※この作品はR-18です。

【R18】 このすばらしからぬ展開にも祝福を!   作:レイトカマー

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第101話 このネタ種族の嫁取りに試練を!

「駄目だ! 許さん」

 

 ダンジョンから帰還したひょいざぶろーお義父さんと向かい合い、礼儀正しくお饅頭の箱詰めを差し出して挨拶を交わしたところで、いよいよ本題へと移ったところのお言葉である。

 衆目環視の中で、娘さんを嫁にくださいと言うのは物凄くこっ恥ずかしいものがあったが、寧ろだからこそのノリでイケんじゃねえかって下心もあった。

 

「俺はめぐみんを愛しています。必ず幸せにして見せます」

 

「「「「「「「おお~っ、スゲ~、言い切ったぜ!」」」」」」」

 

 そう、これは先に群衆を味方に付けた方の勝ちだ。

 この紅魔族と呼ばれる戦闘に特化したひょうきんな種族なら、場を盛り上げさえすれば勝ちは転がり込んで来ると見ている。

 

「そうか、めぐみんを嫁に欲しいと言うなら、まずは試練を乗り越えて一人前の男であることを証明せねばならん。言っておくが、強い男でなければ紅魔族の娘を娶ることなど許されんからな」

 

 何だろう、この流れ? すっげえメンドクサイ様な気がするんですけどぉ。

 嫁取りに試練だなんて絶対嘘だろ、さてはお義父さん、たった今思い付いたな?

 

「我が娘めぐみんを嫁に欲しくば、紅魔の嫁取りの試練を乗り越えて見せよ」

 

 お義父さんも啖呵を切っちゃったよ、いやまあ紅魔族だもんな、想定内ちゃあ想定内だけど。

 逆に言えば、これくらいしか反対する理由を見付けられなかったってこと。

 娘が欲しくばワシを倒して奪い取って見よと言われる方がキツイからな。

 

「「「「「「「おお~っ、試練だ!」」」」」」」

 

「「「「「「「ひょいさん、本気だ!」」」」」」」

 

「「「「「「「試練っ!、試練っ!、試練っ!試練っ!」」」」」」」

 

 異様なまでの盛り上がりだが、俺も後には退けない。

 この場の空気を味方に付けて必ず勝って見せる。

 

「では、ひょいさん、サトウカズマ君。見届け人は次期族長の我が娘、ゆんゆんで宜しいかな?」

 

「おおっ、族長。遂に娘御が試練を突破されたか、それは実に目出度い。なれば異論などありますまい。宜しく頼みますぞ、次期族長殿」

 

「は、はい、次期族長として、私の初仕事とさせていただきます。宜しいですね、カズマさん?」

 

「俺もそれで良いっすよ」

 

「それじゃ~、試練のお題は~、儂~ら評議員に任せてもらおう~」

 

 出たな暇な商店主のオッサン、既にこっちはシュミレーション済みだ。

 族長試練と違って大した準備なんぞできっこないから、大方のとこ名乗りに運試しに、難題って流れだろうが、まだお月様は西の山の上、俺には悪魔パワーと言う強い味方が付いている。

 

「で~は、最初のお題は、当然『名乗り』じゃ。皆の前で名乗りを上げてもらおうじゃないか」

 

「承知しました」

 

 しっかしまあ、悪魔の力を借りての嫁取りつうのも、何だかなあ‥‥‥

 ま、いっかあ、俺は悪い魔法使いだし、手段なんぞ選んじゃいられない。

 正々?堂々と紅魔族の皆さんの度肝を抜いてやるさ。

 

 俺は周囲に向かって一礼してから、スタスタとめぐみんの前に歩み寄り、無限収納から召喚したステッキを奇術師みたいに回転させて放り上げ、ジャージの上を翻して一回転しながら落ちて来たステッキを手に取って地面に突き刺した。

 

 その瞬間、割れんばかりの拍手と歓声が起きた。

 

 観衆がステッキに気を取られている間に、俺は一瞬の早着替えで盗賊衣装にマントを纏って、白黒の仮面を被っていたのだ。

 この手の演出がひょうきんな紅魔族にウケることは、めぐみんでリサーチ済みだ。

 

『So Cool!』と、胸の前で両の拳を握って、紅いお目々をキラキラさせてる恋人にサムアップで応えたら、冷やかしの混じった歓声や指笛の音があちらこちらから沸き上がる。

 場を盛り上げるには、一つ一つの動作にもオーバーアクションてのが常道だ。

 

 颯爽とマントを翻して恋人に背を向け、元いた場所に戻った俺は、もう一度大仰にマントを翻して向き直り、右手を広げて高々と突き上げて、必要もないけどこれも大きな声で呪文を唱えた。

 

『プロジェクション!』

 

 そう、エルロードの王宮で、空を覆い尽くす魔法陣のフェイク映像を見せた魔法だ。

 あれから色々と使い道を考えたんだが、見上げる空よりも垂直に展開したスクリーンに映し出す方が見易かろうし、用途が広がるだろうってことに気付いたんだ。

 

 では、空間の任意の範囲に巨大なスクリーンを展開するにはどうするか?

 無から何かを生み出すのは極めて効率が悪いから、ここは存在する物を使うのが定石だ。

 最近よくやる土方系の魔法を使って物理的におっ建てることも不可能じゃないけど、終わった後に土砂の山が残るのも考え物だし、一瞬でやるには膨大な魔力を必要とするから不経済だ。

 

 となるとやっぱ水だよねってことで、水蒸気て言うか限りなく分子レベルに近い厚さのスクリーンなら、面積が巨大でも全体の水量なんてクリエイトウォーターでどうにでもできるし、高密度の極薄の霧を二重に張った平面の結界に閉じ込めてしまえば完成、ついでに拡声の魔法陣も仕込んでスクリーン全体を振動させれば、スピーカーとしても使える優れものだ。

 

 立ち位置に戻って振り向くときに、マントを翻して大袈裟なアンクションを取ったのは、仕込みのスクリーン展開の魔法を誤魔化す為でもあって、全ては紅魔族の皆さんのウケ狙いって訳。

 なんせほら、オカン仕込みの宴会芸のスキル持ちだからさ。

 

 もう一つの仕掛けは、地面に突き刺したステッキの握りに仕込んだカメラ代わりの魔法陣だ。

 魔法陣が捉えた映像を、俺の背後の空間に出現させた巨大スクリーンに映し出そうって魂胆で、言ってみれば地面突き刺し型の一脚か自撮り棒ってこと。

 

 魔法陣はラファエル先生の指導の元で、テレスコープの遠視魔法を遠隔操作が可能なスタンドアローンタイプに落とし込んだんだ。

 この辺りの小技の開発は暇潰しにもなるし、将来何かのビジネスに使えると思うから、趣味でも日々の積み重ねって大切だよね。

 

 小っちゃな魔石一個で稼働できるから、ゴーレムに仕込めば偵察行動も可能になるし、小型化にも挑戦中で、超小型ゴーレムにテーブルサイズの舞台で寸劇をやらせて、スクリーンに映し出すなんて芸当で小銭を稼げそうな気もする。

 まずは偵察行動だけどね、もうね、脱衣所とか女湯とか夢は無限に広がる訳よ。

 

 

 

 視点と画角とピントを遠隔で調節すれば、巨大スクリーンに映し出された映像に、常人の意表を突き捲ってくださるひょうきんさが取り柄の紅魔族の皆さんも、呆気に取られておいでだ。

 然らば、イッツ・ショータイムであ~る。

 

「フハッ、フハッ、フハハハハハハ~、今宵は月夜、漲るパワーに魔力上昇血行促進お肌は艶々、絶好調、絶好調なのであ~る。フハッ、フハッ、フハハハハハハ~」(敢えて『悪魔』は割愛)

 

 夜空に高らかに響き渡る笑い声、そして巨大スクリーンに映し出される吾輩の雄姿。

 ポーズなんぞ、ご幼少の頃から慣れ親しんだアニメや特撮ヒーローごっこで、体の芯まで叩き込んでんだ、まさかこの歳でやるとは思ってもみなかったが、恥も衒いも捨てさえすれば何てこともない、いや寧ろ里のひょうきん族たちの歓声が心地良くさえもある。

 

「遠からんば音に聞け、近くば寄って目にも見よ! 我が名は佐藤・和真! アクセルの街の冒険者にして、数多の魔獣、魔王軍幹部を屠りしパーティーを率いる者!」(嘘は言うとらんだろ?)

 

「やがては、紅魔族随一の、紅魔族最強の爆裂魔法使いを、嫁に迎えんと望む者~~~っ!」

 

「「「「「「「うお~っ、すげえ~、かっけ~~」」」」」」」

 

 ふっ、決まったぜ。

 やんやの大歓声が実に爽快なのであ~る。

 前世の日本でやったら、救急車を呼ばれるか、はたまた目を合わせない様に避けられるかの二択だが、紅魔族のこのノリ、嫌いじゃないぜ。

 

「お見事です、カズマさん。私感動しちゃいました。私、ずっとずっと名乗りが恥ずかしかったんです。目から鱗が落ちました。如何です、ひょいざぶろーさん? 私ゆんゆんは、紅魔族次期族長として、只今のサトウ・カズマさんの名乗りを認めます」

 

「「「「「「「おお~っ、第一の試練、突破だあ~~」」」」」」」

 

「ぐぬぬぬ、ま、まだ、試練は続きますぞ。次なる試練は、此度のダンジョン探索から持ち帰ったアーティファクトで運試しだっ! これでワシと勝負してもらおう」

 

「「「「「「「うぉ~っ、アーティファクトだってよ~~~っ!」」」」」」」

 

 アーティファクト、人工遺物に分類される過去の文明の遺産は、前世ではファンタジーゲームでお世話になったもんだが、お義父さんがテーブルの上にドンッと据えたソレには見覚えがあった。

 エールを注ぐ木樽のジョッキにも似た、大きさもまんまのソレには、丸い鍔無し帽なのか或いはバンダナなのかを被った眼帯黒い口髭の、海賊の下っ端風の男の人形が収まっている。

 

 樽の外周には上下二列で等間隔に小さな縦のスリットが並んでいて、当たりのスリットに玩具の剣を刺せば、人形が飛び出して負けが確定すると言う怖ろしいゲームだ。

 昔お爺ちゃんの家で遊んだし、生まれつき幸運値の高い俺は、当然連戦連勝の無敗だった。

 その名を『黒ひげ危機一〇』、〇は髪ではなく発、半世紀を超えるロングセラーだったはずだ。

 

 さて、結果は説明するまでもないだろう。

 周囲が固唾を飲んで見守る中、先攻の俺は軽快に剣を刺し、お義父さんは脂汗を流しながら剣を刺すスリットを選んで、その緊迫した勝負を巨大スクリーンに大映しして、ひょうきん族の皆さんにもお楽しみいただいた。

 

「ぐぬぬぬぬ、評議員、最後の試練を!」

 

「慣例じゃと、結納品として獲物を狩りに行ってもらうとこじゃが、明日からでええかのう?」

 

「何を狩れば良いんですか?」

 

「魔獣じゃ、強ければ強いほど評価が高いぞい」

 

「実は、さっき狩ったばかりの獲物を持ってるんですが、それでも良いっすか?」

 

「ほう? 狩りたてとな。どこに置いておるんじゃ?」

 

「実は『収納』持ちでして」

 

 俺は無限収納から、氷漬けのオブジェとなった一撃熊を召喚した。

 

「お~、これは文句なしじゃな。氷漬けにして倒すとは考えたもんじゃな。評価が下がる様な傷もなし、完璧な結納品じゃ。どうじゃね、次期族長?」

 

「ええ、どこからも文句の付け様がありません。おめでとうございます、カズマさん。次期族長として、試練の見届け人として、サトウ・カズマさんの試練突破を宣言致します」

 

「「「「「「「うお~っ、すげえ~、かっけ~~~」」」」」」」 やんやの大喝采である。

 

 駆け寄るめぐみんを抱き上げれば、巨大スクリーンにお姫様抱っこで大映し。

 満面の笑顔が、う~ん可愛いぞ俺の嫁。

 

「「「「「「「めぐみ~ん、おめでとう~~~」」」」」」」 うんうん、幸せにすっかんな。

 

「「「「「「「きゃ~っ、結婚して~~~」」」」」」」 そう、それが聞きたかった。

 

「「「もげろ~っ! ハードル上げやがって~~~っ! 」」」おんや? 一部から非難の声が。

 

 それにしても、なんで紅魔族の人たちって声援も罵声も揃う訳?

 なんかお約束があるの? まるで、おじゃ魔女カーニバルのオジサンたちみたいなんですけど。

 

 

 

「ところで、カズマさん。この一撃熊の個体には見覚えがあるんですが。昨日の夜、アイギスさんを纏ったダクネスさんを蹂躙した‥‥‥、ええ間違いありません。昨夜私たちが襲われた一撃熊ですよ。凄いですね、めぐみんと二人で倒したんですか?」

 

「それはカズマが一人で狩りました。惚れ惚れするくらいの秒殺でしたよ」

 

「じゃあ、さっきの爆発音はやっぱり‥‥‥?」

 

「ま、まあ、それは置いといて、これで如何ですかお義父さん?」

 

「そうじゃ、どうじゃな、ひょいさん? 儂ら紅魔族から見ても侮り難き若者ではないか?」

 

「嫌だ嫌だ嫌だあっ! ワシの可愛い娘が、めぐみんが嫁に行くだなんて、嫌だぁ~~っ!」

 

「あなた、 見苦しいですよ」

 

「ひっ、ゆいゆい‥‥‥」

 

「おめでとう、カズマさん。めぐみんも良かったわね、どうか末永く宜しくお願いしますね」

 

「ありがとうございます、お義母さん。俺たちはまだまだ冒険を続けたいと思ってます。だから、今回は婚約のお許しをもらいに来ました」

 

「あら、もう結婚しちゃっても良いのよ?」

 

「何れ落ち着いたら、必ず妻に迎えます。今は恋人同士を楽しんでますんで、これからは婚約者として皆にも紹介します」

 

「めぐみ~ん、いつでも帰って来て良いんだぞぉ~」

 

「あ・な・た?」

 

 ゆいゆいお義母さんに襟首を掴まれたひょいざぶろーお義父さんは、ズルズルと引き摺られて退場と相成った。

 

「大丈夫なのか?」

 

「長年に渡って、我が母ゆいゆいの折檻に耐えて来たお父さんです。きっと、多分、おそらく、大丈夫なのではないかと思います」

 

「思いますって、お前の父親だろうが?」

 

「ええその通りです。父親だからこそです。紅魔族の父親は、実の娘から千尋の谷に突き落とされても尚、這い上がって来た者だけがその腕に孫を抱けるそうですから」

 

 左様でございますか。大変なんだなあ、お義父さん。俺、孝行しますからね。

 

 

 

 めぐみんは同級生たちに拉致されて、質問攻めに遭っている。

 俺もさっきから酒と食い物を勧められて、おめでとうと祝福の嵐だ。

 ひょうきん族の皆さんは、宴だ祝いだと叫びながら、さっそく一撃熊の解体を始めた。

 そして、当然二番目の恋人も祝福にやって来る訳で‥‥‥、三番目は泥酔して意識不明。

 

「おめでとう、カズマ」

 

「お、おう、ありがとうな、クリス‥‥‥」

 

「大勢の人達の目の前で、娘さんをくださいかあ‥‥‥」

 

「今度はギルドで、クリスにプロポーズしようか?」

 

「ウィズの魔道具店の呪いグッズが売り切れるんじゃない? まあ、呪われたらエリスが浄化してくれるよ。そ・れ・で、次はいつ来てくれるのかなあ?」

 

「そこは第一夫人に相談してくんないかな?」

 

「それはそうだよね、婚約成立の夜だとさすがにね。うん、あたしは一人で枕を濡らすね」

 

 去り際にクリスは周囲を窺ってから一瞬で俺の唇を奪い、そして何食わぬ顔して歩いて行った。

 だけど、唯一人、クリスの行動を見ていた者がいた。

 わかり易いほどの驚愕の表情を浮かべて、俺の視線に気付くとバツが悪そうに顔を反らした。

 

 間違いなく見られちまったな、さて、どうすっかなあと立ち上がった俺は、すぐさまAIばりの高速並列思考会議を招集しつつ行動を起こした。

 

 ごく自然にゆっくりと近付いて、にこやかな表情のままで、振り返った目を真っ直ぐに見詰めながら『ゆんゆん、今日はありがとう』とお礼の言葉を告げると、俺が何を言っているのか理解できない風で、今度はきょとんとした表情を見せた。

 

「ゆんゆんが見届け人になってくれたお陰で、渋々でもお義父さんが婚約を認めてくれたんだよ。これはもう感謝するしかないだろ?」

 

「い、いえ、次期族長ですから、と、当然の務めですし、それに、クリスにダクネスさんにアイギスさんまで、試練を越えるのに協力してくださったのも、やっぱりカズマさんのお陰でもありますから、その‥‥‥」

 

「うん、じゃあ、俺たちはお互いの幸せのために、協力し合えたってことだよね?」

 

「そ、そうですね、お、お互い様ですね‥‥‥」

 

「ねえ、ゆんゆん。君は今、何も見なかった。そうだよね?」

 

 俺の目を見詰め返したゆんゆんが、壊れた人形みたいにカクカクと首を縦に振った瞬間‥‥‥

 

「おや、二人で見詰め合って、どうしたのですか?」

 

 うん、これは演出で良く用いられるパターンだ。

 

 

 

 西の山に月も沈んで星明りだけになっても、篝火が焚かれた広場ではタフな宴会が続いていた。

 さすがにいつまでも宴席の真ん中にいたんじゃ疲れるから、端っこにシートを広げてアクセル組だけでこじんまりと纏まってちびちびとやっている。

 もちろん逃走の機会を逸した次期族長殿も一緒だ。

 

 酔い潰れたお嬢様を転がして、左右に婚約者と愛人を侍らせてリア充な異世界チートハーレム、この世の春を満喫しているんだが、次期族長殿がちらちらと窺う様な視線を向けて来る。

 

「なんだかこうしてると、カズマさんのハーレムみたいですね?」

 

「わっはっは、羨ましかろう。めぐみんとの婚約も無事認められて、俺様も遂に浮気を責められる立場に成れたのだよ。どうだね次期族長殿、俺様が『この浮気者!』とめぐみんからシバかれる姿を見てみたいと思わないかね? そのためには君の協力が必要だが、どうだね今夜あたり?」

 

「カズマ、何を調子に乗っているのですか? 浮気者をシバくのは邪魔者を灰にしてからですよ。そんなに紅魔族の次期族長を亡き者にしたいのですか?」

 

「わっはっは、我が愛するめぐみんではないか? どうしたのだ、お目々がマジだぞ?」

 

「あはははは、さてはゆんゆん、カズマに惚れたね? うん、わかるわかる、あたしもあんな風に真っ直ぐに攫って欲しいなあ、ねぇんカズマ~♥」

 

「わっはっは、任せなさい任せなさい、一緒に燃え尽きて灰になろうじゃないか」

 

「うふふ、それなら婚約のお祝いのお返しに、究極の爆裂魔法でも披露しましょうかねえ?」

 

「ま、待って、めぐみん、落ち着いて、私は横恋慕なんてしないから」

 

「おや、とんだ根性なしですね? NTR展開だってドンと来いでしたのに。まあ良いでしょう。そう言えば今夜の主役は次期族長だったはずですよね?」

 

「それを引っ繰り返したのはめぐみんじゃない。結局、美味しいところを持って行くんだから」

 

「なあ、次期族長殿。これって朝まで続くのか? 主役は最後までいなきゃいけないのか?」

 

「惰性で騒いでるだけですから、主役も何も関係ありませんよ。そろそろ引き上げましょうか?」

 

「そうですね、そろそろお暇しましょう。ダクネスはカズマがおんぶして運ぶとして、あの変態鎧はどうします? 一夜限りの関係とは言えダクネスも体を許した相手ですし、目を覚ましたときに傍にいないと寂しい思いをしませんかね?」

 

「だったら放っとこうぜ。ほら見てみろよ、次々に紅魔族のお嬢さんたちが体を重ねていらっしゃるじゃないか。紅魔族の女性て皆積極的だなあ、あの奔放な紅魔族を率いて行く次期族長殿の苦労が目に浮かぶなあ」

 

「凄いね、皆入れてもらう順番を待ってるんだ」

 

「めぐみんもカズマさんもクリスまで、そんな誤解を招く表現は止めてください」

 

 わっはっは、酔っ払いに理性的な配慮など求めてはいけない。

 




さあ、受験生の皆さん。明後日はいよいよ国公立。
試練の妨げとならぬ様、エロ無し回にしときました。
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