【R18】 このすばらしからぬ展開にも祝福を! 作:レイトカマー
私は早起きだと思います。
窓の外では早起きの小鳥が、今朝も元気にちゅんちゅんと囀っています。
この部屋の主は窓の遮光カーテンを閉めませんから、日の出と同時に部屋は明るくなります。
なぜそんなことを知っているのかというと、最近は時々ここで目覚めているからです。
なぜここで目覚めているのだと聞かれても、黙秘します。
あの人も早起きだと思います。
お布団の中では早起きのちゅんちゅん丸が、今朝も元気に漲っています。
見た目は聖剣エクスカリバーと全く変わりはありませんが、こちらは朝一番のトイレの後には力を失ってしまうので、エクスプロージョンを放つまで威容を保ち続ける聖剣エクスカリバーとは、全くの別モノであるというのが私の認識です。
なぜそんなことを知っているのかというと、最近違いを実感したからです。
どうやってそれを実感したのだと問われても、弁護士が来るまでお話ししたくありません。
私の名誉を守れる範囲でお話しするなら、あくまで私は被害者であるということだけです。
昨日も大暴れした聖剣エクスカリバーに、幾度となくエクスプロージョンを撃ち込まれて、私のHPはガリガリと削られてしまいました。
あの破壊力、あの熱量は紛うこと無きエクスプロージョンでしょう。
なぜに殊更に熱量を取り上げるかと言いますと、溶かされてしまうんですよ、とろとろに。
はい、攻撃手段と気力と意思を失ってしまいましたから、間違いなくHPが枯渇したはずです。
でも、最近気付いたのですが、朝起きるとMPが増えてる感じがするんですよ。
そうなんです、回復しているのではなくて、実感として増加してるんです。
MPが増えてる実感、ですか?
そうですね、魔獣魔物の討伐による経験値のポイントを、威力に振らなければ本来有り得ない話なのですが、私の爆裂魔法、エクスプロージョンの威力が上がっているのですよ。
つまり、エクスプロージョンを撃ち込まれたことで、私の爆裂魔法の破壊力が増したのです。
その二つの事象の関連性の証明ですか?
知力にも優れると自他共に認める紅魔族の一員として言わせていただけるなら、私もエビデンスこそが最も重要であるとと考えております。
エビデンス、なんと高尚な響き、これ無くして何の仮説が立てられましょうや?
そうなのです。裏付け、論拠、証拠、それらを支える事実に基づいたデータ。
それこそが真実を見通すための唯一の手掛かり、思考思索の道標なのです。
とは言うものの、HPにしてもMPにしても概念で語られることは多くとも、実際にそれらを測定する技術もなく、数値の基となる物差しも存在しませんし、いきなり何も無い空間に表示されることもありません。
ですからこれはあくまでも私個人の、体感上のお話だとご理解ください。
その上で、まずは何故にこの様な考えを抱くに至ったのか、その理由からお話しすることに致しましょう。
「なあ、それって誰に向かって語ってるんだ?」
「ひゃん! お、起きていたのですか?」
「そりゃあ、起きもするさ。朝から何も無い空間に向かって、俺の腕の中で眠っていたはずの恋人が、小声でぶつぶつと呟いてら、そこに誰かいるじゃないかって気になってしかたないだろ?」
「そ、その前に朝から揉むのは止めて欲しいのですが、あんっ、ああっ、だ、駄目です。あふっ、そ、そんなにしたら‥‥‥」
「こんなにしたら、何か問題でも? どうして朝から揉んじゃいけないんだ? 愛しくて可愛い恋人の、こんなに柔らかなおっぱいが手の届くとこにあんだぞ。それを揉まないのは失礼ってもんだろ? 大好きなめぐみんのおっぱいだぞ、俺としては一日中でも揉んでたいのを我慢して耐えてんだぞ?」
「んもうっ、ずるいですっ。カズマはいじわるですっ」
「ごめんよ、男って可愛い娘には意地悪して気を引きたい生き物なんだよ」
「もっ、揉むのは、あんっ、い、いじわるで‥‥‥、あっ、やってるんですか?」
「いんにゃ、大好きなめぐみんの、この手の平にすっぽり収まる柔らかいおっぱいが大好きだからさ。今朝も感度抜群で嬉しいよ。こっち向いててくれたら、吸い付いて舐めたいとこなんだけど」
「もうっ、もうっ、もう~っ、どうしてあなたは、ああっ、そ、そんなにえっちなんですかっ! 」
「そんなこと言ったって、俺の腕の中に裸ん坊のめぐみんがいるんだよ? お尻も背中も俺の肌に触れてるんだよ? 可愛い大好きなめぐみんが裸なんだよ? そりゃあもう我慢なんか無理ってもんだよ。もう自覚してるだろ? 俺がえっちなのは、めぐみんのえっちな裸がそうさせてんだぜ。ああ、なんて罪深いおっぱいなんだ」
「ええっ、私が原因なんですか?」
「そりゃあそうさ、こんなに美味しそうな体なんだから。実際美味しかったです」
「もうっ! 嫌いです、そんなこと言うカズマは嫌いですっ!」
「ごめん、怒られても大好きなんだ、嫌わないで、俺、泣いちゃうよ?」
「ひゃん、当たってます、お尻に当たってますっ!」
「当ててんのよって! ごめん、もうちょっと下だよな?」
「ち、違います、そうじゃなくてっ、あああっ!」
「違うの? ここだろ?」
「ああっ、あっ、あっ、やんっ、あっ、あ~~~っ!」
賢明な読者諸氏はお気付きのことと思いますが、私はカズマに背中を向けて眠っていたのです。
そう、別に喧嘩をしたわけでもなく、嫌っているわけでもないのにです。
愛し合う男女が上になったり下になったりして、心行くまで愛し合った後に一つ寝床で朝を迎えたいと欲した場合、要は離れ離れになりたくなくて、一緒にお寝んねしたいと望んだとき、離れたくない二人はどの様な姿勢で眠ると思いますか?
もちろん一番望ましいのは、言うまでもなく向かい合って抱き合う姿勢です。
となれば、二人が向かい合うためには横を向く必要があります。
愛する相手を抱き締め合って、少しでも密着するところを多くする様に。
事後でお互いが裸ん坊なら、なおさら肌の触れ合いが多い方が嬉しいですよね。
しかし、なのです。
向かい合って抱き合うなら、よりお互いの距離を詰めたいのなら、どちらかが腕枕して相手の頭を胸に掻き抱く、またはその手を相手の背中に回して抱き締めるといった形が理想的ですし、色々なお話でも普通に描かれる光景です。
でも、よ~く考えてみてください。
人が横向きで寝る場合には頭部をどう支えるか、まずそれが問題になります。
頭のというか顔の幅が肩の幅と同じだと仰る方は特に問題ないのでしょうが、そうではない普通の幅の頭蓋骨しかお持ちでない方は、何らかの方法で頭部を持ち上げて支えていないと、首に負担が掛かってそうそう眠れるはずもありません。
そこでありがちな判断として行われるのが腕枕です。
とはいうものの、ピロートークを交わす時間ならともかく、一発ヤッてから朝までずっと相手の頭を腕に乗っけていたらどうなるか、体罰の一つでもあります正座を思い浮かべればご理解いただける通り、圧迫による血行不良で痺れてしまうならまだ笑える方で、最悪の場合は筋組織が酸欠で壊死する危険性すらあるのです。
もちろんそんな危険を冒さずとも、頭を枕に乗せてその質量を支えて、腕は枕と肩の間、即ち横を向いた相手の首の下を通せば良いとの結論に容易に辿り着くことができます。
そして大した負担を担わないなんちゃって枕の腕は、相手の背中か肩を抱いて柔肌を撫で撫でしながらより密着することが一見可能の様に思えますが、ここで一つ大きな見落としがあるのです。
それは腕枕されている相手の、横臥している下側の腕の所在です。
要は居場所がないんですよ。
それで仕方なく肘を曲げて腕を折り畳む様にして、抱かれている相手の胸の辺りに手の平を当てたりもしてるんですけど、結局自分の腕が邪魔になって密着できないんですよね。
かといって、自分の体か相手の体の下敷きになってしまうと、これもまた正座と同じく血行不良の原因になってしまうので避けたいところではありますし、ではとどちらかの体の下敷きにならない様に隙間に詰め込んで、少しでも距離を詰めることも不可能ではありませんが、愛された後のピロートークの時間くらいならまだしも、その態勢で朝までとなったら、なかなか安らかな眠りには就けないのです。
結局のところ、さあ眠ろうとなったところでどちらかが仰向けになれば解決するのですが、それでは素肌が触れ合う範囲が少なくなってしまって、せっかく一緒に眠るのに寂しいといった思いも浮かび上がってしまうのです。
要するに何が言いたいのかと申しますと、愛する人に一晩中くっついていたいのです、愛する人に一晩中抱いていて欲しいのです、愛する人の温かさに包まれてそのまま朝を迎えたいのですが、これって我儘でしょうか?
まあそこで、相談してみたんですよ。
最後は『しょうがねえな』と決めぜりふを言って助けてくれる私の恋人に。
たっぷりと愛された後に、いっぱいいっぱいエクスプロージョンされてとろとろに蕩けちゃったところで甘える様に、カズマの胸に人差し指で『の』の字を書きながら上目遣いで。
そしたら色々と試してくれて、ええ、お互い裸のまんまで体位を変えながらですから、色々と触れ合っている間にムラムラしちゃったりさせちゃったりで、もう一回エクスプロージョンを撃ち込まれちゃったり。
でも、おかげでお互いに気持ち良く眠れる形が見つかったのですよ。
人体の骨格構造は、基本的に腰を折る形で前傾する様にできています。
横から見た形を文字で表すなら『〈 』、横向きに寝るならこれが一番楽です。
では二人でとなると向かい合えば『〈〉』ですが、これだと密着してと言うのは無理があることは一目瞭然ですね。
眠るのだから敢えて向かい合わなくてもと言うカズマが提案したのが『《 』。
良いですねえ、私が背後から抱き締められる形ですが、お互いの身長や体格の差から、包み込まれる様な感じがとってもグッドで安心感が得られますし、脚からお尻に背中までぴったりと肌が重なるのがうれしいです。
その反面、私の前の方は少し寂しくなりますが、前に回された両手がその分を補ってくれますから、そこは十分我慢ができます。
ただひとつ難を言えば、おやすみなさいのキスをしてから体の向きを変えて眠ろうとしているのに、私の前に回された両手がいつまで経っても眠ってくれないときがあったりすることでしょうか。
あっ、もうひとつありました。
朝、起こしてくれるんですよね、つんつんって、後ろっから。
そして今朝もそうやって目覚めたんですが、その後の流れで‥‥‥
にゅるんと、ずにゅるっと、先っぽの丸いとこが‥‥‥
後ろからだなんて、は、初めて、こ、こんなの‥‥‥
「ふう、先っぽ入っちゃった。おはよう、めぐみん」
や、やんっ、いやっ、嫌じゃないけど、どうしてそんな、何の挨拶なんですか?
「ど、どこにっ、あんっ、挨拶して‥‥‥、ああっ、‥‥‥るんですか?」
「大好きなめぐみんの、ナ・カ・に。ほら、ちゃんとお辞儀もできるんだぜ」
そ、そんな器用な、動かさないでっ、ゆ、揺すらないで、グングンしないでっ!
私の膣口に侵入を果たした、カズマの聖剣エクスカリバーのツヤツヤの切っ先が、丸っこいのが、ああん、グングンって揺すらないで、動かさないでっ!
その近くには私の膀胱があるんですっ、昨夜からのがいっぱい溜ってるんです!
「ひゃんっ! だ、だめです、まだトイレ行ってないんですから、今刺激されたら大変な事になってしまいますっ。カズマだって、これはモーニンスタンダップなのでしょうっ?」
「うん、どちらかってえとそうかもな。けど、大きさ固さは一緒だぞ。収束条件が違うだけだからな。つっても、ベッドで大惨事ってわけにもいかないから、しょうがねえな、起きるか」
何が『しょうがねえな』ですかっ、決めぜりふの使いどころが違うでしょうっ!
そう言ってカズマが腰を引くと、先っぽが『にゅぽっ!』と抜けました。
途端に脊髄を何かが駆け上がります。
声が出ちゃいます。
「きゃっ! いきなり抜かないでくださいっ」
「あれ? もうちょっと挿入して欲しかった?」
「もうっ、カズマのばかっ」
「はいカズマ、ばかです。ばかですが、可愛いめぐみんが大好きです。いつまでも一日中でも揉んでいたいおっぱいからも、涙を飲んで両手を離しました。だからなあ、そろそろこっち向いてくれよぉ、なっ、可愛い可愛い俺のめぐみん。朝の挨拶は、お互いの目を見詰め合って、おはようからだろ?」
ホントにっ‥‥‥、この人は‥‥‥‥‥‥
ああ、だめですね‥‥‥、何が『可愛い可愛い俺のめぐみん』ですか‥‥‥
もうっ、もうもうっ、もう~~~っ!
そうですよっ、私も大好きなんですよっ、そんなあなたが、えっちなカズマが。
カズマの腕の中でよっこらしょと体の向きを変えたら、両腕を首に回して脚を絡めて思い切り肌を密着させて、今朝は私から朝のご挨拶の口づけを。
カズマはそれに応えながら、めくれてしまったお布団を私の背中にかけ直してくれてから、背中に回した手できゅっと抱き締めてくれます。
ぎゅう~っと抱き締めないのは、お互いに膀胱がたっぷんたっぷんだから。
一頻り朝のご挨拶を交わしたところで、お布団がめくれない様にベッドから滑り出たカズマは、マジックバッグから取り出した私の着替えをベッドに置くと、ガウンだけを纏ってドアから出て行ってしまいました。
カズマと一緒に朝を迎えられるのは嬉しいのですが、どうしてもこの時間だけはロマンチックの欠片も無いんですよね。
私も覚悟を決めて温かいお布団に別れを告げて体を起こすと、ひんやりとした空気が素肌に纏わりついてぶるっと震えてしまいます。
素肌の上にガウンを纏って、パンツは穿かずにパジャマの下に脚を通したところで、カズマが戻ってきました。
大丈夫だとばかりに親指を突き上げて見せたので、ドアを押さえてくれているカズマの横をすり抜ける様に廊下に出て、向かった先はもちろんトイレです。
緊迫感からの解放に安堵の大きな溜息を吐いて、拭き拭きちゃっぽんしてからレバーを引くと、あっと言う間に水で流されて何事もなかったのかの様に便器の中には透明な水が溜まっています。
以前は個室の中では深呼吸なんてできませんでしたから、息を止めて身繕いして廊下に出てから、やっと息をするなんてことをやってましたが、カズマが屋敷のトイレをあの休憩処と同じに改造してくれたおかげで、今ではとても快適です。
王都のお城でさえ、甕の水を柄杓で掬って流していたことを考えると、実はこれとんでもない贅沢なのではないでしょうか?
置かれている芳香剤の瓶もあの人の発案で、ウィズの魔道具店の人気商品の一つなのですが、お城のトイレに置かれていた物よりも香りが良い様な気がしますし、一体どれだけの引き出しをあの人は持っているのか不思議でなりません。
これはもう、私も元の暮らしには戻れませんね。
里の実家のトイレなんて、今では恐怖以外の何ものでもありませんから。
何だかんだと言って、大貴族の領主でもあるダスティネス家のお嬢様が、普段はこちらで暮らしたがる理由の一つでもあるみたいなんですよね。
部屋に戻ると、もうカズマは身支度を終えていました。
内圧を解放して身軽になった私の体を、今度は遠慮なくぎゅう~っと抱き締めて唇を吸いながらガウンの紐を解いてしまいます。
ガウンの前をはだけると、『おはよう、めぐみんのおっぱいちゃん』と手の平で包む様に揉み始めて、両方の胸の膨らみと頂点の乳首に唇をつけて挨拶します。
さすがにパジャマの下には手を掛けませんが、お尻は両手で撫で上げながら『今日も丸いね可愛いね』と挨拶を忘れたことはありません。
何なのでしょうね、この挨拶は? まあ、気持ち良いから文句は言いませんが。
キスされながらおっぱいを揉まれていると、昨夜の記憶が蘇ってあそこがじゅんとしてしまいそうですが、既に身支度を終えているところをみると、今朝は理性の方が上回っているみたいです。
いつぞやは、おっぱいを揉んでいた手の平を、そのまま下のパジャマの中にまで滑り込ませて、くちゅくちゅと水っぽい音が聞こえそうになるくらいまで指先を遊ばせた挙句に、私を抱き上げてベッドに運んでしまったこともありました。
もちろん私としても嫌ではありませんし、むしろ嬉しいくらいなんですが、ダクネスが起き出してくる時間までベッドにいたので、それからが大変でした。
アクアは朝食ができてから誰かが起こしに行きますから全然大丈夫なのですが、朝から潜伏のスキルを使ったカズマに運ばれるのは、なかなかスリルがあります。
私のガウンの前を『じゃあ、またね』と名残惜しそうに閉じてから、今朝は紳士の皮を被ったケダモノは、桶に水を張ってお湯に温めてくれています。
タオルを手渡しながら手伝おうかと言ってくれますが、また今朝も桶を膝立ちで跨いで、手でお湯を掬って洗わなければいけなそうなので、丁寧にご遠慮申し上げました。
パンツを穿かずにパジャマの下を着てるのは、それが理由だったりします。
軽いキスを交わして先に台所に向かうカズマを見送ったら、ガウンとパジャマの下を脱ぎ捨ててカズマが温めてくれたお湯で体を拭き始めます。
案の定わたしのあそこは、今朝もしっとりと濡れていました。
それともう一つ、明らかにMPが上がっています。
身支度を終えて台所に行くと、スープ鍋を火に掛けていたカズマは、アクを頼むと言ってパンケーキを焼く準備を始めました。
「そういや、今朝のあの独り言は何だったんだ? HPとかMPとか」
「え~と、そのぉ、HPやMPって知ってます?」
「そりゃ、まあな。俺が育った国でも、半ば常識みたいなもんだったからな」
「測定する方法ってありました? 魔道具とか魔法とか」
「話には聞いたことがあったけど、原理は知らないな。それがどうしたんだ?」
「HPが減って、MPが増えてる様な気がするんです」
「何かしたのか?」
「シタというか、サレタというか‥‥‥」
「何それ?」
「いわゆるナニですね」
「おい、まさか?」
「そのまさかみたいなんですけど、証明する手立てが思い付かないのですよ」