※この作品はR-18です。

【R18】 このすばらしからぬ展開にも祝福を!   作:レイトカマー

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第110話 この温泉宿の夜に義務の放棄を!

「テレポート」

 

 見送りに集まった里の人たちの前で、誇らし気に手の平を空に向かって突き上げた紅魔族の次期族長殿が、胸のたゆんたゆんを揺らして高らかに詠唱した次の瞬間、俺たちは水と温泉の都アルカンレティアの玄関口であり荒野との境界にもなっている岩山の麓の洞門の脇に立っていた。

 

『到着しました』と、観光バスのガイドのお姉さんみたく宣言したゆんゆんは、今回の様に大人数で跳んで来るときは、人の往来の多い場所なんかだと現れる瞬間に周りを吹き飛ばしてしまうこともあるので、最低限のエチケットとして気を使わなければいけないんですと説明していた。

 

『ふ~ん』てくらいの感じで皆は聞いてたけど、この娘は気を使い過ぎなんじゃなかろうか?

 もちろんそれは、跳んで行く先で周囲に迷惑を掛けないってことじゃなくて、帯同者への説明が必要かなと言うとこで、同行者がテレポートを習得する予定であれば、アドバイスとして生きるんだろうけど、やっぱりオーバーアナウンスの様な気がする。

 

 尤もここにオカンでもいれば、街まで遠いとか、歩かなきゃいけないじゃないとか、文句の一つも垂れるところだろうが、馬車でさえ何日も掛かる距離を一瞬で移動できたんだから、感謝の言葉の一つも述べるのが普通で、ぶ~垂れるなんて人格が疑われそうなもんなんだけどな。

 

 それにしても移動した先で周囲を吹き飛ばしちまうかもなんて、考えたこともなかったな。

 知らない内に模様替えされた部屋に跳んだりなんかしたら、悲惨なことになっちまいそうだ。

 俺は周囲を見回して、ここなら問題なかろうと座標の仮登録をラファエル先生にお願いした。

 

 何故に仮登録かと言うと、出来ればあまり訪れたくない場所だからなのは言うまでもない。

 どうしても定期的に来なければならなくなった場合は、もうちょっと便利な場所を選ぶかもしれないが、その場合はとある目的のためのポーションの仕入れってことになるけどな。

 

 そのとある目的に最も深く関連している二人が、まるで俺の身柄を拘束するかの様に両腕に抱き付くと、もう一人深く関連している最年長の金髪のクルセイダーが呆れた様な笑顔を見せて、更におまけのツアーガイド然とした紅魔族の未来を背負って立つ予定の娘が、背中の重荷に相応しい胸のカウンターウエイトをたゆんたゆんと揺らしながら、青筋をおっ立てていた。

 

 

 

 スティール由来のテレポート(もどき)で跳び回ってた俺が、ゆんゆんのお蔭で切っ掛けが掴めて上級魔法の正規版のテレポートをマスターできたことは、めぐみん以外にはまだ教えていない。

 何故かって言うと、どこからでも第二爆裂道場に跳べることは当分の間秘密にしときたいから。

 だって公表しちゃったら、連泊どころかお泊りが必要な理由がなくなっちまうじゃんか。

 

 逆にアリの巣の別荘の存在も、とある事情により婚約者のめぐみんと言えども教える訳にはいかないのだが、秘密と言うものはいつか必ず暴かれてしまうことを前提に、予め幾重にもリスクを分散させるための手立てを仕込んでおく必要があるってことを、昔見た漫画の悪役が語っていた。

 

 つまり、バレちまった場合の被害を最小限に抑えるために、言い訳を用意しとけってことだ。

 この場合何をすべきかと言うと、ダクネスを連れて跳ぶ秘密の別荘を用意しなきゃってことだ。

 そうすればどこかでボロが出て、実はお泊りする必要なんてなかったんですよと嘘が露見してしまっても、三人三様ちゃんと平等にシテましたがねと、言い訳が立つってもんだと思わない?

 

 その場合、クリスの正体も明かすのかって?

 そこは女神としての天界での立場が絡んで来るし、俺にとっても魔力の最大の供給源でもあるから、次善の策として別の場所にダミーの隠れ家を追加するのが妥当な線だと思うんだよな。

 

 特にエリスの場合は、岩山の分厚い岩盤の下じゃないと天界から覗かれる心配があるし、女神の姿を現して大量の魔力を貢いでることがバレちまったら、最悪は女神の権能を封じられて失職しちまうかもしんないって話だから、アリの巣の別荘だけは何としても隠しときたいんだ。

 

 それにしても仮の姿で男漁りまではセーフってのも、天界も結構鷹揚なところだとも言えるな。

 だけど、歴史の教科書一冊分以上の時間を生きなきゃいけないんだったら、偶に摘まみ食いでもシテないと枯れちまうんじゃないかなってことぐらいは、こんな俺でも想像できそうなんだよね。

 

 そんな女神様が自分から降りて来てくれたんだったら、ご期待に応えて挿しあげたいじゃんか。

 だから本来の姿で思い切りはっちゃけてもらいましょってイッちゃうトコと、二番目の恋人と叡智なお泊りシテましたってトコは分けときたいかなって考えてんだ。

 

 現実的な案としては、鬢髪盗賊団のアジトなんで秘密にしてましたって設定でさ。

 めぐみんとは商店街の裏通りのご休憩所って選択肢もあるんだから、二人きりになれる隠れ家が複数あったとしても、今更って話に持って行けるじゃんか。

 

 三人ともアクセルの屋敷の部屋で同衾できる様になったんだし、婚約者がそこんとこを差配してくれるんだったら何も問題ないじゃんかって言いたいんだろ?

 わかってないなあ、言うまでもなく安心し切っておせっせに集中して励める環境は大事だよ。

 だっけどさあ、平穏が得られる代わりにドッキドキがなくなっちまうと思わない?

 

 今にして思えばさ、オカンやダクネスの目を盗んでめぐみんとイチャイチャしてた時期が、一番ドキドキしてた様な気もするけど、それはリア充一年生の最初の関門だった様な気もするし、周囲の目もまだ気にはなるけど、それでもめぐみんと婚約するまでには漕ぎ着けたから、今度はチートハーレム一年生のドッキドキを満喫しなきゃ生きてる意味がねえじゃんか。

 

 もちろん今この瞬間だって、めぐみんとクリス(エリス)にダクネスの三人を心から愛してるって胸を張って言えるし、俺の聖剣エクスカリバーだってズボンにテントを張れるってもんだ。

 何ならもうひとりふたり増やしたところで、おっと‥‥‥‥‥‥

 

 俺の両腕を確保している婚約者と二番目の恋人の手に、おそらくは意識的にと思われる力が籠められて現実に引き戻されたんだが、ナニコレ? キミタチ超能力者? もしかして漏れてた?

 

「カズマ、どうしたのですか?」

 

 左側から見上げる紅い瞳が、『また良からぬことを考えていましたね?』と圧を加えて来る。

 

「イクよ、カズマ。ほら、カズマの大好きな洞窟だよ、穴だよ」

 

 神秘的な銀色の髪を風に揺らせながら、洞門を指差してナチュラルに下ネタに走るのは右側。

 さあイキますよと先導する二人のたゆんたゆんに続いて、両腕に抱き付く様に可愛い胸とない胸を押し付ける二人に引かれて、俺はチートハーレム+1での最初の一歩を踏み出した。

 

 

 

 左右に人型の彫刻が施されたトンネルの入り口を入るのはこれで二度目だが、とある女神を崇める教団の、極めて傍迷惑な信者たちの本拠地であることを除けば、トンネルを抜けた先には四方を岩山に囲まれた、素晴らしく穏やかで清浄な空気に満ちた風光明媚な空間が開けている。

 温泉地であり地形の特徴からも、第二爆裂道場と同様に火山の噴火口だったのではと思う。

 

 石畳で舗装されたトンネルの出口には澄んだ湖が広がり、対岸の街へと繋がるアーチが連続する長い石が架けられていて、更にその先は斜面を登る通りが伸びて、通りの行き止まりの頂が尖った一番高い岩山の麓に、凡そ教団の教義には似つかわない壮麗な教会が建っているのが一望できる。

 

 前回は馬車で渡った石橋を歩いてみると、橋の終わりに建てられている街の入り口を飾る青色のアーチの金の装飾が華やかで、観光客を迎える街の人たちの心遣いが伝わって来る様な気がしなくもないが、敢えて言おう、それは間違いなく誤解だと。

 

 一見綺麗で賑やかな観光地然としたアルカンレティアは、一皮剝くまでもなくアクシズ教徒たちが信者獲得のために虎視眈々と観光客を狙っている魔窟でもあるのだ。

 観光客に化けて潜入し破壊活動をやっていた、あの魔王軍幹部のポイズンスライムのハンスを、情緒不安定になるまで追い詰めた狂信者たちの街なのだと言えばご理解いただけるだろう。

 

「言っても無駄かもしれんが、ここはアクシズ教徒の本拠地だからな。できればクリスとダクネスの二人には、無用な混乱を避けるためにエリス教徒であることを伏せといて欲しいんだが」

 

「まあそうだよねえ、決して歓迎はされないだろうからねえ」

 

「私は二度目だし、ここの雰囲気は嫌いじゃないから大丈夫だぞ?」

 

「そうなの? 本拠地ともなると、さしものアクシズ教徒も真面な人が多いとか?」

 

「逆ですよ、クリス。凄いです。凄まじいです。ガツガツ勧誘に来ますよ。紙を差し出されたら、まず入信申込書だと思ってください。老若男女が言葉巧みに名前を書かせようとしますから」

 

「え~っ、どうすれば良いの?」

 

「絶対に目を合わせないことだな。声を掛けられても無視して気付かないフリをする。困ってそうな人や転んだ子供がいても、声を掛けない手を差し伸べない。全部勧誘活動の切っ掛け作りの芝居だからな。断ると悪態をつきやがるから、もしも運悪く捕まっちまったら、急いでるからゴメンよと言って逃げるのが正解だな」

 

「悪態をつくって?」

 

「ツバを吐かれて暴言を浴びせられるくらいですが、繰り返しやられると地味に凹みます」

 

「俺はまずアクアと接触するから、クリスとめぐみんは一緒に来てくれ。え~と、ゆんゆんは慣れてるんだよな?」

 

「ええ、アクセルに行く前に、めぐみんと一緒に暫く滞在したこともありますから」

 

「それなら、ダクネスとゆんゆんは二人で街を楽しんでてくれ」

 

「宿はどうします?」

 

「到着してるかもわかんないし、話ができるなら長居はしたくないから、時間を掛けて話し合う必要がある場合だけだな。昼飯時になったら一旦下りて来るから、噴水のある広場で落ち合おうぜ」

 

 

 

 二人と別れた俺たちは、街の一番高い場所に建つ教会へと続く真っ直ぐな坂道を登った。

 道すがら虎視眈々と狙う信者と目を合わせない様に、初めてのクリスを真ん中に挟んで歩いた。

 三人でお互いに顔を見合わせて話し込んでいれば、ヤツラも動き出すタイミングを掴めない。

 

「ダクネスは連れてかなくても良いの?」

 

「アクアは俺とクリスの関係にショックを受けたみたいだから、家出の原因がそれなら、ことの経緯は第三者に見えるめぐみんが説明してくれた方が、アイツも理解し易いと考えてるんだ。もちろんどこかの段階でダクネスのことも話すけど、最初から全部の情報を与えちまうと、多分アイツの脳味噌じゃ処理し切れねえと思うんだ」

 

「本拠地のアクシズ教徒が輪を掛けて凄いのなら、敬虔なエリス教徒のダクネスは虐められたりしないの?」

 

「ダクネスはエリス教徒のペンダントをこれ見よがしにぶら下げて、迫害されるのを楽しみにしているのです。前回来たときもハアハア息を荒げて喜んでいましたよ。それでもゆんゆんが一緒ですから、たぶん大丈夫でしょう」

 

「信仰心を試される様なものだし、性癖も満たされるから一挙両得なんだろうな」

 

「え? あの娘、そこまで?」

 

「さて、もうすぐ着くけど、どうやって切り出すかな。連れ戻しに来たなんて言ったら警戒されるだろうしな」

 

「セシリーさんが同行しているのなら、まず到着しているか確認してみましょうよ」

 

「そう言や、めぐみんもクリスもパーティーメンバーだったよな。んじゃ、その線で行くか」

 

 

 

 結論から言うと、オカンたちはまだ到着していなかった。

 道中の町々で布教活動をしながら向かっていると、最後に隣町から手紙で知らせて来たらしい。

 要はお布施を強要しながら、宴会芸で路銀を稼いで移動してるってことだな。

 教団の最高責任者のゼスタ司祭自ら出迎えに行っているらしくて、明日には到着するそうだ。

 

 てな訳で待機組二人と噴水前で落ち合って昼食を摂りながら相談中なんだが、ダクネスは上気した顔で息も荒いし、ゆんゆんは少し蒼褪めている様にも見えるけど、まだ大丈夫そうだな。

 いやもう何があったのかなんて、聞く気にもならんけど。

 

「さ~て、どうすっかなあ。一旦紅魔の里に戻って出直すか?」

 

「出掛けに引き渡したフェンリルの素体と、もぐにんにんの残骸に皆が大興奮していましたから、戻ったら今夜も宴会になると思いますよ。暫くは放置して熱気を冷ました方が良いと思います」

 

「色々と面倒臭いことになると、明日来れなくなっちまいそうだな」

 

「あたしは初めてだから、温泉には入りたいかな」

 

「私は暫く滞在したいぞ。いたいけな子供たちから石礫を投げ付けられて罵られるのも、なかなかにゾクゾクするものがあるな」

 

「ゆんゆんはどうする?」

 

「私は‥‥‥、今日は帰りたくないです。やっと勝てたと思ったのに‥‥‥、また差を付けられた気がして、ちょっと皆の前に顔を出し辛いと言うか‥‥‥、酷いですカズマさん、黙ってめぐみんとあんなことしてたなんて‥‥‥」

 

「えっ? ゆんゆん見ちゃったの? この二人が組んず解れつ上になったり下になったりシテるところを、目撃しちゃったの? でもほら、カズマとめぐみんの二人は、親御さんの承諾を得て正式に婚約してるし、心から愛し合っているから体を重ねて一晩中愛し合っ‥‥‥痛いよ、めぐみん」

 

「クリス、今のは違うだろ? 確かにこっそり狩りには行ったけど、もぐにんにんと遭遇しちまったのは偶然だし、俺には倒せないからめぐみんの手を借りるしかなかったんだ」

 

「なんだ、手でシテもらってたんだ‥‥‥って、痛いってば、めぐみん」

 

「最近おかしいですよ、クリス。タガが外れて慎みと言うものを忘れたのですか? そんな調子だと、暫くお預けにした方が良いですかね?」

 

「あっ、ゴメンゴメン、ついね。気安い仲間に囲まれてると、何でだか緩んじゃうんだよね。だからね、お預けは勘弁して欲しいかなあって」

 

「何をお預けにするの?」

 

「将来紅魔族を背負って立つゆんゆんは、知らない方が良いことです」

 

「だが、為政者たる族長となるのであれば、多少は操心術への耐性も必要なのではないか?」

 

「ミイラ取りがミイラになる未来しか見えませんよ? それよりも、私が爆殺魔人を倒したのは、あくまでも正当防衛ですよ。もぐにんにんはカズマを敵認定して爆殺すると宣言したんですから。紅魔族には来訪者を守る義務がありますし、恋人を守るのは当然の振舞いですよ」

 

「わかってるわよ、だけど悔しいじゃない‥‥‥。また、私、引き立て役だわ‥‥‥」

 

「まあその何だ、終生のライバルって言うもんは、常に切磋琢磨し合うもんじゃないのか? 人生は長いんだし、そんなに早く決着したんじゃ面白くねえと思わないか?」

 

「そうだよ、ゆんゆん。誰もゆんゆんが劣っているなんて思ってもいないし、逆転の機会もまだまだあるんじゃないかな?」

 

「そんなの‥‥‥、あると思いますか?」

 

「めぐみんだって婚約したばかりだし、結婚がいつになるのかはまだ決まってもいないぞ」

 

「そうだよ、先にお母さんになったり、お婆ちゃんになったり、子孫の数だったり。勝負のネタはいっぱい残ってるよ。何ならカズマをNTRしたりってさ」

 

「そう言えば、『カズマさんの赤ちゃんが欲しい』と、以前口走っていたではないか」

 

「「おい!」」

 

 

 

 とまあ、不穏な空気が満ちた昼食を経て、俺たちは一軒の温泉宿に泊まることになった。

 大部屋の空きはなかったんで二人と三人に分かれて部屋を取ったんだが、チェックイン早々当たり前の様に部屋割りで揉めたのは、チートハーレムのリア充の宿命だな。

 

 俺は早々に決定に従うことを宣言して戦線離脱を図り、ダクネスにはゆんゆんにバレない様にと釘を刺してたんだが、昨夜は根元までぶっ挿して朝まで同衾して十分満足させてあげたダクネスは俺の意を汲んでくれて、俺とめぐみんとクリスが同室になるように誘導してくれた。

 利害が対立する者たちの調整は、領主代理まで務めている為政者にとってはお手のものだよな。

 

 殆ど同じ設えの二部屋だったから、まず最初に俺とゆんゆんを別の部屋にして、次に婚約者同士を引き離すなんてできないからと建前を並べた上で、羽目を外さない様にと牽制にクリスを嵌め込んだ結果、図らずも豊乳組とそれ以外に分かれてしまった訳だが、チートハーレムのリア充となった今の俺は、それを口に出す様な危ない真似をするほど愚かではなかった。

 

 ダクネスは俺たちが既にトライアングルプレイヤーに昇格していることに気付いているみたいだから、めぐみんとクリスをセットにしておけば、自分の順番が早まるかもって期待が込められてんのが丸わかりなんだが、あくまで表向きはゆんゆんを納得させるための言い訳に過ぎない。

 

 ゆんゆんには俺とクリスとの関係はバレてる様なものだから、もう何も言われなかったけれど、言わないのなら言わないなりに、気にしてませんよと態度で見せて欲しいんだよな。

 俺と目が合う度に頬染めて、恥ずかしそうに目を伏せたと思ったらチラチラ上目遣いって、それ思いっ切り妄想を膨らませてやしませんかって?

 

 そりゃあ確かにね、処女のゆんゆんの想像力なんか及びも付かないことをシテる自覚はあるよ。

 だけどさあ、君がそんな態度を取る度に、婚約者様の紅い瞳に炎がちらついてて怖いんだが。

 それでも何も言わないのは勝者なりの余裕つうか見栄なんだろうけど、ゆんゆんが天然ぶりっこを装って、終生のライバルに揺さぶりを掛けてる可能性も否定できないから、女って怖いわな。

 

 さすがにダクネスとの関係は、大貴族の令嬢で領主代理を務めるって立場がある以上、あくまでも秘密の恋人として隠し通さなきゃいけないからゆんゆんに明かす訳にはいかない。

 円満に部屋割りも決まって、俺は露天の男湯に向かったんだ。

 

 

 

 温泉を満喫して美味い料理に舌鼓を打ち、十分に英気を養ったら良い子は寝る時間だ。

 もちろん俺は悪い魔法使いだから、夜更かしをシタがるイケナイ娘たちをイカせて、意識を刈り取って眠りに就かせてあげるのが義務だよな?

 

 なのに、その崇高な務めを放棄せよと仰せなのだよ。

 せっかく温泉で良い具合に仕上がった女体が目の前にあるのに、目隠しまでされてベッドに仰向けに転がされてしまった。

 

「カズマはじっとしててくださいね♥」

 

「あたしたちが気持ち良くシテあげるからね♥」

 

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