてしまうと思った、その瞬間。

 嬉しそうなアルクの声と同時に、私の首の触手から絞める力が抜けていった。

 

「ぁ゛がっ……!? がはっ、げほっ、げほっ!! ……はっ、ぁっ……はぁ、はぁ……っ!」

 

 急激に流れ込んでくる、数分ぶりの酸素。

 口を大きく開けて、不足していた酸素をめいいっぱい取り込んでいた。

 

「はぁっ、はぁっ……ぇ……?」

 

 ……その時だった。

 

「んぐぅぅぅっ!?」

 

 私の喉奥目掛けて、ぶっとい触手が侵入してきたのだ。

 

「ぉ゛あ゛っ、ぁ゛っ、あ゛ぇ゛っ!?」

 

 喉の空間を一瞬で満たし、壁をゴリゴリと抉りながら、私の胃まで一瞬で到達してしまったのが分かってしまう。

 

「まっ、待ってよ! 私の方が長く耐えてた! だから雅じゃなくてっ、私に……!」

「ん〜、良いねぇその顔! 自分の身を犠牲にして友達を助けようとしたのにそれが無駄だったと知ったその顔! 良いっ、実に良いよっ!!」

 

 焦った奏の声と、歓喜に満ちたアルクの声が聞こえる。

 何か話してるみたいだけど……そこに意識を割く余裕は無い。

 

 グチュ、グチュ、グチュ、グチュ……!

 

「ん゛ごっ、ぉ゛っ、ごっ、ぇ゛っ、ぐぉ゛っ!?」

 

 粘液を塗り込まれるみたいに喉の中を掻き混ぜられる。

 快楽とか、そんなモノは一切感じない。

 苦しい、気持ち悪い、ただそれだけ。

 

「ぅ゛ぶっ!? ぉ゛っ、え゛……!」

 

 ……触手がっ、膨らんできた?

 ヤバいっ、これっ、何かっ、出され……っ!?

 

 ビュルルルルッ!!

 

「ん゛っ、む゛ぅ゛ぅぅぅっ!?」

 

 私の危惧した通り、胃の中へと直接、熱くてドロドロとしたモノが流し込まれる。

 しかも、触手に栓されて吐き出せない……臭いっ、気持ちっ、悪い……!

 

「ん゛ぶっ、ぐっ、ぇ゛っ、う゛っ、ぶっ……」

 

 強烈に込み上げてくる嘔吐感。

 触手の粘液でお腹がパンパンになってるのが分かる。

 

「う゛……ぉ゛っ、え゛っ……ぅ゛……!」

 

 無理……このままじゃっ、お腹っ、破裂しちゃう……

 もうっ、限界……そう思った時。

 ズリュッ、と音を立てながら、私の口から触手が引っこ抜かれた。

 

「んぁ゛……! ぅ゛えっ……ぁがっ、ぁっ、はっ、ぁ゛……!」

 

 湧き上がってきたヨダレと一緒に、流し込まれた液体を出来る限り吐き出す。

 でも、自力だけじゃ全部を吐き出す事はできない。

 食べ過ぎた時みたいな気持ち悪さがお腹をグルグル回ってるみたいで……腕さえ自由にできるなら、今すぐ指を喉に突っ込んで全部吐き出したい気分。

 

「雅っ!」

「げほっ、ぉ゛えっ……! ぜっ、ぇっ……だ、だい、じょっ、ぶ…………っ、ぁ…………?」

 

 だけど、これ以上奏に心配をかける訳にはいかない。

 心配の声をかけてきた奏に、何とか笑顔を作って答えた。

 ……その時だった。

 何かが頭の奥で、プツンと切れた感覚。

 そして……

 

「ぃっ、ひぃぃぃっ!?」

 

 ガクガクッ!!

 

 私の身体っ、にっ、気持ちっ、良いっ、のっ、がっ、きっ、てぇぇぇっ!?

 ヤバいっ、これっ、ヤバい……!

 

「っ、ひっ、ぃっ、ぁ〜〜〜〜っ!?」

 

 色んな所に絡まった触手のヌルヌルどころかっ、触れるっ、空気っ、すらっ……全部がっ、気持ちっ、良い……!?

 

「雅っ! どうしたのっ、雅っ!?」

「わかんっ、な゛っ、あっ、ひっ、ぃいっ!?」

 

 ……身体のセンサーが全部バグった。

 この状況は、もうそうとしか言い表せない。

 

「ふっ、くぅっ!? うっ、ひっ、ぁっ、ふあぁっ!?」

 

 愛撫どころじゃない。人型に犯されていた時みたいな快楽が、全身に伝わってくる。

 

「ひっ、んっ、くぁっ……!? ひっ、ふーっ、ふーっ、ふーっ、ふーっ!」

 

 腹式呼吸に意識を集中させて、この永続的な快楽から逃れようと試みる。

 だけど……触手もアルクも、それを許してくれるはずが無かった。

 荒くなってくる呼吸の合間に、私の股の間から、一本の触手が迫って来るのが見えてしまう。

 狙いは当然……私のアソコだろう。

 

「やめっ、やめっ、ろっ、ぉ……!」

 

 ヤバいっ……こんな状態であんなぶっとい触手をアソコに挿入されたら……絶対ヤバい……!

 

「やめっ、ろ、おねっ、がい……やめっ……」

 

 私に許されている抵抗は、精々腰を数ミリ動かす程度。

 ゆっくり、ゆっくりと、触手は迫ってくる。

 やだっ、やだやだっ……奏の前でっ、イキ狂いたくなんてっ、な……

 

 ドチュッ……!

 

「ひっ、ぁ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 奥っ、までっ、一気っ、にぃっ、きたぁっ……!?

 子宮口にキスされてっ、るっ、これっ、無理っ、無理無理ムリっ……!

 挿入れられただけでっ、こんなのっ、なのにっ、動かれっ、なんかしたっ、らぁっ!?

 

 グチュグチュグチュグチュッ!!

 

「ぁ゛っ、がっ、あ゛ぁぁぁっ!?」

 

 動かれるだけでもキツいっ、のにぃっ!?

 これっ、ドリルみたいにっ、回ってっ、るっ!?

 

「ひぃぃぃっ!? ぃっ、あ゛ぁぁぁっ!? ぬいでっ、ごれっ、ぬいっ、でぇぇぇっ!? ぃ゛っ、ぎぃぃぃっ!?」

 

 抉れるっ、アソコのナカっ、乱暴にっ、掻き回されてっ……!?

 

「雅っ、雅ぃっ!! ぐっ、アルクっ! なんで雅をこんな目に合わせるのよっ!! やるなら私にしなさいっ!!」

「ん〜、それは聞けない相談だよ。君はそこでじっくりと観察しているんだね。親友がぶっ壊れていく様を、ねぇ?」

 

 グチュグチュってっ、回りながらっ、何度もっ、出し入れられるのっ、むり……ぃ……っ!

 分かんないっ、もっ、なにもっ、考えっ、られっ、ない……っ!

 

「ん゛ぎぃぃぃっ!? ぃ゛いぃぃぃっ!? ぃ゛ぎっ、い゛っ、あ゛ぁぁぁっ!?」

 

 こんなのでっ、感じたくないっ、のに……気持ちっ、いいっ……!

 

「ごわれっ、ごれっ、ぐっ、ひぃぃぃっ!?」

 

 こんなのっ、我慢っ、無理っ、むりムリむりぃぃぃっ!?

 

「ぁ゛ぁぁぁっ!? イグっ、イっぢゃっ、イグぅぅぅっ!! ぁっ、ぎぃぃぃっ!?」

 

 ガクンガクンッ!!

 

 イカされたっ、こんなっ、触手っ、にぃっ!?

 

「あ゛っ、ひっ、ぁ〜〜〜〜っ! ぬいっ、ぬいてっ、これっ、ぁっ、ひっ、いぃっ!?」

 

 動きっ、止まってるのにっ、カタチっ、感じてっ、ヤバいっ、またっ、イク……!

 

「っっっ、ぁ〜〜〜〜っ!?」

 

 ガクガクッ!!

 

 余韻っ、でもっ、イカっ、されてるっ……!

 早くっ、抜いてっ、くれなきゃっ、またっ、またぁ……っ!

 

 ズリュッ!

 

「ぉ゛っ、ひぃっ!?」

 

 やっと……抜いてっ、くれっ、たぁ……

 

「雅っ、しっかりしてっ、雅ぃっ!!」

 

 かな、で……ごめんっ、今っ、無理だよ……

 フワフワしてっ、頭っ、ぐちゃぐちゃでっ、気持ちっ、いいのがっ、ずっと……

 

「……ふ〜む、一回目の絶頂は五十秒か。ま、中々耐えた方なんじゃないかな?」

 

 バチバチバチッ!!

 

「ぁ゛っ、がぁぁぁっ!?」

 

 ……突然流された電撃の痛みで、私の意識は強制的に正気に戻される。

 アルクが私の方に手を向けているのを見ると……この電撃は、彼女が私に撃ったモノなんだろう。

 

「これで仕込みは完了だね。さぁ、ゲームを始めようか!」

 

 アルクが指を鳴らすと、私達の目の前に一枚の映像が浮かび上がった。

 映像にはタイマーのような数字の表記。

 

「この数字は君達に与えられたノルマだ。君達今からこの時間分、この触手の責めによる陵辱を受けてもらうよ」

 

 〝残り三十分〟と書かれた映像を指さしながら、アルクは言葉を続けていく。

 

「ルールは簡単。オルレアハートとアイリスリーベ、それぞれが交互に触手に犯され、その陵辱が始まってから絶頂に至るまでの時間分だけ、この数字が減算される感じだ。このタイマーがゼロになれば君達の勝利。その時は君達を解放して、私は潔く負けを認めようじゃないか」

 

 ……電撃を受けて少しはマシになったけど、それでもまだ全身の感度がおかしくなっている。

 こんな状態で、あの陵辱を二人合わせて三十分も耐えなきゃいけないの……?

 そんなのまともに付き合っていたら……私達、二人一緒に壊れちゃうに決まってる……!

 なんとか、なんとかしないと……何か……策は……!?

 

「親友に楽をさせてあげたいのなら、精々少しでも頑張ってたえることだね。それじゃまずは……そうだな、アイリスリーベ、君から行こうか!」

 

 頑張って頭を回転させても、快楽に侵食された私の頭は良い案を絞り出してはくれない。

 そうしている間にも、奏の目の前にいた触手が……ゆっくりと、彼女のアソコへと迫っていた。

 

「ひっ!? やっ、やだっ、やめっ……来るっ、なぁ……!」

「奏っ!」

 

 私の声に反応するように……奏の顔に、少しだけ笑みが浮かんだ。

 

「……私は大丈夫だよ、雅。アイツの言葉に乗せられて酷い事いっぱいしちゃったの、まだ謝れてない。だから……せめてこのくらいっ、耐えてみせるから……っ!」

 

 奏が浮かべた、私を安心させる為の、精一杯の笑顔。

 でも……

 

 ズチュッ!!

 

「ぁっぎぃぃぃっ!?」

 

 その笑顔は……一瞬のうちに、快楽によって歪まされてしまった。

 

「んぎぃぃぃっ!? ぁがっ、あ゛っ、あ゛ぁぁぁっ!?」

 

 そんな奏に容赦なく襲いかかる、高速で回転しながらのピストン運動。

 

「っ……かなっ、で……!」

 

 あれの威力は身をもって味わったから分かる。

 触手に妙に弾力があるせいでアソコのナカにギッチギチに詰まって、それがあの粘液を塗りたくりながら高速で膣壁を抉ってくるのだ。

 あんなの……とても女の子が耐えられる代物じゃない。

 

「ぉぐっ!? ぉ゛っ、ごぉぉぉっ!? ぃぎっ、ぁっ、あ゛ぁぁぁっ!?」

 

 だから奏があっという間に泣き叫びながら身体を仰け反らせて、快楽に悶えてしまうのも……仕方ない事なんだ。

 

「おぐっ、そこっ、はいっちゃっ、だめっ、ぃっ、ぎぃぃぃっ!? あ゛ぁぁぁっ!? はっ、ぁあぁぁぁっ!?」

 

 女の子の身体を何とも思っていないような、激しすぎる責め。

 奏も脚をピンッ!って伸ばして、快楽を逃がそうと必死に身を捩って耐えている、けど……

 

「いやっ、イギたくっ、なっ、いぃぃぃっ!? ぁっ、ひぃぃぃっ!? だめっ、やだっ、イグのっ、だめっ、なのにぃぃぃっ!? ひっ、ぁぁぁっ!?」

 

 ……一度味わったから、分かってしまう。

 ただ我慢しているだけじゃ……あの触手の快楽には、絶対に勝てない。

 変身ヒロインだからとか、快楽になれているからとか、そんなモノは関係ない。

 あの触手は、雌であれば否が応でも遅かれ早かれ達してしまう程の快楽を、ずっと叩き込んでくるのだ。

 

「イグっ、イっちゃっ、ぁっ、あ゛ぁぁぁっ!?」

 

 結局、身体をガクンガクンって震わせながら、横から見ていても分かる激しさで奏は絶頂してしまう。

 同時にストップするタイマー。

 減った時間は、大体一分くらい。

 

「ひっ、ぁあ゛ぁぁぁっ!?」

 

 アソコから触手が引き抜かれた奏の声が、ズリュッとした水音と一緒に聞こえる。

 

「ぁ゛っ、ひっ……い゛っ、ぁっ、はっ、ぁっ……ご、めんっ、雅……私っ、イっちゃっ……た……」

「うっ、ううんっ……頑張ってくれてありがとっ、奏……」

 

 時間を見る限り、大体あと十五、六回だけ絶頂したらこのふざけたゲームは終わる計算。

 だいぶ体力を消耗しちゃったのか、奏は大きく肩で息をしている。

 覚悟を決めて、再び私に迫り来る触手を毅然と睨みつける。

 少しでも休ませてあげなきゃ……その為にも、この陵辱をっ、少しでも長く耐えてや……

 

 ドチュッ……!

 

「お゛……ぉ゛……っ!?!?」

 

 ……あ、これ……ムリな、ヤツ……だ……。

 子宮口がぶち抜かれてっ、奥のっ、入っちゃっ、ダメなとこっ、までっ、きちゃって、ぅ゛うっ!?

 

「ぉ゛……っ……ぐっ……ひ……ぃ……!?」

 

 まだっ、動いてないっ、のに……身体のビクビクがっ、止まんない……っ!

 

 グチュグチュグチュグチュッ!!

 

「ひっ、ぎぃぃぃぃぃぃっ!?」

 

 うそっ、もっ、動きっ、だしたぁっ!?

 

「ぁ゛あ゛ぁぁぁっ!? はぁっ、ぁ゛っ、はぁぁぁっ!?」

 

 ナカがっ、全部っ、擦られっ、てっ、えっ!?

 ダメっ、こんなのっ、無理……っ!

 

「ぁっ、ひっ、あ゛ぁぁぁっ!?」

 

 気持ちっ、良すぎておかしくなりそうっ、だけどぉっ!

 

「ぅっ、ひっ、ぎぃぃぃっ!? ぃ゛っ、あ゛っ、ぅ゛う゛ぅぅぅっ!?」

 

 耐えるっ、耐えるっ!!

 頑張ってっ、耐えてっ、何とかっ、しなきゃっ……!

 何か、何か……!

 快楽に耐えて少しでも時間を稼ごうと、腕にギュッと力を込めた。

 もう何度目かも分からない、私からしても無駄な抵抗と分かりきっていた行為。

 でも……今回は少しだけ違っていた。

 

 バチバチッ!!

 

「ぐっ、あ゛ぁぁぁっ!?」

 

 突然両腕に流れ込んできた激痛に、思わず純粋な悲鳴を上げてしまった。

 アルクが電撃を飛ばしてきたのかと思ったけど、彼女は全く動いていない。

 この触手に電撃を流す能力がある線も考えられたけど、だったら腕だけに電撃を流すのは不可解だ。

 

 グチュグチュッ!!

 

「ぅ゛ぐっ、う゛っ、ふっ、ぎっ、い゛ぃっ!?」

 

 それに、触手は今も変わらず私を犯し続けている。

 それこそ私を辱める目的なら、アソコのナカで電撃を流した方が遥かに効率が良いだろう。

 何より、この電撃の痛みである程度の快楽は打ち消されている。

 そんな非効率な事、こんな状況で仕掛けてくるとは思えない。

 だとすると……もしかして、私の力が逆流してきたのかな?

 でも、もう力は残っていないはず……

 ……その時、ふと思い出した。

 

 グチュグチュッ!!

 

「ぁ゛っ、ぐっ、う゛ぐぅぅぅっ!? ひっ、ぎ、っ、ぁ゛っ、ぎっ、ぃ゛いっ!?」

 

 そうだ……確かあれは、人型に犯された時。

 あの時も力が無くなっていたけど……人型の粘液を注ぎ込まれたことで、ある程度まで回復したんだった。

 なら、この触手の粘液も同様に使える可能性だって、ある……!

 

 グチュグチュッ!!

 

「ふぐっ、う゛っ、ぐっ、ぁ゛っ、ぐぅぅぅっ!?」

 

 快楽に呑み込まれないように、絶えず腕に力を逆流させ続ける。

 痛みで快楽を中和し続けて……何とか隙を作るんだ……!

 

 グチュグチュッ!!

 

「ぐっ、う゛ぁぁぁっ!? ぁ゛っ、がっ、ぁっ、ぎっ、ぃ゛いっ!?」

「……おや? よく耐えるねぇオルレアハート。もしかして、何か対策を思いついたのかい?」

 

 簡単に絶頂しない私に何かを感じたのか、アルクが私に対して話しかけてきた。

 

「よけれはその対策を教えて欲しいんだが……まぁ、どうせ今の状況じゃ話せないだろう」

 

 グチュグチュッ!!

 

「ぅ゛ぐっ、ふっ、ぐっ、う゛っ、ぅ゛ぐっ!?」

 

 喘ぎ声以外を出せない私の姿をニヤニヤと見つめながら……アルクは白衣を翻して高らかに叫んだ。

 

「という訳で特別プレゼントだ。さっき飲んだ粘液を、直接子宮へと注いでやろうじゃあないか!」

 

 その言葉が響いた瞬間……触手がゆっくりと、私のナカで膨らんできた。

 嫌な予感が、私の脳裏を走って止まない。

 まさかっ、アレをっ、ナカに直接っ!?

 そんなのっ、いやっ、やめっ……!?

 

 ビュルルルルッ!!

 

「ぁ゛がっ!? ぁ゛っ、ひっ、ぎぃぃぃぃぃぃっ!?」

 

 熱いのがっ、なだれ込んでっ、くるぅぅぅっ!?

 自ら起こしていた痛みで耐えてきた快楽を、大幅に超過した快楽が強引に叩き込まれる。

 

「ぃ゛ぎぃぃぃっ!? い゛ぁ゛っ、あ゛っ、はぁ゛ぁぁぁっ!?」

 

 頭の中が〝気持ちいい〟で支配されそうになるのを、腕の痛みだけで必死に抑え込む。

 それにここまで効果があるんだ、この粘液は多分触手が垂らしていた粘液の濃縮版だろう。

 だったら、ここさえ耐えれば……耐えさえしたら……逆転のチャンスは……ある……っ!

 

「ぁ゛ぎっ、ぃ゛っ、ぎっ、ぃ゛っ、がぁぁぁっ!?」

 

 耐えてっ、耐えてっ、限界までっ、吸収っ、してっ……!

 ……っ、今っ、だっ!!

 注ぎ込まれた粘液の力を限界まで吸収して、それを一気に腕で暴走させるっ!

 

「ふっ、ぐっ……あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「っ、何っ!?」

 

 直後、私の腕を中心に、私を包み込むくらいの大きさの爆発が引き起こされた。

 その爆発は私を拘束していた触手を吹き飛ばし、私を拘束から解放してくれた。

 

「ぐっ、う゛ぅ゛ぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 その代償として、私の全身へと激痛が降りかかる。

 だけどそれは、覚悟の上。

 元々、私はこの力を使って触手を斬り裂いてきたのだ。

 その力を無理矢理使ったんだから……こんな触手くらい吹き飛ばしてくれないとっ、困るっ!!

 しかし、ここで惚けてはいられない。

 

「はぁ゛っ、はぁっ!! っ、奏ぇっ!! 少しっ、我慢してよっ!!」

 

 痛む身体に鞭を打ち、手首の盾に臨界寸前ギリギリまで力を込めて、奏を拘束する触手の中心に投げ入れる。

 間髪入れずに発生する、二度目の大爆発。

 

「ぅ゛っ、あ゛ぁぁぁぁぁっ!?」

 

 奏の身体は悲鳴と共に触手から吹き飛ばされ、少しだけ離れた所に背中から打ち付けられていた。

 

「ぐっ、う゛ぅっ……みや、びぃ……いつもっ、いつも……無茶っ、して……っ!」

「はぁっ、はぁっ……! でもっ、助かった、んだかっ、らっ……感謝っ、してっ、よ……!」

「っ、それも……そう、ねぇ……!」

 

 でも、これだけ生意気な口を叩けるなら問題ないでしょ。

 それに、私の身体でさえも快楽の余韻は大半が爆発による痛みで打ち消せている。

 なら私よりも粘液の注入量が少ない奏も、そうなっていると考えて大丈夫。

 ……よしっ、ここまでは予定通り。

 後は……

 

「……おいおい。ルールを破った上にもう勝った気でいるのかな? だとしたら残念、そうは問屋が卸さないってヤツだ」

 

 ……目の前に立ちはだかるアルクさえ倒せば、私達の勝ちだ。

 

「……っ、奏っ、立てる……?」

「うっ、ん……なん、とか……っ!」

 

 問題は……この状況で勝てるか、ってこと。

 なにせ二人とも、さっきまで滅茶苦茶に犯されていたのだ。

 痛みと僅かに残った快楽の余韻で、何とか踏ん張っている脚もガックガクになっている。

 それに私も奏も、両手の武器はもう無い。

 残っているのは、私の腕から出せる盾と腰のスラスター、そして奏の腰の周りに浮いてる銃。

 二人合わせても、それだけ。

 

「諦めの悪い変身ヒロインは好きだが……根性だけで勝てるほど、私は弱くないよっ!」

 

 無論、武器を拾い直す余裕なんて与えてくれるはずもなく……不気味な笑みを浮かべたままのアルクが、拳を構えて突っ込んでくる。

 狙いはっ、私かっ!?

 咄嗟に左腕の盾を展開して、それを防いだ。

 

「ぐっ、うぅぅぅっ!?」

「オルレアハート、君の対応力は中々に厄介だ。だからまずはっ、君から潰すっ!!」

 

 盾を展開している左腕を右腕で抑えて、押し込まれそうになるのを何とか堪える。

 ビリビリと衝撃が全身に伝わってくる……!

 立ってるのすら辛いこの状況をスラスターの出力で強引に誤魔化し、精一杯の虚勢を張る。

 普段通りなら絶対に勝ち目は無い、迷わず逃げるのが一番の正解だろう。

 でも今の私はっ、一人じゃないっ!

 

「雅っ!!」

 

 期待通り、後方から奏の援護射撃が飛んでくる。

 

「ちっ、鬱陶しいっ!」

 

 舌打ちしながら、アルクは反対側の手で電撃の壁を作ってそれを防ぐ。

 奏の本気の射撃に比べたら全然物足りないけど、それでもコイツの意識を割くには十分っ!

 

「こっ、のぉっ!!」

 

 この隙に左腕の位置を少しだけズラして、アルクの拳を逸らし、バランスを崩させる。

 そしてこっち側に倒れてきた無防備な顎を狙って、下から拳を叩き込むっ!

 

「っ、舐めないでっ、もらおうかっ!!」

 

 だけど、拳には手応えが無い。

 目の前には、私の突き上げた拳を掴んでいる、アルクの姿。

 まさかっ、腕のスラスターだけで体勢を整えたって言うのっ!?

 

「お返しっ、だっ!!」

 

 アルクの叫びと一緒に、私の身体が宙に浮いたのを感じて……そのまま私は、奏の方へと投げ飛ばされた。

 

「うぁぁぁっ!?」

「うそっ、雅っ!?」

 

 空中で体勢を直すことができないまま、背中から奏に激突させられてしまう。

 でも、いつまで経っても地面に落ちた感覚は来ない。

 

「うっ、ぐ……っ……! っ、無茶っ……しないでっ、よ……っ!!」

 

 チラッと後ろをみると、すぐ目の前に奏の顔。

 どうやら吹き飛ばされた先の奏が腰の銃を支え代わりにして、私のことを受け止めてくれたみたいだ。

 

「っ、く……ぅ……っ……助かったっ、ありがと奏!」

 

 奏が摂取した粘液の量は、私よりもかなり少ないはず。

 回復だって全然できてなくて、立ってるのも辛いはずなのに、こんなに頑張ってくれてる。

 なら、私がもっと頑張らなきゃ……!

 私を支える奏の腕から立ち上がり、再びアルクの方に向かって構える。

 ……その時だった。

 

「ほん、と……無茶っ、ばか、り……っ……」

 

 ドサッ……

 

 聞こえたのは、何かが倒れる音と、弱々しい奏の声。

 嫌な予感と共に振り返ると……

 

「奏っ!?」

 

 そこには奏が、うつ伏せに倒れ込んでいた。

 思わずアルクに背を向けて、奏の方へと駆け寄る。

 

「ご、めん……みや……び……わた……しっ、も……むりっ……か、も……」

「……っ、良いからっ、大丈夫っ、だからっ……!」

 

 長期戦になったらヤバいとは思ってたけど、まさかもう奏の限界が来てしまうなんて……

 最低限やり遂げなきゃいけないのは……私一人で戦って、あの攻撃に耐え続けて、隙を見て奏を助け出して、ここを抜け出す事。

 ……そんなの、どう考えたって無理。

 どうしよ、何をしたらっ、いやっ、そもそも奏は死なないよね……っ!?

 正解が何も分からないっ、一気にパニックが押し寄せてくる。

 

「みや……び……アン、タ……だけ、でも……にげ……て……」

「そ、そんなのっ、出来るわけないでしょっ!」

「みやっ、び……だけ……なら……なん、とか……なる……でしょ……?」

 

 敵であるアルクに背中を向けたままなのに、泣きそうになってしまう。

 そんな私の顔を見た奏は……自分の衣装に付いたハート型のペンダントを、強引に引きちぎった。

 

「ぇっ、奏っ、なにっ、して……っ!?」

 

 突然の行動に戸惑う私に対し、奏は引きちぎったペンダントを差し出してきた。

 その瞬間……奏の身体が、彼女の限界を表すみたいに段々と弱々しい光に包まれ始める。

 

「これ……つかっ……て……た、ぶん……つかい、かたっ、は……おな、じ……だか……ら……」

 

 ……二人分のペンダントの力を使って、私だけ逃げろ、って事?

 それで一人逃げ帰って、ずっと一人で奏のいない生活を送れと。

 

「……っ、イヤだ」

 

 ……そんなの、できるはずが無いっ!

 

「みや、び……っ……おね……がい……いうっ、こと……を……」

「何度もっ、言わせるなぁっ!! バカ奏っ!!」

 

 咄嗟に、限界近い身体を強引に動かして奏を怒鳴りつけた。

 同時に、差し出された奏のペンダントを奪い取る。

 

「これは使わせてもらう……けどっ! 奏を見捨てて逃げるなんて絶対しないからっ! 私一人でもアイツをやっつけてくるからっ、帰るまで奏は寝ててっ!! 良いっ!?」

「……も、う……みや、び……った……ら…………」

 

 奏の身体から弱々しい光が消えると、彼女の姿は髪色も服装も、見慣れた元通りのモノに戻っていた。

 同時に奏は意識を失う。

 弱々しい、けど……まだ呼吸はしている。

 よかった、まだ生きてる。

 であれば……もう奏は見ていないな。

 

「……っ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!!」

 

 ……奏を安心させようと見栄を張っていた反動が、一気に押し寄せてくる。

 思わずその場に崩れ落ち、肩で大きく息をしてしまう。

 

「……親友との別れは済んだみたいだけど……その様子で、私とロクに戦えるのかい?」

 

 そんな私の様子を見て、今まで何もしてこなかったアルクが口を開いた。

 

「あの状態で良くもまぁあんなに色々と言えると感服したよ、オルレアハート。流石は私が見込んだ変身ヒロインだ」

「はぁっ、はぁっ……っ、だかっ、らぁ……! アンタっ、とはっ、初対面っ、のっ、はずだ、けど……っ!」

「おや、私と会った事を忘れられているとは寂しいねぇ? まぁ、どうせ人生最後に会う人間の名前と顔だ。今から覚え直してくれても損はしないよ」

 

 相変わらず訳の分からない事を言う人だ。

 それに何より、あの余裕綽々って顔がムカつく。

 さっきまでの間に攻撃してこなかったのだって、どうせそんな事しなくても勝てるって自信の表れなんだろう。

 ……実際、それは事実。

 今の状態で正面から戦ったところで、所詮一方的に蹂躙されてしまうのは目に見えている。

 だったら、思い付くことは何でもやってやるっ!

 

「っ、生憎っ、人の顔を覚えるのはっ、苦手でっ、さぁ……っ!」

 

 一度変身を解除してからまた変身したら、装備とかは全部復活するはず。

 そして奏がさっき見せてくれたから分かった事……強制的に変身を解除したなら、普段の変身解除と違ってすぐには気絶しないっ!

 

「だからっ……またっ、すぐに忘れてやるっ!!」

 

 ……私は自分のポニーテールを纏めているハート型のペンダントを、勢いに任せて引きちぎった。

 

「……ほう? この期に及んで何をする気だい?」

 

 ポニーテールが解け、私の髪型は中央のボリュームが多いロングヘアと化す。

 そして私の身体も奏と同様に、弱々しい光に包まれていく。

 その状態で……私は二つのペンダントを、正面に掲げた。

 私だけなら、もう再変身する力も残っていなかった。

 でも、奏がくれた力も合わせれば……!

 

「……っ、行くよっ!!」

 

 想い願うは、変身ヒロインである自分の姿。

 二つのペンダントをギュッと握った、その瞬間……私を包む光は、放つ輝きを増大させる。

 

「っ、そうか……そうかそうか! なるほどっ、確かに条件は揃ってるからなぁっ!!」

 

 何故だか喜んでいるアルクの事なんて、今は気にしている暇はない。

 限界が近かったはずなのに、何故だか力が湧いてくるのだ。

 なんだか、やれる気がする!

 勢いに任せて、頭の中に浮かんだ言葉を叫ぶ。

 

「ラウズっ、リリースッ!!」

 

 その瞬間、私の身体を包んでいた光は弾け飛び……再び私は、オルレアハートへの変身を遂げた。

 なんか新しく背中に機械でできた羽根のような物が着いているけど……邪魔にならないなら問題ないっ!

 

「こっからっ、反撃開始だっ!!」

 

 腰のスラスターに装備されている柄を引き抜き、クリアグリーンの刃を発生させる。

 もう使い慣れた刀を右手に携え……私は一気にアルクへと斬りかかる。

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 横から振り切った私の刀は、アルクの腕の装甲によって防がれた。

 けど、弾かれないっ!

 ならっ、まだまだいけるっ!!

 

「こっ、のぉぉぉっ!!」

 

 横から斬り払い、勢いのまま回転しながら下から斬り上げ、素早く身体を捻って刃を縦に落とす。

 どれだけ防がれても、コイツに動く暇を与えちゃいけないっ!

 この身体だっていつまで持つのか分からない、だからっ、全力で押し続けるっ!

 

「ふっ、覚醒を使えたのは褒めてあげるがっ、まだまだ使いこなせてないみたいだねぇっ!」

「っ、うるっ、さいっ!!」

「折角希少な覚醒を見せてくれたんだっ、存分に見せてくれよっ、二人分の力ってヤツをさぁっ!!」

 

 そんな私の攻撃を受け続けているにも関わらず、アルクはずっと喋り続けている。

 

「相変わらずっ、よく喋る口だっ、なぁっ!!」

「生憎これが私の性でねぇ! 話されるのが不満ならっ、その手で黙らせてみたまえっ!!」

 

 苛立ちと共に刀を振り下ろし、同じように腕の装甲に防がれた矢先。

 反対側の腕が、先端に電撃を纏ったまま私に向かって突き出された。

 流石にあれを貰うのはマズい、けど、私の体重は既にアルクの方へと傾いていているから、脚の動きだけで避けるのは無理だ。

 スラスターでの急上昇も、多分間に合わない。

 

「ぐっ、ぅっ……!」

 

 せめて盾で受け流してからスラスターを噴いて一旦距離取って、そこから追撃……ダメっ、そんな悠長な事はしてられないっ!

 いっそ被弾覚悟で……いやっ、その一撃に耐えれるかも怪しいのに、それは無謀すぎる……!

 頭をフルに回転させながら打開策を考える。

 ……その時だった。

 

「ぅっ、わあぁっ!?」

 

 突然背中の羽根が羽ばたいて、身体が宙に引っ張り上げられたのだ。

 

「……ほう?」

 

 当てたと確信した攻撃が外れた事で、アルクの顔から少し笑みが消えた。

 私だって、少し羽根が動いただけで、一瞬で高度が上昇した事に戸惑いを隠せない。

 が、迷っている時間が無いのもっ、変わらないっ!

 

「はぁぁぁっ!!」

 

 羽根を動かして急降下しつつ、アルクに斬りかかる。

 

「良いねっ、少しはやれるみたいじゃないかっ!」

 

 落下の速度を乗せた唐竹割りは、再び薄気味悪い笑みを取り戻したアルクに防がれる。

 

「だがどうする! 私の装甲はその程度では崩せないぞっ!」

「いちいちうるさいってっ、言ってんでしょうがっ!!」

 

 だけど言われている通り、私の刀じゃアイツの装甲は斬り裂けない。

 なら狙いは一つ。

 装甲の無い、胴体部分を突く……!

 

「らっ、あぁぁぁっ!!」

「だからっ、それじゃ甘いよっ!」

 

 正面から斬りかかっても、当然の如く防がれてしまう。

 それどころか、カウンターとして飛んできたアルクの三日月蹴りが私の胴体を掠める始末。

 

「くっ、そ……っ!」

 

 咄嗟に飛び退いて避けたから良いものの、あれをマトモに受けていたらどうなっていたか分からない。

 こんな中途半端な攻撃じゃ、あしらわれてお終い。

 なら、やるしかない……一かバチかの賭けを!

 

「ふっ……!」

 

 羽根を動かし、一気に高度を上げる。

 そして刀を上段に構えて……そのまま突撃する。

 

「はぁぁぁっ!!」

「おいおい、遂に考える事を止めてしまったのかい? それは通じないって、さっき教えてあげただろうっ!」

 

 アルクの言葉なんてもう知らない。

 羽根の動きとスラスターの加速と重力の力をフルに使って、一気にアルク目掛けて急降下。

 私にはっ、絶対に勝たなきゃいけない理由があるんだからっ!!

 

「くらっ、えぇぇぇっ!!」

「来いっ、オルレアハートっ!!」

 

 そして、私の刀がアルクの腕の装甲に触れる寸前……スラスターを横に噴いてっ、それを避ける!

 

「何っ!?」

「ぅ゛ぐっ……!」

 

 強烈な重力加速度が身体にかかって、身体が重いっ、けどっ!!

 

「ぐっ、う゛ぅぅぅっ!!」

 

 スラスターの動きを使って、更に急速回転を仕掛ける。

 目の前には、無防備なアルクの背中。

 

「う゛っ、あ゛ぁぁぁっ!!」

 

 スラスターと羽根の推進力をフルに使って一気に飛び込みっ、そのまま背中に刀を突き出すっ!

 が、その突きは、透明な謎のバリアによって防がれてしまう。

 

「ちっ、まさかこれをっ、使わされるとはなっ!」

「まだっ、まだぁぁぁっ!!」

 

 でもっ、まだ終わってないっ!

 咄嗟に二本目の刀を展開し、両手で押し込むっ!!

 

「くっ、そぉぉぉっ!!」

 

 まだバリアは破れない。

 けどっ、光の屈折でヒビが入っているのが見えるっ!

 いけるっ、あとっ、もう一手……っ!!

 

「っ、やってくれるっ、中々に……っ!」

 

 アルクの顔に焦りが見える。

 なのにこちらを振り向かないと言うことは……このバリアの展開中は、大きく動けないって事でしょっ!!

 

「このっ、ぉぉぉっ!!」

 

 推進力を維持したまま、二本の刀から手を離す。

 そして一瞬だけ支える物が無くなった刀の頭を目掛けて……飛び膝蹴りを放った。

 

「これでっ、終わりっ、だぁぁぁっ!!」

 

 刀の強度と、私の膝蹴りの威力。

 それを同時にバリアの割れ目に叩き込めば……!

 

 ……パリンッ……!!

 

「な、にっ!?」

 

 乾いた音と共に、バリアが砕け散った。

 だけど、まだ止まれない。

 バリアを貫いた勢いのまま……

 

 ドスッ……!!

 

「ぐっ……ぁ゛……っ!?」

 

 一直線にアルクの背中を、刀で貫いた。

 短い悲鳴を上げて、アルクは前のめりに倒れ込んだ。

 

「くっ、うぅっ……!?」

 

 完全に止まる事を考えていなかった私の身体は、アルクの頭を越えてゴロゴロと転がっていく。

 

「いっ、たぁ……」

 

 ある程度転がった先で地面を蹴り飛ばし、無理矢理立ち上がる。

 そしてアルクのいた方向に構えるが……彼女はもう、起きる気配がない。

 

「おわっ……た……」

 

 急に力が抜けて、私の身体はその場に崩れ落ちる。

 ……正直、かなり限界だ。

 それに刀も無くなって、使えるのは盾から生やせる剣だけ。

 あの不意打ちももう使えないだろうから……立たれたらもう、私の負けだな。

 

「……っ、ぐっ、ぁっ……ふっ、ふふっ……やって……くれるじゃないか……」

 

 ……そう思った矢先……私の目の前で、刀に貫かれたままのアルクが立ち上がった。

 

「う、そ……まだ……やれ……る……の……?」

 

 ヤバいっ、ヤバいヤバいヤバいっ!!

 そもそも体力も限界に近いのにっ、まだ立てるなんて聞いてないんだけど……っ!!

 

「……あぁ、心配しないで良い。この戦いは君の勝ちだ」

 

 ……けど、そんな心配を嘲笑うように、アルクはその場に胡座で座り込んだ。

 

「今日は良い日だったよ。なんせ変身ヒロインの覚醒を見ることができたし……なにより、絶体絶命の状態だった変身ヒロインが復活して、見事私を打ち倒してくれたんだ。こんなに気分が良い事ないよ」

「……そう」

 

 なんで負けてそんなに嬉しそうなんだろ……やっぱりコイツの言ってる事はさっぱり分からない。

 

「あぁそうそう、一応説明しておいてあげよう。変身ヒロインの覚醒というのは、心の通じあった変身ヒロイン同士のペンダントを同時に使う事で発生する現象の事だ。それを使えば……簡単に言えば、普段よりも強くなれる。開発者である私にすら、どんな強化が起きるのかが分からないのがネックだがねぇ……まぁ変身ヒロインってのは基本一人で戦ってるから、こんな現象に会えるのは結構稀なんだよ」

 

 早口で捲し立てられて呆気に取られている私に、アルクは呆れたような顔で言ってきた。

 

「……ま、要するに、君と奏君の力で私に勝てたって事だ。いやぁ、変身ヒロイン同士の友情は尊いモノだねぇ、全く」

「……それはどうも」

 

 ……多分コイツ、マトモに付き合っちゃいけないタイプの人だ。

 それに、今更不意打ちとか仕掛けてくるタイプでも無さそうだ。

 念入りにトドメを刺す必要も、もう無いだろう。

 

「……じゃ、私達帰るよ」

 

 早々に区切りを付けて、奏を連れて帰ろうと歩き出した……その時だった。

 

「ぁ、れ……?」

 

 急に込み上げる脱力感。

 同時に脚が縺れて、私はその場に倒れ込んでしまった。

 立ち上がろうとしても脚に力が……いや、そもそも身体が、上手く動かない……?

 

「ま、そもそもの消耗が激しい覚醒状態で、あれだけ無茶な軌道をしたんだ。身体にガタが来ても仕方ないに決まってるだろう」

 

 ……ヤバいっ、意識が、遠くっ、なって……く……

 

「あぁ、安心してくれよ。今更君達に危害を加える気は無いさ。今はゆっくり休んで回復すると良い。次の戦いに備えて……ね」

 

 聞きたくもないアルクの声を聞きながら……私の意識は、闇に消えていった。

 

……

……

 

 --ハウンズ 本拠地--

 

「いや〜負けた負けた〜」

 

 呑気なアルクの声が、ハウンズの本拠地に響き渡る。

 

『……敗者が随分と気楽なものだな』

「仕方ないだろう? こっちとしても遥かに収穫が多い一戦だったんだ。それに、一度やってみたかったんだよ……変身ヒロインを苦戦させつつ最後に倒されるボス役ってのを、さ」

『……そうか』

「そうそう。いやさ、他の変身ヒロインだと大体私がそのまま勝ってしまうから面白みが無くてねぇ」

 

 ヘラヘラと笑うアルクに対し、ハウンズの面々はそれぞれの感情を向ける。

 最も、彼女はそんなものに何の感情も向けはしないのだが。

 

『……まぁ良い。続けるぞ』

 

 上座に座っている男はそんなアルクを一瞥した後、再び部屋全体に向かって話し始めた。

 

『ある程度の変身ヒロインの育成も済み、その中には覚醒した変身ヒロインも現れた。なので、そろそろ頃合いであると私は判断した』

 

『この作戦が実行されれば、今までのような閉鎖空間だけで完結せず、一般人を巻き込んだ更に広いシチュを楽しむ事ができるのである!』

 

『故に! 私はここに、地上進行作戦の立案を提案する!』

 

「地上……進行作戦……?」

 

 その聞きなれない言葉に耳を疑うアルク。

 そしてその言葉は……新たな戦いの始まりを意味するのであった……

 

--第一部 完--




これにてオルレアハート第一部終了です。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
第二部からは謎の路地裏から舞台が変わり、現実世界へ移ります。
そして新たな力を手に入れたオルレアハートこと春永雅、そしてアイリスリーベこと江崎奏の戦いはまだまだ続きます。
ここから先も、是非お付き合いくださると嬉しいです。
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