「じゅぷッ……♡じゅるッ……んぶッ……んぶッ……んぶッ……♡」
ある日の夜。
今日は桃華ちゃんの部屋へ泊まりに来ていた。
部屋に入り、ベッドへ腰を下ろしたのも束の間。
桃華ちゃんは待ちきれなかったとでも言うように僕の前へ膝をつくと、そのまま口で奉仕を始めてしまった。
「上手だよ、桃華ちゃん……」
「んふッ……♡じゅるッ……じゅぷッ……じゅぷッ……じゅぷッ……♡」
褒めるように頭を撫でてあげる。
すると、それが嬉しかったのだろう。
桃華ちゃんは目を細めながら、さらに熱心に奉仕を続けていく。
「じゅぶッ……じゅぶッ……じゅぶッ……♡」
それにしても──
最近は零奈と薫子との添い寝はもちろん、一花達の相手をすることも増えている。
茜からの積極的な求愛もある。
そうしたこともあって、桃華ちゃんと二人きりで過ごす時間を、なかなか作れずにいた。
それでも、こうして久しぶりに相手をしてみれば分かる。
桃華ちゃんの技術は、以前よりも明らかに上達していた。
元々、何をやらせても器用にこなしてしまう子だ。
一度覚えてしまえば、自分なりに考えながら上達していくのだろう。
そんな桃華ちゃんも、決して暇というわけではない。
次期当主となるため、薫子から様々なことを学んでいる。
それに加えて、受験生として勉強もしなければならない。
考えてみれば、僕以上に忙しい毎日を送っているのかもしれない。
「そういえば、どうかな?風太郎君の家庭教師は?」
「じゅるッ……ぷはッ……♡」
僕の問いかけに、桃華ちゃんは一度口を離した。
もっとも、手の動きまでは止めていない。
「ふふふ……はい。気難しいところはありますが、とてもためになっておりますよ」
そう答えながら、今度は舌先を這わせる。
「れえぇぇろッ……れえぇぇろッ……♡」
「そっか」
「最近では、皆さんで四葉さんと風太郎さんの仲をからかったりと……楽しく過ごしております」
「それなら良かったよ」
四葉と風太郎君。
紆余曲折はあったものの、二人は結局付き合うことになった。
もっとも、四葉に関しては最後まで僕との関係を気にしていたようだ。
僕に対する想い。
そして、ようやく再会できた風太郎君への想い。
その間で悩んでいたのだと思う。
だけど──せっかく再会できたんだ。
僕とのことを理由に諦めてほしくはなかった。
だから僕自身が、四葉の背中を押した。
今では二人の関係も良好らしい。
他の姉妹達からも聞いているし、桃華ちゃんの話を聞く限りでは、以前より姉妹全員で楽しく過ごせているようだ。
それなら、僕としても安心だ。
「あッ……ん、んんッ……♡」
そんなことを考えていると、桃華ちゃんの様子が変わった。
「ねえ……ひろかずさあぁぁん……?そろそろ……わたしもッ……♡」
よく見れば、桃華ちゃんはいつの間にか自分の身体へ手を伸ばしている。
どうやら奉仕を続けているうちに、自分まですっかり興奮してしまったらしい。
「いいよ。おいで」
「はいッ……♡」
僕が許可すると、桃華ちゃんは待っていましたと言わんばかりに嬉しそうな声を上げた。
ワンピースを脱ぎ、下着も床へ落とす。
そして僕が仰向けになると、そのまま嬉しそうに僕の腰を跨いできた。
まだ最後まではしない。
その約束だけは、僕達の間で変わっていない。
だからこそ、一花達から教わったという方法で、桃華ちゃんは僕と身体を重ねていく。
「あッ……ん、いいぃぃッ……♡」
桃華ちゃんが腰を前後へ動かす。
触れ合うたびに、甘い声が零れた。
「おちんちんがぁぁッ……クリにあたってッ……きもちいいのッ……♡」
このやり方にも、桃華ちゃんはすっかり慣れてしまったらしい。
腰を前後させながら、気持ち良さそうに身体を震わせている。
「はぁぁッ……♡ひろかずさんはッ……?」
「ん?」
「ひろかずさんは……ちゃんときもちいい……?は、あぁぁんッ……♡」
自分が夢中になっているのに、それでも僕のことを気にしてくれる。
本当に桃華ちゃんらしい。
「ああ。気持ち良いよ」
そう答えながら、目の前で大きく揺れている胸へ手を伸ばす。
「それに、大きな胸も揺れてて……眺めも抜群だよ」
そのまま両手で包み込むように揉み上げる。
「あ、あぁぁんッ……♡」
桃華ちゃんの背中が大きく反った。
「もっとッ……つよくもんでッ……♡はあぁぁんッ……いいぃぃッ……いいぃぃッ……♡」
「はいはい」
望み通り、少し力を込める。
すると桃華ちゃんの腰の動きが、さらに速くなっていった。
完全に自分の快楽へ没頭しているようだ。
それにしても──
危ないな。
触れ合っている部分は、桃華ちゃんの愛液ですっかり濡れてしまっている。
少し位置を間違えれば、そのまま入ってしまいそうなくらいだ。
ちゃんと気をつけないと。
……まさか桃華ちゃん、狙ってないよな?
一瞬そんな疑問が頭を過ぎる。
「あッ……はッ……い、いいぃぃッ……♡」
だけど──
「いいのおぉぉッ……いいのおぉぉッ……♡」
……うん。
本人は完全にそれどころじゃなさそうだ。
考え過ぎだろう。
「ふわあぁぁッ……♡だめッ……だめだめッ……わたくし、もうッ……♡」
胸を揉みながら、指先で乳首を弄る。
それが決定打になったらしい。
「ああぁぁぁぁッ……♡」
桃華ちゃんの身体が大きく跳ねた。
腰の動きが止まり、全身をびくん、びくんと震わせながら、そのまま絶頂を迎える。
「はぁぁッ……ああぁぁんッ……♡」
しばらくして、桃華ちゃんは僕の身体へ覆い被さるようにして荒い呼吸を繰り返していた。
「また……わたくしが……さきに……」
「別に競争じゃないんだから」
「ですがぁ……」
どうやら自分だけ先に達してしまったことが不満らしい。
本当に妙なところで律儀だな。
「はぁぁッ……すぐに、ひろかずさんも……♡」
「え?」
僕が聞き返すより早く──
桃華ちゃんは乱れた呼吸を整えながら身体を下へ滑らせると、再び僕のペニスを口に含んだ。
「んッ……じゅぶッ……じゅぶッ……じゅぶッ……♡」
「ああ……良いよ……桃華ちゃん……」
一度絶頂した直後だというのに、僕のために懸命に奉仕してくれる。
ただでさえ、こちらも限界寸前だった。
そこへ桃華ちゃんの上達した技術で追い込まれれば──
「桃華ちゃん……イクッ……!」
ドクンッ……ビュルルルルルッ……ビュルルルルルルルルルルルッ……
「んぶぶぶッ……♡」
桃華ちゃんの身体が僅かに震える。
それでも口を離そうとはしない。
「んっぐッ……んっぐッ……んっぐッ……♡」
かなりの量になってしまったにもかかわらず、桃華ちゃんは最後まで受け止めてくれた。
そして──
「んっぐッ……」
最後の一滴まで飲み込む。
「はぁぁ……♡」
ようやく顔を上げた桃華ちゃんは、満足そうに微笑んでいた。
「桃華ちゃん、大丈夫?」
「はい……♡」
頬を赤く染めながら身体を起こす。
そして次の瞬間。
「ひろかずさぁぁぁん♡」
「わっ……!」
いつものように勢いよく抱きついてきた。
僕の首へ両腕を回し、そのまま胸元へ頬を擦り寄せてくる。
「ふふっ……♡」
「ご機嫌だね」
「当然です♡」
甘えるように僕の胸へ身体を預けながら、桃華ちゃんは幸せそうに目を細める。
忙しい毎日。
次期当主としての勉強。
受験。
僕にも僕の生活があり、以前ほど頻繁には二人きりになれない。
それでも──
こうして会えた時くらいは、桃華ちゃんが望むだけ傍にいてあげたい。
僕は腕の中にいる桃華ちゃんの頭を、ゆっくりと撫でる。
「今日はこのまま寝ようか」
「はい♡ひろかずさんと一緒なら、どこまでも……♡」
「いや、寝るだけだからね?」
「ふふふっ♡」
まったく。
そうして僕達はしばらくの間、久しぶりに訪れた二人きりの夜を楽しむのだった。
「風……気持ちいいね……」
「ああ……」
ある日の午後──
僕は部屋の縁側で、三玖の膝を枕にしながらのんびりと過ごしていた。
夏の日差しはまだまだ強い。
けれど、軒下まで伸びた影の中には心地良い風が吹き込み、庭の木々をさらさらと揺らしている。
時折聞こえてくる蝉の声も、こうして何もせず横になっていると、不思議とうるさく感じない。
むしろ夏らしい音として耳に馴染んでいた。
「……眠い?」
僕の顔を覗き込んだ三玖が、静かに尋ねてくる。
「ちょっとね」
「寝てもいいよ」
「いいの?」
「うん。今日は何もないから」
そう言って、三玖の指先が僕の髪を優しく梳いていく。
……これは駄目だ。
ただでさえ膝枕が気持ちいいのに、こんなことまでされたら本当に眠ってしまう。
「三玖の足、痺れない?」
「大丈夫」
「でも、結構長いことこうしてるよ?」
「ヒロカズは重くないから平気」
「それ褒められてるのかな……」
「褒めてる」
即答された。
三玖の表情を見る。
いつもの落ち着いた表情。
だけど、ほんの少しだけ口元が緩んでいる。
どうやら本人はかなりご機嫌らしい。
最近は色々と慌ただしかったからな。
新会社の設立。
事務所と社員寮の建設。
それに伴う打ち合わせ。
ようやく一段落したと思えば、今度は会社を実際に動かしていかなければならない。
大学が夏休みだから多少は時間に余裕があるとはいえ、何も考えずに過ごせる時間は意外と少ない。
だからこそ──
こうして三玖と二人で何もしない時間が、今は妙に心地良かった。
「……ヒロカズ」
「ん?」
「こういうの、久しぶり」
「ああ。確かに」
「最近、忙しかったから」
「ごめん」
そう答えると、三玖は小さく首を横へ振った。
「謝ってほしいわけじゃないよ」
そして再び、僕の髪を撫でる。
「今こうしていられるから、それでいい」
「三玖……」
本当に、この子は──
そんなことを言われたら、ますますここから動きたくなくなるじゃないか。
目を閉じる。
涼しい風。
三玖の柔らかな膝。
頭を撫でる優しい指先。
……本格的に寝そうだ。
そう思った──その時。
「……ん?」
廊下の向こうから、微かな足音が聞こえてきた。
誰か来る。
僕は閉じかけていた目を開ける。
「誰か来たみたいだね」
そう言って三玖の膝から頭を上げようとしたのだが──
「いいよ。このままで」
「え?」
三玖の手が僕の肩へ添えられ、軽く押さえられた。
「いや、でも誰か来るんでしょ?」
「ここなら、このままでも問題ない」
「そういう問題かな……?」
少なくとも僕としては、誰かが来ると分かっているのに膝枕されたままというのは少々落ち着かない。
しかし三玖はまったく気にしていないらしい。
むしろ──
「……もう少し、このままがいい」
「…………」
そんなことを小さな声で言われてしまった。
ずるい。
結局、起き上がるタイミングを完全に失ってしまう。
そして──
コンコン
予想通り、襖が控えめに叩かれた。
「紘一様。いらっしゃいますでしょうか?」
「その声……愛海さん?」
「はい」
やっぱり。
仕事関係だったら、さすがにこの格好はまずいんじゃないだろうか。
三玖を見る。
「…………」
知らん顔をされた。
三玖さん?
「どうぞ」
仕方なく、そのまま声を掛ける。
「失礼いたします」
襖が静かに開く。
そこから姿を見せたのは、何枚かの書類を抱えた愛海さんだった。
「紘一様、少々お時間を──」
言葉が止まる。
愛海さんの視線が僕へ。
そして──
三玖へ。
正確には、三玖の膝を枕にして寝転がっている僕へ向けられる。
「…………」
「…………」
「…………」
なんだろう。
妙に気まずい。
数秒ほど沈黙が続いた後。
愛海さんは、すっと一歩後ろへ下がった。
「……お邪魔でしたか」
「待って待って!」
そのまま襖を閉めようとした愛海さんを慌てて呼び止める。
「大丈夫だから!」
「ですが……」
「本当に大丈夫。仕事の話でしょ?」
「……はい」
さすがにこのまま話を聞くわけにはいかない。
今度こそ身体を起こす。
「あ……」
背後から三玖の少し残念そうな声が聞こえた。
「ごめん、三玖。また後でね」
「……うん」
不満そうではあるものの、素直に頷いてくれる。
僕は縁側から室内へ戻ると、愛海さんと向かい合う形で腰を下ろした。
三玖も僕の隣へ移動する。
「それで、愛海さん。どうしたの?」
「はい。実は──」
愛海さんは手にしていた書類へ視線を落とす。
少し緊張しているようにも見えた。
そして一度息を整えると、その書類を僕の前へ差し出す。
「先日のお話を受けまして、企画書を作成いたしました」
「企画書?」
受け取り、表紙へ目を落とす。
そこには作品の仮タイトルと共に、企画概要が記されていた。
どうやら、かなり本格的に作り込んできたらしい。
「もう作ったの?」
「はい」
「仕事早いなぁ……」
「監督としてお任せいただいた以上、いつまでも何もせずにいるわけにはまいりませんので」
そう答える愛海さんだったが、その表情には僅かな硬さが残っている。
僕は改めて企画書へ視線を落とした。
企画意図。
想定する客層。
大まかなストーリー。
必要な予算。
撮影期間。
ページを捲るたびに、愛海さんが短期間でかなりの時間を費やしたことが分かる。
「……すごいな」
「ありがとうございます」
「三玖も見る?」
「うん」
隣から三玖が覗き込んでくる。
二人で企画書を読み進めていく。
内容そのものは、よく出来ている。
いや──
よく出来すぎている、と言った方がいいのかもしれない。
売れそうな題材。
話題になりそうな要素。
スポンサーにも説明しやすい構成。
予算に対する収益性まで、かなり現実的に考えられている。
監督として初めて提出する企画書。
だからこそ、失敗しないよう徹底的に考えたのだろう。
だけど……。
ページを捲っていくうちに、僕の中に小さな違和感が生まれていた。
最後まで読み終える。
僕は企画書を閉じた。
「愛海さん」
「はい」
「一つ聞いてもいい?」
「もちろんです」
僕は少しだけ考えてから、彼女を見る。
「これ──」
言葉を選ぶ。
企画として悪いわけじゃない。
むしろ僕なんかが口を出すのも申し訳ないくらい、しっかり作られている。
それでも。
どうしても聞いておきたかった。
「愛海さんが、本当に撮りたい作品?」
「…………」
愛海さんの表情が止まった。
そして──
返事は、すぐには返ってこなかった。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
桃華との甘いひとときに、三玖との穏やかな時間。
そして、いよいよ動き始めた愛海の映画制作。
果たして愛海が本当に撮りたい作品とは何なのか。
次回は、彼女が胸の奥にしまい込んでいた想いに迫ります。
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