~薫子執務室~
「そうですか……紘一様お一人で、今回の件を……」
静かな執務室に、薫子の低く落ち着いた声が響く。
『はっ。紘一様ご自身は、あくまで一花様を守る為に動いておいででした。しかし今回、自らの言動一つで周囲の人間や環境が大きく変わるという事を、改めて実感されたようです』
琥太郎からの報告を聞きながら、薫子はゆっくりと目を伏せた。
映画監督・黒田の汚職事件。
芸能界を揺るがすほどの大事件となったそのニュースは、当然ながら北条院家の耳にも入っている。
特に、一花が巻き込まれていたと知った時の衝撃は大きかった。
薫子はニュースを見た直後、即座に琥太郎へ現状確認を命じていたのだ。
「まさか一花が巻き込まれていたなんて……」
薫子の左後方に控えていた零奈が、安堵したように胸へ手を当てる。
「紘一には、本当に感謝しかありません……」
もし紘一が動いていなければ。
そう考えるだけで、零奈の背筋には冷たいものが走った。
愛する娘が、取り返しのつかない闇へ飲み込まれていたかもしれないのだから。
「して、紘一様のご様子は?」
薫子の問いに、琥太郎は一拍置いてから答える。
『薫子様のご心配されていた通り、かなり心を痛めておいででした。しかし、尊殿や織田事務所社長の言葉もあり、現在は落ち着きを取り戻されております』
「……そうですか」
その返答に、薫子は小さく息を吐いた。
一花を救えた安堵はある。
だが同時に──紘一の優しさが、その心を傷付けてしまった事実が、薫子の胸に僅かな痛みを残していた。
零奈もまた、同じ想いだった。
誰かを守る為に動けば、必ず何かを背負う事になる。
紘一は、そういう男なのだ。
コンコンッ――
不意に扉がノックされる。
「玄庵。入りなさい」
「失礼いたします」
静かに扉を開け、玄庵が室内へと入ってくる。
その手には、分厚い書類が二つ。
「尊殿及び志織から、今回の件に関する報告書と提案書を預かって参りました。……『眠いから後はまかせた』との事です」
最後の一言だけ、わずかに呆れを滲ませながら玄庵はそう告げた。
その様子に、零奈が苦笑する。
「徹夜だったのでしょうね……」
「でしょうな。ですが、あの二人のお陰で情報整理は既に完了しております」
玄庵はそう言いながら、机の上へ資料を置いた。
「報告書だけではなく、提案書……?」
薫子は小さく眉を動かしながら、資料へ視線を落とす。
ページをめくる音だけが、静かな執務室に響いていく。
やがて。
「……全く。あの者は、流石と言うべきでしょうね」
薫子は小さく息を漏らした。
「最初こそ、随分と無茶な案を出してきたものだと思いましたが──」
その瞬間。
薫子の視線が、ある一枚の資料で止まる。
「……この人物……!?まだ業界にいたのですね」
珍しく驚きを滲ませた薫子の声に、零奈が思わず身を乗り出した。
「有名な方なのですか?」
「ええ。映像分野では、非常に名の知れた人物です」
薫子は資料を閉じる事なく、静かに続ける。
「北条院はこれまで、映像業界へ本格的に関与してきませんでした。……ですが」
そこで一度言葉を切り、薫子は僅かに目を細めた。
「紘一様が関わった以上、話は別です」
その言葉には。
北条院家当主としての決意と──
愛する男を支えようとする、一人の女性としての想いが静かに込められていた。
「玄庵。早速この提案書を進めなさい」
「かしこまりました」
その後の薫子の判断は早かった。
それほどまでの情報が、尊と志織によって纏められていたのだ。
「それと、例の件はいかがです?」
「万事抜かりありません。北条院内部の者に反対する者はおりません。……ただ、後はご本人様次第かと…」
薫子の問いに玄庵はしっかりと返答するも、後半は珍しく自信なさげにため息ついた。
「そこは致し方ありません。それは
「御意にございます」
一礼した玄庵はそのまま部屋を出ていった。
「琥太郎は休みなさい。急に動かせてごめんなさいね」
『勿体なきお言葉……では……』
すると琥太郎の気配も消えている。
「後は織田社長にもお礼をいたしませんとね。紘一様のお心を安らげていただきましたから」
「そうですね。ただ、その事で一花を優遇する事がないようしておかないとですね。紘一はそういうの嫌いますから」
「本当に……さ、忙しくなりますよ零奈さん!」
「はい!」
そして、北条院家当主である薫子も動き始めたのであった。
「じゅぷッ…じゅぷッ…じゅぷッ…」
「ふーん、結構大変な事があってたのね。れえぇろッ…♡」
晩。二乃と五月が部屋へと来て、二人の相手をしていた。
今は二乃との相手が終え、掃除フェラを五月が行っており、二乃は、仰向けになっている僕の右側から乳首を舐めながら今日の出来事を聞いていた。
「ちゅぱッ…♡でも、よく気付いたねお兄ちゃん。その…えっと…何て名前の人だっけ?」
「さあ?興味ないわ」
「だよね…あッ…あッ…あッ…はいってくるッ…♡」
この子達は世間話をしながらセックスが出来るから大したものだ。今も、何の躊躇なく騎乗位の状態で五月はペニスを挿入している。
その後は腰を前後に動かして、五月は快楽を得ている。
「どうッ…♡おにいちゃんッ…あッ…きもちいいッ…?」
「ああ。とても気持ちいいよ五月。そのまま五月も気持ちよくなりな」
「うんッ…♡はッ…あッ…あッ…あッ…あんッ…いいぃッ…♡」
僕の言葉を受けた五月は自身の快楽へ没頭していく。
腰の振りもどんどん激しくなり、右手を口に持っていき天井を見上げながら可愛い喘ぎ声を発していた。
「ふふん♪じゃ、私はヒロにぃに気持ちよくしてもらおっかなぁ~♡」
二乃はそう言うや否や、僕の顔を跨ぎこんでくる。
二乃の意図を汲み、僕はそのまま二乃のクリトリスを舐めたり、吸ったりを繰り返した。
「はあぁぁんんッ…♡いいわッ…ひろにぃッ…あッ…あんッ…いいぃッ…♡」
室内では五月と二乃の喘ぎ声がこだまする。
「はッ…あッ…んんッ…♡せっかくだからぁ…あッ…いつきをもっとッ…んッ…♡きもちよくさせるわねぇ…」
「あんッ…あんッ…♡ふえッ…あッ…りゃめえぇッ…♡」
最初こそは直立に座り込んでいた二乃であったが、そのまま上半身を前に倒し、五月のクリトリスを舐め始めたのだ。
また凄いテクニックを……
「あッ…にのぉッ…だめッ…あんッ…これじゃッ…はッ…♡おにいちゃんッ…イクまえにッ…はッ…わたしだけッ…あんッ…イッちゃうのッ…♡」
「ふッ…んッ…ちゅぷッ…はッ…♡いいじゃない…あッ…れろれろッ…あなたがッ…んッ…きもちよくなるのッ…はッ…あんッ…♡ひろにぃだってッ…よろこぶわよッ…んッ…いッ…ちゅぷッ…ちゅぷッ…」
「ほんとッ…?あッ…あッ…わたしだけッ…イッちゃうのッ…おにいちゃんッ…うれしいッ…?はぁッ…いいぃッ…♡」
二乃に顔を押し付けられている為、返事が出来ないので、代わりに腰を上下に動かす事で五月の問いに応えた。
「だめッ…♡そんなにッ…うごかれたらッ…あッ…あッ…いいぃッ…♡」
「ふわッ…♡ひろにぃッ…いいのぉッ…そこッ…すごくいいぃッ…♡」
「「イクッ…イクイクッ…イッちゃうううううぅぅぅッ…♡」」
二乃と五月は二人仲良く、途中から両手を握り合ってイッてしまう。
「「はぁぁ…んッ…ちゅっ…ちゅるッ…ちゅっ…ちゅっ…」」
そして二人仲良く唇を重ね、お互いの情愛を確かめている様だ。甘えるように姉妹同士でキスを交わす姿はとても素敵である。
そんな姿はいつまでも見ていたい気持ちになってくる。
だが──
「「──っ!あッ…あッ…あッ…まってッ…♡」」
僕もスイッチが入ってるのだ、腰は下から打ち上げ、二乃のクリトリス攻めはそのまま続け、更に指も使い始める。
「あッ…あッ…あッ…んんッ…ひろにぃッ…どうじッ…いまッ…むりッ…♡かはッ…あッ…あッ…あッ…あッ…」
「おにいちゃんッ…あんッ…あッ…わたしもッ…はぁッ…すごいッ…イッたばかりだからッ…♡あッ…はッ…んッ…りゃめえぇッ…りゃめりゃめッ…♡」
二人からの制止を無視するように僕の攻めは続く。むしろ、早く強くなっているかもしれない。
二人とも失神寸前である。
それでも続ける。
二乃の膣からは次々と愛液が流れ出てきて、それを吸い上げながらも続け。五月の膣もずっと締めつけたままで、それでも奥へ奥へと突き刺すのを続ける。
二人はもうイキっぱなしなのか、喘ぎ声と僕の腰を打つ音、吸い上げる音だけが部屋に響いていた。
そろそろイキそうなので、腰の動きを更に加速させていく。
「あッ…あッ…あッ…あッ…もうッ…りゃめッ…♡あたまッ…おきゃしきゅなりゅッ…♡」
二人はお互いに前に倒れ込み、それぞれが差さえあってる状態だ。
ああッ…イクッ…!
ドクンッ…ビュルルルルルッ…ビュルルルルルルルルルルルルッ…
じゅっ…じゅるるるるるるるっ…
「「おッ…おッ…おッ…おおおおおんんんんッ…♡」」
五月の最奥へとペニスを突き上げながら射精し、二乃のクリトリスを一気に吸い上げた。
二人はそれぞれ最後の絶頂を感じ、天井を仰ぎ見ている。
「しゅッ…しゅごいのッ…♡もうッ…りゃめッ…♡」
「わらしもッ…♡ひろにぃッ…ヤバいぃッ…♡」
二人とも気絶寸前だったので、慌てて布団に寝かせるのだった。
「はぁぁ…♡気持ちよかったぁぁぁ…♡」
「ひろにぃってばテクニックがどんどん上がるんだもの♪最高ね♡」
「そりゃ、君達の相手をしてたら自然にね」
今は行為後の余韻をそのままに、仰向けに寝転んでいる僕の左に五月が。右に二乃が満足そうな顔で、僕の腕をそれぞれ抱き締めながら寄り添っていた。
「スー……スー……」
「あらあら、五月ってば満足そうに寝ちゃったわね」
「このまま寝かせてあげよう。二乃も疲れただろ?今日はここに泊まると良い」
「ありがと、ひろにぃ♪」
暫くすると、五月は疲れて眠ってしまったようで、小さく規則正しい寝息が聞こえてくる。
その幸せそうな寝顔に自然と頬が緩んだ。
そんな五月を見て、二乃にも休むよう促すと──僕の腕を抱き締める力が、ほんの少しだけ強くなった気がした。
「後、一花の事もありがとね。話を聞いた時は、生きた心地しなかったわ」
二乃は僕の腕へ頬を擦り寄せながら、ぽつりと呟く。
いつもの強気な声ではない。
どこか安心し切ったような、柔らかい声音だった。
「一花ってさ。昔から変なところで無理するのよ」
「……うん」
「平気そうに笑ってても、本当は抱え込んでる時あるし。あの子、長女だから余計にね」
二乃は小さく笑う。
けれど、その笑みは少しだけ寂しそうだった。
「だから今回も、“大丈夫”って言いながら我慢してたんじゃないかって……ずっと怖かった」
ああ。
きっと二乃は、かなり不安だったのだろう。
怒りよりも先に。
悲しみよりも先に。
“一花を失うかもしれない”
そんな恐怖が、ずっと胸の中にあったのだ。
「でも、ひろにぃが動いてくれた」
ぎゅっ──と。
二乃が僕の腕を抱き締める力を更に強める。
「ほんっと……カッコ良すぎるのよ、ひろにぃ」
「ははっ。買い被り過ぎだって」
「買い被ってないわよ」
即答だった。
二乃はゆっくり顔を上げると、真っ直ぐ僕を見つめてくる。
「ひろにぃって、誰かが傷付くの放っておけないじゃない」
「……」
「だから自分が傷付いてでも動いちゃう。そういうところ、ズルいくらい優しいのよ」
責めるようで。
でも、愛おしむような声だった。
二乃の指先が、そっと僕の頬へ触れる。
「ちゃんと一花を守ってくれてありがと」
その言葉に込められていたのは、姉妹としての感謝だけじゃない。
自分が惚れた男への、誇らしさ。
そんな感情も混ざっている気がした。
「……どういたしまして」
そう返すと、二乃は満足そうに微笑み──そのまま僕の胸へ顔を埋める。
「今日はいっぱい甘えるから」
「はいはい」
「返事軽っ!」
「ははっ」
小さく笑い合う。
その隣では、安心し切った五月が静かな寝息を立てていた。
騒がしかった一日が終わり、ようやく訪れた穏やかな時間。
ふと視線を落とせば、胸元へ顔を埋めた二乃も、どこか眠たそうに目を細めている。
「……ねぇ、ひろにぃ」
「ん?」
「これから先もさ。こうやって……皆で笑っていられるわよね?」
その声は小さかった。
けれど、冗談ではなく。
確認するような、不安を滲ませた声音だった。
今回の件で、二乃も思い知らされたのだろう。
幸せな時間というものが、決して当たり前じゃない事を。
僕はそんな二乃の頭を優しく撫でる。
「大丈夫。僕がちゃんと守るから」
その瞬間、二乃の肩からふっと力が抜けた。
「……もう。そういうとこなのよ、ひろにぃは」
呆れたように笑いながらも、二乃はどこか嬉しそうだった。
そして、そのまま僕へ身体を寄せるようにして目を閉じる。
「おやすみ、ひろにぃ♪」
「おやすみ、二乃」
五月の寝息。
二乃の温もり。
静かな部屋に満ちる、幸せな空気。
僕はそんな二人の温もりを感じながら、静かに目を細めるのだった。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
今回のお話は、
“一花を守った後の時間”
そして、
“守りたい未来”
をテーマに書かせて頂きました。
事件を乗り越えたからこそ感じる安心感。
けれど同時に、「この幸せが壊れてしまうかもしれない」という不安もまた、二乃達の中には残っています。
だからこそ、最後の穏やかな時間を書きたかった回でもありました。
また、今回から薫子達──北条院側も本格的に動き始めています。
ここから先、今回の事件がどのように広がっていくのか。
そして紘一達の日常にどう関わっていくのかも、楽しみにして頂けたら嬉しいです。
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それではまた次回、お会いしましょう!